2019/08/25

2019年 明治安田生命J1リーグ 第24節 広島戦

【広島 0 - 0 大分】



アウェイでの試合ですがDAZN観戦でした。いやー、好調広島を相手に勝てるイメージがなかなか思い浮かばなかった一週間を過ごしましたが見事に、見事に勝ち点1を持って帰るという偉業を成し遂げてくれました。光り輝く黄金の勝ち点1ですよ、これは。前節首位の東京をもねじ伏せた広島、大分のゴールは割れず。


今週も引き続きOJTです。試合現場の中で早く慣れて下さい作戦続行中。右サイドの田中達也、ボランチの小林裕紀、シャドーに嶋田慎太郎と新戦力を優先的にスタメンに選択。ティティパンは累積警告により地元で営業。今日はとにかく守備陣が素晴らしかった。


対する広島、FC東京をねじ伏せたスタメンを維持。J2オールスターズ井林、渡がベンチという選手層。ドウグラスもそうだし、結構J2で結果を残した選手が多い。


城福広島はホームでの対戦時、前から奪いに来なかったのでどちらかと言えば堅い試合になるんだろうなと思っていましたが、予想よりは前からプレスをかけて奪おうとする時間帯が長く、このところの大分対策として明確になりつつあるメリハリのある攻撃的守備を実践していたと思います。プレス賭ける時は連動して奪い切る、剥がされそうなら下がるという大分対策。全般的にはそれでもやっぱり堅い試合ではありました。昭和電工ドームでの試合はホームで勝ちたい大分が前がかりになりましたが、広島のホームでは当然逆の現象が起きて、広島が前がかりになる時間帯が必ず来るため、そこを勝負どころとして剥がし、運び、決めて刺す、が出来れば勝ち点3を持ち帰れるという意識が多分にあったと思います。


この作戦を実行するのに必要なのは、まず我慢。先制されないこと。広島が前がかりになるまで焦れずに待てる状況を作ることでしたが、守備陣が本当によく身体を張って守り続けたと思います。前半立て続けにビックチャンスを作られて暗雲が立ち込めまくりましたが何とか守備陣奮闘。来いよ、広島、前がかりになーれ。


風車の理論です。アントニオ猪木の風車の理論。風が強ければ強いほど風車もよく回る。 転じて、相手の力を限界以上に引き出した上で、自分がさらにその上の力を出して相手を倒すことで、自分だけでなく相手も輝かせるという理論。対戦相手のプレスが鋭くなればなるほど、そのプレスをどこかで1枚剥がせばビックチャンス到来。バランスを崩さない広島の手堅い試合運びを少しだけ、揺り動かしたい。今日の狙いはそこだったはず。


試合が動き始めたのを感じてか、動かすために三平を入れたのかは定かではないものの、この交代カードを切った後半65分過ぎ辺りから徐々にオープンな展開に。ここから前がかりになる広島の裏を取って刺したかったんだけれども、結局のところ広島が前線に人を割いてまではバランスを崩さなかった。城福監督の3枚の選手交代も綻びが出る前に未然に切っていた印象もあり、本当に手堅いチーム、手堅い試合運びだった。J1の中では潤沢ではない資金の中で、上位争いをするだけの編成、選手の育成面では突出した結果を残し続けている点は本当に模範的。地方クラブのお手本ですよね、本当に。


終わってみればシュート22本の広島に対して、シュート3本で終わってしまったトリニータ。ガードの上からガンガン殴られましたが決定打は許さず。広島の精度の低さに助けられた部分もありましたが、守備陣がとにかく我慢できていたことは称賛されるべき内容でした。あれで何かの間違いでも良いので1点取れていたらミッションコンプリートでした。


ただ、攻撃面での課題があるのも事実。鹿島戦に引き続き得点が取れませんでした。個人的には藤本が抜けた穴よりも、怪我人の影響の方が大きいと考えています。小林成豪、伊佐と攻撃的な人員が戦列を離れているので交代カード的に作戦の幅が狭まっている。早く戻って来て欲しいところ。


