2021/03/28

2021年 YBCルヴァンカップ グループステージ 第2節 徳島戦

【徳島 0 - 1 大分】


ルヴァンカップの第2節、初戦を3失点で落とした大分トリニータにとってはグループステージ突破に早くも正念場。アウェイ徳島に乗り込んでの戦いをスカパー!で生観戦しました。勝ったね、勝った。勝ちました。勝ちましたけれども・・・、そんな試合でした。


ようやく連戦が終わって1週間。代表戦とか全く関係の無く、戦力が削られていない大分と徳島の対戦。リーグ開幕戦で戦った徳島との対戦とあって、もしかすると開幕戦だけで出現した4バックがリベンジの炸裂かと期待しましたが、通常運行3-4-2-1でした。幻の4バック守備になりそう。GKはキャプテン高木、3バックが左から三竿、一段と風貌がカッコ良くなった刀根、羽田という戦術に馴染のある守備陣。ボランチは小林裕紀と下田北斗。左に福森、右には黒﨑、長沢のワントップに町田と渡邉新太のシャドーという組み合わせ。プレスをかけてくるであろう対徳島のメンバーという雰囲気。パスコースに詰まったら長沢に蹴ってしまえ大作戦。



髭と髪形が冴えわたる刀根だけ「ちゃん」付です。見た目的には全く刀根ちゃんではない。刀根さんです、刀根さん。さんを付けろよデコ助野郎です。



浅田飴もベンチメンバーと確認されました。飴があればなんとかなる。Twitterやってる人はスポンサー関連のあれはリツイートとかあれして頑張ろうな!デジタルマーケティングに貢献しような!



対する飴が無い徳島。未だ監督は不在。Jリーグ公式の情報では4-2-3-1の予想布陣表記であったけれども、ターンオーバー気味。GK上福元もFW垣田もMF岩尾もベンチ外。徳島も初戦を落としているのでここを落とすと辛くなるはずだけれどもターンオーバーで底上げを選択。


風の強かったポカリスエットスタジアムに適用したのが早かったのは大分トリニータ。コイントスで陣地を選択したっぽいキャプテン高木。風上を選択したのかなと思いきや、実際は風下っぽかったので意図は未確認ですが、渦巻く風を意識して戦えていたことは確か。試合開始から4バックの徳島に対して幅を使って攻めることが出来ていた大分トリニータは、開始5分右サイド黒﨑のクロスを風に乗せ、徳島DFが目測を誤ったところを長沢がボレーで幸先よく先制に成功する。風使い黒﨑。実家がイチゴ農家なので風が読めるに違いない(※適当)攻撃面では素晴らしかった黒﨑はその後もクロスで決定機を演出。攻撃面では良かった。しかし、守備面では徳島ユース生え抜きの33番藤原志龍のドリブルとスピードに手を焼いてイエローも貰ってしまった。しかし、志龍ってかっこいいな。廬山昇龍覇を打てそう。


幸先よく先制出来たトリニータはいつもの5-4でブロックを作って引いて守りがちに。徳島がボールを下げた時にはプレスにも出て、守り一辺倒ではなくバランスよく試合を進めることが出来ているように見えた。ボール保持時は4バックになり、4-1-5で徳島の4バックをスライドさせて攻めることも出来ていた。ただピンチもあってGK高木を中心にギリギリ守り切れた印象。両軍ミスはするものの、お互いに持ち味を出し合う内容ではあった。





球際の攻防も激しい内容で、前半のうちに河田が痛んで交代枠を使ってしまっていた徳島に対し、イエローを貰っていた黒﨑に代えて暴走族・井上健太を投入して過度な肉体労働を求めるサイドの強度を補修したトリニータ。困ったら長沢に蹴ってしまえ、セカンドボール拾えば同じことよ大作戦継続。



基本その後も1点を追う徳島、守るトリニータという図式が継続。徐々に攻撃の時間が減っていくトリニータ。よろしくない雰囲気。ここまで失点が止まらないので2得点目がないと、よろしくない。



守備陣はプレスを敢行し、攻撃時はターゲットになり続けた長沢に疲労が見え始めると、髙澤を投入して攻撃陣をリフレッシュ。シャドーも渡邉新太に代えて小林成豪を投入。



続いて露骨に疲労感が現れる左サイドの福森に代えて松本怜を投入。観ていて分かり易い福森。あ!福森が走り過ぎて限界だぞ!って気付けるのが良い。これで最も労働力を擁する両サイドを先手打ってケアできた。サイドの両輪が回ってこそのトリニータです。ただ残念ながらこの辺りからほぼ守備一辺倒。ボールを保持して前進できる時間が少なくなっていく。



