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2024/02/26

2024年 明治安田J2リーグ 第1節 仙台戦

【大分 1 - 1 仙台】


三位一体の30周年あけましておめでとうございます。2024年シーズンも待望の開幕。現地には行けず、DAZN観戦でしたが新生トリニータの新戦術が垣間見えた試合だったと思います。今シーズンのキーワード「シームレス」というものがどういうものなのか。道半ばだけれども、きっとこういうことなんだろうな、というのは随所に見て取れたと思われます。攻守一体シームレス!


新スタメン画像の運用も始まりました。初っ端からGKが直前で西川から濱田に変更。試合前から心配と不安がよぎる。基本は保持時4-2-3-1で守備時も4-4-2っぽかった。新戦力の藤原を右SBでスタートさせていたのが予想外。各種事前情報で野嶽だと思ってた。前線が宇津元、キャプテン新太、野村、松尾。GKはハマタロウこと濱田太郎(※ダしか略してないのに意味があるのか)ベンチには繰り上がりでムンさんが入る。若手の小酒井と有働がベンチに入り、怪我人の存在が薄っすら浮き彫りに。小酒井は交代で出場出来たので早々にJリーグデビュー出来たのは良かったけれども。


昨年から私、保田堅心がヤバいヤバいと書き続けている保田堅心ヤバいおじさんなのですが、今年はもう最初から保田堅心のチームだと思っております。中盤でシームレスを具現化する中心ですし、コーナーキックのキッカーも勤め始めたし、スタジアムに熱狂を生みだす様なサッカーをしたいという片野坂監督の元で、スタジアムで一番血が沸騰しているタイプの漢なので、今年はもう本当に「君は2024年の保田堅心を観たか」というシーズンになると思います。トリニータを観に行こうじゃないんです、今年は保田堅心を観に行こうです。10ゴール10アシストくらいして欲しい。



対するは仙台。何故かホームの黄色いユニフォームで登場。胸のアイリスオーヤマのロゴが毎年少しずつ大きくなっているような気がするのは気のせいでしょうか?今年のは特に大き過ぎじゃない?アイリスオーヤマさん、どこまでバレずに大きくできるかチャレンジしてないですかね?これ。もはやアイリスオーヤマ仙台ですよ。そんな仙台も設立30周年で同い年。新しく森山監督が就任し、「走力」を求める基本方針を掲げる。4-4-1-1が基本布陣。この日はオナイウ阿道さんの弟であるプロ2年目のオナイウ情滋がサイドに入って走力全開。スピードや強度を求めるサッカーを展開しつつあった。こちらも道半ばな印象。ただ、既に方向性を表現出来てはいた。両チーム、緒戦で特徴が確認できるという事は、シーズン前のキャンプでの積み上げが一応ある、ということです。あってもシーズン終盤までそれが磨き上げられるかどうか、成功するかどうかは別の話ではありますが、それさえ無いとね、超絶不安になりますから、とりあえずこの2チームは目指すべき方向性を表現出来ているシーズンインとなりました。



兎年が終わったのでリッジー先輩は12年くらい倉庫で眠ると思っていたのですが、今年も健在の様子。倉庫送りにならないように頑張る模様です。


はい、試合です。緒戦ということでお互いに様子見しつつ、自分たちの積み上げて来たことを出そうとするけれども、ちょっと思ってたのと違うな、というような展開。両チーム完成度が低い状態で噛み合わせの悪いチーム同士の戦いだった印象。西川幸之助の交代によってか、昨年より繋ぐ意識は少なめのトリニータ。濱田太郎は割り切って前線にボールを蹴っていくスタイルだったのでリスクは少なめ。ただ、これによって仙台がハイプレスを敢行するタイプのプランだったのかどうかがよく分からない状態に。もっとガンガン前から守備に来るかと思いきや、そうでもなかった時間帯が長かったので途中で割り切ったのかもしれない。