今日の戦い方はこれからシーズン終盤にかけて、勝ち点を積む戦い方としてベースになるような気がしました。勝ち点貯金がある我が軍として、ホームでもアウェイでも「勝たなければならない」クラブが増えてくるため、必ずどこかで前がかりになってくるはず。そのために我慢する試合運びを継続することが重要です。残留争いをしているクラブ、優勝争いをしているクラブ、勝ちたがっている相手が前がかりになったところを上手くいなして勝ち点を得る。焦れずに戦える貯金があることが大きい後半戦です。そういう意味で今後、今日の戦い方、今日得た勝ち点1はただの勝ち点1ではなく、磨けば黄金色に輝き始める勝ち点1になるかもしれません。残り10試合、勝ち点10を得るために、焦れずに我慢して冷徹に戦えるか。もう少し涼しくなって、怪我から選手達が回復して戻ってくればもう少し上を目指す戦い方も出来るやもしれぬ。次節の松本戦。松本は勝つために何をしてくるのか。貯金の余裕を活かしてジワジワ戦いたい。


2019/08/18

2019年 明治安田生命J1リーグ 第23節 鹿島戦

【大分 0 - 1 鹿島】



Tシャツが貰えるということで行きました。2週連続ホーム観戦記。Tシャツが貰えなかったら行ってなかったので、絶大な効果があったと思います。無料配布。数々のイベント、お揃いのTシャツ、2万8千人を超える観客、足りないのは勝ち点だけでした。悔しい。


スタメンに抜擢されたのは完全移籍加入したばかりの小林裕紀。OJTです、OJT。On-the-Job Trainingな。もう後半戦も限られているのでじっくり慣れてもらう時間などありません。即戦力は職場で仕事任せてなんぼ。最終ラインに吸収されるアットホームな職場です。ベンチには天皇杯で決勝点を決めた伊藤涼太郎も入った。後藤がベンチ外なのは意外。怪我でなければ良いのですが。


対するアジア王者鹿島。開幕戦で昇格組の我が軍に負けてリベンジに燃えていた模様。出場停止のGKに変わり、大ベテランの曽ヶ端がスタメン。ベテランがいれば不測の事態にも安心ですよね。ベンチには名古屋から期限付き移籍で獲得したばかりの相馬勇紀、法政大を退部して鹿島に加入した上田綺世も。三竿兄弟が対峙する試合。




とにもかくにも、設立25周年記念試合です。ノスタルジーに浸りっぱなしですが、存続が危ぶまれたクラブがJ1に戻り、これだけのイベントと、2万8千人の観客と、Tシャツを無料配布できるまでになったことが喜ばしい。全ての借金を10年かけて返済し、普通のクラブに戻れましたという想いのこもったTシャツなので協賛企業に感謝しつつ、大切に使いましょう。今日もメインスタンドで観戦しましたが、最終ラインでプレスをかわしてボールを繋いだ時に拍手が出るまでになっていたので、数、質共に良い感じの客層になったと思いましたよ。初めて観た人にはもたもたしているだけに観えたでしょうけれども。




試合は難しかったと思いますね・・・。最初だけ最終ラインにプレスをかけた鹿島でしたが、割と早めに撤退戦を選択。このパターン最近多い。行けるなら行ってみよう、あ、ダメだわ、無理しないでおこう、で前半が終わる。夏の試合なので前半が低調になるのはよくあることですが、アウェイ側が出て来ないので前に出ざるを得ない2万人を超える後押しを受けるホーム側という図式、いつ行くのか、どう行くのかという問題だったと思います。



前半は相手が来ないなら持っていれば良い、という状況でしたが最初のチャンス、ティティパンが右サイドで受けてクロスを入れ、ファーにいた小塚が倒されたシーン。あれ、PKとって欲しかった。ユニフォーム引っ張られていたのが見えていたし、主審に勇気が足りないシーンだったと思います。何となく、鹿島にも大分にも波長が合わない主審でした。


攻撃をやりきること、キーポイントはこれだったと思います。失点につながったシーンの直前、左サイドに小塚と田中が上がった後、前田のスルーパスが相手に奪われて逆サイドに展開、対角線のロングパスで上がっていた左サイドの田中は戻り切れずに数的優位を作られて相馬勇紀に決められてしまう。攻撃をやり切れずに自らピンチを招いてしまった。鹿島DFブエノ?か小泉か?のスプリントも凄かったし、相馬のシュートも凄かった。ワンチャンスを決められて、鹿島に先制を許した時点でほぼ負け試合。焦らなかった鹿島と、良い攻撃が出来始めて前がかりになったけれども、攻撃をやりきれなかった我が軍。