そうなりゃもう逃げ切ってしまえと、町田を下げて小出を投入して守備固め。井上健太がシャドーに回る。今日の交代策はピッチ上の強度を維持する先手が打てていた印象。しかし、もう少し攻撃の時間を作れないとまずい。この日は徳島の決定力が残念だったことに助けられた場面が多く、なんとか逃げ切りに成功。試合運びには未だ不安が募る。長沢交代後の時間の作れなさ加減に、井上健太をシャドーに起用したんだからスペースに走り込んでもらって時間を使うとか、もうちょっと何とかならんだろうかと思いましたよ、ええ。どういう展開で、誰に何を期待するのか、その辺りはまだまだ積み上げが必要な印象です。勝利までの道筋が、ゲームプランがかなりしんどい印象がぬぐえない。しかし、勝利は勝利。勝てば自信がつきますから。内容はともかく、勝ち続ければルヴァンカップだって優勝ですから。可能性がある限りルヴァンカップグループステージ突破を期待したい。まだまだ積み上げは必要ですね・・・。





2021/03/22

2021年 明治安田生命J1リーグ 第6節 広島戦

【大分 1 - 3 広島】

 
開幕連戦の最後となった第6節。DAZNで生観戦。前節に引き続き、作戦は理にかなっているように見受けられるんだけど、敵に上回られてしまうという内容。3失点目はおまけみたいなもんですが、先制出来ていただけにもう少しプレスを回避してボール保持の時間を増やせなかったか。ボール保持の時間を増やしてやり過ごしたかった。今シーズンここまで手堅い試合運びを続けていたのに、この試合は自ら壊してしまった。残念。毎回広島との対戦ではロースコアの試合になりがちでしたが、ガラリと印象は変わった。色々と面白かったのだけれども、まず城福監督の試合前日のインタビューが面白かった。

 

以下、一部引用ですが
---大分戦はいつも我慢の試合になっているが? 「毎年そうだが、大分は時間稼ぎをしているわけではないけども、ボールを繋いで時間を稼ぐ。そして気が付いたら時間が過ぎているという状況。それは繋ぎながらあまり前に来ないで、来たら大きく蹴ってくる。守備もあまり取りに来ないで、気が付いたら(相手は)点を取られて慌ててスイッチが入る。今年の横浜FC戦もFC東京戦もそう。FC東京は先制して『これでいいんだろうな』という感じから、同点に追い付かれてからようやく尻に火が付いた。それはまさに大分のペース。我々としては、自分たちでスイッチを入れて行くという清水戦の戦いを踏襲していければと思っている」

時間稼ぎしやがって、って言いたい感情が滲み出ていて良い。というか、もはや言っている。まさに前日コメント通りの試合展開になったのでお尻に火が付く想定までしていた模様です。ここが毎年の塩漬けサッカーと違うポイント。


トリニータの先発陣容はいつもの3-4-2-1で、GK高木、3バックは左から三竿、羽田、小出。ボランチは下田と小林裕紀、左サイドに福森、右に井上健太、シャドーに町田、小林成豪、ワントップに長沢という布陣。ターンオーバー的に順繰りならば坂がどこかに居なきゃおかしいんだけれどもベンチにも不在なのはちょっと心配。



キャプテン高木駿、長沢駿そろい踏みということで、「駿、駿」です。広報のミスを粗探しし続ける私にとって凡ミス発見かと思って色めき立ちましたが、広報が正しかった。分かりにくいけれども。しかし、実はもう一人、広島にも駿がいました。日本代表に選ばれた駿が。


広島も昨シーズンまでは3-4-2-1の布陣でしたが、新戦術に移行。4バック採用。表記的には4-2-3-1だったり、4-4-1-1だったりしますが、ドウグラスヴィエイラのワントップに浅野がちょい下がり目に居る感じ。4-4-2にも見えたし、とにかく4バックになったってことです。A代表に選出された第三の駿、川辺駿が先発。 


広島が変わったのは布陣だけではなく、戦術的にも積極性が増した印象。毎回我慢比べになるようなミラーゲームで、大分「お前が攻めろよ」広島「いやお前が攻めろよ」みたいな、成立していないダチョウ倶楽部芸のような試合展開になっていたのですが今年から広島はハイプレスを敢行。主導権を握るスタイルに。