仙台も仙台でボールを繋がないので、トリニータとしても前線から守備に行ったところで蹴られればハマらない。仙台は前半は右サイドに置いたオナイウ弟がスピードで圧倒したこともあって、シンプルなプレーが多かった。中島のドリブルも止めにくかった。パス数が少なく、走力とドリブルがベースのチームとなるとシームレス感を出せる相性としてはよろしくない。お互いの持ち味は出せなかったけれども、それでも両チーム勝利への意識は高かったので前半は戦術面で興味深かった。


トリニータで特徴的だったのは前半29分のシーン。中盤でボールを奪ってそのままカウンターになだれ込んだ攻撃があったのだけれども、ボールを奪う守備から即攻撃に移るという意識がこの試合で一番分かり易かったシーンだと思われます。左サイドでボールを持たれた時に簡単にクロスを許しがちだったが守備面で気になったところ。スピードのあるオナイウ情滋を対面にすると距離感保たないとスピードでちぎられるからなのか、何なのか。中で跳ね返せばいいやだったのか。実際やられてはいないけれども、ちょっと気になりました。


ゲームが動いたのは40分。ボールをGKまで戻したトリニータ。プレスをかける仙台、ハマタロウのキックが仙台の選手に引っかかってそのままカウンターで失点。ゲームへの入りから落ち着いて見えたハマタロウ。この時、おそらく左サイドで張っていた香川へのパスをチャレンジしたんだと思われます。ひっくり返せていたら大チャンスのチャレンジ。香川がフリーっぽかったので見えていたんだろうと思われます。それが通らなかっただけに見えました。守備から攻撃へ、攻撃から守備へ、というのはこういうチャレンジの連続だと思われます。リスクとのバランスが見いだせるのかどうかが不安要素だったのだけれども、前半先に失点してしまったけれども、当然体力も限界があるのでシームレス一辺倒ではなく、局面を選んでシームレス化できるかどうか、ということなんだろうと思われます。ハマタロウはいきなりのスタメンだったのに、かなり落ち着いていて良かったと思ってます。しかし、残念ながらビハインドで前半終了。



後半、メンバー交代まで試合は膠着状態でしたが、ペレイラを下げて藤原をCBにし、野嶽を右SBに入れてから前線が上がる時間帯が増えた印象。交代後に昨シーズンとの違いを特に感じたのは安藤のポジション。積極的に前に出ていくスタイルに変貌。後ろでどっしりではなく、割とリスク承知なポジショニングになった気がします。インターセプトも増えたし、そのままカウンターで前線に駆け上がるCBにグレードアップしていたのが面白かった。そりゃスタメンになるわって感じでした。シームレス感を出せるメンバーにならないと選ばれません。攻守がシームレス。攻撃が守備で守備が攻撃。簡単に例えるならば神社の階段から攻撃と守備が抱き合って転がり落ちてお互いの身体と心が入れ替わるような、攻撃&守備「私たち、入れ替わってる!?」みたいな世界を実現する思想ってことです(※確信はありません)


交代策が実ったのは83分。保田がボールを持つと前に持ち出してスルーパス一閃。交代で入っていた薩川が抜け出してクロスを送り、同じく交代で入っていた長沢が決めて同点に追いついた。保田、後半にドリブルで中央突破して行ったシーンもヤバかったけれども、このスルーパスもヤバかった。負けん気の強さは異常。こんな選手今まで観たことが無い。どこまでも行ってしまうポテンシャルを感じるヤバさ。観れるうちに観ておこうな。



再契約で再加入となった長沢さんが仕事してくれました。93番のゴールアピール写真は若干控えめ。後半は仙台の走力の限界もあって逆転の雰囲気はあったけれども、試合はこのまま痛み分け。2024年はドロー発進。たかが開幕戦、されど開幕戦。きっと怪我人が多い状態の中にしては現状の力は出せた方じゃないでしょうか。今年のJ2で優勝予想に挙げられるチームはざっと見たけれども、まだまださっぱり分かりません。保持するチームがどれくらいあるか、保持しないチームとどう戦うか。保持しない時間帯、保持する時間帯、相性的に抜き出れるチームがあるのかどうか。混沌とする昇格争いが目に浮かびます。全チームにチャンスはあるし、ピンチもある。そんなJ2が今年も開幕です。


招待券があったとはいえ、観客動員が素晴らしかった。保田を観た人が1万6千人いるってことか。またあの保田を観に行こう、そうなって欲しいと思います。DAZNは解説が変わらなかったことがアレなので、今シーズンのこのブログのスローガンとなった益荒男を呪文の様に唱え続けたいと思います。益荒男!!