その後、攻勢を強めますが、得点できず、0-1での敗戦となりました。先制された後に攻撃的になるのであれば、前半からやってみればいいのに、とも思いました。ただ、個人的にはどっちが勝ち点を得ることに近かったかと言えば、今日の試合展開の方がワンチャンあったと思います。良い攻撃が出来て前がかりになったところだったので、なんとも評価が難しい。鹿島相手に2勝は夢と消えました。焦れない鹿島の強みを見せつけられた。鹿島が勝っただけの試合という、いかにも鹿島らしい試合とも言えます。攻撃をやりきれるシーンは少なかった。




小林裕紀は無難なOJTでした。普通に溶け込めていた。今日はボランチでの先発でしたが、シャドーでも面白そう。嶋田慎太郎はどんな選手なのかまだ分からない。活かせてあげられてなさげ。夏の移籍期間は終了したので、このメンバーで残留を勝ち取るために粘り強く勝ち点を積み上げていかなければならぬ、ならぬのです。厳しい戦いは続く。


今日でホーム昭和電工ドームとはしばしのお別れ。100%天然芝のドームはこれが最後かもしれない。次はハイブリッド芝に生まれ変わって美しいピッチになっていれば良いのだけれども。業者の皆さんを信じるしかない。



2019/08/14

2019年 天皇杯3回戦 鹿屋体育大学戦

【鹿屋体育大学 1 - 2 大分】

楽しんでいただけましたでしょうか?みたいな試合でした。楽しめんわ!3-0で勝ってくれた方が楽しいです!あぁもうビックリした。完璧な試合運びと思いきやの自演自作のBS劇場。でもね、カップ戦ですから勝てば良いんです。勝てば。超大型の台風が近づく中、強風過ぎてドームの屋根を開いたままでのキックオフという超絶レアなコンディションの中、敢行された厳しいコンディションではありました。台風に備えて大人しくBSで観ました。


この日のスタメンはリーグ戦メンバーから総入れ替え。ここでダメならどこでチャンスを掴むつもりなんだ的メンバー。GKポープ、3バックは右からジェフユナイテッド岡野洵、刀根、庄司朋乃也の長身イケメンDFトリオ。ボランチには島川と丸谷、右に高山で左に星。ワントップに三平が入り、伊藤涼太郎と小手川の2シャドーという形。ベンチメンバーには高畑と2種登録されたばかりの3名という未成年達とGK小島という編成。ささっと2~3点リードして若いメンバーに経験を積ませられれば良いな、試合開始前はそんな風に思ってました。


対する鹿屋体育大学。全てが一流の設備を誇るらしい日本唯一の国立体育大学。2回戦で名古屋を3-0で蹴散らして3回戦進出を決めた恐ろしいチーム。このスタメンの画像の準備もキッチリできるという、どこぞのJ3クラブよりも体制がしっかりしていそうな雰囲気。この鹿屋体育大学が5-4-1で守備ブロックを形成し、しっかり繋いだ上でカウンターから得点機を演出するというJクラブ対策が見事。素晴らしい守備だった。ラインを下げ過ぎず、スペースを潰し続けて動き続けた。


我々もJ3界隈くらいまでであれば色々なクラブと対戦してきたので、どのカテゴリにも足の速い選手や、身体の強い選手がいることは分かっていましたが背番号10番を背負う藤本という、出来たばかりの心の傷に刺身醤油を塗り込むような偶然ですが、あの10番の大きさと速さは日本サッカー界のすそ野の広さを感じさせるものでした。



5-4のブロックを破るために、何度もやり直しながらボールを運びつつもシュートチャンスは作れず。後半終わり際まで無得点のまま進んでしまい、延長戦を覚悟し始めたその時、右サイドを突破した高山のクロスに、あの、決定力不足のはずだった星が、あの星が、丁寧に丁寧にヘディングシュートを決めた!あの星が!ここ一番に!決めた!成長してた!


