2023/12/26

気温のデータで振り返る2023年

シーズンが終わって、Jリーグ界隈も大分トリニータ界隈も色々とありましたが更新をサボりまくっておりまして、もう年末になりそうなので慌てて1件だけ更新しようと思い立ちました。私、生きてます、生きております。私のことはブログとXの更新が止まったら死んだと思ってください。まだ生きているので更新です。


監督が決まったり、育てた若手が移籍したり、残留、加入、悲喜こもごもです。その辺りはもうね、私くらいの戦歴を重ねると毎年のことなのでね、全て出揃ってから、まとめてシーズン開幕前にあーだこーだ書きたいと思います。私はもう「保田さえ居てくれればシーズンパスを更新するおじさん」なのです。


ということで一旦振り返りです。2023シーズンが終わって、どんなシーズンだったかと問われると一言で現せば「消化不良」という印象でした。もっとやれたような気もするし、十分やったような気もするし、評価の難しい1年だったと思います。好調な序盤、怪我人の増加、戦術の希薄化、穴埋め的戦い方、終盤の再構築。そんなシーズンの流れの中で切り取ってみたいデータがあったのです。今シーズンを象徴するデータ「暑さ」です。今年は暑かったじゃないですか、観戦していてもしんどいくらいの暑さでした。春秋制と秋春制の議論も2023年12月19日に開催されたJリーグ理事会で、秋春制への移行を2026-2027年シーズンから開始することで全会一致可決し、正式に決定。この件もあって今年の結果と気温の関係を調べてみました。今年、夏日と呼ばれる25℃以上での試合結果を抽出してみたところ以下の様になりました。


Jリーグの公式記録による大分トリニータの試合データを調べたところ、25℃以上で18試合ありました。初っ端が山形戦で大敗北。5月に30℃なのは平日の昼間だからだ!山形め。過酷な日程にしやがって。ここからおかしくなったんだよ。25℃以上の環境では3勝しかしてない。累計で稼いだ勝ち点は15点。18試合で15点。1試合平均1点を割り込んでます。0.83点。シーズン全体は62点なので42試合で割ると平均1.47点。暑い環境ではやっぱり勝てなかった印象を裏付けるデータでした。


しかし、試合を重ねるに連れて怪我人が続出したんでね、一概に気温のせいでトランジションの高いサッカーの強度が落ちたとは言い難いとも思います。あくまで切り口、データをどこでどう切り取るかということで見え方は変わるんでね、参考程度にってことです。ただまぁー、あのー、調子の良かった頃にですね、夏に勝ち点を落とすだろうけれどもって、ブログに書いてたんでね、予見が当たってしまったのだけれども、それくらい今年の戦術は前線のFW陣の守備に求められるプレス強度やカウンター対策で切り替えを速くするMF&DF陣に求められるスプリント能力を強く必要とする戦術でした。敵陣内に押し込んで攻め続けるサッカー。面白かったけれどもね・・・・。一応、昨年のデータも調べたので比較対象として掲載しておきます。




2022年で夏日の試合は12試合。今年と比較すると6試合も少ない。30℃を超えた気温での試合はゼロ。やっぱり2023年は酷暑でした。しかも昨年は最終節が常夏の沖縄での試合も含まれる。それでも少ないんだからやっぱり2023年は暑かったということです。ちなみに稼いだ勝ち点は17点。12試合で17点ってことは1試合平均で1.41点を稼いでいるので昨年の方が暑くても勝てていたということに。本来は試合平均の総走行距離とかと照らし合わせないとね、データとしては本当は意味が無いんだけれども、まぁ、年末ですし、今年暑かったし、ということで。


で、なんですよ。以上を踏まえての春秋制か秋春制かって話なんですけれども、結局のところ夏に試合をするのかしないのかで言うと、するんですよね。現状、移行時期は2026 FIFAワールドカップ北米大陸大会終了後の2026年8月第1週から予定されていて、2026年12月第2週から2027年2月第3週ごろまで冬季ウィンターブレークを挟んで、2027年5月最終週に最終節を迎えるという日程らしい。うーん、ほぼ変わらない。夏の試合を止めて、ウィンターブレーク無しなら南の方のクラブが断然優位になると思うのだけれども、開幕が8月て。灼熱スタートじゃん。梅雨に試合が無いのはドームの湿度的には有利に働くかも。これから複数年かけて構築するトリニータのサッカーの方向性と気温。我が軍にとってどのような時期にどのようなメンバーでどのようなサッカーをすべきか。暑いからって蹴るサッカーやったら冷夏になるかもしれないし、シーズン移行と戦術と、変革の時かもしれない。