2021/02/28

2021年 明治安田生命J1リーグ 第1節 徳島戦

【大分 1 - 1 徳島】
   
 シーズンあけましておめでとうございます。2021シーズンが遂に開幕しましたが、今年は事前情報がほぼ無く、新チームが完全に謎のベールに包まれたまま開幕を迎えたこともあってスタメンが非常に楽しみでした。新戦力と既存戦力をどう煮詰めたのか。ワクワクしながらのDAZN生観戦でした。生観戦の後も追加で1回観ました。替え玉カタめ観戦。

 

誰も予想できなかったであろうメンバーの組み合わせ。さらにゲームが始まると4バックの布陣。GKはキャプテン高木が開幕スタメン、サブはポープ。4バックは左から可愛い高畑、安定の三竿、新DFリーダー坂、前線に大きく出る小出という顔ぶれ。戦い方は継続だって各方面の媒体にあったのにまさかの4バックですよ。完全に裏をかかれました。ボランチの組み合わせは長谷川と小林裕紀のコンビ。右が新スピードスター井上、左に10番・古巣対戦となる野村が入る。2トップ気味に、ユニフォーム発表のYoutubeライブ配信があるのに昼寝・遅刻するほどの図太さNo.1髙澤と新潟から引き抜いた期待の渡邉新太。そしてこの準備してきた感満載の布陣が攻撃面で機能しないという、謎に謎を重ねる謎多きシーズンスタート。それなのに選手達には何故か余裕を感じるという謎の自信が。一体何なんだこの新チームは。


サブメンバーは13番を背負う伊佐、昨年仙台でトップスコアラーだった長沢、川崎から来た北斗の男・下田、子供おじさん町田、円熟味を増す最年長松本怜、シーズンオフに風貌が濃くなった刀根。これから即連戦に入るのである程度ターンオーバー気味なのではなかろうか。スタメン予想では長沢をワントップにする予想が多かったけれども、ベンチに置いてジョーカー的に使うのも良い。この試合は使うのが遅すぎたけれども。

 

対する昨年のJ2チャンピオン徳島。あの厳しいJ2で優勝するんだから弱い訳がない。主要メンバーはほぼ残留して順調にチームを作り上げた。にもかかわらずリカルド・ロドリゲス監督を浦和に引き抜かれるという無慈悲な仕打ちを受けた。新監督は未だ入国できておらず、暫定監督として甲本ヘッドコーチが指揮を執る。ヴェルディから補強の藤田譲瑠チマ、川崎から移籍した宮代が開幕スタメン。チマさんは昨年ヴェルディの試合をちょくちょく観に行っていたので万感の想いです。西谷がベンチにも居ない、10番渡井がベンチスタートが意外だった点。ピンポイントで補強した選手が開幕スタメンとなり、微修正が図られたようなメンバーでした。繋げるGK上福元、チームの心臓岩尾、デカくて速いエース垣田と背骨は変わらず。

 

 


問題の前半。守備時4バックでスタートになっていましたが、ボールを繋ぐことが出来なかった。4-4-2のブロックは久々に見た。片野坂体制ではJ3時代に4バックから始まったので懐かしい感じ。しかし、新しい戦術は不発。新戦術の守備がハマらず。ただ前半がダメダメだったこの試合も、90分トータルで評価するならば徳島が飛ばし過ぎたというのが妥当な評価なのではなかろうか。特に両サイド。おそらく3バックでも4バックでもボールは握れなかった気がする。無理せずボールを蹴り、うまくやり過ごせていたのかもしれない。