そもそも広島は上位クラブに対しては僕たち貧乏クラブです的な顔をしやがるのですが、J1では平均的な規模なのでね、主体性を持って攻めるべきは広島だと思うんですよ。下位の規模のクラブに時間稼ぎを許しちゃダメで、いままでの3年間のサッカーよりも今年の方が真っ当。今まで何してた城福って話です。開幕後今のところ無敗だし、A代表に選ばれる選手を擁しているのだからガンガン行くスタイルの方がしっくりくる。しかし、そのスタイルならばトリニータとは噛み合う。広島は前半の最初から勢いよくプレスに来ていたけれども、それを読んでいたトリニータは両サイドを高く押し上げて揺さぶりをかけた。下田と小林裕紀のボランチ2枚が最終ラインに並ぶくらいに下がり、展開力でプレスを回避。三竿と小出までを両サイドの高い位置に取らせるようなことを行っていた印象。長沢駿の高さもあり、セカンドボールも拾えていて、前半までは良い内容であった。


 


両監督が球際で負けるなという指示を送ったハーフタイム。先に動いたのはこの日が還暦の誕生日だった城福監督。



後半開始と同時に2枚替え。両サイドを変えるという、前日コメント通りに「自分たちでスイッチを入れる」交代策で先手を打ってきた。しかし、先制に成功したのはトリニータ。尻に火を付けてやった。



左サイドに展開し、三竿のシンプルなクロスをシンプルに競り合いで上回って長沢駿が決めた。ようやく長沢の特性を活かした攻めが成立。もう5試合も消化していて適用が遅いけどな!三竿のクロスの精度も素晴らしかったけれども、これぞ長沢駿というゴールでした。これが新しく手に入れた武器です。クロスを作り出す流れが良かったけれども、こんなに簡単にゴールってできるのねっていう位の個の力。良い。長身FWの夢。ここ数年忘れていたような気がするシンプルな攻め。今日は右サイドの井上健太を起点に攻める意図が見受けられたのだけれども、残念ながら井上健太からは高さを活かす様なクロスが出ずじまい。折角J1でも通用するスピードを持っているのに、クロスの質に課題があった。少しずつ出来ることが増えているので次に期待したい。先制したことで城福監督の尻に火を付けてやったのですが、問題だったのは両サイドの疲弊っぷり。明らかに連戦の疲労が感じられてしまいました。もう既に尻に火が付いて燃え尽きていたのはトリニータだったかもしれない。



後半開始から両サイドをフレッシュなメンバーに交代した城福監督のスイッチの入れ方が、この試合では正しく作用。両サイドのメンバーを交代したのは同点に追いつかれてから。左を香川に、右を黒﨑に。シャドーは渡邉新太を投入してもう一度サイドの攻防で上回ろうとしたのだけれども、勝ち越しを目指して攻撃に転じた町田の横パスが奪われてカウンターを食らい、日本代表の方の駿に逆転弾を食らう。Jリーグアプリでチームの総走行距離が127.757kmに達していて、かなり労力を要する戦術になっていたということが垣間見れる。三竿、小出、井上健太、福森のスプリント回数も多めで大変だったと思われる。連戦の最後で両サイドが疲弊。安定感が売りの三竿までもミスして3点目を献上。広島から主導権を奪い返せないまま試合終了となりました。ミスと交代要員の層の厚み、先制後にもう少し丁寧に試合運びを、時間稼ぎをしたかった。尻に火が付くことを前提にマネジメントの準備をしていた城福監督の策も当たっていた。

 

全くもって油断ならない順位表です。1試合少ないとはいえ最下位と5ポイント差しかない。怖い。連戦でもう少し勝ち点を重ねられていたら全然印象が違っていたと思うのですが、結果的に5試合消化して5ポイント。1試合平均1ポイントだとすると38試合を終えると38ポイント。ここから川崎、神戸、名古屋との試合も控えていて前半戦はちょっと不安です。連敗しても不思議ではない。更にここからえげつない外国籍選手が入国してくるので各チームのコンディションは変わる。全く読めない今年のJ1。前半戦のうちに少しでも積み上げておきたい。まずは連戦の疲労を癒してもらいたい。全員本当によく走っていました。チームの戦い方としては好印象なのでハードワークを継続したい。