2023/11/13

2023年 明治安田生命J2リーグ 第42節 群馬戦

【大分 2 - 1 群馬】


2023シーズン全日程が完了です。皆さん今シーズンもお疲れ様でございました。DAZNで生観戦した最終節。下平監督の退任が公表され、現体制最後の、見納めとなる試合となりました。無事勝利して順位を入れ替えられることなく有終の美を飾る。DAZNの解説も分かり易かったし色々良かった。が、後半のパワーダウンはやっぱり発生したし、今年のトリニータは最後までそのままではありました。


非常に評価の難しい2年間となってしまった下平体制。2022年はコロナの影響、2023年は怪我人の影響が出て100%編成の実力を活用出来た期間は短かったかもしれない。本当はやりたかったはずの4-3-3。2023年就任後の開幕戦、コロナ感染で1試合順延となった試合の4-3-3を観た時に「これで勝てれば最高なんだろうけれども」と感じてから2年。当時はDFが三竿、坂、ペレイラ、小出。中盤には町田也真人と渡邉新太、アンカーに下田北斗、FWがワントップに呉屋、左に小林成豪、右に井上健太という布陣。チームで崩すスタイルから個で勝負するスタイルへの変換。J2特有の相手の長所を発揮させないようにする対策ありきの戦い。プレーオフへは進出したものの、要所でミスが出て勝ち切れなかった2022年。編成的には個人昇格した選手達が出て行き、若干人件費的には落ちたであろう2023年。「共創」という選手達に戦い方の主体性を委ねつつ、スタートダッシュに成功。ハードワークを必要とする「共創」した内容は異常な夏の暑さの中と続出した怪我人の影響で勝てなくなり、徐々に順位を落としてしまった。


チームの雰囲気、一体感は良さそうだったし、「共創」マネジメントの正しい評価は内部の人じゃないと難しそう。良い所は残し、血肉にしていかなければなりません。個人的にはこのボトムアップ型のマネジメント方式はどこかの国のどこかのリーグで実績があるものだったのかどうか?ということが気になるところ。実験的な試みだったのか?何か実績があることだったのか?横浜FCとかでやっていたのであれば初年度からやってもよかったろうし、2年目から取り入れたっていうことは本当に自主性が無かったという課題認識があったということだったのだろうか。一人一人にレビューして欲しいくらい興味がある。良い所だけ残して欲しい。結果に紐づけば異論はなかったのだけれども、シーズン途中の苦しい時期に難しくなった印象もある。急に情報発信が途絶えたし。観客動員が増えた点は評価できるけれども、どちらかと言うとスタジアムイベントが充実化した方が効果があった気がする。昔と比べると雲泥の差を感じるスタジアムイベント。来年度も頑張って欲しいところ。下平体制の総括として、来年に繋がるのかどうかはこれからの編成次第。居なくなる選手が多いと繋がらない。監督が誰で、どういう編成になるのか。来年度の編成次第、結果次第でこの2年間の評価は変わるかもしれない。


試合はもうね、「保田」です。私、保田アンカーシステムが観れるならお金を出して観る価値があると、ここ最近このブログで書いてますけれども、その意味が分かって頂けたのではないかという存在感でした。左サイドのストロングポイント、内容の良い前半に2得点。後半に失点して怪しくなるという、よくある内容ではありましたけれども、保田はどうだ、あのターン、前進、展開力、ミドルシュート、あれはヤバい。歴代のユース出身から羽ばたいていった若者を何人も観てきたおじさんなんだけれども、どの時代の誰と比べてもあれはヤバいと思う。サッカーでね、よく日本人選手が海外移籍して練習でパスが回って来ないとか聞くじゃないですか。誰が一番サッカーが上手いのか、そのチームの中で選手同士の序列みたいなもの。結果を出して実力で信頼を勝ち得ていくプロセス。そういうものが普通は練習の中で巻き起こるんだろうけれども、前節でもう明らかに今このチームで一番上手いのは保田さんっすというのが判ったような瞬間があって。ああぁもう保田のチームになるぞ、そんな予感です。もちろんまだ荒削りな部分はあれども、光り輝くポテンシャルよ。あれはヤバい。ヤバいモノを観ている気がする。



