2019/12/17

データで振り返る2019

J1参入プレーオフも終わり、完全にシーズンオフに入ってしまいました。天皇杯?知らん。契約更新もユースから昇格させた若手や漢・馬場賢治を切ったり、陰鬱なことが多いので現実逃避がてら大分トリニータを中心に気になったデータを抽出してシーズンを振り返ってみたいと思います。早々に残留を決めた素晴らしいシーズン、個人的に最も気になっていたデータが走行距離とスプリント回数。これ、J1じゃないと公表されないデータなのでJ1に昇格したからこそ簡単に把握できるようになった有り難いデータなのです。今シーズン、最も走った選手は誰だったのか。全てのデータは公式アプリとかWebに掲載されているので細かく全て観たい人は頑張って探してください。Webはここから→https://www.jleague.jp/stats/



最も走った選手はセレッソ大阪の奥埜選手で13.62Kmと激ヤセしそうな運動量。2位は広島の松本選手。こちらも2位、3位、4位入賞とコンスタントに13Km以上走るのは凄い。この上位の2名が最も走った試合が大分トリニータ戦なのです。それも前半戦の大分トリニータ戦という、シーズンで一番走らなければならない何かを提供できていたってことでしょうか。ちなみにセレッソとの試合は引き分け、広島との試合は負けています。走る選手がいるチームとの戦いは分が悪かったかも。6位にいる磐田のムサエフも大分戦で入賞。この試合は勝った。前半戦は大分トリニータ相手にプレスをかける選手の方が多かったというデータと読み取れると言って良いのではないでしょうか。走行距離はシーズン通してチェックし続けていたのですが、この2名がずーっと上位キープだったので、大分トリニータが特徴のあるサッカーをしていたのだなぁと感じていました。全然記録更新されなかったもの。もう一つのデータがスプリント回数。



スプリント回数とは24km/h以上のスピードで走った回数のこと、だったと思います。たぶんな、たぶん。自信はない。とにかく一定数以上のスピードで走った回数です、アバウトでも伝わればよろしい。この回数のNo.1は海外に移籍したスピードスター前田大然でした。これもやっぱり大分戦での記録という、何なんでしょうかこの大分トリニータってクラブは。走られ過ぎだろ。良い事なのか悪い事なのか、データでしかないのでこのデータから何を読み取るかが重要ですが、前田大然だらけなので、単純に前田大然の脚が速すぎただけなんじゃないのか疑惑も出てきますが、2位のFC東京のスピードスター永井も大分戦での記録なのでやっぱり何か走りたくなる、走らなければならない何かがこの大分トリニータっていうクラブの戦術に秘密があるんだろうと思われます。はて、何だろうか(※すっとぼけ)しかし、前田大然は素晴らしかった。この前田大然が居なくなってからの松本山雅はもう、ただのリトリートする守りのための守備戦術という苦しい状況に追い込まれてしまい、勝ち点を伸ばせなかった。ちなみにチームとしての走行距離における、試合別のランキングは・・・



マリノス、湘南、大分の順。我が軍は開幕戦の鹿島戦が最も走っていたということに。マリノスはボールを保持するのに走行距離も長いという稀有なサッカーを展開していた。昨シーズン苦しみながらも継続した戦術が結実した。仙台とは覚悟が違った。シティグループの底力を感じます。湘南は走って当たり前のパワハラスタイル、違う!湘南スタイルですから流石の一言。次はチーム平均の走行距離ランキング。



試合別と似通ったランキング。大分トリニータ、結構走っていたのです。ボールを保持しながら走るマリノスと大分トリニータ。やり方は全然違うんだけれども、この2チームの試合は本当に面白かった、とにかく面白かった。ハイプレス、ハイラインでショートカウンターを狙い続けるマリノスと、その動きを逆手にとって裏を取る大分トリニータ。昭和電工ドームでの試合は裏を取れましたが、ニッパツでの試合では裏のスペースをGKで埋めるという荒業に屈した。非常に特殊な2試合でした。