アディショナルタイムに遂に決めたゴール。これで、90分間ボールを動かし続けたからこそ、ゴールとして結実して大団円で終われると思いましたが・・・・


うそだろぉぉぉぉぉぉという刀根のオウンゴールでまさかの延長戦へ。ここまでほぼミスのなかった刀根がまさかのミス。たった1回のとんでもないミスが発生。90分で終わったはずの試合だったのに急転直下の残業に。


メンタル的に厳しかったと思うんです。ほぼ勝ってた状況から自分たちのミスで追いつかれてしまったのでもう一回踏ん張るのはきつかったと思います。それでも延長後半の終わり際に伊藤涼太郎が値千金の勝ち越しゴール。刀根のミスを帳消しにしてあげるチームプレーです。素晴らしいゴールでした。緊急出動となった2種登録の選手にPKを蹴らせるという綱渡りのデビューをさせずに済んで良かった。


鹿屋体育大学も恵まれた日程では無かったようで、ボールを動かされ、走らされ、疲弊しきっていましたが最後まで諦めずに戦う姿勢が素晴らしかった。ジャイアントキリングする気満々の野心溢れるプレーが多く、何度悲鳴をあげたことでしょうか。素晴らしいチームでした。


NHKが全力で鹿屋体育大学を推していたのでBS劇場と呼ばれる試合に抜擢されてから嫌な予感しかしませんでしたが、勝ったので問題無し。台風、ドームなのに豪雨という逆境の中で、結果だけは残せたので良しとしましょう。内容的にはもうちょっと向上して欲しいものの、サブメンバーのコンディションは良さげだったので安心はしました。90分過ぎると流石にキツそうでしたが各々の調子は悪く無さげ。とにもかくにもベスト16に残れたので、次の対戦相手が楽しみになります。余計なプレッシャーのない、大学生以外でお願いしたい!ガンバを2-0で倒した法政大とか絶対戦いたくないです!





2019/08/11

2019年 明治安田生命J1リーグ 第22節 神戸戦

【大分 1 - 1 神戸】



イニエスタが大分にやって来たぞぉぉぉぉぉぉー!大分トリニータが遂にイニエスタと初対峙。イニエスタ氏のツイッターアカウント、フォロワー2433万ってなにそれ怖い。2400万を超えるアカウントに対して我が軍のロゴがツイートされました。世界中のサッカー好きがどこのクラブだ?となっているに違いない。イニエスタからボールを奪う宇佐市出身の若者が居るっていう事実を世界中に知らしめた意味でこの一戦には大きな意味があった。


イニエスタ目当てで神戸まで出向いたのに奥さんの出産で一時帰国と肩透かしを食らったので先祖の霊と共に帰省してやりました。観れるうちに観ときやの精神。J1であることを堪能しつくしたかった。













充実の堪能っぷりでございました。イニエスタの写真めちゃくちゃ撮った。4桁枚撮った。しかし、鳥栖同様に沢山の観客を連れて来てくれた神戸には感謝しかないですね、しかも鳥栖よりも数段グレードアップした戦力。更にこの戦力で15位、勝ち点も分け合ってくれる。神戸は楽天から得たお金をJリーグ界隈にばら撒いてくれる義賊か。最高だぞ神戸。藤本を引っこ抜くのは余計だけどな。


激震が走ったのは8月7日、試合のわずか3日前。それも週末に試合を控えた対戦相手の神戸に移籍という急転直下の情報が発表された。J1でも結果を出し続け、日本代表への召集の可能性もあったほど話題になった藤本。その藤本が国内リーグ最高強化費を誇る神戸に引っこ抜かれてしまった。背番号10のトップスコアラーの選手をシーズン途中に引き抜かれて良い訳がないんだけれども、お金に関しては勝負にならない程に明確に力の差があるのでどうしようもありません。我が軍も誠意を尽くして慰留するも、藤本も29歳、家族も抱えているしで、Jリーグで年俸何倍かのワンチャンスが訪れたら悩むに決まっている。戦力を過剰に保有している状況でもある神戸。競争に勝ち抜かなければ試合に絡めなくなることだってあり得る。この挑戦に立ち向かってこその勇者。リスクのある方を選んだことに最大限のリスペクトを伝えたい。正直なところ、あの特殊能力、ペナルティエリア内での異常な落ち着きを、このブログだけが実家で過ごすがの如く落ち着いていると、実家での振る舞いに例えて来ましたが、それももうネタ切れの限界を迎えていたので、ステップアップを選んでもらって、筆者だけは何かから解放された気持ちでいっぱいです。



