2019/03/17

2019年 明治安田生命J1リーグ 第4節 横浜Fマリノス戦

【大分 2 - 0 横浜FM】



僕たち!私たちは!J1ホーム未勝利を卒業します!卒業シーズン真っ盛り、6年ぶりに戻ったJ1で10年振りのホームでの勝利。長い長い時間がかかりましたが、10年越しの忘れ物を取り戻しに帰って来て、遂に手にした勝利の味が!一体どんなものなのか!分かるでしょうか!?味わえるのは10年応援を続けて来た人たちだけの特権!ウイスキー並みの熟成さ加減ですよ!すごい濃厚だよ!?おかんの変色した梅酒でも3年くらいなのに!10年物よ、10年物。10年かかったよ!最近応援を始めた人もこの味を覚えておきましょう!この次また10年味わえなくなる可能性もあるからな!


まずこの件に触れなければなりません。事件が起きたのは3月15日。J2で3連勝と首位をひた走るFC琉球から主力の一人である中川風希をマリノスが強奪。J2J3界隈でせっせと育成した選手が、ちょっと調子が良いとすぐJ1のクラブが引き抜きやがる事案に発展。選手本人のモチベーションには繋がるけど、クラブとしては戦力ダウンに抗うことが出来ない。結果を出せば引き抜かれる。J2における賽の河原状態。仕方ないけど夢がない。これはJ2オールスターズの肩書を持つJ2のA代表こと大分トリニータが代理で仇討ちせねばなりません。J2の夢を奪ったマリノス許すまじ。(※我が軍もJ2から引き抜きました)(※主力流出の影響を感じさせず土曜日にも勝って4連勝したFC琉球すごい)


マリノスとの勇猛果敢ダービー&ダイハツ・日産ダービー、先発メンバーは前節と変わらず。ルヴァンカップで伊佐負傷の影響によりベンチメンバーが若干変わる程度。マリノス戦に燃える男、松本怜。この試合に懸ける意気込みはそのプレーっぷりからも伝わってくるレベルでした。今日は前田をリベロっぽく配置した3ボランチ+藤本&後藤のツートップでスタート。小塚とティティパンは前寄りで攻撃にもよく絡んでました。


マリノスのスタメンには大分県宇佐市出身の松原健がベンチにもおらず、どうやら怪我で帯同していない模様。故郷への凱旋帰国は果たせず。ベンチに李忠成、大津、扇原がいるという豪華布陣。タイ代表、ティーラトンは左サイドバックの選手。ティティパンとの直接対決とあり、タイ王国でもきっと注目される一戦となったはず。来週、チャイナカップとか言う謎のカップ戦が中国で催されるらしく、ティティパンも代表に選出されたのでこの試合の後にチームを離れる。チャイカップ、たぶん日本で言うところのキリンチャレンジカップみたいなもんだと思われる。怪我せず戻ってね!


試合はマリノスの攻撃的守備とそれを巧みにいなして裏を取ろうとするトリニータとの目まぐるしい攻防が面白すぎる展開となりました。ルヴァンカップの名古屋ともスイングしましたが、攻撃的サッカーとの相性が良く、名勝負数え歌、藤波vs長州戦のように戦えば名勝負を生み出してしまう今シーズンの大分トリニータです。松本山雅戦だけが善戦マンことジャンボ鶴田が若手だった頃の試合みたいなだけで、やっぱり両チームが攻撃的サッカーってのは最高に面白みを感じるので、これこそがJ1の醍醐味ってやつじゃないでしょうか。これを味わっときましょう、今のうちに。


マリノスはジェフです。ジェフみたいなもんです(※やや乱暴)ハイライン戦術という意味では似通っている。高い位置で奪うために前線に人数を集めて縦方向を圧縮。奪えば即ショートカウンターを発動。ボールを奪われてもすぐにプレスをかけて奪い返して相手陣内で時間をやり過ごそうとするのが基本戦略。自陣からボールと遠ざけて守るという攻撃的な守備が信条。我が軍は意図的にボールを下げますが、マリノスはボールを戻すことはしたがらない。相手陣内に押し込むことが目的のため、GKを使ってポゼッションはしてもボールを下げる思想はあまり無い。この戦術をしつこくやり続けるポステコグルー監督はオーストラリア代表監督としてアジアカップを制した実績を持つ。4バックのハイライン戦術っていう噂は聞いていたので、我が軍の大好物じゃないか、とは思っていたのです。ルヴァンカップ名古屋戦も似たような構図になりましたが、練度が足りずに負けてしまった勿体なさを、練度が上がりつつあるリーグ戦先発陣がどう表現するか。特にスペース大好き、後藤&藤本のGF砲を放つタイミングさえ掴めればマリノスをジェフにしてやることができるはずなのです。


