2019/11/24

2019年 明治安田生命J1リーグ 第32節 清水戦

【清水 1 - 1 大分】



久々に所用でライブ観戦ができず、録画視聴した清水戦。Jリーグのシーズンは終わりそうなのに、抱えている仕事が終わりそうも無いのはどういうことなんだろうか。トリニータでは来シーズンの片野坂監督続投が早々と発表され、もう今シーズンの残り試合を勝利して有終の美を飾れば良いだけの2019シーズン。対するは残留をホームで決めてしまいたい清水。残留争いに巻き込まれたクラブが多すぎて最近こんなのばっかりな。この日も残留を確定していない対戦相手が、夏休みの宿題を追い込まれてから全部やり始める小学生の如く、アグレッシブに襲い掛かる。


スタメンは前節から変わらず。残留を決めたシーズン終盤ではあるものの直実に真剣勝負です。とことん好感が持てるチームなのです。消化試合など無いのだ!


対する清水、なぜこの面子で残留争いをしているのか、ガンバに続いてこれまた不思議なチーム。シーズン中に我が軍から左足で蹴れる稀有なCB福森を補強しながら全く試合で使わない、という謎の強化策を発揮しているところから察するに、強化部というか、編制と監督の戦術が噛み合っていない系プロブレムとトゥギャザーしてしまっている様子。部屋とワイシャツと私、戦術と編制と怪我人。残留から抜け出す3大歯車が噛み合っていないのではないか。監督という歯車を変えた後も情緒不安定感丸出しの、大勝と大敗を繰り返しており強いんだか弱いんだかよく分からない。この日の試合も情緒不安定。試合開始直後はボールを奪いに勢い良くプレスをかけ続けてきたものの、しばらくすると疲れたのか引いてしまった。攻める、守るの波が荒い。終了間際も特攻してきたし、波が凄い。そんな印象でした。


そんな清水ですが、序盤にハンドの判定で先制点を家本主審に没収される憂き目に。残留争いに巻き込まれるとよくある運のないやつ。VTRのスローで観ない限りハンドじゃなかったと判定するのは難しそうなプレーではありました。運を味方につけた我が軍は素敵な崩しを発揮して先制に成功。田中達也が遂に得点。我が軍は補強した選手を使い倒しているので歯車がっちりです。常に人員不足の可能性も高いですが、田中達也が遂にやりました。



これまでサイドからチャンスメイクし続け、後はゴールするだけのシーンを量産した田中達也。シーズン中に結果を残せて本人も安堵したのではなかろうか。素晴らしいゴールでした。右サイドから作ったチャンスをスルーから逆サイドが決めるという、我が軍のゴールシーンで最もご飯がすすむ崩し方。J2時代の攻撃方法がここに来て復活したのはやはり三平シャドーの効果が大きいのではないか。何をしでかすのか非常に読みにくい芸人三平。守備陣を引き付けるにはうってつけ。そんなプレーを予測してスプリント出来た田中達也も、遂に戦術に、大分トリニータに、三平相手にフィットし切ったと言える。また1段レベルアップした印象を持った得点シーンでした。


試合全般を通じて、見応えのある良い試合。最後に清水の意地の得点を許して引き分けに持ち込まれてしまいましたが、守備の問題というよりはやはり2得点目が奪えないことの方が克服すべき課題。カウンターから質の高いチャンスは作れていただけにもったいなかった。先制してからの試合運びはどんどん良くなっているので、J1で残留を決めた上でもまだまだ成長する余地があることが凄い。もっと出来そう、まだ伸びそう。良い試合だった。清水は15位ですが湘南と松本の直接対決が最終節に残っているのでほぼほぼ残留するんじゃなかろうか。今年行けなかったスタジアムなので来年は行きたいので、よろしくどうぞ。


楽しかった2019シーズンも残り2試合。本日、J2リーグ戦も完了し、柏と横浜FCの昇格が決まりました。来シーズンも厳しいJ1になりそう。観れる時に観とかなければ。時節ラストアウェイ。2連勝すれば順位を上げられる可能性も残っている。最後までやりきりましょう。