最終節は群馬。もしもお互いにプレーオフ圏内を争っていたらさぞかしヒリヒリするような試合になっただろうけれども、圏外での順位決定戦。消化試合っぽくはならずにしっかりと熱い試合になりました。両チーム、ちゃんと気持ちの入ったゲームでした。大槻監督の作ったチームです。誰も予想しなかった群馬の躍進。カウンターだけでなく、保持して動かすこともできる可変システムを使いこなす。守備時4-4-2のブロックとGK櫛引の堅さが厄介。しかし、この試合はもう保田ですから、保田経由の左サイドで素晴らしい波状攻撃が続きました。ようやく決まった感のある長沢のヘディングゴール、右サイド渡邉新太のシュートを櫛引が弾いたところを詰めた弓場。2得点は素晴らしかったし、プロセスも良かった。負けるイメージが全く浮かばないレベルの出来の前半でした。

後半、自信が失われて行くのよ。2点差となって攻めざるを得ない群馬に対して受けてしまう。香川のブロックがペナルティエリア内でハンド判定となってPKを献上、西川は惜しかったけれども決められてしまって1点を返されてしまう。


ここからやっぱり突き放す3得点目は出来なかったし、危ういシーンもあったので課題を完全に解決できた訳ではなかった。なんとか逃げ切って勝ったことは素晴らしいんだけれども、やっぱり何かが足りないまま、という印象ではあった。相手をぶっ倒す強さ、そういうものが物足りない。シーズン通してそんな印象でした。


終了後のセレモニーもDAZNで観たけれども、ゴール裏から横断幕の掲示もありました。クラブはJ1昇格に向けて本気で取り組んでいたのか?ここは私も同じ気持ち。下平体制を今年で諦めるのであれば、シーズン後半に監督交代を決断すべきだったと思う。強化部は現体制のままの方が昇格に近づくという判断をしたのだろうけれども、結果に紐づいていない訳で、結果論としては失敗だった。私、信じて優勝予想に5万円突っ込んだんでね、そこは言う権利があると思っているんです。これまでのシーズンとの違い。金がかかってるんだよ!本気で取り組めよ!っていうところは不満があります。J1にいるべきクラブだ、と本当に、本気で思っているならば決断せねばなりませんでした。下平体制を継続するなら分かるんだけど、諦めたっぽいので印象が変わります。もしかするとオファーして断られたのかもしれないけれども。本気感を見せて欲しい所。特に来年度の編成は重要。その内容次第では信頼感が揺らぐ。来年はクラブ創設30周年。新体制、本気を見せて欲しい。ということで、今シーズンも42節、お付き合い頂きましてありがとうございました。来年もJ2となってしまいましたが細く長くをモットーに応援を続けたいと思います。ひとまず今シーズン、お疲れ様でした。



2023/11/05

2023年 明治安田生命J2リーグ 第41節 金沢戦

【金沢 2 - 2 大分】


今シーズンのラストアウェイ。ラスタウェイ(※毎年書いていますけど自分でも意味は分からない)残念ながら昇格の可能性は無くなりました。繋げられなかった昇格への可能性。1試合を残して来年もJ2が確定。今シーズンのスローガンとは裏腹に色々と繋がらない結果となりました。金曜日に甲府が勝利して既に可能性はスレッスレの薄々状態だった訳ですが、最下位・金沢相手に対等な試合を演じてしまって引き分けにて完全終了。最後のアウェイも勝ち切れませんでした。順位表で上にいるチームは確かに強いチームばかりなので順位的には妥当性十分なのですが、前半戦終えて2位だったこともあって何か大きな失敗をしてしまったような印象になってしまうシーズンです。失敗したのは我々では無く、スタートダッシュが出来なかった静岡J1経験済み勢なんだけども。好位置に付けていただけに、もう少し逃げ切り方法が無かったのか?という点に悔いが残ります。怪我人も多く出てしまったし、エクスキューズは多分にあるんだけれども、目標を達成できなかった総括は必要です。2021年からの3シーズン、ずっと目標を下回っています。最終節が終わったら総括しましょう。


金曜日が祝日の3連休とあって前日に金沢入り。前泊です、前泊。前泊するとか記憶に無いくらいのレアケース。全国で旅行者が激増しており、移動も宿泊もし辛い事この上ないのですが、敢えて前泊して早朝に新スタジアムを観に行ってきました。ほとんどのサッカークラブを有する地方都市の観光地には行ってしまっているので、もはや遠征しても試合内容以外に興味が湧かない悲しいレベルに到達してしまうのですが、金沢には新スタジアムが建設中。試合前の時点でも金沢の降格がほぼ確定的だったので来年から利用予定の新スタジアムには、少なくとも来年は来れませんのでね、少なくとも。折角なら今のうちに観ておこうと行ってきました。早朝新スタジアムチャレンジ。