しかも、どうも契約を結びなおしたっぽいのか?移籍金と違約金をたんまりとクラブに残してくれた模様。これが素晴らし過ぎる。この藤本販売特需に楽天PAYされたお金を元手に、今いる若い戦力を来年も残せるように再分配して血肉にしていかなければなりません。地方クラブとしては素晴らしいやり口。J3に落ちて、対戦したチームにいた藤本。最初は我が軍が育て上げたゴレアドール後藤からJ3得点王の座を掻っ攫ったいけすかない奴だった。それが今や惜しまれながら出ていく選手になるっていうのは藤本自身の人間性も多分に関係していると思います。もしこの試合で勝ち越し弾でも決めていたら全然違う風に書いていたと思いますけど、無得点で送り出せるので許しましょう。神戸はこれから鳥栖、松本山雅と下位との直接対決を残しているのでガンガン活躍してもらいたい。


みどり牛乳サンクスデー。2万6千人以上を集めたこの日、様々なイベントが実施されていました。お盆休み、帰省した家族連れ向けのイベントが盛り沢山。スタジアムの前にテントがあって、ステージがあってと、昔夢見ていた「俺たちの望むもの」が全て現実のものに。凄いよね、ここまで進化したのは凄い。皆本当に頑張ってる。泡のプールがあるものの、昨年同様、泡パーティー的な若人が集まるものではなく、ガキの皆さんが楽しそうに遊んでいただけなのでおじさんは素通りしました。泡パやろうよ、泡パを。ガキの皆さんは風邪ひくなよ。







2万6千人が入った昭和電工ドーム。なんだか夢心地でしたね。5~6千人しか入らなかった時代から2万人増えたってことじゃないですか。やはりスタジアムはこうでないと。あの頃のJ1時代に戻ったかのような、ノスタルジーに浸れました。イニエスタさんサンキューな!新しい時代が来ている予感もした。


主力が1人抜けたことによりスタメン、ベンチには当然変更が。ワントップにはオナイウが入り、シャドーは小塚とティティパンという組み合わせ。刀根がベンチメンバーへ復帰。ベンチから途中出場した島川がベジータの攻撃を受けた後のリクームみたいな髪形になっていました。そして新戦力が早速ベンチに。


大宮アルディージャから期限付き移籍で獲得となった嶋田慎太郎。イニシャルTTこと田中達也に続き、イニシャルSSこと熊本ユース出身の嶋田慎太郎を獲得。元熊本コンビのイニシャル揃い。TTSS兄弟。嶋田慎太郎は途中交代でいきなり出場しましたが、まだよく分からず。星をシャドーに使おうとするくらいなので、強化部はシャドー人材に満足していない模様。


対する神戸、ちゃんとイニエスタがいる。これでもまだポドルスキとビジャが居ないっていうのが恐ろしい話。藤本必要?もう一人の注目は4番の元ベルギー代表フェルマーレン。失点が多い神戸が補強した元バルサの選手。ボールの持ち方とか、出し方とか、な、俺違うだろ?的なプレーを前半にアピールしていた雰囲気。確かにボールの扱いは上手かったけど猛暑のJリーグに適合できる33歳なのかどうかはまだ分からず。



みどり牛乳を持つイニエスタ。これで九州乳業スペイン支店が出来る日も近い。(※来ません)





このメンバーでキックオフとなりましたが、残念ながら全然面白くなかった前半。真夏の試合の前半なんてこんなもんだと言えばそれまでですが、予想していたよりは神戸が前から追って来なかった印象。神戸側のプレスはガンガンいこうぜ、の無作為ではなく、条件が整理された状況下での効率的なプレスという印象でした。条件は明確には分からなかったけど、ウェリントンと古橋の2トップ気味で、3バックでのスタート。サンペールをアンカーにした3-5-2というか3-3-2-2というか。今までにない神戸の形。



