2019/04/07

2019年 明治安田生命J1リーグ 第6節 札幌戦

【札幌 1 - 2 大分】



アウェイ連勝継続!おかげさまで今シーズン生観戦した試合全ての勝利を見届けているアウェイ族です。アウェイでは1失点はするけど2得点するから勝つ説。かつてラドンチッチがトリニータ初得点を決めた試合として記憶している2014年以来、5年振りとなる札幌ドームでした。ラドンチッチが居なくなったのは未だに謎のままです(※掘り返すな埋めておけ)


この日の試合はペトロヴィッチ監督と片野坂監督の初の師弟対決、チャナティップとティティパンのタイ代表対決、左利きDF福森対決、そして何よりも得点ランキング首位をひた走るアンデルソン・ロペスと藤本の直接対決と見どころ多数。DAZNもちょっと力を入れて放映。そこに高木の珍プレーまで加わるんだからレビューのしがいがあり過ぎるってもんです。













5年振りの札幌ドームはJ2上がりの大分トリニータ戦とあって観客少なめ。知名度低くてすまんな。スタジアム内は柱に情報表示が出来るサイネージなどがあり、賑やかな雰囲気。ファイターズが新しいボールパークを作ってしまうと札幌ドームはどうなってしまうのだろうか・・・。









札幌は2017年、J1残留に大成功した後、浦和を解任されたペトロヴィッチ監督の招聘に成功して昨年はリーグ戦4位と大躍進。今シーズンは虎舞竜のロードの如く「第2章」と銘打って遂に優勝争いとACLに手をかけるか、という勢いでシーズンインするも、前節は名古屋相手に4失点と大敗。ホームに戻って守備の建て直しを図る一戦となるはずでしたが、わずか開始2分で目論見は外れることとなる。何でもないような試合が幸せだったと思う、二度とは戻れないシーズン。今日の試合は広島時代に監督だったペトロヴィッチと後任監督となった森保現日本代表監督と、当時コーチだった片野坂監督が揃うという広島サポーターの人、観てますか状態。


今年の札幌は日本代表の鈴木武蔵をワントップに、既に5得点のアンデルソン・ロペスとタイ代表のチャナティップがシャドーという強力な攻撃陣を抱える。ここに離脱中のFWジェイが戻るとかなり厄介な布陣となってしまう。C大阪に札束で引き抜かれた都倉の穴を感じさせない編成。それでも我が軍よりも断然高額。対峙する全チームが編成予算的に格上というJ1怖い。


トリニータのスタメンは前節と多少変わって左サイドに星、シャドーに三平がそれぞれ今シーズン初めて投入。昨年J2の主力メンバー多め。遂に、本当に遂にという想いしか出て来ない三平のJ1スタメン出場。長い時間がかかったけれども戻って来られた。存分にJ1を楽しんで欲しい。左サイドに星がスタメンに入ったことで、昨シーズンには多数あった、あの、右サイドから大きく逆サイドに振ってからのあれ、あれね、昨シーズンから観ている人は分かると思うけれども、あれが出るな、と予想しました。予感は的中。




相変わらず準備が速すぎる三平さん



この試合、多くの見どころに反して個人的に最もピッチの中で輝いたのは小塚ファンタジスタ和季だったと思っています。まずは開始2分の右サイドでのプレー。岩田からのロングボールを受けてから、1度対面するDFをフェイントで外してからの大外へのクロス。最近、藤本が厳しいマークを受けがちなので、敢えて一度外すという冷静さが光った。大外の星が折り返す、いつものあれを生み出して、藤本のゴールをお膳立て。僅か開始2分での先制と、早々にゲームを優位に動かすことに成功しました。こづか、かずき、起点。


LTですLT。ピンボケですけど。




手柄を横取りして喜ぶ三平さんを祝福する攻撃陣。そしてさっさと帰る星と福森。ティティパンもゴール後の関西のノリについて来れるようになってきた。全員が無視かと思いきや、1人ちゃんと藤本を真っ先に祝福するティティパン真面目。仕方なく祝福に行くその他、の図。