2021/03/18

2021年 明治安田生命J1リーグ 第5節 C大阪戦

【C大阪 1 - 0 大分】


桜の季節です。咲くのか散るのかが問題ですが、咲いてしまいました。DAZNで生観戦。ロティーナ監督就任以後のセレッソ大阪との試合はほぼ塩試合でしたが、クルピ監督の就任により塩試合の呪縛から解き放たれ、両軍の狙いが噛み合う見応えある一戦となりました。ロースコアですけれども動きはあった。ここ数年のセレッソ戦とは変わって単純に面白かった。

 

トリニータはスタメンをターンオーバー。全員が主力でバリバリ働いてもらわないと困るという思想。キャプテン高木はそのままに、3バックが左に高畑、真ん中が刀根、右は小出という布陣。ボランチは長谷川と下田で左サイドに香川、右サイドに黒﨑を配置して伊佐のワントップに髙澤と渡邉新太のシャドー。いつも通りの3-4-2-1でした。高畑のセンターバック起用は意外でしたが守備も良く、駆け上がってのクロスも特長が出ていました。ホームグロウン選手が多くてルヴァンカップかと思えるようなメンバー選考。

 

黒﨑が黒ちゃんと呼ばれていることが発覚。カタカナでクロちゃんだと残念な雰囲気に包まれますが漢字です、漢字。大丈夫だしん。黒ちゃんです。

 

対するセレッソ。ロティーナの真面目路線からクルピの新喜劇路線に原点回帰。エージェント契約をした社員に連勤を強いるブラック企業の模様(※ただし給与は高め)どんなに連戦だろうが固定メンバーで戦い抜く方針。思想の違いが面白い。固定メンバーで連携を深めたいクルピ監督と選手全員を複数ポジションで活用しまくる片野坂監督。セレッソに帰還したリビングレジェンド大久保嘉人さんが絶好調でチームを引っ張る4-4-2のフォーメーション。マテイヨニッチが居なくなった守備に付け入る隙があると思っていたけれどもその壁、惜しくも破れませんでした。

 

 


両軍がボールを持ちながら隙を伺う展開となった前半、シュートシーンは少ないながらもボールは良く動き、面白い試合ではあった。トリニータが押し込まれていると捉えるか、引いて誘っていると考えるかで見え方の違う試合に。引いてプレスを誘って裏返そうとするトリニータと高い位置で奪おうとするがバランスは崩さないようにCBが辛抱強く裏のスペースをケアするセレッソの攻防が噛み合っていたという印象でした。ハーフタイムの指示がそれを物語る。

 

連戦による疲労が少しだけ感じられるようになったセレッソのプレスが緩むと先に動いたのはトリニータ。高畑を下げて三竿を投入。ボランチも下田から小林裕紀に交代。

 

セレッソも動く。率先してプレスに食い付き続けた最年長、リビングレジェンド大久保嘉人を下げて西川を投入しプレスの強度を戻そうとする。52分の決定機を外した後の大久保のコケ方が新喜劇!これぞセレッソというコケ方なので必見です。190ゴールを決めているNo.1レジェンドは格が違う。

 

右サイドで清武の対応を続けた黒ちゃんを松本怜に交代。これまた強度の高いプレスを続けていた伊佐を下げて髙澤をワントップに上げて小林成豪をシャドーに投入。この小林成豪のプレー、視野が広がった印象を持った。79分、小出からの縦パスをワンタッチで前線に送り、渡邉新太からの折り返しを受けて放ったシュートが惜しくもポストに直撃して跳ね返された。81分にもあった右サイドへの展開なども良かった。トリニータの攻撃が結実しそうな雰囲気はあった。

 

渡邉新太に代えて最年少、中津出身の屋敷を投入。高校生がリーグ戦に登場するレベルで全員が主力です。

 

前半我慢して後半に戦力をふんだんに投入して1点を取って勝ち逃げを狙ったトリニータの作戦は万事順調に進んでいたはずだったかに見えていたのですが、残念ながら先制したのはセレッソ。トリニータは粘り強い全員での守備が出来ていただけに、非常に惜しいのですが、真っ当なトリニータの守備を突き破るならこういうシュートってことでしょう。我が軍のシュートは弾いたのに、ホームの選手のシュートは内側に決まってしまうという数センチの差が勝負を分ける形に。

 

