2016/09/25

2016年 明治安田生命J3リーグ 第23節 富山戦

【富山 0 - 0 大分】



シルバーウィークに富山の秘湯方面で大自然をバックに全裸でプランプランさせる旅に出たついでに観戦してきました。富山を仕留め切れず、という印象の試合でした。富山県立総合運動公園は3度目かな?前俊アッチョンブリケ事件をこの目で目撃した思い出深いスタジアム。あれからもう5年も経つのですね、前俊元気だろうか。最終節だけ活躍するとかはご容赦頂きたいです。



スタジアムの雰囲気は長いJ2経験のある富山とあって、安心と信頼のJリーグっぽさ満載。スタジアムグルメあり、イベントあり、シャトルバスありでむしろ懐かしい。観戦のハードルは訓練されたアウェイ民には非常に低く感じるのですが、現地の観客数は昔からずっと苦戦しっぱなしで、富山県民にとってはハードルが高い模様です。今日は多かった方だと思うのですが、5000人に届かず。



しかし今日集まった訓練されている側の人々はこの試合が2位と4位の直接対決であり、上位進出にはどうしても勝ちたい、負けられない試合ということを痛いほど理解している選りすぐりの客層。地元富山のサポーターと西や東や九州から集まったトリニータのサポーターの応援とでとても良い緊張感ある雰囲気だったと思います。その雰囲気を生み出せた大きな要因は間違いなく試合内容にありました。スコアレスドローではあったものの、1点を巡って体の張り合いとなりました。



今日のトリニータのスタメンは前節同様。天皇杯は選手を入れ替えてやり繰りしただけあってスタメンの身体のキレには違和感無し。いつもの4-4-2でスタート。対する富山は意外にも守備重視の印象でした。前からプレッシャーをかけてボールを奪いに来るかと思いきや、そうでもなく、トリニータは最終ラインで悠々とボールを回せていた。いつもの危うい場所で奪われるシーンはほとんどなかった。トリニータも無理せず蹴るとこは蹴るという印象。



前節、富山はYSCC横浜相手に3失点したこともあってバランスを見直したのか、無理に前に出ない、攻撃の時は攻撃、守備の時は守備と全体の意思統一が感じられ、ボールを持たれたらブロックを築いて待ち構えるスタンスでした。しかし、天皇杯での甲府の守備ブロックを経験した後ということもあって、どうにかなりそうな堅さではありました。何事も経験してみるもんです。大自然をバックにプランプランさせたこともあって、大東京の電車内でもプランプラン出来る勇気も湧いてきそうです。


試合は勝ちたいトリニータと負けられないカターレ、という前半。お互い最初のチャンスが前半の最大のチャンスとなる手堅い展開。内容的にはトリニータが充実しており、富山のセットプレーさえ決まらなければ勝ち点を持ち帰れそうな手ごたえのある前半でした。


後半に入ってオープンな展開が増え始めると試合はよりスリリングに。富山は攻撃の時は最終ラインも高めになることもあってスペースを与えると躍動する(※ゴールを決めるとは言っていない)後藤が決定機に絡み始める。三平に代わった伊佐も身体の強さは際立っていて、カウンターでのこの試合最大の得点機を生み出したのですが後藤のシュートは富山GKに止められてしまう。富山DFもこのプレーに対して全力で戻って足を攣って交代。富山守備陣も必死でした。


この時今シーズン最大の頭の抱えっぷりだったのが片野坂監督。遂に頭を抱えてしゃがみこんでしまった。もうこの流れが今シーズンの様式美になってきている気がする。この試合に関しては後藤よりも三平の方が外していたので後藤ばかりを責める気は毛頭ありませんが、「決定機外す」→「監督頭抱える」の回数が多い程トリニータは実は攻撃を作れている時間帯なのでバロメーターとしてお楽しみ頂けると幸いです。監督はパスミスとかでも頭抱えますけど。リアクションがあると我々観客側にも伝わるので面白いです。



今日の試合に関してはチャンスの作り方、セットプレーでも工夫をみせた部分もあり、強くなったなという印象を改めて持ちました。前から後ろから、繋いで攻撃、ロングボール1発で攻撃、3バックもこなせるし、交代で入ったメンバーも個性を生かして攻撃と本当に多彩になってきました。守備面でも運動量ある姫野を筆頭によく走り抜きました。暑かったにも関わらず安定感が増し、足を攣って倒れるのは富山の守備陣に多く、効果的な攻撃が出来ていた証拠だったのではないでしょうか。