金沢駅からそこまで離れていないのに田園風景。まだ工事中なので近づけず、遠巻きに観る程度ですが雰囲気は素晴らしかった。スタンドの勾配大好きおじさんにとってはメインとバックは専用スタジアムの良さが溢れ出して止まらない感じ。2F席で十分だろうけれども3F席を求めるのは贅沢か?ゴール裏はちょっと良く分からんかったけど、アウェイ側が狭すぎるっていう噂はあるんだが確認不能。とりあえず工事中の敷地外から一周してみました。不法侵入に留意。角張った感じが良い。もうこの際残り2時間くらいで工事が完了してこっちで試合してくれないかなと思うレベル。金沢らしさを出すのであれば、ここから金箔を貼りまくって欲しいところ。新スタジアムの近くには焼き肉と寿司の食べ放題で中高生の胃を誤魔化すことが出来るすたみな太郎もあった。負けが込んできた時に選手達でバーベキューやるより、皆ですたみな太郎に行った方が良いんじゃなかろうか。今年このスタジアムが使えていたらツエーゲン金沢もシーズン中に復活していたかもしれない。すたみな太郎パワーで。素晴らしいスタジアムになりそう。新スタジアムが出来たらJ3に降格する前例は北九州にもあるし、なんでそうなるのか不思議だけれども、くれぐれもJFLに落ちるようなことにならないことを祈るばかりです。前例が不吉過ぎる。





はい、ということで最後(?)の西部緑地公園陸上競技場からお送りいたします。確か、伊佐がプロ初ゴールを決めたのを観た思い出深いスタジアムです。謎の土器ともお別れ。ツエーゲン金沢を恐怖のどん底に陥れるはずのヤサガラスも洒落にならなくなった訳で、ただの3枚目キャラに落ちぶれました。必死に仕事してたよ。涙ぐましい。人件費が減ってマスコットが3体維持できますように・・・。死ぬなよ・・・ヤサガラス・・・。ツエーゲン金沢はイベントとかも充実していて頑張ってたのにな・・・。








スタメンは前節からGKのみ変更。西川がスタメン。サブGKは新井。前節同様の保持時4-3-3、守備時4-4-2のはず。もうね、私はアンカーの保田がお気に入りなのでね、それが観れるならお金を払います。アンカーに保田がいるならそれで良い。他の並びは気にならない。ベンチには上夷が復帰。ラッキー角刈りの松尾もベンチに入りました。これでダメならもう、ダメです。諦めよう。



対する金沢。苦しいシーズンになってしまいました。この試合まで4連敗中。勝てない日々が続き、サポーターが「コーラを飲んでいる選手がいる」とクラブに通報するレベルになってしまった。長年コカ・コーラボトラーズジャパンからスポンサードを受けている我が軍からすると「お前は何を言っているんだ」レベルの通報。金沢でもおそらく同様だと思われます。だから何だ?っていう。コーラ飲んで勝てなくなるんじゃないぞ、補強した外国FWが不発だから勝てなくなるんだぞ。おそらくコーラを飲むと歯が溶けるみたいな節を信じてしまう人なんだろうか。この辺りは人によって許せるレベルが違うので難しい。例えばトリニータの選手がコーラを飲んでいたら通報するか?私は通報しない・・・かな・・・。どこにこのラインがあるのか。もし練習が終わった後に選手がいいちこを飲んでいたら通報するか?20度のいいちこなら通報しない・・・・かな・・・・25度ならどうだろう・・・・二階堂なら・・・微妙なラインになってきた。黒霧島飲んでたら通報する。芋はダメだろ、芋は。麦ならまだしも。私のラインはそこだ。っていうか飲んでる訳ないだろ!そう、飲んでる訳がない、「それが当たり前だろ」みたいなラインなのだろうね、通報した人にとっては。俺の黒霧島がコーラ。やっぱりコーラは問題ないのでは?そもそもコーラ配色のユニフォームじゃないか。おふざけはここまでにして、そんなコーラ色の金沢はオーソドックスな4-4-2を変わりなく運用中。前半はそこまでマンツーマンっぽくなかった印象なんだけれども、フォーメーションにギャップがあったからだろうか?金沢の守備はスペースを埋めてブロックを作る意識の方が高かったような印象。






集合写真で伊佐が先発なら何かしらの咆哮があるんですが、ベンチに回った伊佐の代わりに最若手保田が何か叫んでました。それを聞いて笑顔になる弓場先輩。毎試合何を叫んでるんだろう。