試合を難しくしてしまった札幌と、前節広島にやられた引いてブロック築いてたら何とかなるもんディフェンスを札幌相手にやり返してしまえば良くなったトリニータ。前に出ざるを得ない札幌をいなして裏を取れば良い、分かり易い展開になるはずでした・・・・が、札幌のプレスは今までのチームのどのプレスよりも秀逸で、なかなか裏を取れない。同じフォーメーションのミラーゲームであったとしても、大分対策としてのプレスのかけ方には準備がなされていた印象。似ている思想の戦術で、自分たちの弱点を攻めるというミラーゲーム特有の「やられたら嫌なことをやる」合戦。簡単に裏返せるだろうと思っていた私が甘かった。甘いといえば札幌で食べた甘エビも凄かったからちょっと見て。



ようやく裏返せたのは23分、良い形で小塚がボールを保持して前を向くと、ファンタジスタ要素たっぷりの前線へのフィード。J1最速北海道民、松本怜だけにしか追いつけない絶妙加減のパスを供給。このパスが凄かった。追いつける松本怜も松本怜なんだけれども、なんとかして松本怜が折り返しさえすれば、そこにはペナルティエリア国の国王、正真正銘のJ1得点王(※今日現在)こと藤本が何とかしてくれる。慌てた札幌DFに当たったボールはこぼれて転々とゴールへ。こぼれたで思い出したけど、こぼれそうな程のイクラも見て欲しい。



遂にはもう触らずともゴールを産むようになってしまった藤本国王。王国にボールを密輸さえできれば得点出来る。その密輸ルートで暗躍する小塚。これほどまでにファンタジスタ要素のパラメーターが豊富だとは思わなかった。ここ数シーズン、編成上存在しなかった貴重なタイプ。チームメイトの特性と合い始めたのですこぶる期待感が高い。こづか、かずき、期待。しかし、この後にあったゴール絶好機をポストに当ててしまったのは勿体なかった。こずか、かずき、決めろ、ゴールってことです。前半をリードで終えたトリニータ。問題は後半の立ち上がりで必ず失点してしまう悪い癖。




片野坂監督も重々理解している訳で、集中して試合に入れと念押し。そのかいあってか失点する時間帯を先延ばしすることには成功。結局失点するんかい。それでも2点差の時間帯を長く凌げたことが勝利を引き寄せた。札幌のプレスはチャナティップを中心に衰えることがなく、よく走り続けるな・・・と畏敬の念すら感じるほどにチャナティップは走り続けていました。ティティパンと直接やり合うシーンもあり、タイ方面では盛り上がることでしょう。ティティパンはイエローをもらってしまったこともあり、丸谷と交代。









その後も札幌の猛攻を最後までなんとか跳ね返し、無事に勝ち点3を持ち帰り。アウェイは3連勝。アウェイでは先制に成功している。先手必勝。攻撃の切り札が未だ見つかっていないので先行逃げ切り型の勝利が最も理にかなっている状況。師弟対決を制して、J1残留に少しだけれども一歩前進。今日の試合は早々に先制してしまったため、本家のミシャ式と真っ向勝負の時間が2分弱だったので、片野坂式が師匠を超えたかというと、そこまでの印象は持ててはいない。片野坂式は選手の特性を活かした攻撃の配置になっている点が色濃く、ピンポイントで物量勝負を避けて上回れる戦術に長けている印象。少しずつ、少しずつチーム内での競争と練度を上げて戦力を積み増していく。続けていくことが大事。


インフルエンザで出遅れた三平がスタメン出場とシャドーのスタメン争いは激化の一途。勝利の後の三平のパフォーマンスと珍プレーを反省中の高木のパフォーマンスを眺める、今シーズンから加入しているメンバーの冷めた顔が秀逸である。大丈夫、慣れるよ!大分トリニータ、こんな感じだよ!そろそろオナイウも踊ることになる予感がするよ!





私の座席の前方に明らかにタイから来られたであろう家族がいて、「これぞインバウンド」を見せつけられました。タイから実際に観光客が札幌ドームまで来ているのだ。もともと雪があるから観光客は多いのだろうけれども、これほどとは思わなかった。他にも大きなキャリーバックを抱えるタイ人っぽい人達を多く見かけました。ホームでの札幌戦で大分にも呼べるだろうか、タイ人。


大分トリニータ史上、J1で最高のスタート。アウェイ札幌で勝利するのは今回が初めて。一番遠いからね、しんどいじゃないですか。移動が。それでもようやく勝利をもぎ取れた。片野坂体制では今までなし得なかったことを次から次へと実現し続けている。J1定着を夢見て良いのだろうか。森保日本代表監督が視察したこの試合、大分トリニータから再びA代表が選出される日がもしかして、また来るのだろうか。



0 件のコメント:

コメントを投稿