徳島のボールの持ち方は洗練されていました。決して我が軍から主力が抜けたから上手くいかなかった訳じゃない。J2王者徳島に対するリスペクトが足りない。4-4-2ブロックのラインに対して絶妙な位置取りであった。徳島は攻撃時、後ろ3枚でボールを回す時に、髙澤と渡邉の2トップは中盤と連動したプレスをかけられず、両サイドに振り分けられてボールを奪えない時間が長かった。鳴門ポジショナルプレーの渦に巻き込まれたのである。練度では徳島が一枚上手であった。 攻撃面では右サイドに井上健太を配置したけれども、そのスピードを活かすような形をあまり作り切れず、攻撃は鳴りを潜めてしまった。対峙した徳島のサイドを抑えるために守勢に。その裏を取って攻撃することが目的だったのだろうけれども、パスの精度も上がらなかった。


それでも守備は辛抱強くスライドして対応が出来ていたし、失点シーンも若干裏は取られたものの、崩された程でもなかったし、高木の思い切りの良さが悪い方向になってしまう「飛び出たけど触れない」が発動してしまっただけなので守備面ではギリギリ機能していたのではなかろうか。準備していたことは発揮出来なかったっぽいのが心配ではあるけれどもまぁ、始まったばかりですから!

 

前半飲水タイムの時点でトリニータは守備時5バックにしたので、甲本ヘッドコーチはそこに言及。徳島も呼応して攻撃時に後ろ4枚でボール回しをするようになっていた。前半だけで色々な攻防があり見応えはあった。

 

「でも、大丈夫」吉高由里子の声が聞こえる(※幻聴です)45分残ってますから。この試合は選手達に余裕を感じたんですよね。現状を正しく認識できているというか、2点くらい取れるだろ、こっちがダメならあっちでいくか的な。後半には理路整然としたモチベーションと深みと自信を感じた。後半から町田を投入したトリニータは再度意思統一。徳島のサイドバック吹ケが55分で交代したこともハードワークなタスクがあったことを物語る。得点はこの交代の直後に発生。最終ライン坂から右サイドに鬼フィード炸裂。爆速で追いつく井上健太。折り返しを町田がシュート、こぼれ球を渡邉新太が押し込んでJ1デビュー戦での初ゴールを決めた。

 

渡邉新太を育ててくれた新潟ありがとう。アイシテルニイガタ。攻守にMVP級の仕事っぷりだった!先に手を打ったはずの左サイドから崩壊してしまった徳島。采配が逆効果となってしまった。後半の早い時間帯に追いつけたトリニータにとっては守備もハマって高い位置でボールを奪えた場面もあり、逆転までの道筋が見えたはずであったが、お互いに交代枠を使い切っても決定打を出せず。このまま痛み分けでドローとなりました。もう1点が取れそうで取れない両軍。コーナーキックが何度か取れたのに長沢を投入出来なかったのは惜しい。イエローカードが0枚と、クリーンで面白い試合であった。最小限しか笛が吹かれない、VARにも依存させず、清水勇人主審が素晴らしかった。


開幕戦を白星で飾れれば勢いと自信が付きますが、どっちつかずの引き分け。どう評価すべきかまだ分からないことが多い。でも今日の内容を観た印象だと「徳島やりそう」と「大分は面白くなりそう」なんですよ。特に坂よ、坂。思い切ったフィードが良い。判断の速さと思い切りの良さ。選手の強みを活かしたチーム作りを行うのであれば、素晴らしい武器を手に入れた。あの武器があれば右サイドに井上健太を使いたくなる。


この試合は不発に終わった「新しい守備」がハマるとどうなるのか観てみたい。開幕戦をピークにするわけがないので、これから色々な選手が順次出場していくと思われます。未だほとんどがベールに包まれたまま、という印象の大分トリニータ。まだ何か沢山隠している気がする。今日の4バック発動により、次の試合から大分トリニータ対策が面倒になっていくことは必定。シーズンを通して俯瞰して観るならば、謎が多い方が対策はされにくい。そのための前半だったのかもしれない。謎のままシーズンが終わらないことを祈りましょう。事実、すぐにルヴァンカップですがスタメンが全く予想できない。ターンオーバーで出て来るメンバーも楽しみ。新シーズン、始まりました。今年も良いシーズンにしましょう。一致団結!



