2014/11/23

2014年 J2 第42節 湘南戦

【大分 2 - 3 湘南】

激闘の最終節、全身全霊でJ2王者湘南に食らいつきましたが至上命題の勝利を得ることが出来ずに、何もドラマを起こせないままシーズン終了となりました。残念無念。最終節は全試合が同時キックオフで、他の試合経過も気になっていたのでスカパー!オンデマンドを駆使して自宅にあるPC、タブレットをかき集めてテレビと併せて4試合を同時に生観戦。ぐったりですが、今日は若干長めでお送りします。


最終節、プレーオフ圏内に関わりのある対戦は「札幌vs磐田」、「讃岐vs千葉」、「横浜FCvs北九州」、「山形vs東京V」そして「大分vs湘南」だった訳ですが、磐田は得失点差を考えると勝とうが負けようがプレーオフ圏内は堅かったので無視して、スカパー!で大分vs湘南を観ながら他の試合をオンデマンドで観るという最終節満喫プラン。真っ先に試合が動いたのは大銀ドームでした。



スタメンには前節と比べて若干の変更が。末吉が怪我のためか欠場しており、松本怜が前線になり、右サイドバックには西。今日の攻撃は右サイド偏重になりましたが良い出来でした。開始30秒で西が一発警告をもらうほど激しいコンタクトで始まった試合は、それが開始のゴングであったかのような球際の肉弾戦となりました。怪我なくJ1で戦いたい湘南の選手達が怯んでくれれば越したことはないのですが、そこは今シーズン各クラブが何をどうしようが止められなかったJ2王者湘南。真っ向から受けて立ってくれました。


激しい球際の攻防、素早い攻守の切り替え合戦の様相を見せる中、先制点を奪ったのはトリニータの流れるような攻撃でした。左サイドから右サイドのオープンスペースにいた松本怜にパスが通ると、果敢にオーバーラップしてきた西がクロスを上げ、湘南DFの後ろから飛び出した林が頭で決める。完璧なゴールで、ドラマを期待させるには十分すぎるほどの上々の出だし。湘南の3バック対策としてワイドな展開がズバッと決まったような、練習してきたことが出せました的なゴールだったと思います。


そんな中、タブレットで観ていた山形vs東京Vが動く。ヴェルディが先制。前節讃岐戦にうちが勝ったので残留を確定させたお礼でしょうか。ありがとう、ヴェルディなんて思っていたら即山形が追いつきやがんの。それに連動するかのように湘南がコーナーキックからのこぼれをミドルシュートで決めやがんの。ここ最近、大銀ドームでミドル決まりますね・・・・トリニータ側のミドルは決まらないけど。ということで、一喜一憂が半端ない観戦スタイルでした。


横浜FCvs北九州には動きがなかったものの、讃岐vs千葉ではアクシデント発生。前線へのフィードを競り合ったFW森本の後頭部と讃岐DFのヘディングが交錯。森本が脳震盪で起き上がれなくなり中断。結局森本は救急車で搬送されましたが、スカパー!の情報だと検査の結果問題無かったとのこと。この影響で讃岐vs千葉だけが20分以上終了時刻がズレる結果に。これがまたドラマに繋がったりするのか?なんて深読みしていたのですけどね・・・・。


ジョンヒョンのブレ玉FKなど、惜しい場面もあったけれども1-1のまま折り返した大分vs湘南は後半52分にカウンターから湘南に突き放される。4人もDFがいたのに、湘南FW岡田1人にループシュートを決められる。岡田へのパスも凄かったけど。そもそも湘南相手に1得点で勝てるとは思っていませんでしたが、先に2点目を奪われたのは痛恨。ショートカウンター好きな湘南にリードされるという、ほぼ絶望的な状況に追い込まれました。


数分後、横浜FCvs北九州でコーナーキックのこぼれ球を押し込んだ横浜FCが先制。退任が決まっている山口素弘監督にほぼ全選手が揉み合って抱き合うという恩返し弾。これで北九州も厳しい状況に。徐々に追い風が強くなるのに自ら帆を畳むトリニータ。状況打開のために63分に土岐田を下げて阪田を投入。ダニエルを1列前に出して、攻撃面を強化。ただ、カウンターの守備に追われる場面の方が多くてあまり効果的とは言えませんでした。この頃、讃岐vs千葉では森本の代わりに入ったケンペスがロングボールから一人でゴールを決めてしまい、千葉が先制して前半を終える。


70分過ぎ、攻撃に出ざるを得ないトリニータは風間を下げてミスタートリニータ高松を投入。林との2トップに切り替え。ここから試合を動かすんだから流石はミスター、役者が違う。またもや右サイド、もう物足りないなんて言わせない松本怜が自ら、自らですよ!?局面打開してドリブルで抜け出してクロスを上げると、湘南DFが触るも林がなんとかシュートに持ち込み、GKが弾いたところを高松が押し込む。劇的同点弾でスタジアムの歓声がスピーカーを通しても伝わりました。盛り上がり最高潮。まだ行ける、あと1点。そう、その1点を湘南が先にとっちまうからドラマチック最終節が起こせずに終わるんである。


