2018/06/03

2018年 明治安田生命J2リーグ 第17節 熊本戦

【大分 2 - 0 熊本】



試練の6月。トリニータも梅雨に入ってしまうのかどうかを占う、隣県熊本をホームに迎えての一戦でしたが見事に勝利をもぎ取ったトリニータ。前節甲府で豆腐と化した守備陣が高野豆腐くらいにまでは戻れました。鉄壁とまではいきませんでしたが久々に無失点。J2は土曜日に多くの試合が開催され、結果待ち状態となった長州と博多方面から滲み出る負のオーラを物ともせず首位堅持に成功しました。


前節記録的な失点で暗雲立ち込めた我が軍の戦略。GKを含めた低いラインでのパス交換に狙いを定めて奪い取り、そのままショートカウンターに繋げるトリニータ対策を施してくるであろう各クラブの監督。その対策を上回れる練度と強度が示せるのかどうかが今日1番の注目点でした。この点が今日のメンバー選定に影響を及ぼしたであろうことが感じ取れました。


伊佐ワントップのチョイス。これが前半戦16試合を経て導き出された答えなのかもしれない。裏へ抜けるスピード、競り合いでの強さ。敢えてスタメンで使うことで相手の出方がどうであれ安定した試合運びに繋がる。伊佐の身体能力で試合を作る時代ですよ、素晴らしい成長ですよ。


問題は対峙した熊本。どんな塩梅のプレスにくるか。今シーズンは我が軍と同じく3バックを運用する渋谷監督の手腕により開幕当初は調子が良かった。ただ、失点が止まらず勝ち点を伸ばせていない様子。前線に長身のFWを入れているので機動性薄めで前半は上手くいなせた印象。そう、前半は完璧な出来だった。前半は。


暑さもあってか然程プレスをかけてこなかった立ち上がりの熊本。裏を狙う伊佐の存在が大きく、最終ラインが押し上げられず。全体が間延び。プレスに行けば裏を狙われ、構えればボールを回されサイド攻撃を受けることになる絶妙のバランスに困惑の肥後もっこす。良い流れの中、伊佐の強さが起点となり右サイドからチャンスメイクし馬場が先制点を叩き出す。前半は本当にバランスが良く、熊本を寄せ付けなかった。


このままで終わらなかったのがかつて大宮を昇格させた渋谷監督。後半は前半よりも割り切ってシンプルな縦パスをFW皆川に供給してラインを押し上げることに成功。強いFWには強いFWで。この思想、シモビッチとかがいるチームを率いたら結果出しそう。トリニータは起点を潰せず、苦しい時間帯が続きました。鈴木が警告を貰ってしまうし、福森も足に違和感があったらしいしで守備陣が崩壊寸前。國分と川西を投入して前線で時間を稼ぐ策を施すも、今度は伊佐が限界を迎えてしまう。最後の交代はその伊佐に代えて三平。守備陣はなんとかしろ状態。今シーズン、竹内の出番の少なさたるや。


で、本当になんとかしたのが鈴木でした。皆川への楔のパスに対して反応、皆川を吹っ飛ばし、ボールを奪ってそのまま駆け上がる。右サイドでフリーとなっていた後藤にラストパスを送る鈴木。守備でなんとかするより追加点で安全圏へいく気満々のドリブル。そしてこの日、再三フリーになりながらも中々ボールが回って来なかった後藤が最後の最後にキッチリとゴールを決めて勝負あり。熊本を退け、九州ダービーを制しました。


今日はとにかく守備陣が汚名返上の無失点で抑えてくれたことが大きい。後半凄い危うかったけれども、結果やられてないから問題無し。さらに警告を1枚貰った状態なのにアシストで試合を決めてしまった鈴木。素晴らしい成長ですよ。今シーズン3バックの真ん中を任せられ、新しい課題と向き合いながら日々成長を続けている。


試合運びの面では意識の高さと、守備陣の気持ちが全面に出た試合でした。交代メンバーも持ち味が出せていた。熊本がアウェイの白いユニフォームだったことだけが少し残念。青と赤で対決したかったけれどもダメなんだろうか。青と赤ならインスタ映えするのに。


天皇杯は燻っているであろうメンバーを思い切って使って欲しいものです。試合に出てないメンバーが見たいけれども、中継も無いのでブログも書きようがありません。また山口と対戦ですよ。この連戦を乗り越えて愛媛戦。リーグ戦はしばらく伊佐固定で良いんじゃなかろうか。ワントップが潰れて馬場と後藤が得点する流れが良い。もう一度連勝できる上昇気流を作り、試練の6月を乗り越えましょう。

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