2020/02/24

2020年 明治安田生命J1リーグ 第1節 C大阪戦

【C大阪 1 - 0 大分】



世の中コロナウィルスで大変なことになっていますが、万全の手洗い・消毒でリーグ開幕に行って来ました。リーグ戦あけましておめでとうございます。移動や多くの人が集まるスタジアムには心配もありますが、とにかく人間と濃厚接触しないように、メインスタンドでひっそり観戦するため大阪へ。


密室の新幹線が心配でしたが、我々には万能薬の浅田飴がありますから心配無用。箱買いした浅田飴を白眼剥いてペロペロしていればあっという間に新大阪。3連休とあって人は多かった。スタジアムではマスク着用の人が多数。観戦したいけど感染したくない。無観客試合の話も出て来ているくらいのJリーグを守るために全サポーターが一致団結する雰囲気があって素晴らしい。自己防衛しつつ皆で守るJリーグ。


新大阪で関西のうどんを食べていた頃にスタメン発表。スタメンツイートが復活して本当にありがたい。スポンサーは無さそうだけれども、頑張って欲しいです。喜びのリツイートしまくり。スポンサー獲得のためには情報拡散が大事。


最初にスタメンを見た時はネギそのものがどっさりのうどん同様に混乱しましたが、田中シャドー、左サイドに香川だと理解。ルヴァンカップで若手枠として使った「左」に何か意図があるような雰囲気。ネギを歯の間に残しつつスタジアムへ。


現地はかなり強めの雨。試合が進むに連れて晴れていくような天候。2020年はルヴァンカップもリーグ戦も雨スタート。


太鼓でした。判定に間違いがあると叩いて知らせるシステムなのかと思いましたが違ったようです。今思えば大分トリニータが史上初めてVAR環境下で試合を行った歴史的な瞬間に立ち会ったんですが、全く利用されずに終了。プレー面でも様々な影響が出ると思われる。特にペナルティエリア内に入った時には誤魔化しがきかないので選手の評価も一変する可能性がある。我が軍がクリーンに戦って来たことがいずれ追い風になるのではないか。


エルゴトロン製のスタンドに乗っているモニタがどのメーカーの物なのか超知りたい。わざわざあんな部品にエルゴトロンを使っているということは海外のVARシステムを丸ごと輸入しているのだろうか。モニタまで長くケーブル引き回しているからプロ仕様のものに違いない。HDなのか、4Kなのか。誰かVAR映像システムの系統図下さい。


セレッソのスタメン。フラットな4-4-2、メンデスと奥埜のツートップで清武が先発。昨年痛い目にあったソウザが移籍したので脅威は感じなかったものの、青麺ことブルーノメンデスのヘディング一撃に沈んだ一戦となった。清武家次男のコーナーキックの質よ。庄司朋乃也はベンチ外。オイペンから移籍した豊川や山形から坂元の補強が今年のメインどころ。ロティーナ監督は東京ヴェルディから誰も連れて来ていないのが凄い。ゼロから作って僅かで結果を出した名将。















緑の高木。まだ見慣れない。



試合前のチャントに応える選手達。



応え続ける。



しつこい。



始動からまだ間もないですが、三平さんに加えて渡さんもかなりおかしな人だということは伝わってくる。



試合の入りから上々の出来で、左サイドを起点に良い攻撃の形と今までになかった高い位置でボールを奪い続ける守備がハマっていた。しかし、コーナーキックから開始7分に失点して以降は試合を支配していたのか持たされていたのか判断が付きにくい。ただ、左サイドは素晴らしかった。ストロングポイントであった右サイドを自重出来るほど機能していた。前半の途中でシャドーの立ち位置も入れ替えて、田中達也を左側に持って来たり、何とかしてこじ開けようとする工夫があった。ロティーナ監督が珍しく心配そうに出てくる場面もあるくらいで、前半のうちに得点出来て追いつけていればゲームの様相は変わっていたはず。