最後に昨シーズンJ2金沢で活躍した加藤を投入して試合を締めようとするセレッソ。最後に得たコーナーキックのチャンスに高木がセレッソのゴール前まで駆け上がる勝負への執着を見せたトリニータでしたが力及ばず、今シーズン初黒星となりました。

 

シュート自体はとんでもないレベルの美しさでどうしようもありませんけれども、その前のプレー、清武さん。試合を通じて清武のクロスの正確さが非常に面倒で苦しめられました。清武先輩のクロスを刀根が弾き返し続けるという構図。清武のJ通算200試合出場はおめでたいけれども悔しい。
 

セレッソから得点出来ない。苦手としていたロティーナ監督が去り、あと少しで勝てるかもしれないという景色が少し垣間見えただけに非常に悔しいですが鬼門セレッソ大阪を破るには至らず。ロティーナ監督の戦術よりは組み合わせ的にクルピ監督の方が組みやすい印象もあっただけに、次こそはホームでリベンジせねばなりません。試合の作戦、マネジメント的には間違いはなかった。全員がハードワークしていたし、チームとして良い戦いは出来ていたと思います。


療養中の野村さんも同じような評価ですし、負けはしたものの、切り替えて次頑張ろう、ということで良いかと思いますね。今日のメンバー、ポジションであれだけやれたのであればそうそう簡単に試合を壊して負けてしまうようなチームではないと思います。もっと上を目指してやれるはず。セレッソにはホームでリベンジするぞってことで、昭和電工ドームのゴールポストに願掛けです。



2021/03/15

2021年 明治安田生命J1リーグ 第4節 FC東京戦

【大分 1 - 1 FC東京】

 
水曜日に予定されていた第3節ガンバ大阪戦が開催中止となって偶然連戦が回避出来てしまった大分トリニータは、水曜日にホームで神戸戦を消化したFC東京をホームに迎えた。コンディション的に優位であるはずのトリニータにとっては勝ち点を得るチャンスとなった第4節、DAZNで生観戦。

 

準備期間があったのでもしや開幕戦で出た4バックが炸裂するかと思いきや、やっぱりいつもの3バック。野村の怪我が公表されて離脱者も出始めた台所事情の中、次の水曜日を見据えてなのか三竿も不在となっており、本日のスタメンには若干の不安が。最終ラインが昨年から完全に入れ替わり、右にハネ、真ん中に坂、左にエビという2文字の名前で揃えた布陣(※揃えてません)。この3バックで大丈夫か!?この新生3バックで戦えれば大きな自信になりそうな予感。ボランチは小林裕紀と下田北斗。左に福森、右に井上健太。小林成豪と町田也真人、ワントップに長沢という攻撃陣。

 

対するFC東京は昨シーズン室屋と橋本拳人が移籍して以来、守備面の戦力補充・補強が出来ていない印象。連戦の影響か卒業生の森重と東をも欠き、GK林も負傷で長期離脱中。強制的な守備陣の若返りっぷりである。大分トリニータU-15出身の中村拓海がスタメン。ただ攻撃陣は健在。ディエゴオリベイラ、アダイウトンをスタメンに擁しながらベンチにレアンドロと永井がいるのは相変わらずの暴力的戦力。

 

FC東京がプレッシャーをかけて来て、それをいかに新生3バックが我慢して前進できるかどうかという試合展開を予想していましたが、予想よりはスローテンポの試合に持ち込めた印象。というよりもFC東京のコンディション的にそんなに強度の高いプレスは続けられなかったか。ワントップに長沢を入れたことでロングボールを使って無理せずプレス回避の意図があったと思うんだけれども、セカンドボールを拾えずに受け身になりがちな展開が続いてしまった。それでも安全に時間を費やすことは出来ていて、勝ち点の匂いはしていました。めちゃくちゃ面白い試合ではなかったかもしれないけれども、FC東京のパワーとスピードに対応出来ていた。泥臭く戦うってこういう事ですよ。凡戦に持ち込んでやれ。

 

しかし、残念ながら先制を許してしまいました。FC東京は得点ツイートの画像に広告が付いてんのな。羨ましい。トリニータの守備陣は揃っていたのに渡邊凌磨にヘディングシュートを決められてしまう。守備陣は揃っていたはずなのに。猛省必須。凡戦にして時間を使って、最後にワンチャン刺すゲームプラン崩壊。無失点で終われれば良かったのだけれども、重い負債を抱えてしまった。この負債を前半のうちに返済出来れば良かったのだけれども、そのまま後半へ。