神戸が更に意外だったのは、アウェイであんなに収まっていたウェリントンに対するロングボールが少なかったことと、GKを絡ませてボール回しをし始めたこと。イニエスタがいると急にロングボールを蹴らなくなるのか、何なのか、繋げるイニエスタさん居ますから!って感じでパスワーク主体の戦術に。イニエスタが居る、居ないで監督の戦術関係なく戦い方が変わってしまう模様。全員がイニエスタに忖度せねばならない雰囲気。ウェリントンが全然元気なかったのは怪我の影響かもしれないけれども、ぶっちゃけるとイニエスタが居ない神戸の方が強かった。外国人枠を使うためなのか、韓国人GKを放出してマリノスからGK飯倉を獲得。そして藤本を獲得し、飯倉も高い位置を保ちながらビルドアップし始めた。・・・・あれ?なんか、似てるな・・・。GKにプレスかけると裏取られるから深追いはしなかった我が軍。バックパスが雑だったので特攻プレスしたらチャンスになっていたかもしれないし、裏を取られたかもしれない。神戸ってこういうサッカーだったのか・・・・というのが前半の印象。神戸の大分対策、守備はしっかりしていた。





ボールを保持出来たのは神戸側。やっぱりイニエスタなんだろう。ほぼイニエスタと古橋2名にやられて先制点を許す。イニエスタの凄さを言語化するのは難しいですが、なんかヌルヌルしています(※小学生並の感想)速いとか強いとかじゃない、でも止められんのです。何か分からんけど上手い。あそこまでのレベルの選手は観たことがないのでもう分からない。古橋のターンからシュートは速かった。鈴木義宜が対応してもやられたのであれはもう相手を褒めるしかない。J2オールスターズに加えたかった山口の小野瀬と岐阜の古橋。古橋も海外移籍話が出ているので年齢的に落ち着いて働きそうな藤本に白羽の矢が立ったのかもしれない。



この試合で我が軍として一番印象に残ったのは競技規則の改定でゴールキック時に味方がペナルティエリア内でボールを受けられるようになったことを上手く使おうとしていた姿勢でした。競技が変わった印象を持った。良い方に使えるのかどうかはまだ分からんけれども、リスタート時の手段が増えたことは確か。


後半に山口蛍さん大丈夫ですか?と言いたくなるプレーからカウンターでティティパンが抜け出してオナイウがフィニッシュ。後半早々に追いつけたのはラッキーだったが良かった。何故かカメラのモードを変えるとオナイウが得点するという個人的ジンクスが爆誕。GWの時もそうだったんだよな・・・・。ティティパンの顔出し具合、ラストパスが素晴らしい得点だった。





後半は五分五分に持ち込めた。イニエスタからボールを奪った岩田のプレーにどよめく昭和電工ドーム。その後イニエスタからローキックを食らわされる岩田。イニエスタとやり合う岩田。どよめく昭和電工ドーム。30億円の男と戦う岩田。最高のシーンだった。イニエスタに「ちちまわすぞ」と言ってました。(※言ってない)大分県民よ、29番のユニフォームを買うのだ。今すぐ買うのだ。



藤本が居なくなったFW陣において、最も期待がかかるのが夏男。飲水タイム前に出場する雰囲気満々だったのに、飲水タイムで急遽前田が交代。再びアップに戻るという難しい精神的コントロールの中、やっぱり出場して惜しいヘディングシュートを放った三平。三平がシャドーに入ってJ2時代にあった3人以上で絡んでサイドから崩すパターンが再現できれば面白いと思うので、期待がかかる。





結果、お互いミスにつけ込む得点以外は取れず引き分け。神戸とはリーグ戦で2引き分け。J1最高とJ1最下位の強化費用の差がありながら、お互いに勝ち点を譲り合った。勝ち点は34に。目標の45まで残り11。楽天には本気でバルサ化頑張って欲しい。Jリーグに良い効果しかもたらしていない。おこぼれを貰い続けられるためにもJ1に残ろう。夏の連戦を乗り切りましょう。


サンペールさん?強いチームに引き分けだったぜ!ってこそばゆいですね。



イニエスタさん?やっぱりロングボール蹴るの嫌いなんだね・・・。褒められたね・・・。選手、監督、コーチ、スタッフがこれ以上引っこ抜かれないと良いね・・・・。なんか、GK含めてボール回しし始めた時に、まさか来シーズンそんなの嫌よと思いました、私。