4-4-2に対しては相手のツートップの間に保田が立つので好きなのです。最終ラインのボール回しからパスコースは消されがち。しかし、その狭い所にパスが通って、保田が受けてターンして前進し始めた時のワクワク感。この日はそれだけを観に行った。今の私にはそれだけが心の拠り所。そんな保田が遂にゴールまで奪い始めた。シュートが枠に飛び始めたのだ。成長のスピードが素晴らしい。先制は保田のミドルシュートでした。割とゴールまで距離があったのでシュートとゴールが意外過ぎて得点後しか写真が撮れてない。わちゃわちゃのみです。良いぞ保田。頑張れ保田。




金沢の守備ブロックの外から放たれた素晴らしい先制点でした。試合展開として先制して楽になるはずなんだけれども、試合開始時から金沢が狙っているカウンターは機能していて、シュートまで持ち込まれるシーンが多かった。先制してからはバランスは取れていたと思うのだけれども、失点は保田に入ったボールが右サイドに展開されるんだけど、誰も反応できずにスローインになったシーンから。そのスローインからサイドを深くえぐられて折り返しのこぼれ球を決められてしまう。何度見返しても不思議な気持ちになれます。前半のうちに追いつかれてしまう。8月からホームで得点がなかった金沢攻撃陣に失点を許したらしい。




それでも攻撃に針を振り切ったメンバー構成ですんでね、すぐに突き放せました。この得点のビルドアップは何度見ても気持ち良い。GK西川から保田を経由して真ん中に供給されたパスを渡邉新太が左サイドに展開する。藤本がドリブルで前進して追い抜いた高畑に出す、高畑のクロスが相手に引っかかって金沢のクリアがこぼれ球となる。そこに渡邉新太が走り込んでシュート&ゴール、という一連の攻撃。西川から保田、保田からスペースに出すパス、そこが良い。そこが良かった。渡邉新太と長沢がスイッチする感じも良い。前半をリードで折り返せた。



下平監督からカウンターに気を付けるように、って指示が出ていますけれども、得失点差を追っているのでリードしてからも攻めました。それ故にカウンターを受けてしまって失点し、追いつかれてしまった。見事なインターセプトからのカウンター被弾。柳下監督の後半開始時に3枚交代が当たった形。しかしですね、勝利+得失点差を埋める必要があるから前がかりになるのは仕方ないよな、と試合が終わるまでは思ってました。試合後の渡邉新太のコメントを読むと、そこまで攻撃に重点を置いていた訳でもなさそうだったので????という気持ちに。あのメンバーで得点を重ねて勝利して、少しでもプレーオフ進出の可能性を追っていると思いきや、そうでもなかったのかもしれない、結果3点目は奪えず終了となりました。引き分け決着。金沢は勝ち点1を加えるも最下位が確定。



長い間1つのクラブを応援し続けると、良い時もあれば悪い時もあります。リーグ戦で優勝できるクラブは1つだけで残りのクラブは全て優勝出来ない訳で、応援しているほとんどの時期は悪い時だらけ。クラブの成長と共に順位の印象は変わっていく。しかし、いつかは良い時が来る。それを信じて応援を続ける人が多ければ多い程その「いつか」はやって来やすい。J3降格で応援する人は減る。普通なら増える要素は無い。でも金沢は幸か不幸か新スタジアムと言う強力な武器がある。活路はありそう。金沢は次節もホーム。監督交代をせずに進めて来た金沢。来年の体制がどうなるのか予想は難しい。継続もあるか?無いかな?どっちもありそうで分からない。監督人事がどうなるのかはトリニータも同じ。正解が出るのは1年後とも限らない。強化部の選択や如何に。以上、2023年のアウェイ観戦記でした。最終節はホーム。いずれにしても勝利で飾りたいところ。来年に繋ぐ、最後の試合。繋がるもの、繋ぐべきものが表現できるか。