 

プレスが回避されている印象だったか、追い方を修正しようとしたFC東京。ダメ押しの1点を入れて試合を決めたかった模様。

 

セカンドボールを握りさえすれば、効果的に攻撃できるシーンがあったので負債返済のためにポイントを絞った指示が出ていた。セカンドボールです、セカンドボール。後半開始から3バックの並びを入れ代え。左右を入れ替えてエビとハネがハネとエビに。

 

1点を追うトリニータは攻撃のギアを上げるために次々と選手を投入。並びは都度変化。左にいたエビが右に入っていたけれども黒崎が右に入って交代っていう感じでどんどん観戦者の記憶容量を奪っていきます。試合が終わったら、あれ?誰がどこにいたっけ?って感じに陥る。

 

更に交代は続き、刀根が真ん中に入って坂が右に移動。黒崎がサイドに上がって井上が下がる。得点は交代直後のコーナーキックの流れから。一旦弾き返されたところを拾い、右サイドに張った坂の秀逸なクロスを伊佐が大胸筋で落とし、町田也真人が決めた。坂のボールが毎度素晴らしいし、伊佐の筋肉アシストも素晴らしかった。オートミール万歳。決め切った町田はゴールだけでなく何度もボールを追い続けてくれて大変良かった。渡邉新太に感化されたか、シャドーのメンバーが毎度気持ちの入ったプレーを見せてくれていることが素晴らしいです。最終ラインも誰がどう出場しても形になっているので、とにかく全員で一致団結して戦っていることが好印象。

 

同点後、両軍が試合を決定付ける1点を目指しますが得点動かず。引き分けで勝ち点1を分け合いました。後半、選手交代を行ってからのFC東京が攻撃の厚みが無くなっていく印象だったので前半の1点を我慢出来ていれば・・・と惜しい気持ちもありつつ、ピンチもチャンスもあったので勝ち点1は妥当な結果ではなかろうか。新生3バックでも、誰がどう出場しても試合が作れたので自信になりそう。昨シーズンの味スタでのFC東京戦ではいつやられてもおかしくないような恐怖の時間帯があったけれども、この試合ではそれほど脅威に感じなかったので、我が軍が成長しているのか、FC東京が落ちているのかはまだ判断つかず。


トリニータは課題がありながらも、試合内容は少しずつ充実しているし、泥臭く勝ち点を得て、未だリーグ戦では負け無しという結果も付いて来ているのでポジティブです。今日は特に下田北斗の裏のスペースにポトンと落とす様なパスに魅了されました。あれ、今の攻撃陣と噛み合うのではないか。今までに無かった武器が次々と発見されているのは良い。失点さえしなければ1得点は期待できる攻撃陣なので、あとは守備陣の連携を高めるだけ。外国籍選手が多数入国してくる前に勝ち点を重ねておきましょう。とにかく無敗なのでポジティブです。

 

まだまだ始まったばかりですが勝ち点1の重みを感じるシーズンになりそうな雰囲気。



2021/03/07

2021年 明治安田生命J1リーグ 第2節 横浜FC戦

【横浜FC 1 - 2 大分】

   
 シーズン初白星!安堵&安堵の勝ち点3。泥臭く逃げ切った試合となりました。チケットが売れ残っていたのでひっそりと観戦。新生大分トリニータ、生まれ変わっていました。 


首都圏は未だ緊急事態制限下とあってイベントの上限5000人以下の収容で開催。アウェイ側は解放されず。アウェイグッズも身に付けられないので、男は黙って黒ラベル観戦スタイルです。


新生っぽかった点その①、試合前の見慣れたウォーミングアップ方法が変わっていた。大したことでは無いんだけど、新鮮であった。どういう風に変わっていたかは、一枚も写真に残っていません。帰って確認したらアップ中は伊佐のふくらはぎの写真しか撮ってなかったので何も残せていませんでした。


新生っぽかった点その②、アウェイユニフォームも良い感じ。白しましま。特に背中が良い。良い。
 

 

第2節のスタメンは伊佐のワントップに渡邉新太と小林成豪のツーシャドー。左に福森、右に井上健太。ボランチは長谷川と下田の組み合わせ。3バックは左から三竿、坂、上夷という組み合わせ。GKは開幕戦とは段違いに頼もしかったキャプテン高木。ベンチにはルヴァンカップで動きの良かった屋敷が入っているのがワンポイント。 開幕戦の守備時4バックは発動せず、守備時には5-4-1のブロックを築く形になっていた。攻撃時は横浜FCのプレスの枚数に応じてボランチが最終ラインに落ちたり、落ちなかったりといったところ。