2019/08/05

2019年 明治安田生命J1リーグ 第21節 鳥栖戦

【鳥栖 2 ― 2 大分】



暑い中で行われた、熱い試合でした。家からDAZN生観戦だったので涼しかった訳ですが、唯一のJ1九州ダービー、勿体ない試合となってしまいました。大興奮の熱い試合だからこそ、冷静に振り返るのが重要。私が一番強く感じたのは1失点後に慌てなかった我が軍の冷徹さでした。


前節から前田をベンチに、小手川をベンチ外へと2名のメンバー変更。キックオフ直後は後藤がワントップに入り、ティティパンがボランチに入る。ベンチには久々に三平が戻って来た。前節の川崎戦でGKの序列に変更あり?みたいなことを書いてしまったのですが、ポープは川崎からのレンタルということを完全にきれいさっぱり忘れてしまっておりまして、ポープはうちの子だろくらいに、いつの間にか思い込んでしまっていて、 コメントいただいて思い出しました。小島があっさりベンチ外だったので変わらず3番手の模様です。


この1週間で最も驚いたのが福森の清水への移籍。やはりJ3時代を共に戦った選手には特別の想い入れがあるので寂しい限りなのですが、試合に使われなくなって、お子さんが出来て、より高い年俸を提示されるまでになったと考えたら(※真相は不明だけど)選手にとっては良いことだと思いますし、J2でもJ3でもなくJ1の名門からオファーを貰えるまでの選手として成長したことの証でもあるので、出場できる場所で頑張って欲しいと思います。


大卒の有望選手は大分トリニータくらいに入っとくのがちょうど良い事例です。田中達也獲得に使ったであろう移籍金も相殺できるし。本当はドリブルもクロスもやればできる子だったのに、右サイドとのバランスを取りつつ守備の思想ファーストの安定志向になってしまい、攻撃大好き監督からするとプライオリティが下がって行ってしまったのではなかろうか(※トリテンに書かれていたので登録して読んでね)右側にスライドするからしょうがないんだけれども、ボランチが更に降りてくるまでになったのでサイドを押し出すことが生命線になり、戦術との微妙な齟齬が生まれた印象の移籍劇。チームと共に成長してきた過程を見て来たので本音はやっぱり寂しい。これでもし、清水でベンチを温めていたらその時こそブーイングしてやんよ。守備で残留戦線を乗り切る気の篠田監督ならおそらく使うと予想している。


対するサガン鳥栖。あの頃とはもう全く違うチームになっている。まずはこの夏での加入が2名。




金森とチアゴ・アウベスを獲得。試合前は最下位に沈んでいる状況と結果が出ておらず補強&補強。ただ、一番の問題だと思われるのは引退を表明しているトーレスをバリバリの先発で使ってくる起用方針。我が軍はデカくて強いCFを苦手にしてはいるものの、もうすぐ居なくなる選手をスタメンで使うというのが理解しがたい。今日もチャンスを決められなかったし(※大昔からだけど)今後のピッチ上だけのことを考えるとプラスになることがあるのか微妙なところ。ピッチ外では間違いなくプラスなんだけれども。それでも今日の鳥栖は前回対戦に比べれば明確に佐賀牛そのもの。焼いて出しただけで美味しい奴。前回対戦で感じた佐賀牛をおはぎに入れて出された感じはしなかった。戦術的に明確。でもやっぱり普通に考えればトーレスを先発に使うのは中々予想出来ない。もうそろそろスタメンは他のメンバーにしないとまずいだろ、って普通なら予想すると思うんですよ。まだできるからもう半年頑張ろっかな、ってトーレスに言わせようとしているのか?引退を複数回やるのか?フェルナンドトーレスの長州力化を目論む戦略とみた。


