チーム編成の評価では大分トリニータに対して主力を抜かれたという評価になってしまっているようですが、正直なところ、私、ワクワクしております。この2年くらい個人的に感じていたこれ以上は強くならないのではないか、という感覚。成長し切って、臨界点に達した印象は大体外れてしっかりとレベルアップして来たチームではありましたが、伸びしろというか、成長曲線が緩やかにならざるを得なかった感じ。
特にJ2から昇格した時の2018年チームの攻撃力、得点力、魅力的だった頃のサッカーに比べると、J1に昇格して生き残るための戦いを選択した、思い切った攻撃よりもリスクの少ない攻撃に整理整頓されてしまってからの大分トリニータは停滞した印象だった。その選択が間違っているとは思っていません。正しかったと思います。そこにきて今年の、変わらざるを得ない状況と、補強されたメンバーでシーズンを妄想すると、その上限が取り払われて上に突き上がるイメージの方が強いのです。生き残り方のアプローチが変わるはず。そのワクワクたるや、主力が抜かれて守備面に感じるその不安要素を補って余りあるものになっています。補強した選手達の印象は期待感があります。あり過ぎるのです。昨年から参加したインターン生達もすぐに馴染むだろうし、J1クラブから抜いた主力もいて、J2オールスターズ路線から大卒路線への転換はレベルアップだと思うのです。
大分トリニータに何が起きているのか。簡単に中期計画を振り返ってみましょう。2018年に策定された3か年の中期計画。ざっくりした計画が公表されていたのですが、掘り起こします。
だいたいの企業が策定する中期計画なんてものは、ただの計画なだけでほとんど実現されない目標でしかありませんが大分FCが立案したこの中期計画は恐ろしいことに、策定したそのシーズンにJ1昇格を前倒しで達成してしまうというコミットっぷりを発揮。「昇格してしまった」感が強いのですが2018、2019、2020シーズンの3年で達成するはずだった計画を2019年度で達成してしまっていた。約束通りの2021年にJ1にいるのです。素晴らしい。ファンド株も解消したし、事業規模が17億円以上であれば完璧な結果。
具体的な取り組みに関して、ティティパンの帰還と共にクラブの海外戦略だけが残念ながら音沙汰無くなりましたが、それ以外はどうだったのか。Jリーグが開示している2019年度クラブ経営開示資料を確認してみましょう。
2020年、コロナの影響で全クラブの入場料収入が激減するという未曾有の事態になり、我が軍も赤字に転落。2020年の経営情報の開示はあと数か月後になると思われますが、人件費は維持、拡大出来ていたと予想されます。ただ、2021シーズンの予算は当然伸びずに2020年の維持が精一杯だったのではないかと推測。パンデミックが去れば、また上り調子に戻れるかどうかは分かりません。21年シーズンからの中長期目標を立てるのはとても難しい。また今年、中期計画を発表するのかどうかも気になるところです。2021年以降にワクチンを打って、コロナ禍が過ぎ去るまでの間、J1を維持して効率よく再度上昇気流に戻せるかどうか。このシーズンは今後の大分トリニータの歴史を左右する大きな1年になりそうな気がしてきた。この難しいシーズンをバラバラになることなく一致団結して乗り越えましょう。一致団結。良いスローガンです。
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