高畑と屋敷だけがサラサラヘアでした。若い。毛が若い。
 

新生ぽかった点その③、上夷は「エビ」と呼ばれていることが発覚。エビ。ウエでもなければビスでもなく、エビです。プロフィールよりも背丈や身体が大きく感じた。エビはエビでも伊勢海老くらいはあった。



 

対する横浜FC。シーズンオフに若手が引き抜かれた。ロンメルに斉藤光毅、神戸に小林友希、G大阪に一美、清水に中山克広、福岡に志知と有望株が去る。カルフィンヨンアピンは昨シーズンから怪我で長期離脱中。浦和から移籍した岩武も怪我らしく不在。守備陣はコマ不足の印象。攻撃陣は千葉からクレーベ、G大阪から渡邉千真、神戸から小川慶治朗、鹿島から伊藤翔、仙台からジャーメイン良を補強。この日はクレーベと齋藤をツートップにした4-4-2のフォーメーションで対峙。


開幕戦で札幌相手に5失点してダメージの残る負け方をした横浜FC。この日も守備は不安定。大分トリニータ、開始11分で2得点出来てしまった。1得点目は左サイドからのクロスを何故かペナルティエリア内から戻って来ない三竿が決めた。グラウンダーのクロスを出してアシストしたのは下田。ボランチがサイドからクロスを上げるって、今まであったかな・・・。下田の背番号が11なので違和感は無かったけれども、落ち着いて考えると新鮮。今までなかった気がする。下田、パススピード速かった。ビルドアップの流れとは言え、三竿が最終ラインからペナルティエリア内まで入って行くんだからチャンスになるわな。




2得点目はセットプレーのこぼれ球を拾うも、奪われてカウンターを受けそうになった時に爆速でプレスを敢行した井上健太が自ら奪って右サイドから仕掛け、クロスを供給。これを横浜FCのDFがクリアを空振り。ペナルティエリア内で空振り。そこを見逃さず中で待っていた小林成豪が上手に流し込んで突き放した。井上健太の即時奪還がカウンター×カウンターになりました。小林成豪も長い間怪我で苦しんでいたので報われて良かった。復活のゴールは激戦区シャドーのスタメン競争を更に活性化させることでしょう。渡邉新太の真面目過ぎるほどの貢献っぷりも素晴らしかった。




ルヴァンカップを含めて得点出来ている点が良い。なかなかボールを握れない試合運びに不安はあれど、流れの中で新戦力が絡み合っているので未来は明るいはず。ボール回しに慣れるには時間がかかると思うので今は泥臭く勝ち点を重ねていけることが大正義ですね。 2得点後は前がかりにならざるを得ない横浜FCに押されたのは仕方ない。セットプレーでFKを直接決められてしまったけれども、流れの中からはやられなかったので大丈夫ってことにしておきましょう。大逆転勝利を飾った昨年のニッパツでの横浜FC戦とは真逆の展開だったので前半を終えて心配ではありました。

 

試合を決める3点目が欲しかった大分トリニータのハーフタイムコメント。マイボールの時間を長くして、もう少し楽な試合運びを行いたかった。

 

 

とにかく守備の立ち上がりに不安を感じている下平監督。ペナルティエリア内で空振りされちゃ戦術もへったくれもないけれども、空振りする選手しか居ない台所事情が辛い。ただ、横浜FCの攻撃は左サイドの松尾が素晴らしい出来で、仕掛けられたら止められないレベルのスピードに手を焼いた。後半途中に羽田を投入して3バックの真ん中に据え、坂を右に移動させて松尾対策。横浜FCは更に伊藤翔や渡邉千真を投入して反撃を試みますが、そこは羽田が跳ね返すという新しい対応っぷりで逃げ切りを図る。同時投入された長沢と髙澤が前線で身体を張って時間を作れるようになり、押し込めるようになった15分間程度は最もゲームが落ち着いていた。