2023/10/30

2023年 明治安田生命J2リーグ 第40節 秋田戦

【大分 2 - 1 秋田】


痺れるPKでした。少し昔話になりますけれども、2015年にJ2・J3入れ替え戦っていう試合があって、ちょうどこの日J2初優勝を果たした町田とホーム&アウェイで2試合戦ったんです。その2試合目にホームでレジェンド高松がPKを蹴って止められたことがあった。結果J3に降格してしまったんだけれども、クラブの行く末を占うようなPKっていうのが10年に1度くらいの頻度で巡って来ることがあるんだなと、あの時のPKを思い出しながら、今日、ペナルティエリアにボールを置きに行ったキャプテン司を観ていました。いや、もう観てらんなかったけれども。復帰したての10番野村が蹴るのかな?と思っていただけに、キャプテンがペナルティエリアに立った時の責任を背負う雰囲気。たまらんかった。たまらなさ過ぎて観てらんなかったけれども。高松がPKを止められた時はね、もうね、諦めがついたんですよ。この選手でダメならもうダメだ、そう思えるような責任を背負える選手に梅崎司が辿り着いていることにも感慨深い、何とも言えない感情がこみ上げてしまった。だからこそDAZNの画面を薄目で観たんだけれども、ちゃんとゴールが決まって良かった。痺れたね、痺れたよ。

負けは許されない状態のトリニータ。超攻撃的なスタメンを選定。おそらく秋田は前半に失点が多いというスカウティングもあってか、前半で勝負に出た印象。前節の栃木戦は現地で観たのだけれども、トリテンでは前半5バックだったという記述があり、???マジ???という疑う気持ちと、サッカーを読み解く能力の無さを痛感することに。まだまだ勉強が足りません。前節実は色々と変えていたという前提に立つと、この日のスタメンは更にマイナーチェンジを加えた感じ。特に左サイドで高畑と藤本を共存させるという、「守備?知らん」みたいな攻撃的な割り切りが読み取れた。前半勝負です、前半勝負。点を取らないと勝てませんから、攻撃力重視。CBはペレイラと香川という初の試み。保田をアンカーに置いて秋田の2トップの間でリンクマンの役割をさせて、弓場と渡邉新太が敵陣深くまで侵入する4-3-3。ワントップは長沢、右のFWには鮎川。鮎川と渡邉新太はポジション的に流動的な雰囲気ではあった。右サイドバックは野嶽。GKはテイシェイラ。ベンチには野村と中川が復帰。そしてこの日、足りない何かとしての角刈り松尾もポイントであった。


対する秋田。今シーズンの目標であったプレーオフ進出は果たせなかったが、J2残留は決定。何も懸かっていない消化試合としてモチベーションが下がっても良いと思うのだけれども、J2界隈では契約の話もあるし、アピールは常に必要な厳しいプロリーグですから誰も手を抜きません。困ります。前回の対戦時よりロングボールを蹴り出す頻度が減った印象はあった。アウェイ秋田戦は大雨の試合だっただけかもしれないけど。蹴るより裏抜け、この日の秋田はそんな狙いだったのだろうか。フォーメーションは4-4-2で運用中。来年のスローガンが既に楽しみである。


試合はボールを握るトリニータと引いて守ってカウンターを狙う秋田という図式。ゲームは早々に動いた。5分過ぎ、最終ラインからボールを左サイドのスペースに持ち出したランボー香川が前線にロングボールを蹴り出す。それをワントップの長沢がヘディングで落として、鮎川が詰めてシュートして先制点を生み出した。戦術「戸愚呂兄弟」が発動。長沢の周りに背の低い選手が走り込むとチャンスが生まれます。欲しかった先制点が早々に生まれて一安心ではあった。



その後も左サイド、藤本と高畑のコンビネーションやら個人技やらで長沢にボールを集めてガツガツチャンスを作れたのだけれども、シュートはポストに嫌われたり、追加点が取れそうで取れないいつもの状況に。すると18分、秋田のセットプレーからロングボールを競り落とされて齋藤恵太にゴールを割られてしまう。守備陣が揃っている時に失点するいつものやつでした。めちゃくちゃ有的優位なのにゴール割られます。謎です。人に付くのかスペースを埋めるのかはっきりして欲しいリトリート時の守備です。さっさと同点に追いつかれてしまう。なにやってだ。



しかし、この試合、超攻撃的布陣だったこともあって攻撃面では期待感は高かった。1失点くらいなんだよと思えてはいた。セットプレーでも高畑だけじゃなくて保田が質の高いキックを供給していたり、右で蹴れる人材が出て来た感があった。保田は秋田の2トップの間に陣取って受けてはターンしてワンタッチのパス交換で前進していくシーンが秀逸で、来シーズンアンカー保田システムで行くなら俺はシーズンパスを更新しても良いぞという気持ちになりました。前半の攻撃で不満は1点、戦術「戸愚呂兄弟」を得点後に使わなかったことなんですよ。先制したシーンと同じように繰り返してやればよかったのに。サイドからの攻撃に固執してしまって、左サイドでは藤本に2人付くような形になって中々打開できなかった。長沢がほぼ競り勝ててたんだから使えば良かったのに!!前半勝負だと思っていたのに同点で折り返してしまった。



