2021/02/28

2021年 明治安田生命J1リーグ 第1節 徳島戦

【大分 1 - 1 徳島】
   
 シーズンあけましておめでとうございます。2021シーズンが遂に開幕しましたが、今年は事前情報がほぼ無く、新チームが完全に謎のベールに包まれたまま開幕を迎えたこともあってスタメンが非常に楽しみでした。新戦力と既存戦力をどう煮詰めたのか。ワクワクしながらのDAZN生観戦でした。生観戦の後も追加で1回観ました。替え玉カタめ観戦。

 

誰も予想できなかったであろうメンバーの組み合わせ。さらにゲームが始まると4バックの布陣。GKはキャプテン高木が開幕スタメン、サブはポープ。4バックは左から可愛い高畑、安定の三竿、新DFリーダー坂、前線に大きく出る小出という顔ぶれ。戦い方は継続だって各方面の媒体にあったのにまさかの4バックですよ。完全に裏をかかれました。ボランチの組み合わせは長谷川と小林裕紀のコンビ。右が新スピードスター井上、左に10番・古巣対戦となる野村が入る。2トップ気味に、ユニフォーム発表のYoutubeライブ配信があるのに昼寝・遅刻するほどの図太さNo.1髙澤と新潟から引き抜いた期待の渡邉新太。そしてこの準備してきた感満載の布陣が攻撃面で機能しないという、謎に謎を重ねる謎多きシーズンスタート。それなのに選手達には何故か余裕を感じるという謎の自信が。一体何なんだこの新チームは。


サブメンバーは13番を背負う伊佐、昨年仙台でトップスコアラーだった長沢、川崎から来た北斗の男・下田、子供おじさん町田、円熟味を増す最年長松本怜、シーズンオフに風貌が濃くなった刀根。これから即連戦に入るのである程度ターンオーバー気味なのではなかろうか。スタメン予想では長沢をワントップにする予想が多かったけれども、ベンチに置いてジョーカー的に使うのも良い。この試合は使うのが遅すぎたけれども。

 

対する昨年のJ2チャンピオン徳島。あの厳しいJ2で優勝するんだから弱い訳がない。主要メンバーはほぼ残留して順調にチームを作り上げた。にもかかわらずリカルド・ロドリゲス監督を浦和に引き抜かれるという無慈悲な仕打ちを受けた。新監督は未だ入国できておらず、暫定監督として甲本ヘッドコーチが指揮を執る。ヴェルディから補強の藤田譲瑠チマ、川崎から移籍した宮代が開幕スタメン。チマさんは昨年ヴェルディの試合をちょくちょく観に行っていたので万感の想いです。西谷がベンチにも居ない、10番渡井がベンチスタートが意外だった点。ピンポイントで補強した選手が開幕スタメンとなり、微修正が図られたようなメンバーでした。繋げるGK上福元、チームの心臓岩尾、デカくて速いエース垣田と背骨は変わらず。

 

 


問題の前半。守備時4バックでスタートになっていましたが、ボールを繋ぐことが出来なかった。4-4-2のブロックは久々に見た。片野坂体制ではJ3時代に4バックから始まったので懐かしい感じ。しかし、新しい戦術は不発。新戦術の守備がハマらず。ただ前半がダメダメだったこの試合も、90分トータルで評価するならば徳島が飛ばし過ぎたというのが妥当な評価なのではなかろうか。特に両サイド。おそらく3バックでも4バックでもボールは握れなかった気がする。無理せずボールを蹴り、うまくやり過ごせていたのかもしれない。