個人個人の強さも富山相手にアウェイでほぼ寄せ付けずという印象。シーズン中盤ではアウェイで引き分けさえもままならなかった訳ですから今日のスコアレスドローは試合を観た限り選手達は十分頑張ってくれたと評価できると思います。仕留め損ねた感は確かにあるのですがピンチもありましたし。むしろ勝負時を先延ばししても良いと割り切った感じの富山が不気味。最低でも勝ち点1、あわよくば勝ちみたいな富山の印象でした。三浦泰年監督の行動を予想するに、まだ富山は27節に栃木との直接対決を残しており、そこまでは上位にヒタヒタと付いていこうとしていると思われます。プランプランさせてるだけでなく、ヒタヒタしてくることも視野に入れなければなりません。



自分で書いていても意味が分からなくなってきましたが、まぁとにかくですね、結果的に今日積み上げた勝ち点1が首位栃木との差を1つ縮めるという結果にも繋がっていますし、ポジティブに捉えておいた方が良いと思うのですよ。ポジティブにいきましょう。雰囲気が出てきていると思うので、優勝しそうな雰囲気をですね、醸し出したいですね。ガンバ大阪U23はもはや怖い。負けてなかった栃木が遂に堂安に屈するとは。ノープレッシャーで伸び伸びとプレーする若手怖い。



とにかく重要なのは次節です、次節。鹿児島との九州勢同士の2位争いの直接対決となります。良い雰囲気が必要です。FWが決定機を外してもため息など厳禁です。監督が頭を抱える度に、大丈夫だ次は決められるぞと、良い雰囲気を作ってあげて欲しいです。ホーム民の皆さん、特に同じメインスタンド勢はより一層の奮励を願います。今日、試合を観ていて感じたのですが本当に、最高に1プレー1プレーにヒリヒリ出来ます。上位争い最高です。観てる側でさえプレッシャーを感じ始めているので選手たちはガチガチになるんじゃないでしょうか。どうでしょうか。次節、2位争い直接対決。楽しみです。



おまけ 追加副審試合でした。追加した試合なのに微妙なゴールどころか0ゴールっていう・・・。お疲れ様でした。

2016/09/22

2016年 天皇杯3回戦 清水戦

【大分 0 - 1 清水】

エア観戦ブロガーです。天皇杯はスカパー!で観ました。映像で観れる方がレアというJ3勢にとって天皇杯生中継は得した気分。ターンオーバーで日頃出番の無い、くすぶっている若手がやってくれるんじゃないかと期待して観ていましたが90分戦っての負け、という結果に終わりました。連戦の中、無駄に疲弊することが無かったことが不幸中の幸いではあります。



スタメンはリーグ戦とはがらりと顔ぶれ変わってターンオーバー。ターノバー。ついネイティブの発音が出てしまうUSA神宮で洗礼を受けた(※お宮参り)生粋の県北民なのですが、フォーメーションはいつもの4-4-2で、右のサイドバックが黄、左が若い方の山口。センターバックが若くない方の山口とダニエルでした。ボランチが坂井と千明。右サイドがドンウク、左サイドがレイチェル、2トップが翼と伊佐という布陣。


対する清水。週末に松本山雅との上位陣直接対決を控えるも、10番の大前が先発。怪我から復帰したてということもあり、試合勘を戻すためにも起用されたか。大前がいるだけで途端にJ1っぽさがにじみ出るんですが、なぜか今J2にいる清水。我々もなぜかJ3にいるのでお互いそこはそっとしておきましょう。


雨というコンディションの中、全般に攻撃面では物足りなさはあったものの守備ではダニエルがしっかりしてくれていたのでゲームとしては形にはなった前半。清水もJ3相手にドン引きして守ったりしない王国のクラブなので甲府戦に比べてアグレッシブな試合でした。特に山形時代の天然パーマ坊主のイメージしかなかったキムボムヨンが髪を伸ばして金髪になっていてアグレッシブ。夏休み明けに急にヤンキーになった子状態でアグレッシブ。