「冷静にスペース無ければ逆サイド」監督から川柳的な指示が出てますが後半も決め切れなかった。仕留め切れません。選手交代で野村、梅崎、松尾、中川、伊佐と次々と投入して行きましたが秋田にボールを握られる時間帯が増えて逆に苦しくなった。そんな中で角刈り松尾なんですよ。右サイドに入った松尾。89分にトリニータがコーナーキックを得た後のこぼれ球のシーン。松尾が左サイドでボールを追って、奪い返した。諦めない漢の諦めないプレーだったと思うんです。その流れでフォローに入った香川がファウルを受けてセットプレー。そのセットプレーでのこぼれ球を松尾がダイレクトシュートをして秋田のハンド判定でPK獲得。一連の関りが角刈り中心だったんです。思い返してみればシーズン後半戦に勝ち点をしぶとく稼いだ試合で松尾がゴールを決めたりもしていたので、今シーズンのラッキー角刈りだと思うんです。シーズンの前半では角刈りではないけど、茂平がその役割だったと思うんだ。でも茂平が怪我で離脱した後にその役割を担える人材がこの角刈りルーキー。諦めない気持ちをプレーに出すので色々と巻き起こします。足りなかったピースはこういうタイプの漢だったのかもしれない。



そして冒頭のPKのシーンに繋がるのだけれども、アディショナルタイムに梅崎がキッチリとPKを決めて久々の勝利となりました。自らのJ通算350試合出場に花を添えるゴール。昇格の可能性を首の皮一枚だけ残す試合に。この日の他の試合の結果もあって、実質は相当に厳しいのだけれども、何も無いよりは何かあった方が楽しめるのでね、次節で色々決まってしまうような気もするけれども最後のアウェイを楽しみましょう。1時間だけ他の試合よりも開始時間が早かったので試合終了後45分間くらいが一番気持ち良かった40節でした。


2023/10/23

2023年 明治安田生命J2リーグ 第39節 栃木戦

【栃木 1 - 1 大分】


まだ見ぬスタジアムを目指す遠征はワクワクするもので、今年の栃木戦がカンセキスタジアムになった時から非常に楽しみにしていた遠征。と言っても東京駅から新幹線を使うと50分くらいで宇都宮に到着するので、都内在住者からするとそこまで遠征感は無い、日帰りで十分な距離感の宇都宮。ライトレールも開通したらしいのでグリーンスタジアムだったとしても新ネタがあるのでブロガーには助かります。






ということでカンセキスタジアムに初参戦。良い天気。2022年の国体用に陸上競技場と併設で作られたスタジアム。完全なるJ1基準です。収容人数2万5千人で屋根付き。素晴らしい。専用スタジアムではないけれども、勾配の設計が素晴らしく陸上トラックがあってもサッカーは観やすかった。サイズ的に本当にちょうど良い、そう思いました。専用スタジアム建設が難しいならこれくらいがちょうど良い。最上で最良。隣にあった良い味を出しているこじんまりとした遊園地も非日常感があって良い。ライトレール開通しちゃったけどさ、こっちのが良いじゃんと思っちゃいましたね・・・。ただ、1万人しか入っていない状況で、駐車場の問題がありそうな雰囲気。J1に昇格してこちらを使うことになると周辺の駐車場の整備が必要になるんじゃなかろうか。そんなスタジアムでした。

1週試合が無かったので、何かを変えるなら最後のチャンスだと思っていたのだけれどもベースは変わらず守備時4-4-2。ペレイラの出場停止を受けてCBは安藤とデルラン。羽田は弓場とボランチであった。右SBに野嶽、左には香川。右SHに梅崎、左に藤本。伊佐と渡邉新太がFW。ベンチには久々に池田が入った。


対する栃木。4連敗中。なんだかんだで残留争いに巻き込まれた。夏に京都から補強したイスマイラをワントップに配置する4-3-2-1でスタート。この言葉だけを切り取ると期待感があるのだけれども実際に見たイスマイラは残念だった。競れない持てないシュート打てない。なぜ先発なのか分からないレベルであった。夏に!J1から!補強した選手が酷かったら打つ手なし!!そんな栃木サポーターの心情が溢れ出る前半45分となりました。栃木、酷かった。