徳島のボールの持ち方は洗練されていました。決して我が軍から主力が抜けたから上手くいかなかった訳じゃない。J2王者徳島に対するリスペクトが足りない。4-4-2ブロックのラインに対して絶妙な位置取りであった。徳島は攻撃時、後ろ3枚でボールを回す時に、髙澤と渡邉の2トップは中盤と連動したプレスをかけられず、両サイドに振り分けられてボールを奪えない時間が長かった。鳴門ポジショナルプレーの渦に巻き込まれたのである。練度では徳島が一枚上手であった。 攻撃面では右サイドに井上健太を配置したけれども、そのスピードを活かすような形をあまり作り切れず、攻撃は鳴りを潜めてしまった。対峙した徳島のサイドを抑えるために守勢に。その裏を取って攻撃することが目的だったのだろうけれども、パスの精度も上がらなかった。


それでも守備は辛抱強くスライドして対応が出来ていたし、失点シーンも若干裏は取られたものの、崩された程でもなかったし、高木の思い切りの良さが悪い方向になってしまう「飛び出たけど触れない」が発動してしまっただけなので守備面ではギリギリ機能していたのではなかろうか。準備していたことは発揮出来なかったっぽいのが心配ではあるけれどもまぁ、始まったばかりですから!

 

前半飲水タイムの時点でトリニータは守備時5バックにしたので、甲本ヘッドコーチはそこに言及。徳島も呼応して攻撃時に後ろ4枚でボール回しをするようになっていた。前半だけで色々な攻防があり見応えはあった。

 

「でも、大丈夫」吉高由里子の声が聞こえる(※幻聴です)45分残ってますから。この試合は選手達に余裕を感じたんですよね。現状を正しく認識できているというか、2点くらい取れるだろ、こっちがダメならあっちでいくか的な。後半には理路整然としたモチベーションと深みと自信を感じた。後半から町田を投入したトリニータは再度意思統一。徳島のサイドバック吹ケが55分で交代したこともハードワークなタスクがあったことを物語る。得点はこの交代の直後に発生。最終ライン坂から右サイドに鬼フィード炸裂。爆速で追いつく井上健太。折り返しを町田がシュート、こぼれ球を渡邉新太が押し込んでJ1デビュー戦での初ゴールを決めた。

 

渡邉新太を育ててくれた新潟ありがとう。アイシテルニイガタ。攻守にMVP級の仕事っぷりだった!先に手を打ったはずの左サイドから崩壊してしまった徳島。采配が逆効果となってしまった。後半の早い時間帯に追いつけたトリニータにとっては守備もハマって高い位置でボールを奪えた場面もあり、逆転までの道筋が見えたはずであったが、お互いに交代枠を使い切っても決定打を出せず。このまま痛み分けでドローとなりました。もう1点が取れそうで取れない両軍。コーナーキックが何度か取れたのに長沢を投入出来なかったのは惜しい。イエローカードが0枚と、クリーンで面白い試合であった。最小限しか笛が吹かれない、VARにも依存させず、清水勇人主審が素晴らしかった。


開幕戦を白星で飾れれば勢いと自信が付きますが、どっちつかずの引き分け。どう評価すべきかまだ分からないことが多い。でも今日の内容を観た印象だと「徳島やりそう」と「大分は面白くなりそう」なんですよ。特に坂よ、坂。思い切ったフィードが良い。判断の速さと思い切りの良さ。選手の強みを活かしたチーム作りを行うのであれば、素晴らしい武器を手に入れた。あの武器があれば右サイドに井上健太を使いたくなる。


この試合は不発に終わった「新しい守備」がハマるとどうなるのか観てみたい。開幕戦をピークにするわけがないので、これから色々な選手が順次出場していくと思われます。未だほとんどがベールに包まれたまま、という印象の大分トリニータ。まだ何か沢山隠している気がする。今日の4バック発動により、次の試合から大分トリニータ対策が面倒になっていくことは必定。シーズンを通して俯瞰して観るならば、謎が多い方が対策はされにくい。そのための前半だったのかもしれない。謎のままシーズンが終わらないことを祈りましょう。事実、すぐにルヴァンカップですがスタメンが全く予想できない。ターンオーバーで出て来るメンバーも楽しみ。新シーズン、始まりました。今年も良いシーズンにしましょう。一致団結!



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