後半立ち上がりから清水は攻勢に出てきました。高い位置でボールをキープされて苦しい展開なのに若い方の山口のプレーが安定せず危うい。後半になって攻撃は良くなった若い方の山口。時折発動する我が軍のカウンターは清水の本田拓也が止める。そんな中CKのこぼれ球を犬飼に決められて失点。昇格請負人の小林伸二監督のハーフタイムの指示で一変。長谷川悠がサイドに開いてサイドに人数をかけ、セカンドボールが拾えなくなり我が軍が防戦一方になった時間帯にきっちりと先制に成功した清水でした。


辛抱強くカウンターを中心に攻撃を組み立てはしたものの、清水の守備陣を破れるほどの連携力は無く、攻撃は噛み合わない場面やら凡ミスやらが多かった印象。物足りなかった。結局得点できずにタイムアップとなりはしましたが、キリノが戦線復帰出来ましたし、佐藤昂洋と江頭が公式戦に出場できました。次世代の選手が1歩を踏み出せたことは収穫。


ということで今年も天皇杯を掲げることはならず。週末のリーグ戦に切り替えて集中です。富山戦です、富山戦。ターノバーです。連戦でも疲労の無い選手を中心に上位にプレッシャーをかけ、下位との勝ち点差を離す山場の3連戦緒戦。ようやく山場に足を踏み入れる。ヒリヒリする週末がやってくる。


2016/09/20

2016年 明治安田生命J3リーグ第22節 C大阪U-23戦

【大分 2 - 0 C大阪U-23】



あまり期待していなかった相模原が奮闘して栃木相手に引き分けを達成。あの相模原が1失点だったので前節我々がリスクマネジメントの重要性を気付かせられたのは大きかった様子。すこぶる良い流れで上位を争う他のチームが勝ち点をポロポロと取りこぼすチャンス状態の中、まるで熱湯風呂の上で「押すなよ、絶対に押すなよ」(©ダチョウ倶楽部)と言われているような精神状態でキックオフを待ちましたが、全く空気を読まずに熱湯風呂に入ることなく勝利。安堵&安堵。これから迎える山場の麓まで無傷で辿り着けました。


J3はU-23ガチャを引き、レアな選手が出ると死ぬという現実のゲームとは逆の様相を呈して来ていますが、2位だった鹿児島が見事に藤本淳吾、岩下敬輔、パトリックというガンバ大阪U-23オーバーエイジレア度10を引きまくった上に堂安という異才が輝きすぎて6失点して無事玉砕。


同じことが起きないかドキドキしてセレッソ大阪U-23のメンバーを確認したのですが、茂庭、椋原、GK武田とDF陣に偏った構成。ドルトムントにいた丸岡はいるもののベンチメンバーも極少と悪くない引き具合。




我が軍メンバーは前節からダニエルがベンチに下がって、山岸が左に戻り、福森と鈴木の同期CBコンビ、岩田が右で先発復帰という最終ラインの変更のみ。ダニエル不在で最終ラインからのフィードが減ったのか?繋ぐサッカーがセレッソのプレッシャーを前に立ち上がりは苦しんだものの、大エース後藤がウォーミングアップとして何度か決定機を外した後に2得点で試合を決めて勝利した、というダイジェストを観ました。えぇ、ダイジェスト観ただけです。


公式HPのテキスト速報を追っていたのですが、「後藤のシュートは外れる」とかを観ると良い攻撃ができ始めている証なので吉兆だと思っています。1点目凄かった。上手すぎる。何度か外した後じゃないと入らないけど、結局入るなら何度外してもらっても構いません。右の昌也も良くなっているんでしょうか?得点機の2回だけしか分かりませんが仕掛ける姿勢が素晴らしい。10番らしくなってきました。


勝利の女神化している隠れ巨乳のサトミキも来場、ニータンも非常に手の込んだ甲冑の衣装を身にまとってカテゴリ落ち武者っぷりをアピールしていましたし、台風が近づいているのに田んぼの様子を見に行って死ぬタイプの老人と同じタイプの8000人以上が大銀ドームに集まってくれたおかげで難しい試合も勝てたと思います。大分県民と県外から駆け付けた皆様お疲れ様でした。田んぼの様子じゃなくて隠れ巨乳の様子を見に行ったおじさんが2000人くらいはいそうですが、川に流されても構わない、隠れ巨乳に命を懸けた心意気なのでそっとしておきましょう。