前半はボールを保持して押し込むことが出来たトリニータ。栃木は5-4-1の守備ブロックを形成して基本守備一辺倒。時折カウンターに出ようとするもトリニータが即時奪還を敢行して前進を許さない。ただただブロックの上からサイドを変え、真ん中にチャレンジされ、殴られ続けるという構図。2週間の準備がピッチで表現できていた両チームだったのかどうかは分かりませんけれども、サッカーとして面白かったのは間違いなくトリニータの実践するサッカーだったとは思う。5-4ブロックで構えるだけなら2週間も要らん。












試合として動き始めたのは25分を過ぎた辺りから。栃木がようやく前進して攻撃をし、テイシェイラが素晴らしいセーブを見せたプレー。初めてテイシェイラの持ち味を観た気がするんだけれども、前半にあった唯一のこのワンプレーだけで栃木側が「あれ?いける?」みたいな雰囲気になった。我が軍の緩い守備に気付き始めた時間帯。ここから栃木の欲がバランスを崩す要因となる。きっかけは栃木の右サイドだった。ちょっと調子に乗って最終ラインまでプレスをかけた直後、いなされて香川が前進。クロスは引っかかってしまうも拾って逆サイドに展開。今度は右から野嶽がクロス、伊佐が潰れてこぼれたボールを弓場が押し込んで先制に成功。5-4ブロックを崩した訳ではなく、自壊した隙を見逃さずに攻め切れたことがポイント。完全に余計な単騎プレスでした。サッカー難しい。じっと待ってたら多分、前半0-0で終わってた。弓場さん、前線に顔を出すのが素晴らしい。カメラマンに向けたガッツポーズ?5-4ブロックを敷いた相手から先制出来たのでね、後はある程度引き出してからカウンターっぽく追加点を奪えれば最高な展開・・・・なのだけれども・・・。




後半、ソックスに穴を開けて出て来た藤本。海外の選手とかで血行が悪くなって足を攣るとかで穴を開けることが流行っているらしいニュースは見たことがあって、きっとそれで穴を開けたんだろうなと思った。決して貧乏だから穴の開いたソックスしかない訳じゃないはずです。本当に効果はあるんだろうか?主審からは少し隠そう的な指摘を受けてましたけれども、穴あき状態で目立ちました、藤本。






相手の守備にも風穴を開けて欲しかった藤本。決定的な仕事は出来なかったけれども足を攣った感じは無かったな。効果あるんだろうか、あれ。試合展開は程よく栃木に攻められながらカウンターで、というシーンも作れていたので想定の範囲内。






栃木はコーナーキックの時に2人をキッカーとして立たせる運用をしていて、ちょっと珍しかったのでつい撮影してしまった。効果は謎。85分にこの試合唯一のまともなクロスが栃木の右サイドから上がったのだけれども、その素晴らしいクロスを栃木の大島が沈めて同点に追いつかれてしまった。右サイドへのボールのこぼれ方とか、クロスへの対応とか、不運な面もあるとは感じたけれども、守備を徹底できないシーズンなんでね、こっちも守備ブロックを形成していてもその上から失点を重ねております。2得点目も奪えない、守備もやり切れない、だからズルズルと順位を落としてこの順位でございます。何かが足りない。特に試合が進むに連れて、攻撃の精度、パスの精度、トラップの精度が両チームともにイマイチになっていって、パスミスをパスミスで返すみたいなことが繰り返されたのが残念でした。後半戦に勝ち点を積み上げられなかった2チームのシーズンの集大成。栃木は後半勝負だったのかもしれないけれども、昨年から比べるとサッカーの内容のレベルが落ちた印象だった。それ以上に、我が軍側も前年のプレーオフ、熊本戦から考えると果たしてレベルアップした1年だったのかという疑問が浮かぶ内容であった。


特に感じたのは「相手を押し込んだ状態で攻撃を継続する」ことはコンセプトとして得点率のUPに通じているのかどうか。どうせプロサッカーを観るのであれば攻撃的で攻め続けるサッカーを観たいので、観客としては支持したい考え方ではあるんだけれども、逆にそれは、相手が守備ブロックを固めた状態になっているってことでもあるのでね、得点がなかなか生まれない。コーナーキックは毎試合山ほど獲得出来るのに得点に繋がらない。このコンセプトを実現するのであれば、コーナーキックを確実に決め切る武器が足りていないのではないか、シーズンが終わったら数字を基に昨年と比較してみたいと思います。何かが足りなかった。


真綿で首を締められるようなシーズンの終わり際、残り3試合。じっくり絞められて行きましょう。