2015年6月4日木曜日

監督解任について

大分トリニータは田坂監督を解任しました。このニュースを知った時、個人的な感覚としてはクラブに解任できる資金的な体力があったことの方に軽く驚きました。よく頑張れたなと、そちらの方が感情としては先で、一時は消滅しかけたクラブが「普通のクラブ」に戻りつつある実感を持ちました。


しばらく貧乏な暮らしが続いたこともあり、完全に貧乏くさい考えが身についてしまっていて、監督の解任をシーズン途中で行うなんて贅沢なんじゃないのかと考えてしまう自分がいたのですが、正気に戻れたような気がします。突然食卓にステーキが並んだ夜に、「かぁちゃん今日何かあったの?」「何もないわよ(怒り口調)」みたいな、我が家は普通の中流階級だと言い張る母とのやりとりをした記憶がフラッシュバックする程度に衝撃的なニュースでした。と言っても、長く観ている方々であればさすがにそろそろだろうなという感覚はあったと思います。


J2で中の上くらいの強化費用で戦っている大分トリニータがJ2で最下位となってしまっていることは、J1で債務超過と戦いながら我慢していた時期とは明らかに違い、非常にまずい事態です。さらには今年、J2優勝を公言してシーズンに入ってしまっている以上、目標の修正を行う必要もあり、結果の出ない現場の責任を負う形で指揮官が責任を取って解任となることは普通だと思います。そう、普通に戻れたのです。


だからこの解任に、安堵と、残念な気持ちと、焦燥感と、期待と不安が入り混じる非常に複雑な感情を抱かざるを得ません。そもそも私は田坂さんの今シーズンの続投には賛成でした。やはりそれもまだ完全にキレイな身体になりきれていない財務状況を鑑みて、最も経済的に効率的に結果が得られそうな選択だと思ったからです。しかし、チームは生き物であったのでしょう、マンネリ化を打破するための糸口が見つからないまま不運も重なって勢いに乗れずにズルズルと最下位まで落ちてしまいました。こんなにもどかしい試合が続くとは予測できませんでした。悪くても中の上はキープできると考えていましたが今年の魔境J2では甘かったかもしれません。正直、結果が出なさ過ぎて、さすがに続投に賛成だった私も使わないシーズンパスを噛み千切ろうかと考えたりするレベルでした。


過去の経験から、うまく行かない時ほどピッチの中で起きていることに集中すべきという考えを持っていまして、なるべく冷静に試合を観ようと努めていました。今の課題は得点できるストライカーがいないことだと思っています。監督の戦術の全てが悪かったとも思えないですし、前節は完全に若狭一人で負けてしまっているような試合だったので尚更ですが、時間的猶予が無く、残留への目標に切り返る為にも体制を刷新せざるを得ない状況でしょう。よく我慢もしたし、よく決断も出来たと思います。カンフル剤でチームを奮い立たせるしかありません。


田坂さんの采配を4年半、全試合観ましたが最初の頃はファンボさんの直後だったこともあり、救世主的な存在に感じていました。ただ1つ、納得がいかなかったのは松原を育てられずに終わったことくらいです。4バックにしてからずっと右サイドバックが人的改造による応急処置になっており、それならばあの時という思いが未だにあります。わたし県北民だからでしょうか。それでもなかなか戦力を揃えられない状況で債務超過の解消とJ1昇格を共に勝ち取った思い出は永遠です。とわです。とわ。J1昇格時もやるからには優勝だって豪語してダントツの最下位に沈むという、今考えればこれはデジャヴじゃないかと思えることもありましたが、誠心誠意戦って頂けたと思います。お疲れ様でした。


田坂さんはCS放送の番組で現モンテディオ山形監督の石崎さんが目標だと言っていました。常に現場に立っている、オファーが絶えない、必要とされる人間にとのことだったと記憶しています。その石崎さんも大分トリニータ時代、3年目に解任されています。開幕後に勝ち点を積めずに5月に解任というタイミング的にも似たり寄ったりの状況で。とても不思議な縁ですが、目標とする人の跡を確実に追って、常にどこかで監督をやることになりそうな気がします。再就職先には困らないトリニータの監督経歴ですから。


代行監督の柳田氏(きっと風使い)には開き直って思い切った起用などをしてもらいたいです。コーチ時代から長い在籍期間の割に、サッカー観的なものに謎が多い風使いではありますが。そして強化部に戻った哲平さんには今の課題である得点を期待できるストライカーを見つけて来て欲しいと思います。資金的に厳しいでしょうけれども。売れるものは売るということもあるかもしれないので、不安もありますが。


人間は失敗する生き物です。そこで奮い立てるかどうかがその人間の真の評価に繋がると思います。この何度も逆境さんがいらっしゃってしまう呪われたクラブは今、いままでもそうであったように、もう一度奮い立とうとしていますので、引き続き辛抱強く、細く長くひっそりとサポートしてあげたいと思います。えぇ、私は慣れたもんでマイペースです。降格した時はあんなに嫌だったJ2に、今では狂おしいほどここにいさせて下さい状態になっちゃっていますが。次の試合はとにかく若狭に頑張って欲しい。失敗から奮い立てるか、若狭が体現してくれることを期待して週末を待とうと思います。

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