2019/11/10

2019年 明治安田生命J1リーグ 第31節 G大阪戦

【大分 2 - 1 G大阪】


勝ててしまった!成長している!前半戦アウェイで対戦した時と、まるで様変わりしているガンバ大阪を迎えての31節。DAZN生観戦しました。優勝争いやACL圏内の可能性も無ければ降格の可能性もなくなった中位大分トリニータにとって、来期に繋げるための終盤戦。我が軍は勝ち点50、1桁順位に目標を上方修正。残留を確定させるため前がかりで襲い掛かってくるガンバと対峙という構図。


見て下さい、この豪華な布陣。ファンウィジョ、食野が海外へ移籍、田中達也は半年で大分に引き抜かれるという編成が安定しなかった夏までのガンバ。ホームパナソニックスタジアムで大分トリニータ相手に前半完全に自陣に引きこもるという、攻撃のガンバとしては前代未聞の戦術に打って出た宮本恒靖監督。あの時、マスコミにも前半を無駄にしたと突っ込まれたりしていたけれども、個人的には宮本監督は信じられる人という評価で、冷静に自チームを分析できていた印象。レジェンド監督ですから、フロントも最大限の支援でチームを立て直し。広島からパトリック、海外からの出戻りで宇佐美と井手口、更にはスサエタというスペイン人も獲得。遠藤をアンカーに配置した3-5-2で札幌、湘南を虐殺して川崎と引き分けるレベルのチームに変貌。この編成でシーズンスタート出来ていたら優勝争いしていたのではないか。それくらいの戦力。


対する我が軍。U-22日本代表に選ばれた岩田智輝とA代表に選ばれたオナイウ阿道の両者が先発。11人のうち、2人が日本代表です!大分トリニータは代表選手を輩出するビッググラブです!オナイウ阿道はワントップで、三平と小塚がシャドーの、ボランチは小林、長谷川の組み合わせ。前節の試合終了間際にどこか痛そうにしていた伊佐はベンチ外に。


前回対戦では引きこもったガンバですが、この試合は前からプレッシャーかけてくると予想していました。むしろこの試合で前半引きこもられたら宮本監督が策士過ぎて怖くなるレベル。前から奪いにくる形でスタートした試合はガンバの前線の質の高さを見せつけられるような展開に。特に宇佐美とアデミウソンは脅威。矢島と井手口が絡みながら両サイドは小野瀬と藤春がいて、アンカーの遠藤からパスが共有されるチームが弱い訳がない!守備の人数が揃っていても先制点を献上してしまう。この試合も早々に複数失点するんじゃないかと思える程ピンチの連続で、生まれ変わったガンバの攻撃陣に圧倒された印象。宇佐美のゴール、トラップが凄すぎる。ただ、徐々にボールを保持することが出来るようになったトリニータはセットプレーから一瞬の隙を突き、U-22日本代表岩田智輝がクロス、ピンポイントで三平が合わせたシュートはGK東口の股の間をすり抜けて同点ゴール。盗み取ったような同点弾で前半のうちに追いつけたことが大きかった。ガンバの守備陣は完全に気を抜いた。岩田智輝の集中力が秀逸であった。


お互いに決定機を作り出すも決め切れなかった後半、CKのボールを競り合ったA代表オナイウ阿道のこぼれ球をU-22日本代表岩田智輝が押し込んで逆転。今シーズンもなかなかセットプレーから得点が出来ませんでしたが、ここにきて結実。このリードを守り切っての勝ち点3を積み上げて、総勝ち点46となり完全にシーズン当初の目標を達成。上方修正の目標まで、残り4点。


同点弾を決めた三平さん、夏以降絶好調。J1でも違いを生み出せている。特に今日は決定機を演出しまくり、その決定機を小塚が外してしまうという一連の流れが惜し過ぎた。残念ながらマンオブザマッチは1G1Aの岩田智輝に掻っ攫われたため、インタビューはまたもおあずけ。地上波で三平のインタビューが流れる日も近い、近づいている。


ガンバにホームで勝利したのはもう何年前ですかね、15年振りですか?生まれた子が「お前高校どうすんだ」って言われるまで育つくらいの長期間ですよ。13年のときはガンバがJ2にいてすれ違い生活もあり、実感がわかないレベルの久々さ加減。今日は田中達也記念日にしてあげたかったけれども、実戦では気負い過ぎたか対峙する小野瀬に完封されてしまった印象。相手のプレスをはがして、小塚や田中達也へボールを供給する形が良く出せていたので、後は個の部分で決定的な仕事が出来ればもっと上に、上に行けるのではないか。残り3試合、上方修正の目標をも上回れるように。精進です、精進。伸びしろですね。