逆に走っていないラインキングは3連覇を狙っていた川崎。神戸とほぼ変わらない数値。金持ってて、選手の技術でボールを持てるクラブは走らないんですね・・・・。FC東京が走っていないことは意外だった。チームとしてのデータは以上。今シーズンのJ1において大分トリニータの異常なサッカーがデータに滲み出ていて大変に興味深いと思いました。次は個人としてのデータ。こちらは異常なデータを叩き出している選手と、普通のデータの選手に分かれた印象。全員がおかしなデータだとチームとして機能しないので、目立つ選手と目立たない選手がデータにも反映されている模様です。まずは最も異常な数値を示した俺たちの高木駿。



Jリーグの個人データはその選手のデータのうち、リーグ内順位が最も高い数値を示した3項目を表示してくれています。1試合平均のロングパス数がリーグNo.1となった高木駿。良い事です、No.1はとにかく良い事。素晴らしいチャレンジだった。1試合で15本以上もロングパスを蹴るって異常です。キック精度No.1と思われる浦和GK西川周作でさえ10.1本。2位は神戸のGK前川で、14.3本。ただし前川はリーグ戦8試合の出場なのでレベルが違う。高木やばい。空中戦勝率100%ってのはそもそもフィールドプレイヤーの指数なので、なんでGKが空中戦で競ってるんだって話です。クロスキャッチ率が3位。前に出るGKはトリニータの伝統。特殊な数値を示した高木、かなりチャレンジングにボールを晒して相手を誘うので観ていてスリリング。
無事契約更新。来年も俺たちの高木駿。



次は鈴木義宜。こちらも異常値。自陣での1試合平均パス数がリーグ2位。1位のマリノスCB畠中の65本に次ぐ数値。プレーに関与しまくる、最終ラインからゲームを作っているCBという最先端の戦術に適合出来ている。シュートブロックはJリーグの公式スタッツで公表されていないけれども1位らしい。


日刊スポーツにデータが出ていましたけどシュートブロック数がバグっているかのような数値を示している。守りに守った鈴木義宜はチーム戦術の背骨。GK高木と鈴木はシュートコースを限定してシュート打たせたりもしているので、この2名の連携はデータに現れない部分でも守備の要である。年俸増やして!年俸を!最終戦のスピーチから考えると残るに決まってる。決まってる。重要なことなので念を含めて書いておきました。


こちらも日刊スポーツにパス本数のデータがありましたが、記事の中に高木の異常なパス数が数えられています。今シーズンの高木のパス数は今までに食べたパンの枚数よりも多いかもしれない。



リーグ戦途中から不動の左CBとなった三竿。普通というか、それほど特徴的はデータは出ていない。右とのバランスが必要だったり、田中達也加入後はサポートに回ったりとチームプレーで安定感を醸し出してくれた。素晴らしいタイミングで駆け上がるけれども大体使われない印象。駆け上がった時に不思議とパスが出ないイメージな。スペースを作り出す空走りになってしまう。これもデータには中々出ない部分。誰よりも負けず嫌いで負けるとチームで一番悔しがっていた印象が残っている。これもデータには残らない。ゲームに対して、勝利に対して熱いものを感じさせる希少なメンバー。



右です、ストロングライト。この右CB、俺の岩田智輝のデータが素晴らしい。これは日本代表になりますわ。プレー数、パス数は分かるけど、シュート決定率28.6%でリーグ11位ってどういうことでしょうか。FWか。終盤でも走り続ける運動量などの数値には現れない部分も評価すべき。イニエスタに削られるくらいには世界レベル。宇佐から世界へ、来年はオリンピックに出てスターダムを駆け上って欲しい。海外へ行け、海外へ。5億円の移籍金を残して海外へ。来年は飛躍の年。早く複数年契約して。



ストロングライトの相方、松本怜。ずっと続けていたリーグ戦のゴール記録が途絶えてしまったのは残念だけれども、クロス数がリーグ6位という数値を叩き出しているクロッサー。個人でのゴリゴリの突破というよりも、岩田とのコンビで右を崩すベテランの技が味付けされて深みが出た。コクがね、まろやかです。スピードもまだまだ衰えていない。片野坂体制では不動の右サイド。チーム内の競争という意味では競争相手が必要かもしれない。まだ来年の話をしていないとかコメントを残していたので強化部早く。