鳥栖は前がかりではなく、基本は撤退戦を選択。今までJ1各クラブの大分対策は松本、清水、広島を除いて基本前からプレスをかけて奪って攻撃が基本線だったけれども、鳥栖も引き気味に。無駄に食いつかず、ブロックを維持したまま良い距離感で守備陣形を敷いてからカウンターという、J2時代に散々苦しんだ既視感のある対策。これを打開する術は右サイドから打破するストロングライトを開発済みの我が軍。鳥栖も大分の右を警戒し、対策の対策まで準備していたため、攻撃が停滞。そもそも先発陣は鳥栖が前がかりに来ることを想定しての布陣だったと思われる。ホームで、最下位で、撤退戦を選ぶのは意外。それほどまでにリスペクトされているのが謎。肩透かしと噛み合わなさで前半はピンチの方が多かった。あんなに大好物だった4バックなのに、崩せなくなってきている点は不安ではある。


後半に入り、自分たちのミスから失点をしてしまうのですが、1失点目は相手のシュートが素晴らしかったので諦めがつく話。ここからこの試合で一番強く感じた「慌てなさ」を発揮。確かに時間はたっぷりあったのでじっくり攻めて良いのですが、それにしてもじっくり過ぎんだろ、と感じるくらいには落ち着いていた印象。バタバタしなかった。強い子に育ちました。


リードされたら藤本の投入。一瞬実現したワントップ藤本とオナイウ&後藤の2シャドーに小塚のボランチは攻撃的過ぎてワクワクした。そして新たに田中達也を獲得したことで新開発出来たばかりのストロングレフトが発動。田中達也の頑張りと、福森より三竿が選ばれた理由がくっきり判ってしまった三竿のペナルティエリアまでの侵入っぷり。線審が一瞬オフサイド判定したみたいだったけれども、付近にいた藤本は関与してないしでゴール判定。慌てずに同点に追いつけてしまった。三竿は素晴らしい同点ゴール。


ここからの鳥栖の慌てっぷりが印象的だった。確かに怪しいゴールに感じたんだろうけど、鳥栖の選手とベンチは激高してしまい冷静さを失った。1失点しただけなのに我が軍と比べてのコントラストが凄く、この鳥栖の慌てっぷりのせいで我が軍の冷静さが浮き立ったように感じる。逆転に向けて前田を投入して、小塚をシャドーに戻してバランスを取り、再びじっくり1点を獲得するバランスに修正。更には疲れの見えた小塚に代えて久々にリーグ戦に戻った三平を投入。三平が入ったことでサイドとシャドーがワンタッチで絡むような連携が出て(※プレー自体は失敗だったんだけど)ごちゃごちゃしたところに岩田が割り込んできてゴールを奪ってしまう、という逆転ゴールが生まれた。ストロングライトも完全復活。これで大逆転。冷静で素晴らしい試合運びだった。勝ったと思いました、私も。推している岩田のゴールが素晴らし過ぎて有頂天。来年シントトロイデンに移籍してしまいそう。提携しているものの、あそこだけは止めとこうな!


これで前がかりにならざるを得ない鳥栖。そしてなぜか致命的なミスで失点してしまう我が軍。暑さで消耗して一歩が出なくなっていたDF陣と蹴れなかった高木。いや、鳥栖はそれ前半からやった方が・・・って話なんですけど。トーレスを使って撤退戦から始めることを読み違えた状態から、撤退戦を攻略するために人員変更した後に、最初に想定していたはずの特攻プレスを受けてしまった。最初の読み違えから頑張って取り戻せていただけに非常にもったいない結果になってしまった。ちぐはぐになってしまった中でも逆転出来たのは凄かった。最後に詰めの甘さが出たけれども、どちらかと言えば鳥栖の最下位脱出の執念の1点だったと思います。降格という現実が目の前に圧し掛かると1失点するだけであんなことになってしまうし、死に物狂いで走れてしまう。更にはダービーの雰囲気がその意気込みと熱戦を生んでしまった。DAZNで観ていても更にもうひと波乱もありそうな、ただでは終わらない雰囲気ではあった。


確かに勝ち点2を失った感じはするものの、先制されてそのまま終わっていたら勝ち点1も持って帰れなかったので及第点ではあると思います。ここから夏に補強して選手や監督の陣容が変わっているクラブが多々あるので、一筋縄ではいかない試合が続くはず。次節の神戸もお尻に火が付き始めている状況。今日の試合をスカウティングすれば、やっぱり前から奪おうぜ、になるのではないか。次節こそところがどっこい剥がしてやんよ、を期待したい。底力は上がって来ている。暑い時ほど冷静に夏を乗り切りましょう。