2019/11/03

2019年 明治安田生命J1リーグ 第30節 FC東京戦

【大分 0 - 2 東京】


芝です、芝。久々にホーム昭和電工ドームに戻った大分トリニータですが、ラグビーワールドカップの試合も終わり、新しい芝、ハイブリッド芝のピッチで試合とあって気になり過ぎて芝を観に旅に出てしまいました。


芝だけではなく、リッジーもリニューアルされた模様ですが、全く見かけずじまい。リッジーよりも芝、芝です芝。










こんなに芝の写真を撮ったのは初めて。おそらくこれが最初で最後の芝が主役の日。ハイブリッド芝が美しく整備されていました。外から見る限り、違いは全然分からなかった・・・。最初にピッチに鈴木義宜がこっそり出て来て芝の状態を確認していた。新しい芝にはほぼまだ慣れていないようだけれども、美しい芝は良い事です。芝万歳!この日は芝とプーマサンクスデー。














スタメン、前線の組み合わせは後藤1トップに三平、小塚の2シャドーという組み合わせでした。後半の試合途中で三平ワントップ、後藤シャドーに替わったりと汎用的な運用が出来ることが強み。ベンチメンバーには久々に刀根が復帰。


対するFC東京はリーグNo.1ドヤ顔の持ち主、東がキャプテンとなっており、CBには可愛い顔してえげつない守備をする森重というプロとしての育て方に責任を感じざるを得ない2名が元気に主軸となっていました。









展開的に辛かった試合。早々に出たGK高木の目測ミスでもったいない1失点目と、コーナーキックからの2失点目。試合の入り方自体は悪くなかったと感じていたのですが、一芸に秀でたFC東京前線の2トップ、強いディエゴオリベイラと速い永井、そして高萩です、高萩。面倒なプレーをする男です。試合始まってすぐに田中達也が上がったスペースを突く動きをしたり、GKとDFの間の中途半端な場所にボールを落としたり、とにかく面倒。早々に2失点するというシーズンワーストの試合の入りとなってしまいました。









今シーズン通じて対戦してきたクラブの中で、強さを感じたチームはFC東京、横浜Fマリノスの2強の印象が強い。次点として川崎と広島が続く。FC東京は2点取った後もボールを奪いに来たし、観ていてもアグレッシブさを失わずに面白かった。戦術的に我が軍と噛み合って、しかもやり切る印象。強力な2トップを擁する金持ちの戦い方ではあります。その2トップにハードワークさせるんだから強化費に限りのあるクラブからすると夢も希望もありません。後半はボールを持たされたんだろうけれども、それでもカウンターを阻止しつつ、決定機を作れていたので印象としては成長した片鱗は感じた。ただ、やはり1点も取れなかったので盛り上がりには欠けたし、評価も難しい。1点でも取れていれば同点までの雰囲気は出せたかもしれないが、まったくもって決め切れず、という結果に。


16本のシュートを放ちながらも枠内は少ないというデータとしてくっきりと決定力不足を突きつけられた試合でもありました。FC東京にシーズンダブルを食らわされてしまい節目の30節は黒星で終わりました。


残念な結果ながらも、数字上ではJ1残留が決定。どうせなら盛大にお祝いしたかったですが不幸中の幸いということで。結果自体は偉業。ほとんどの専門家、プロたちの順位予想を覆す結果を得ることができました。トップリーグの中位となり、残り4試合へのモチベーション向上が難しく感じ始めました。特にここ数年はずーっと昇格争いのヒリヒリした感じに晒され続けたので何だか物足りないという、幸せなのに幸せを感じられない変な性癖が付いてしまった。もう一度気を引き締めてダラダラとしたシーズンの終わりにならないように、来季に繋げるためにも、もう一段階高いレベルの内容を要求しなければなりません。次節のガンバ大阪は宇佐美と井手口が戻ったことでシーズン当初に対戦した時とはまるで違うチームですし、福森が全然出場していない清水の守備も破らなければなりませんし、仙台では牛タンを食べ、最終節ではセレッソを率いるロティーナ監督越えを果たさなければなりません。残り4試合、性癖を振り切って気を抜かず来季に繋げましょう。