西山強化部長・片野坂監督体制以後の開幕戦は負け知らずの4年間でしたが、ロティーナ監督から得点を奪えないジンクスが上回った。シュートチャンスがあれだけ作れていて、ポストに当たっているので得点が取れていないからと言って内容的にネガティブな印象は無かった。ルヴァンカップ湘南戦は5バックでサイドにスペースも無く苦しみましたが、4バック相手にサイドからの攻撃は形になっていた。しかしセレッソ大阪の守備の堅さの方が印象深く、シーズンを通じて安定した戦いをしそうなチームなのではなかろうか。ACLなし組にあって、昨シーズンから監督を継続し、戦術的にも手堅い。もしかすると優勝候補なのかもしれない。



J2から昇格した2018年の栃木との開幕戦、昨年J1初年度の鹿島との開幕戦、毎年同じ感覚があって今年が強さのピークを迎えるのではないかと期待と寂しさが入り混じり続けたんですが、全て杞憂で終わり現体制でチームはずっと強くなり続けている。今年加入した選手とコーチがまた戦術の幅を広げ、相手チームの対策を超え、目標を達成できるのか、それともJ1の、大企業がサポートする札束の前に屈するのか。とても面白いJ1で2年目のチャレンジだと思う。勝ち点55、得点50、失点35を達するために応援したいと思える。この目標、覚えにくいので語呂で覚えましょう。55、50、35でゴーゴゴーサイコー。究極にダサいけど覚えやすい。残り33試合、どこまで行けるだろうか。今シーズンも目標を達成できるように、不撓不屈で頑張りましょう。

2019/02/24

2019年 明治安田生命J1リーグ 第1節 鹿島戦

【鹿島 1 - 2 大分】



大分トリニータがJ1に帰って来た!誰も待ってなかったろうけれども!我が軍のサポーターはこの日を夢見て6年。もうダメかと思うシーズンは今まで何度でもあった。逃げ出したくなったことも今まで何度でもあった。終わらないチャントを歌い続けても一時はJ3にまで落ち、這い上がり続けて昨シーズン遂にJ2で2位に食い込み、自動昇格を手にして過ごしたこのシーズンオフ。鬱になってしまいそうなほど退屈な週末をやりすごして迎えたこの日。シーズン開けましておめでとうございます!ハレの日です!開けた開けた、J1開幕。行ってきました鹿島スタジアム。雨も降らずに晴れて良かった。



痩せてた頃のジーコは永遠です。塩害でスタジアムの管理が大変という噂を聞いたことがある、強い潮風に晒され続ける巨大な鹿島スタジアムは圧巻。日本で一番大きく表示されている当日券販売所じゃなかろうか。これだけ都心から離れたスタジアムで当日券を買う人は居なかったけれども。








4年前に関東組に拉致されて連れて行ってもらったユースの試合以来の鹿島スタジアム。最高の専用スタジアムでJ1開幕を迎えられる幸せったらなかったですよ、本当に。しかも鹿島はアジアチャンピオンズリーグを制覇したチームですから、今まで積み重ねて来たことが日本最高峰のプロリーグでどこまで通用するのか、内容的にも見逃せない一戦。有名人が国歌独唱するなど、J1はとにかく華やかで、田舎者が上京してきたみたいな感覚に襲われました。たかが開幕戦、されど開幕戦。今年の開幕スタメンは新戦力要素多めとなりました。