シーズン後半戦、左サイドで攻撃の主軸を担った田中達也。平均クロス数は松本怜を上回る数値を叩き出した。リーグ2位という好成績。移籍して良かったね。あとは決定力。決定力さえあれば億単位で稼げます。夏から加入なのでおそらくまだ契約期間内なんじゃないだろうか。続いてボランチ担当。











総じて地味な数値となっておりました。前田の平均インターセプト数が高い数値ではあったものの、途中からめっきり試合に絡めなくなってしまったので評価は難しいところ。シーズンを通じて稼働した選手が居ないので特徴が出なかったのかもしれない。仕事的にもバランスが重要なポジション。我が軍の戦術の中では縁の下の力持ち的な役割なのかもしれない。ここに特殊能力を持った選手が加入するとまた一味違ったチームになるのかもしれない。続いてシャドー&FWの数値。



中の上的な数値になっている小塚。凄いパスと凡ミスが同居する印象だった。差し引きで中の上に落ち着くのは何となく分かる。今シーズン終盤、小塚ボランチを試したらどうなるのか観てみたかった。3ボランチじゃなくて2ボランチの片割れの小塚を。複数年契約的な記事を読んだことがあったが、オファーの報道もあったので去就は未定。もう1年戦術に熟した状態からのスタートで観てみたい。小塚、かずき、きめろ、去就。









FW登録の皆さん。三平さんが中の上、伊佐、後藤は試合への絡みが薄いのでさほど特徴のないデータとなってしまっているけれども各々が決めたゴールは割と記憶に残っている。特に後藤はリーグ戦2ゴールなんだけど磐田戦のボレーと浦和戦のロスタイム弾という濃い内容だった。後はもうこの写真に限る。データには現れない素晴らしさが詰まっていた今シーズンベストショット。

最後はオナイウ。帰ってしまうのかオナイウ。



その他部位得点数No.1とは何なのか。右足でも左足でもヘディングでもないその他部位。カルビとか?ぼんじりとか?


このゴールですね、胸でした。ハートで決めたゴール。心臓です。ハツですね、ハツ。ハツゴール。胸はその他。リーグ戦で10得点と結果を残したオナイウ。J1でも結果を残せた。帰ってしまうのか、オナイウ。別府あたりに家を買わないのかオナイウ。もう1年どうだろうかオナイウ。


ちなみに移籍していった2名のデータ。移籍先では残念ながらそんなに試合に絡んでないのでほぼほぼトリニータ。




福森の関与数と三竿の関与数を比べると福森の方がプレー数が多いので、三竿の方が思い切って前にチャレンジしているということかもしれない。積極的なのか消極的なのかという判断をデータから読み取るのは難しいので、数字は数字。参考程度に考えるのが良いのだと思われます。チームとしての特徴が出ていたり、出ていなかったり色々面白いデータが多かったJ1の1年目でした。データで振り返ってみても、良いシーズンだったということで。移籍市場の動きが例年より遅いらしいので、今のうちにこそこそ決めて欲しいものです。強化部頑張って欲しい!


2019/12/09

2019年 明治安田生命J1リーグ 第34節 C大阪戦

【大分 0 - 2 C大阪】



ホーム最終戦に行ってまいりました。最終節ですから。ホーム最終戦に行った記憶が無いので、もしかしたら初めてだったかも。闇ブロガーとして活動を始めて10年以上経ちましたが、基本はアウェイ側の人間ですからホームは年1回行ければ良いくらいのスタンスでやってきました。しかし今年は複数回、何回か行った。何回行ったかは覚えていないくらい、こんなに酷いあやふやな記憶力でブログを書き続けている訳ですが、それでも今年は観れる時に観ておかなければならない、と心に刻んだことだけは覚えているのです。







