2018/05/13

2018年 明治安田生命J2リーグ 第14節 岐阜戦

【大分 2 - 1 岐阜】



前節でGW連戦を終え、選手層の厚みを感じさせた大分トリニータ。大銀ドームに戻っての14節、クセの強い岐阜を迎えての一戦をDAZN生観戦。前日まで天候が悪かったようで無事、芝がシャバシャバの状態でパスサッカー向きの環境が揃っていました。岐阜さんの方が躍動してしまったけどな。先週このブログでももう誰がスタメンなのか分からないと書きましたが、予想するのが難し過ぎるレベルの驚きのスタメンとなりました。


思想の強すぎる岐阜を相手に4バックで布陣。蓋を開けてみれば4-1-4-1で星と怜をサイドバックに使うという攻撃的なメンバー選定。アンカーに丸谷を配置して、久々のスタメンとなった小手川と宮阪を一列前に使い、中盤を厚くすることで岐阜のパスサッカーに対抗するという、岐阜対策をふんだんに採用した岐阜ギャフン大作戦が発動となりました。心配された後藤も怪我から復帰。これが功を奏するのか、裏目と出るのかが楽しみな試合前となりました。


大木監督の特長である過剰なパス回しに対して、昨年も4バックで対策した片野坂監督。我が軍は基本的に速めに帰陣してブロックを作る守備なので岐阜がしっかりとボールを回しながら徐々に侵攻してくるゲーム展開に。無理して奪いに行かず、とにかく我慢して構える。時折ダイアゴナルランと呼ばれる斜めに走ってマークの受け渡しを混乱させる動きを見せた前半の岐阜ですが、我が軍の守備陣はしっかりと我慢して流れの中から決定機を作らせなかったのは対策が活きた証拠。


ただ、ボールを奪うチャレンジの数が少なかったので、攻撃の回数も少なくなってしまった。それでも攻撃の質が高い今年のトリニータは決定機も作り出せており、思想の争いとして訓練済みの人が観戦すると非常に面白いんだけれども、世間一般にはトリニータが押し込まれるだけの退屈な一戦に観えてしまう試合だったと思います。そんな思想とは無関係のセットプレーから失点してしまうというのがこれまた味のある前半となりました。岐阜はパス回しにGKをあまり使わない。我が軍はゴリゴリ使う。違う思想が面白い。


リードを許したトリニータでしたが、後半開始早々にロングボールに抜け出した伊佐が直接決めて同点に追いつくことに成功。手数をかけて攻撃を行う岐阜に対するアンチテーゼ、パス1本で1得点というゴールという結果を得るための手段として何を良しとするのかという思想闘争の最たるゴール。素晴らしい精度のあるゴールで、試合の流れを一変させた値千金の同点ゴールとなりました。最終ラインからアシストとなったパスを出した福森、今日は最終ラインでボール回しをしている時に相手の股を抜くとか不必要に恐ろしいことをやってのけていたので調子が良かった模様。あれ、スペインなら「オーレー!」って観客が喜ぶやつ。圧巻でした。


ここからトリニータは清本、川西、三平と攻撃陣を次々と刷新。岐阜の攻撃を受け切った上で、回数は少ないけれども質の高い攻撃で、ヤルかヤラれるかという様相に。試合を決めたのはアディショナルタイム。カウンター気味に小手川がボールを保持すると、ゴール前に走り込む清本にピタリと配給されるパス。昨年最終節熊本戦のライダーキックを彷彿とさせるシーンもシュートは力なく、岐阜GKビクトルに弾かれるも、三平が押し込んで逆転ゴール判定となりました。怪しかったけど、判定は判定ですね・・・。スッキリはしないゴールだったけれども逆転成功。試合はこのままタイムアップとなり珍しく逆転勝利となりました。首位のチームが美しい連携攻撃を奏でたので逆転となってしまいます。コーナーキック時に手拍子が聞こえるスタジアムに生まれ変わったことも大きかったかもしれません。雰囲気が味方しました。対岐阜、相性が良すぎて申し訳なさを感じる。


これで勝ち点30となり、30台に一番乗り。引き続き単独首位キープに大成功してしまう。終わってみれば戦略勝ち。特に後半は岐阜のパス回しについていけなくなり、かなり危うい守備状況ではありましたが、身体を投げうって失点を「1」以内に留めれば今の攻撃陣は2点取れてしまう破壊力を有しているので何とかなってしまいます。1失点くらいでは動じないメンタリティが大事。セットプレーから得点が生み出せればもっと楽になるんだろうけれども。


恐ろしいことに、最終的な公式記録上のシュート数はトリニータ8本vs岐阜9本とほぼ変わらず。思想の違いはあれどもチャンス数は似たり寄ったりでも勝つのはゴールを決めた方。判定は怪しかったけどな。ともかく我が軍は圧倒的に敵をなぎ倒していくような強さがあるレベルでもないので、競合を分析しながら柔軟に構え、毎試合敵を倒すことを続けていく以外ありません。次節は2位山口をホームに迎えての首位攻防戦となります。お互いにここまで同じ総得点数27を生み出している攻撃力を持つもの同士。1試合平均約2点取っているチーム同士の試合ですので、次節もヤルかヤラれるか、動きのある試合になると予想されます。非常に楽しみな一戦です。次の日曜日が待ち遠しい!


0 件のコメント:

コメントを投稿