冒頭にも書きましたが、我々は山場の麓に無傷で辿り着いただけです。まだ1度負けるだけでひっくり返される状態の2位であって、山場はこれからです。山場だけでなく、ガンバ大阪U-23ガチャという恐ろしい対戦も残っています。来週末から始まる上位陣直接対決3連戦で栃木に肉薄できるか、富山以下を引き離せるかが鍵となります。栃木は次節ガンバ大阪U-23ガチャを引かされるという巡り合わせ。流れは確実に来ています。この流れに乗らなければなりません。


流れを重視するならば22日の天皇杯は清水エスパルスと良い試合をしたいところ。清水エスパルスはJ2で現在4位と上位を争っている最中で、しかも週末にJ2で2位につける松本山雅との大一番を控えている我々と似た状況。J3の4位は富山なので、週末にJ2とJ3で2位と4位の直接対決という凄い巡り合わせの中で、そのJ2とJ3のチームが天皇杯で戦うんだから恐ろしい。特に追いかける側の清水エスパルスが主力メンバーを温存しない訳がない。隙はありそうだけれども甲府と違って前に出てくるチームだろうからエキサイトしそう。レアな中継もありますし、くすぶっているメンバーを中心に良い試合を期待したい。「俺たちが勝ち上がるよ(大分)」「いや俺たちが勝ち上がるよ(清水)」「どうぞどうぞ(大分&清水)」(©ダチョウ倶楽部)状態になるような気もしますが、良い流れを途切れさせずに乗り切りましょう。


2016/09/11

2016年 明治安田生命J3リーグ 第21節 相模原戦

【相模原 0 - 3 大分】



J3残り10試合。ギオンスタジアムに行ってきました。監督が代わった直後の謎に満ちた相模原との対戦でした。トリニータにとって勝利は至上命題。しかし、相模原の次節の対戦相手が首位の栃木とあって、試合運びは非常に難しいものに。何せ勝った上で相模原にも自信を付けさせ、次節は栃木を破ってもらう、そんな難しい勝利の仕方が理想だったのですが出来過ぎの結果になりました。ここ最近の調子の良さで、ついうっかりやり過ぎました。



結果だけ見れば文句なしの大勝利なのですが、前半は謎に満ちた相模原対して様子見もままならずに攻め込まれ危うい場面が散見されたのは事実。相模原の攻撃を凌ぎ切れたのは大守護神修行のおかげでした。修行&修行。今日の勝利は修行のセーブが呼び寄せたと言っても過言ではないでしょう。神懸かり的セービングでチームを救いました。



ギオンスタジアムは初めての観戦。今日は湿った空気の風があり、ここ数日より涼しかったのが幸い。相模原のチャリティマッチと相まって来場者多数。メインスタンドから観戦したのですが勾配があって観やすい。トラックがあるので若干距離感は感じますが許容範囲内。問題は照明設備が無いのでJ2規格にはなっていない点。ゴール裏が芝生になっており座席数も足りない。この2点の問題でJ2クラブライセンスは発行されず。スタジアムグルメはとても充実しており、雰囲気的にはJ2に近いものの環境整備は追いついておらず。今日の試合は7500人ほど集客があったし、Jクラブ過多ぎみの神奈川県にあっても可能性はありそうなクラブ。勢いのあるJクラブ乱立してて頭が痛いですね。



さがみはらドリームマッチと銘打って日本代表級のおじさん選手たちと地元の高校選抜を戦わせる毎年恒例のイベントっぽく、集客は多めの方だったのでしょうか?チャリティマッチは何がどうチャリティになっているのかはよく分からなかったのですが、DJがちゃちゃを入れながら観るサッカーは意外と面白かったです。収益金の一部は九州の震災に募金頂けたのでしょうか?ありがたいお話です。相模原さんありがとう。来週栃木を倒してくれると心の復興にも繋がりますんで奮闘願います。日本代表級のおじさん選手たちは体力が落ちても技術は腐らないままで、やっぱり上手い。まだ比較的動ける鈴木隆行無双でした。秋田&小村も渋くまじめに守備に奔走してた。ナオトインティライミも動けていたのですが決定機のシュートは枠の外、ナオトアウトライミ。チャリティマッチ終わったら客が減った感じはしましたが盛り上がってはいました。





後はマスコットですかね、相模原に安っぽい頭のオリジナルマスコット、サガミオリジナルちゃんが誕生したことでしょうか。あ、違いますね、名前はガミティ。広報担当の社員という設定らしい。キャラ的に普通過ぎて可もなく不可もないので全国区に対してはほぼ何にもならないでしょう。地域に愛されるキャラとしては十分。どうせならインパクトあるキャラじゃないと厳しいと思いますよね、後発組は。ソフトバンクのふうさんとか、あれだけでも観に行きたくなるレベルですがそういうものが欲しいですよね、後発組は。上から目線で贅沢言い過ぎでしょうか。