フェルナンドトーレスに始まり、イニエスタ、ビジャ、ポドルスキと世界的に有名な選手がJリーグにやって来たこともあり、Jリーグ自体の観客動員がうなぎ登りに増加。私も簡単に影響されて、ホームへの参加が増加傾向。理由は2つ、大分トリニータ×フェルナンドトーレスとか、大分トリニータ×イニエスタみたいなJ1だからこそ体験できる邂逅を観たくて仕方なかったことが1つ、そしてもうひとつが戦術練度の高まりと共にスタジアムの雰囲気が心地良くなったこと。これが大きかった。





最終ラインからボールを繋げ、プレッシャーをかわして前進するときに拍手が起こるようになったあの感じね、良いですよね。「そのプレーこそ俺たちのサッカーだ」感ね、たまらないですよね。あれは何時からですかね、何となく形になりましたよね、あの雰囲気。前に蹴らんか爺さん激減した気がする。そんな雰囲気をまた味わいたく、そして丸谷の早すぎる引退発表もあり、最後の雄姿も目に焼き付けておきたく疲労困憊の中、遠すぎる昭和電工ドームに白眼剥きながら行って来たのであります。


試合は完敗。試合に負けた時はブログへのアクセスが激減するので適当に進めますが、スタメンには小林裕紀が復帰。ベンチに入った丸谷を出場させてあげたい試合でしたが夢は叶わず。勝った状態で守備固めを任せたかった。


対するセレッソ大阪は宿敵ロティーナ監督が率いる質実剛健な守備を完成させたチーム。その中に清武さんところの次男さんとジーニアス柿谷が共演するという夢のある編制。ロティーナ監督の手腕に懐疑的だったJ2を観てない勢からの低評価を当然の如く覆し、5位でフィニッシュ。ロティーナを信じろと書いた記憶はあるのでJ2を知る者として勝ち誇りたい。当然契約を延長し、来シーズンもロティーナセレッソが継続となりました。今年はソウザに決めまくられた思い出がありますが、この試合でもソウザにセットプレーを決められて先制点を奪われたことで試合が難しくなってしまいました。













さらに追加点を奪われるという前節の仙台戦と同じような展開ではあったものの、内容は真逆でセレッソとお互いに攻め合い、J2時代のロティーナの時とは違う一面を見せられてしまいました。ボールを奪い切れない場面が多く、奪ったと思ったらファウル判定になるという、主審との折り合いもつかないまま攻撃カードを切るも1点も決め切れず完敗となりました。よく2失点で済んだな、という印象。ロティーナの作り出したチームらしく、堅守だった。あの時の我が軍に迫るほどの堅守。来年怖い。


トリニータはこの日の結果で9位フィニッシュ。上方修正した目標には届かなかったけれども、堂々の1桁順位で残留が確定。シーズン後半戦は苦しみました。しかし、多角的に今シーズンの結果を振り返ると色々なことが好転したと思います。まずは観客動員。J1となったことが大きな結果に結びつきました。市営陸上競技場で2試合開催だったにも関わらず、凄く伸びた。昨年度J2でリーグ戦21試合開催の平均入場者数は8,907人に対し、J1のリーグ戦17試合で15,347人とほぼ倍増。平均入場数倍増ですよ、奥さん。スポーツ市場は成長産業。良い雰囲気であったことが数字上にくっきりと出た。世間一般に届けるために有名人や芸人を呼んだことも功を奏した。大分FCが下品なネタを好む傾向があることも判明した。大分FC内に下品なネタが大好きなおっさんがいるに違いない。お尻プリプリとか、うんちブリブリとか、ハイブリット芝とかとにかくブリブリしたシーズンでもあった。まだハイブリット芝にはアジャストできていない印象はある。









シーズン終了後のセレモニーでキャプテン鈴木義宜が「地方クラブだからこそ出来ることがある」と素敵なスピーチをしていたので、きっと鈴木義宜はチームと10年契約くらい結んでいると思われますが、その通りになるように継続して行きたいですね、本当に良いシーズンでした。上向きすぎて怖い、上がったら落ちるクラブの歴史なんでね、良い時にたくさん観ておきたい。少しでも維持出来るように、少しずつシーズンパスなどで献金して行きたいと思います。