今年もスタメンツイッター速報はジェイリース様スポンサード。週明けにはご祝儀相場でジェイリース株価が戻ることを期待しつつ(※切実)、スタメンはGKと最終ラインは昨年のメンバーが死守もボランチにはティティパンが登場。これは予想外。タイ語で書くとฐิติพันธ์ พ่วงจันทร์。新戦力としてはアジアカップがあり、合流が遅れていたのでまだ時間がかかるであろうという大方の予想を覆した。左サイドにはお父さんが中津出身の人と発覚し、湘南っぽさが一気に消えた高山。2シャドーが小塚、伊藤涼太郎というJ2オールスターズからの抜擢。ワントップにはペナルティエリア内での落ち着きが実家で過ごすレベルで名を馳せた(※馳せてない)Mr.這い上がり藤本。










+αのメンバーによる戦術練度の薄まりと、個の力による期待の高まりが入り混じる大分トリニータ先発陣。開幕戦独特の高揚感の中でキックオフとなりました。対する鹿島は小笠原満男引退により、内田篤人がキャプテンに就任。西大伍が神戸に、昌子が海外移籍と主力移籍の穴を埋める補強が完全にはされておらず、若手の奮起という若返り策で乗り越えようとしている印象。特にクラブの期待は10番安部裕葵に託された。しかし、今日の試合ではこの「10番」の仕事の差が試合の結果を分けることに。



個人的なイメージなのですが鹿島はやっぱり王者なんですよね、絶対王者。横綱。戦術的に小細工するようなクラブ哲学ではなく、ダイヤモンドかボックスかの違いはあれど基本はオーソドックスな4-4-2で、何かしら1点入れて、そのままやり過ごして勝ち点を奪うという、相手の良さを消し合うJ2の戦いを知らないJ1王者。王者は大分対策みたいなことで自分たちのやり方を変える訳がない。開幕戦も大分トリニータの分析はしていたのだろうけれども、J1ではJ2と違って相手に合わせて3バックのミラーゲームにする、みたいなことは起こらない。これがJ1仕様。我が軍にとっては王者の方が組みやすい。セレッソに引き抜かれたロティーナ監督はJ2に帰って欲しい。鹿島は個の力量を基本とした差で圧倒しようとしていた印象。基本戦術は攻守の切り替え素早く、攻撃はショートカウンター狙い。



お互いに点が入るまで鹿島の前線は大分の最終ラインにまではプレッシャーはかけず、中盤で奪ってから攻撃に転じる戦略。序盤はあまり追って来なかったのが意外だった。鹿島の誤算は大分が予想以上に「やれた」ことだったのではないか。J1のスピード、強さに慣れるまでに5分必要だったが最終ラインの、鈴木、福森、岩田のJ1への適合っぷりが素晴らしかった。最終ラインの安定は我が軍の戦術の全てなので、GK高木を含めた4人がしっかりとしたボール回しを出来たことが大きかった。鹿島の10番を対面で抑えた岩田の活躍も素晴らしかった。相変わらず監督は良く動いていた。




そしてこの試合の結果を決定付けたもう一人の10番。ペナルティエリア生まれ、ペナルティエリア育ち、悪そうなパスも大体決める藤本が躍動。昨シーズンジェフ戦とそっくりなチャンスを2度3度生み出しました。


このゴールが脳裏に浮かんだよね、浮かんだよ。ただ、今日は違っているポイントがあって、この試合のパスはDFが適当に出したけれどももう一人、ペナルティエリア生まれ、ペナルティエリア育ち、悪そうなFWにプレッシャーかけられても落ち着いてパスを供給できるGK高木のパフォーマンスが凄かったと思うんです。圧巻の攻撃的パフォーマンス。10分過ぎの最初の決定機、高木からのパスを見る限り、鹿島の5番が人に付く癖があることを逆手にとって藤本と一緒に駆け引きをしていたのではないか。その状況を作り出すためのボール回し。狙いが明確でビッグチャンスを生み出せたのは勇気が湧くプレーでした。