前のめりにならざるを得ない我が軍を尻目に、大好物のカウンターで少人数でも得点を決める湘南。1プレー1プレーの質が違いました。ウェリントンのヘディングで失点したカウンターを受けた場面、誰も体を寄せることができずに足も止まっていたので、2点目の得点で全力を使い切ったような感じでした。あぁ、死力を尽くした2点目だったのか・・・・・。最後に85分に若狭を下げて木島を投入。3枚の交代枠を使い切り、後は選手に頼るのみ。


山形vs東京Vは86分に東京Vが2点目を決めて山形を突き放す。北九州も得点できずに横浜FCに屈する。追い風を感じるもウェリントン弾で船底に穴が開いた我が軍は前進できず。東京Vや横浜FCのお膳立てを活かせずに2-3で試合終了となりました。負けた。7位確定。自ら昇格プレーオフへの扉をこじ開けられずにシーズン終了となりました。


トリニータと湘南の試合自体はとても激しく、攻守の切り替えも速く、見応え十分で面白かったし先制出来た展開を考慮するなら勝ててもおかしくなかった。選手の気持ちも十分見えたし、だからこそ試合終了後に拍手が多かったのでしょう。この試合に関しては湘南の2点目が全て。4対1で決められたら諦めざるを得ない。1失点目は不思議なんだが、今シーズンのミドルシュートを決められる体質の原因は守備の時に戻る人数が多すぎて、最終ラインの前にスペースが空くことが多いからだろうか・・・。「戻るだけが守備」になっていると感じました。


4試合を並列で観ていて、トリニータが負けたこともありしばらく放心状態でした。札幌vs磐田は引き分けだったようで、結果的にJ2プレーオフ進出は唯一最終節で勝利して3位に躍り出た千葉を筆頭に、4位磐田、6位山形での争いとなりました。5位の北九州がJ2ライセンスだけしか持っていないのでプレーオフは不参加。磐田と山形の対決での勝者が千葉と戦うことに決まりました。3回目のプレーオフ、今まで6位トリニータと4位徳島の2チームが勝ち上がった実績しかないので何とも言えない。勢いの継続で言うと千葉か?シーズン終盤からレームダック状態の磐田が蘇るか?最終節にプレッシャーで躓いた山形か?全然予想できない。いい加減、天敵千葉に上がって欲しいですけど。


結局のところ、勝ち点が足らなかったのはこの試合だけでなく、ホームでの水戸戦の大逆転負けだけでもなく、シーズン通して勝ち切れない、引き分けにも出来ない試合が多かったからです。17勝、12分け、13敗。アウェイでは特に勝てなかった。1得点、1失点、勝ち点1の重みってやつですね。J2の3位から10位くらいまではここ最近どんぐりの背比べ状態で、自動昇格圏に突き抜けるためには圧倒的な戦力か監督力か、そのどっちもが必要だと思います。ましてトリニータはJ1に定着することを中期目標に掲げているのですからね。


シーズン終了後のセレモニーで社長と監督とキャプテン高木の挨拶がありました。今シーズンの最大の目標であった債務超過の解消が実現できたのは素晴らしい結果です。これまで田坂体制ではアウェイへの遠征ベンチメンバーが規定内の7人ではなく5人だったり、色んな制限がありました。ただ今シーズンは債務超過圧縮の目途がついた頃にシーズン途中での補強もあり、後半戦は結果を求めるべきだと思っていました。その中でプレーオフ進出も出来なかったので、田坂体制の継続前提の話は個人的には意外でした。


違和感があったのは、この試合の結果が考慮された上で次を考えるのであれば分かるのですが、この試合がどうであれ続投が決まっていた感じに、です。それなら先にリリース出してくれれば良いのに。打診はしていて、試合終了後に回答があったのかもしれないけど。


常識から考えて育成と結果を両方求めるのは非常に難しい。例えば自分がどこぞの企業の営業課長だったとして、部長から実績のある課員の配置転換を告げられて、その代り新卒を入れるから売り上げ目標は倍増な、なんて告げられたら転職先を探すレベルです。楽な仕事がしたい。仕事辞めたい。個人的な心の声は置いておいて、今シーズンのトリニータは中途半端だったと思います。


シーズン当初、我慢して使っていた岩武はたぶん大学進学しちゃうだろうし、FWは後藤や伊佐の成長を我慢できずに林やラドンチッチを補強して即使ってしまうし、それでプレーオフに出るならまだ分かるけど、それも逃してしまった訳で。良い言葉で言うならやれることは最大限やった、なんでしょうけど。債務超過の解消の枷があったのは分かっているつもりなんだけれども。


ピッチ外の目標は債務超過の解消。ピッチ内の目標は育成だったのか、昇格だったのか。育成路線だったけれども、途中でちょっと欲を出したと思うのです。中期計画的には「早い段階でJ1に昇格する」と濁されていますが。もっと若い選手中心で我慢し続けたのであれば、育成できました!来年勝負します!で理解はできる。ただ、それであれば夏以降の補強は何だったのかと。その補強と7位の結果に対して責任を取るのは誰なのか、と。もっと若手で我慢できたのではないかと。観客動員が明らかに減ったので動かざるを得なかったかもしれない。