最後のパワープレーは迫力があった横浜FC。ラストプレーで同点ゴールか、という場面まで作れたがオフサイド判定。VARに救われた訳ではなく、副審がガッツリオフサイド判定をしていて、そのオフサイド判定が正しいかどうかのレビューでした。行事軍配通り。副審は正しかった。結局後半には得点が動かず、そのままのスコアで試合は終了。結果的に逃げ切り型の試合運びにはなってしまいましたが、結果オーライ。予算規模的に近い横浜FCのホームで得られたこの結果は大きい!素晴らしい勝利となりました。

なんだか不安を覚える試合運びだっていう話なんだけれども、リーグ戦は負け無しで素晴らしいスタートを切っている。昇格したばかりの徳島、予算的にライバルの横浜FC相手なので何とも評価しずらいのだけれども、結果だけみれば問題無し。2008年以来だっつうことで幸先はよろしい。一致団結して泥臭く戦い続けて欲しい。新戦力による今までに無かった形が具現化してきているので期待したい。生まれ変わり始めている胎動が聞こえる。

   

J1通算100勝!おめでとうございます。大変おめでたい。ひとつひとつ積み重ねて行きましょう。








2021/03/02

2021 YBCルヴァンカップ グループステージ 第1節 神戸戦

【大分 1 - 3 神戸】

 ルヴァンカップも開幕。BグループFC東京、神戸、徳島、大分のグループステージです。チームの情報が無く、謎のベールで包まれた今シーズン。謎のベールを着たまま試合をするというリーグ開幕戦を経ての中2日での連戦。陣形的には元に戻りました。仕方なく加入したスカパー!で生観戦。解説の高松先生(※2期目)、「んー」ばっかりでうるさかったです。

 

GKは完全体となったnoteブロガーポープ、3バックは左から怪我から復帰の香川、レオニダス刀根、とちおとめ黒崎。ボランチは北斗の下田と体幹がしっかりしている弓場。左サイドは北九州から移籍の福森、右がベテラン松本怜。肉食のキリン長沢のワントップに鹿屋体育大学卒の藤本、4代目「県北の男」屋敷のツーシャドー。若手が多い。新戦力も多い。楽しみでした。
   

対する神戸、並びは4-4-2。スタメン写真が一瞬プレデターかなと思われましたが、渋すぎる大崎玲央さんでした。雰囲気変わり過ぎてませんか?こちらも若手を多く活用したスタメン。先発メンバーの年俸合計よりベンチメンバーの年俸合計の方が高そう。

 

押され気味だった試合も、しぶとく凌いでワンチャンスをモノにした1点目。長沢のポストプレーの質が素晴らしいし、長沢に縦のボールを供給した屋敷も良く、完璧なクロスを放ったさすがの松本怜さん、正確に決める藤本と素晴らしい得点でした。若手、ベテラン、新戦力、大卒が絡むという本当に「一致団結」の素晴らしい連携でした。

 

藤本さんJリーグ初得点おめでとう。次はリーグ戦でも頼みます。心の弱い人はここまで読んだらヤフートップページにでも飛んで下さい!高松先生と同じように「んー」しか言えなくなります!
   

残念ながら前半のうちに同点に追いつかれてしまう。
 

 

セットプレーの守り方を昨年から変えた様子でしたが、やられてしまいました。「んー」

 

ハーフタイムの指示はスライド早く、揺さぶれって話だったんですが、逆にスライドが遅れて揺さぶられての逆転弾が決まってしまいます。「んー!」

 

ダメです!それでも諦めずに1点を追いかけます。疲れの見えた藤本に代えて小林成豪が登場。今年、個人的にかなり期待している小林成豪です。

 

さらにフレッシュなメンバーを投入して1点を追います。

 

しかし、次の得点はまたもや神戸でした。「んー・・・」

 

3失点。グループステージですから、得失点差も大事。1点でも取ろうとメンバー交代。

 

残念ながら得点には至らず、敗北となりました。ルヴァンカップ、幸先の悪い船出となりました。グループステージを突破したい・・・・初戦を落としてしまったのは苦しい。


リーグ開幕戦に比べれば3バックの方が再現性のある連動した動きが出来ていましたが、個の力でかなり上回れてしまった印象で、戦術以前に球際や1対1で戦えるようにならないと厳しいと感じました。当たり前の話なんだけど。若手が元気にチャレンジしていたことが救いでしょうか。若手は試合に出れば成長しますから、ここからがスタート。シーズンが終わる頃にどこまで戦えるようになっているか、そこにチームの未来がかかっています。頑張れ若手。突き上げろ若手。