年内に何回かブログは更新したいと思います。

2019/12/01

2019年 明治安田生命J1リーグ 第33節 仙台戦

【仙台 2 - 0 大分】



今シーズンのラストアウェイ。ラスタウェイ。もう33節終わってしまったのが信じられない。33回ブログを更新した記憶が全く無く(※老化)あっという間の2019シーズンでした。33節の結果で磐田と松本の降格が決定。佳境も佳境。優勝もなければ降格も無くなった我が軍への注目度は少ないけれども、J1に残留できたことは大事件ですからね、もっと各方面から褒めて欲しい。J2王者が降格し、昨年のJ1参入プレーオフでヴェルディを寄せ付けなかった磐田も陥落する中で堂々の残留。この試合、我が軍が成し遂げた偉業を、この意味を、最も強烈に感じ取ったのは完勝したはずの仙台渡邉監督だったのかもしれない。











東北の寒空。6年振りのユアテックスタジアム。東北は寒かったけれども牛タンは美味しかったです。


異常事態を感じ取ったスタメン発表。後半戦で主力となった小林裕紀が不在。遡ること2013年の仙台戦、6年前、6失点して負けた試合。この試合は背番号6の小林裕紀が得点してくれれば、とりあえず6って書いときゃなんとかなるから楽なブログ記事になるのにな、なんて考えていたのに不在ですよ、6番不在。しかも三竿の累積警告での出場停止の代役がまさかの特別指定選手、羽田健人。来年度加入が内定している大学生をインターン動員。前倒しデビューのチャンスを得た羽田健人、夢しかない。アピール次第でオリンピックに、世界に、J1で大きなチャンスを得られたこの試合には夢しかなかった。来季に繋げるために乗り越える1戦となった。小林成豪がサブメンバー入り。怪我からの復帰が間に合ったことは良かった。


対する仙台。相変わらずツイッターは地味。引き分け以上で残留が決まるというホーム最終戦。我が軍のネームバリューの無さなのかスタジアムは最終戦にしてはちょっと寂しい客入り。芝は長めの印象だったけれども美しかった。


本日の顔芸。





試合としては巧みにボールを保持してゲームを作った大分トリニータと、ブロックを築いてカウンターを狙う仙台の構図。大卒1年目の長谷川にべったりマークを付けてボールの動きを制限しようとする仙台。先制されても構図は変わらず。内容的には試合を通じて、選手が入れ替わっても素晴らしいボールの動かし方が出来ていた。羽田健人もどっぷり右利きながらも左のCBでのデビュー戦ながら、縦パスを通せるシーンが複数あり、そして長身を生かしたヘディングもあり、夢を感じさせるプレーだった。折角のチャンスだったのでもっとクロスを上げたり、シュート打ったりしても良かったと思うのだけれども、83分までプレー出来たことは評価できる。来年が楽しみな人材。



仙台がボールを保持していても、高い位置で奪えるなど内容的にはかなり良かった。特に今日の攻撃はサイドから速いクロスを入れるという大方針が軸となっており、岩田のクロスの質なんかも格段に成長を感じさせた。しかし、残念ながら仙台にはゴツゴツの屈強なDF島尾さんことシマオマテと元ポーランド代表歴のあるヤクブ スウォビィクという発音が難しい長身GKの守備範囲の広さにより、ゴールはこじ開けられなかった。仙台はクロスからの失点が多いというデータから狙いを定めて準備してきたんだろうけれども、最後のところで通用せず。サイド攻撃は作れたけど決められなかった。結果論だけれども、準備してきたことがハマらなかった。真ん中を締めた仙台の守備力が上回った試合であった。2失点目はパスミスからカウンターで被弾。内容は良かったが結果はついて来なかった、そんな印象の試合でした。



