結果が出なくても若手で我慢するということは田坂監督に結果の不出来を押し付けることにしかならないし、複数年契約の中でやらないとしっくり来ないことも事実。J1昇格した時でさえも三平も石神も買い取れなかったクラブが来年、「最初に」田坂監督で本当の勝負をするという決断なのであれば、支持する人はシーズンパスを買えば良い。シーズン終盤のサッカーに賭けるならシーズンパスを買う、田坂体制には我慢ならんという人はシーズンパスを買わない。ただそれだけのお話だと思います。


観客動員は減る一方だけど、今残っているクラブへの忠誠心が高いどうしようもない変態の我々はどうせ買うのでしょうが、今日来場してくれた1万2千人以上の観客の中で、シーズンパスを買っていない人が戻ってくるかどうかで「勝負の中身」が決まるのでしょう。


ただ1つ思っているのは、我々は完璧なクラブではないということ。選手も社長も監督もコーチもサポーターも、みんな育てながらJ1に定着できるクラブを目指していることを忘れてはならぬと思います。お金は潤沢ではないのですから。良い選手も良い監督も高額なんです。良いから高額なんです。そういう世界なのです。


まだ正式リリースは何も出ていないので勇み足かもしれませんが、クラブの経営規模を理解したうえで戦力と戦術を冷徹に分析できる人じゃないと正しく判断できない事案だと思います。何か数値で示してくれると分かりやすいのですが、難しいですよね・・・。結局ここまで長々と書いて、お前は一体何を言いたいんだ?と問われるとですね、個人的には急で違和感はあったけど、コスト的なこと考えると田坂体制でもう1年が一番安上がりでJ1昇格への可能性が高い選択肢だと思うに至りました。えぇ、書きながらですが。今シーズン、チームの雰囲気は悪くなかった。まとまった明るい、良いチームだったこともあります。落ち着いて考えるとまた違ったこと書くかもしれません。ひとまず今シーズン長い間、関係各位はお疲れ様でした。 また来年優勝目指して頑張りましょう。

8 件のコメント:

  1. お疲れさまでした。

    来年また頑張りましょう。

    私も首都圏在住で、アウェイでしか応援できないのですが、今年行ける試合を行かなかったのは痛恨でした。

    来年は全部行きます。

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    1. まき様

      コメントありがとうございます。今シーズンお疲れ様でした。アウェイ在住ですと行ける試合は限られてしまうものですよね。来年行ける試合は全部行かれますか!というかアウェイ全試合行きますか!素晴らしいですね!来年はもっと良いシーズンになるように応援しましょう!

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  2. お疲れさまです!!
    確かに2点目で力を使い果たしたような……
    クラブの運営は私のようなド素人にはわかりませんが地元を離れた今、やっぱり心の拠り所になっちゃうんですよね♪だからこそ応援し続けちゃうのかな……と。
    普通じゃないですよね、飛行機まで使って日帰りで応援に行くなんて!

    でもやっぱり心の底で自分の地元が忘れられないんだなって思っちゃいます!

    何かいてるんだかわかりませんが来年も応援しますよ。だって地元を愛してるんですもん

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    1. 自転車最高様

      コメントありがとうございます。今シーズンお疲れ様でした。飛行機使ってまで日帰りで応援する人は立派な変態です。私は正直な話、田舎が嫌いで都会に出たタイプの人間ですがそれでもなぜかどこかで繋がりを感じでこんな変態に落ち着きました。ふるさとって不思議ですよね。来年も頑張りましょう。

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  3. 試合レポート、写真、そして動画と、楽しく拝見させて頂いてました。

    当方アウェイ民で、ゴール裏にいるのですが、
    (試合中はよくわからない時もある)ゴールの瞬間を後から見て浸っておりました笑

    ありがとうございました&1年間お疲れ様でした!

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    1. kw様

      コメントありがとうございます。今シーズンお疲れ様でした。楽しく拝見して頂けるなんて恐縮です。励みになります。スタジアムによってはゴール裏だと反対側で何が起きているのか全く分からないことがありますよね。大体のスタジアムは網羅でき始めたので見易い場所からひっそり続けていきたいと思います。来年も応援頑張りましょう。

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  4. ハカイダー様

    今シーズンも、楽しいブログをありがとうございました。
    湘南戦は、もちろん残念でしたけれども、シーズンの最後にこんな
    見応えのある試合が見られてその点は大満足です。ドームに行けていたら、
    心からの拍手をしただろうと思います。

    「どうしようもない変態」にはまだまだなりきれてないとは思いますが、
    来年のシーズンパスの申し込み用紙が早く来ないかな~と
    そればかり考えています。九州のアウェイはたぶん全部行くと思います。

    来年もよろしくお願いいたします。

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    1. issu様

      コメントありがとうございます。今シーズンもお疲れ様でした。こんなブログを楽しんで頂いている時点でどうしようもない変態に半身浴状態だと思いますよ!?シーズンパス買う気満々ですし!来シーズン、何がどう勝負になるのか分かりませんが、良い結果を信じて応援頑張りましょう。

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