先制点は前線3人のコンビネーションから。伊藤涼太郎、小塚、藤本の3人がワンタッチパスで素早く相手を振り切っての藤本のゴール。さすがの開幕男、10番を託されたのではなく、自らもぎ取って来た男の「持っている」感が凄い。説得力が違う。JFL、J3、J2、J1全カテゴリーでの開幕ゴールという偉業達成。小塚と伊藤涼太郎は前を向いてボールに絡むと2人とも仕掛けられるタイプなのでポストタイプの伊佐や三平と絡んでも、もっと面白くなるのでは。新戦力、楽しみでしょうがない。







戦術を表現できて、前半をリードで終えられて、良い印象はありつつも、それでもギリギリ戦えている、という印象を持つくらいに鹿島の個の強さは感じました。45分が濃密で、一つ一つのプレーに本気以上を出さなければ対等にならない。戦えているけれども上回れている訳ではない感覚。セットプレーで失点しなければラッキー、くらいに思えるレベルの差を感じたのは事実。




後半早々にやっぱりか、というくらい予想通りにセットプレーで追いつかれてから、65分過ぎくらいまでほぼ鹿島のボールを握られっぱなしになった時は白眼を剥きましたが何とか堪えられたのは、やはりペナルティエリアを住みかとする2名の活躍と、もう一人の新戦力、オナイウ阿道の絡み。同点に追いついてからの鹿島は勢いに乗って前がかりになり、それがまた鹿島の5番を集中的に叩くピンポイント攻撃に繋がった。高木のフィードをオナイウ阿道がお手本の様に5番を釣り出して裏へ抜け出してラストパス、これを藤本がワンタッチで決めて突き放しに成功。片野坂監督としては、同点に追いつかれてすぐにオナイウ阿道を投入して2トップ、3ボランチに移行したことが功を奏した形。







リードを守るためにティティパンから丸谷に代えて守備に重点を置き、あとは耐えるだけ。無事に逃げ切りに成功しましたが、ティティパンにも触れておきたい。意外なスタメンではあったものの、運動量豊富で前線にも顔を出すので丸谷よりも攻撃的な選手という印象。駆け上がるMF。常に動きながらボールをもらおうとしてくれるので気が利くタイプでもある雰囲気。J1でやれそうな実力を十分に持っていそう。まだ1試合だけど、好印象。世界戦略のためにもタイ語でブログ書かなければならんのではないか。タイ語の通訳さんも細かい指示を出していて、いずれ喉が枯れる気がするので浅田飴さん、タイへの進出チャンスです。








長いアディショナルタイムを抜けて、無事にリードを守って鹿討伐に成功。アジアチャンピオンを倒せてしまった。凄いぞディアハンター大分トリニータ。そもそも鹿島に勝った記憶なんぞ無いのだ。アウェイの地、鹿島スタジアムにて上々の滑り出し。選手達は毎試合120%で試合に臨まければならない厳しい戦いが続くと思われます。が、それが普通になった時にチームとして一つ上のレベルに成長できるはず。戦える自信になったはず。J1の生観戦は濃密で、90分が異常に長く感じましたが面白すぎた。J1は凄い。アディショナルタイムくらいに今までの苦しかったシーズンを思い出して込み上げてくるものがありました。走馬灯のように駆け巡ったのでこのまま死ぬのかなって感じるほどに。






今のチームは本当に、今までに見たことの無かった景色を見せてくれるチームで凄すぎる。昨シーズンの開幕戦、栃木に対して4得点したあの試合、もうこのシーズン以上強くなることはないだろうな、ピークを迎えてしまうんだろうな、という寂しさを感じたのですが今年は新戦力を迎えたことで、どこまで行けるのか分からないくらいの伸びしろを感じました。高山もまだまだ完全にはフィットしていないけど個の力で何とかできてしまっていた。このチームは次にどんな景色を見せてくれるのだろうか。J1開幕、次はホームで3万人、3万人集まれ。凄いチームになるかもしれない。でもこのスタメンをガラッと変える可能性もあるから恐ろしい。次節も見どころ盛りだくさん。昭和電工ドームに行かなきゃ損。



ダニエルの横断幕、素晴らしい出来。皆気持ちは一緒。