トリニータのスタメンは4-4-2で左サイドに昌也。ボランチが八反田と金髪の姫野でした。



今日は相模原の謎の部分に良く対応出来ていたと思います。ピッチ状況もそれほど良い状態じゃない点に加えてチャリティマッチがあった直後でしたし、無理に繋がずに蹴る場面が適度にありました。相模原は大銀ドームでの試合もたまたま観れたのですが、前に出てこなくなった印象が強く残っていました。しかし今日は勇敢過ぎるほど最終ラインを高く設定。新監督の安永監督の方針なのか?戦える選手を選んだ感じはしました。


相模原の攻撃は整理された印象があって、まずは右サイドからの攻撃がメインになっていた感じ。3バックだったのか4-5-1だったのか4-3-3だったのか4-1-4-1だったのか何だったのか明確には分からずじまいですが右からのチャンスメイクが大半でした。対峙する形の左サイドバックは福森でしたが結構やられた印象。しかしそこは大守護神修行がいましたから何とかなったのですが、前から前からプレッシャーをかける相模原の積極的な仕掛けが目立った前半でした。



だからこそ前半終了間際の先制点が大きかった。相模原の外国人DFの肘が三平に入って得たFKでしたが、清本が相模原GK能活さん(41歳)相手に見事に決めて先制に成功。そのままタイムアップとなる前半のラストプレー。ストンと落ちる美しい軌道。前半は後藤の決定機を止めるなど能活さん(41歳)も修行と並んで集中力高めでしたが、破って見せました。


後半も相模原は最終ラインが高すぎる位置を取り過ぎ、広大なスペースを後藤と三平が自由に駆け巡るという一大スペクタクル巨編を演じて結果追加で2得点。栃木は我々よりもカウンター偏重型なので先が思いやられるのですが、サッカーとしては今の方が好感は持てます。大分銀行ドームでは2失点しても3失点しても深井だけが前に出て戦っているような印象を持っていたので、今日のサッカーの方が断然正しいと思います。相模原の試合を多く観た訳ではありませんが、前半途中までは断然良くなった印象を持ちました。バランスは修正すべきで、最初の勢いのまま先制に成功さえすれば栃木も苦しめることができるのではないでしょうか。前に出過ぎない、栃木のホームに乗り込むので引き分けでも十分。相模原は引き分けなんか一切考えずに前のめりに倒れそうですが、少しでも栃木に傷を負わせて欲しいと願います。



J3では脅威的な7500人以上も集客した上で3失点もして、相模原ゴール裏の少年たちがサッカーし始める惨憺たる状況になってしまって傷心気味だとは思うのですが、かつてJ1やJ2で2万人以上集客するイベントを数年に亘って開催した挙句、一度も勝てないままJ3に降格した某クラブもあるくらいなので、これくらいでめげる必要はありません。いやめげている暇はありません、首位を撃破すればお釣りがくるレベルです。前を向け相模原!次節頑張って欲しい(※切実)



傾斜のあるゴール裏芝生席でボールを回し始める少年達。ここにしかない素晴らしい光景。ボール使ってて注意されたのかすぐ終わっちゃいましたけど、走り回る子供たちは多かった。


トリニータ的には結果が重要でしたので、何も言うことはありません。後藤も、交代で入った伊佐も得点できなきゃおかしい状況があったような気がしますが、勝ったので良いんです。残り9試合、全て勝ち切る勢いが重要です。上手く緒戦を乗り越えられました。次節はホームに戻ってのC大阪U-23戦です。他のJ3上位陣が軒並み上々の滑り出しなので、全ての試合が重要になってきます。上位陣直接対決を前に、負けられない試合。9月決戦は続く。



アウェイでも時々あるトリニータブルーのユニフォーム。やっぱり青は良い。


2016/09/03

2016年 天皇杯2回戦 甲府戦

【甲府 0 - 0 大分】(PK:大分 7 - 6 甲府)