印象的だったのは試合後の渡邉監督のコメント。以下、Jリーグ公式からの引用。
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[ 渡邉 晋監督 ]
おおかた予想の範囲内というか、大分さんにボールを持たせて、われわれがカウンターで出ていくという構図が90分間続いていたのかなと思います。勝負に徹して、非常にハードワークして、タフにやり切ってくれた選手たちは、本当に素晴らしいです。でも私の個人的な感情を言わせてもらうと、何かまた、仙台のサッカーが、元に戻ってしまったというか、これまでに積み上げてきたものをなかなか今年発揮させることができなくて、複雑な感情です。

25周年という素晴らしい記念の年に、花を添えるような成績を残すことはできなかったのですが、次の25周年を迎えるにあたって、ベガルタ仙台はどのような道を進むのか、というものは本気でみんなが考えると、また1年1年、同じことを繰り返して時が流れていくだけなのかなと思います。

では、ベガルタ仙台がこれから何を目指して、これから何を掲げていくのか、そういうものは、ものすごく今日のゲームで考えさせられた1日でした。

でも、今季のチーム、選手、スタッフは、素晴らしいです。そこはもう堂々と胸を張って言えるので、なんとか最後のアウェイの広島戦も、良いゲームをして勝点を取って締めくくりたいと思います。

--10年連続のJ1残留について。
J1残留ということを、シーズンの途中でわれわれの最低限のミッションにしなければいけなかったというものは、非常に残念なシーズンでした。でも、われわれみたいなクラブが10年間J1にい続けられるというのは、見方を変えれば素晴らしいことだと。

でもその方法論として、どうやってJ1に残っていきますか、ではどうやってこれからJ1の上位を目指していきますか、そういうものを考えたときには、私の中では、何か時計の針が戻ってしまった感覚が、すごくあります。

いろいろな見方があると思いますけれども、私も長くこのクラブに携わらせてもらっているので、やはりいろいろなことを考えるのです。そう考えたときには、毎年毎年、こうやって1年1年、切った張ったでやっていく中で、残留し続けることが、本当にこのクラブにとって良いことなのか、そういうものは本当にみんなで考えなければいけないと思います。

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仙台が、震災後も継続してJ1残留に成功している中で、J2オリジナル10で同期のFC東京はリーグ戦優勝まであと一歩まで迫り、同じくコンサドーレ札幌もルヴァンカップというタイトルまであと一歩まで近づいている。その中でJ3からやり直した強化費の少ない、これまた同期の大分トリニータにボールを持たれ、ゲームを支配される屈辱を誰よりも感じたのが渡邉監督だったのではないか。残留を決めるためとはいえ、本来はもっとチャレンジしたい内容があったはずなのに、結局内容的に守備重視に戻ってしまった。それを痛感させるほど内容のあるサッカーを大分トリニータがやり切っていたという感想の裏返しなのではないか。渡邉監督、大分にボールを持たせたと言う割には仙台を憂う気持ちが溢れてしまっている。J1だとチャレンジできる期間と幅が少ないから、例え結果が出なくてもチャレンジを継続した方がタイトルに近づくのではないか、そんな風に考えているのかもしれません。J1に居続けることは偉業だし、素晴らしいのだけれども、残留出来てウッキウキの我々とコントラストが凄い。仙台のハードワークは素晴らしかったのに、こういうコメントがホーム最終戦で出てしまう程、この次のステップが見いだせていない停滞期なのか。フロントへの不満なのか。知らない間にJ2やJ3のクラブは着々と質が上がっており、全てのクラブが危機感をもって挑まなければならない時代に突入している。仙台の25年、大分の25年。次の25年を盤石にするために、とりあえずシーズンパスを買いましょう。



素晴らしい内容だった2019年シーズンも遂に最後の1試合を残すのみとなりました。上方修正した勝ち点50の目標を達成するにはもう最後の、ロティーナ監督率いるセレッソ大阪に勝つしかありません。引退を表明した丸谷のためにも、有終の美を飾って欲しい。2020年に向けて、思い切ってチャレンジして欲しいと思います。6年前の6失点から1/3も失点を減らせたってことは進化してるってことですから!もう最後の1試合、ポジティブに行くぞ勝ち点50へ!