試合が始まって、これほどまでに最終ラインに下げたボールに食い付いてくるかね、っていうくらいにしつこく食いつくマリノスの徹底ぶりが凄かった。ジェフじゃなかった。ジェフはハイラインを維持することが目的になりつつありますけれども、マリノスはあくまでボールを高い位置で奪うために必然的にハイラインになっているだけだった印象。試合が終わるまでとにかくしつこかった。ポステコグルー監督もだいぶおかしい。ヤバい人だと感じました。マリノスのプレッシャーを避け、前線にボールを配給する我が軍とのせめぎ合いは見どころ十分。惜しいシーンも多くあり、あっという間の前半45分。


「勇気を持って前に行くこと」これです、これ。勇猛果敢ダービーですから。試合が動いたのは後半、55分。右サイドで相手のパスをインターセプトしてからのカウンター。左サイドバックが上がっていたマリノスの急所を突いたのはボールを奪った本人である松本怜。藤本→ティティパンと繋がり驚異的なスピードで駆け上がった松本怜に戻ったところをマイナス方向へクロス。後藤に釣られたマリノスDFが作り出したスペースに、ペナルティエリア王国を統べるJ3得点王こと藤本が優雅にパレードをするかの如く落ち着いてゴールを決めた。美しい流れ。松本怜がマリノス相手にアシストを残す。松本怜のガッツポーズが凄いからもう一回見て。青森山田ホットライン。


さらに畳み掛けるように4分後の59分、今度は左サイド奥深くのスローインから。一度はペナルティエリアに侵入するも、細かく繋いで右サイドへ展開。一度受けた岩田智輝が松本怜とのワンツーで完全にフリーで抜け出してクロス。角度が無いにも関わらず、ペナルティエリア王国を統べるJ3得点王藤本がパレードに手を振るが如く優雅にヒールキック。これが上手く転がって2得点目。国王様万歳。J3得点王万歳。ハットトリックチャンスはまたもや不意にしたけれども、2得点は十分過ぎます。岩田智輝は右サイドの永久機関かと思えるくらいに上下運動していましたが、守備でも身体を張って奮闘しており、特筆の出来。松本怜のパスがドS過ぎるスピードなのによく追いついた。U-22代表に召集される日も近いからもう一回見て。


この後、馬場、丸谷という安定剤を投入し、前線にはオナイウ阿道を投入してマリノスの猛攻を何とかしのぎ切って10年越しの、正確には9年3か月24日振りのJ1におけるホームでの勝利となりました。長い、辛い険しい道のりだった。遠回りしたけれども、道は繋がっていた。


この試合、マリノスのしつこいプレスの異常さが際立っていた印象。普通ならちょっと諦めるというか、様子を見るというか、迷うと思うんですよ、迷いなくボールを追い続ける姿勢は驚異。そのマリノスに対して、ボールを運び、奪うことが出来ていた今日のトリニータ。ここが勝敗を分けたポイントだと感じました。球際の攻防。連戦の最後の試合で大分まで遠征したマリノスに疲れがあったのかもしれないけれども、それを差し引いても、全員の戦う姿勢が素晴らしかった。J2時代にハイライン戦術のジェフと何度も戦ったおかげか、ハイライン攻略法が板に付いていた。ありがとう、ジェフ。絶不調みたいだけどな、ジェフ。今日の勝利をエスナイデル監督に捧げたい。


成長を感じたのは左サイド。相互理解が進捗していて相手を崩せるタイミングでボールの出し入れが出来るようになっていたのも素晴らしかった。皆が高山を活かせるようになってきた。ティティパンとの相互理解も進んでいて、1点目に繋がったティティパンがスルーパスを出すタイミングもピッタリ合ったし、練度が上がっていて良い。守備陣も身体を張って無失点で良い。すこぶる良い。良すぎて怖い。今日のような泥臭い戦いを続けて残留を勝ち取って欲しい。J2オールスターズを卒業してJ1で普通の選手になるために。今日も取り急ぎ祝杯。



2 件のコメント:

  1. 昨日は東京観戦会に参加でした。
    選手の表情がイキイキとしていますね‼️
    ワクワク感というか…………まさにJ2オールスターズですね(*´・ω・`)b

    DAZNでも解説が『岩田いいですね~』を連呼するとともに『U22代表候補』って言ってましたよ🎵
    これで楽しい平日を迎えられますね🎵

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    1. 自転車最高様

      コメントありがとうございます。連戦が終わり、週末は試合が無くてお休みですがしばらく余韻が残りそうな勝利でしたね。岩田は良かったですね、ワールドクラスですよ既に。まだ森保監督に気付かれてないのでしょう。もったいない!

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