PKでうっかり勝ってしまいました。天皇杯を戦い続けて3度目。まだ2回戦という違和感を抱えながらも甲府まで行ってきました。県代表に選ばれただけあって強かったです。しかし、正直私はモチベーションが低くてですね、行くかどうか悩んでました。J1の甲府さんの胸を借りるのは申し分無かったのですが、やっぱり3バック&坂井システムを観たかったんですよ。



中断期間に試行されたという3バック、トップ下に坂井という魅惑のシステム。残念ながら坂井の怪我、怪我がなくても日本代表に選ばれていたので観ることは叶わない運命だったのですが、強い興味がありましてですね、それがもし観れるのなら雨でも行くつもりでしたが、坂井と岩田不在の中で快晴の4バック。モチベーションは上がらず状態。メインスタンドからしっとりと観戦。



来週の相模原戦の方が重要と思っていましたから、そのための調整としてJ1甲府さん相手にどれだけ出来るのか、中断期間にどれほどの仕上がりになったのかを確認しにだけ、確認しにだけ行ったんです。もしうっかり勝つと日程的にも厳しさを増すので、90分で勝負が決まれば理想だな、そんな、肩の力を抜いて観戦しに行ったのですが結局うっかり勝ちました。最後PKではガッツポーズ出ました。えぇ、甲府さん何やってんだって話なんですけど。



今日はすんなりいつもの4バックに戻りましたが、岩田が日本代表遠征で抜けていまして、右には山岸キャプテンが入り、左は福森という構成。若々しい2トップが最後まで走り切りました。対する甲府。3バックなんですけど、守備時は両サイドが下りてきて5バック状態になってブロックを形成するJ1生き残り戦略。攻撃時は両サイドがワイドに開いた上で果敢に上がって、対角線の長いパスが通るとチャンスになる。その長いパスの精度とかはやはりJ1だなと思ったのですが、さすがにJ3相手にボールを持たせるっていうのはいかがなものかとも思いました。



現実を見据えてJ1で生き残り続けた甲府とあの頃よく分からない理想を追ってJ3まで落ちた大分とのコントラストがくっきりと。ボールを保持して何とかブロックを崩そうとする大分の攻撃陣とそれを許さない甲府の守備陣。あの頃はよく分からない理想を追っていましたが、今我々は自前で育てた選手達と攻撃的サッカーという理想を追っています。まだ道半ばで甲府守備陣を破ることは出来なかったけれども、何とか崩そうとする意図を凄く感じられた。



お互いに守備陣の集中力が高く、決定的場面の少ない試合でした。選手交代も両指揮官はなかなか動かなかったですし、延長、PKになってしまうのも仕方ない膠着状態が続きました。特にトリニータの守備陣がカウンターを許さなかったのが秀逸。甲府相手に無失点ですからね、上々の仕上がりっぷり。ただまぁダヴィとか甲府の攻撃陣が不甲斐ない感じがしたのも正直なところです。何だか勝てそうな雰囲気が出てきて徐々にテンションも上がる。延長にまで入って負けるよりは勝った方が相模原戦には繋がるな、と少しずつ贅沢な考えに。延長もスコアレスとなりPK戦に突入。



PK戦前の円陣では「笑顔でいこう、笑顔で」と誰かの声がスタンドまで聞こえてきました。良い雰囲気でした。



笑顔から監督の話でピリッとする。



PKを実施するサイドがトリニータ側と分かるや否や前に出てきたプロ観戦者の皆さん。甲府GKとキッカーに少しでも何かしらの嫌がらせを届けようと戦っていました。お陰でギリギリの勝利を得られました。暑い中、お疲れ様でした。


後藤が先陣を切ったのですが、枠外し芸を発揮。結局外したのは後藤だけですよ。何でですかね?試合前の練習とかを観ていても後藤が一番テクニックあるように感じるのですが、今日は結果が出ませんでした。修行に美味しい物を贈らなければなりません。圧巻のセーブ劇だった修行。セーブされたのが松橋優。大分トリニータ枠外し芸の系譜。甲府でサイドバックに魔改造されたけれども、まさかJ1でもこれほど長くやれるとは。卒業生たち誇らしい。あ、枠外してないわ、修行がセーブしたんだった。枠内だったからやっぱり先輩の方が成長していました。修行のセーブが今日はゲーム中から素晴らしかった。


来週の相模原戦がとても楽しみになりました。良い状態だと確認完了。チーム全体が底上げされた感じ。J3残り10試合+天皇杯3回戦。クライマックスが近づいてきました。全員で勝ち取りましょう。