2023/09/24

2023年 明治安田生命J2リーグ 第36節 水戸戦

【水戸 0 − 1 大分】


応援しているクラブチームの失点が止まらなくなった時、皆さんはどうしますか?私は呪術を使います。呪術です、呪術。呪術で失点を止めます。3失点が2試合続いているんだぞ!もう呪術しかないだろ!3試合連続の3失点を阻止して獄門疆に閉じ込められたクリーンシートでの勝利を開放すべく、水戸事変に参加してきました。




何度も行った経験のあるケーズデンキスタジアム。コロナ禍ではスケジュールが合わずご無沙汰でした。現在絶好調の昇龍・水戸。今節は11位と12位の直接対決。水戸としては4年振りの3連勝を達成して昇格レースに参戦できるかどうかの大切な試合という位置付け。が、そこまで観客が多い訳でもなく、コロナ禍からの観客動員が回復し切っていない印象。昔はもっと増加傾向だったのに。土曜の昼開催が良くなかったのか?観客動員の面では予想よりは普通の水戸でした。14時キックオフではあったけど、曇り空で気温は上がり切らず、秋の雰囲気を感じられる気候でした。走れる季節が遂に到来。


失点を減らすことを念頭に選ばれたメンバーとして、前節の後半から途中投入された梅崎・香川がスタメン復帰。バランスが良かったという評価らしい。その他メンバーは前節を引き継いで守備時4-4-2を継続。ベンチには久々に宇津元が入った。エルゴラのプレビューでは監督が「修正しても修正しても水漏れが出て来るような状態」というコメントを残しており、放置されていると思われていた守備も実は修正をしているらしいことが発覚。されてないんだけど。いずれにしてもずっと失点が漏れている模様です。ならば私が呪術で止めるしかない(※使命感)漏れを止める。蛇口と水道管を持ち込もうかとも考えましたが手荷物検査で引っかかる可能性が高すぎるので突然の失点を止める薬、服用しておきました。


ピシャット@ケーズデンキスタジアム。SNSではゲン担ぎとしてストッパを飲めというご意見も頂いたのですが、ピシャットの方がクリーンシートに近いイメージだったのでこちらを選定させて頂きました。応援しているチームから漏れているものはありますが、私はこの日、特に何も漏れていないので便秘になるかもしれません。しかし、仕方ない。得るものがあれば失うものもあるんです。呪術に頼るってそういうことです。さよなら便意。まさか相手のシュート数がピシャット「0」になる程の効果が出るとは思いませんでしたけれども、医薬品は用法用量を守った上でご活用下さい。


対する昇龍水戸。街中華っぽいな、昇龍水戸。10戦負け無しと後半戦絶好調で残留争いをあっさりと脱却。毎年活躍した主力が移籍し、常に若いチームとして新陳代謝が凄い。その分完成度が高まるのに時間はかかるけれども意識の高い大卒即戦力を中心に野心家が集まる印象。後半戦に練度が高まっており、3バックも4バックも両方運用可能。この日は4-4-2でミラーマッチ。



観客動員は平均的な雰囲気だったものの「分身くんピッチサイドシート」なる催しが行われており、ここだけは異常な盛り上がりがありました。異常。ピッチに置かれた畳の上に特級呪物たちが鎮座するもう一つの呪術廻戦。ホーム側のホーリーくんの圧倒的サイズのぬいぐるみと、基本アウェイにいるはずの圧倒的ニータン達がほぼ同数で揃うという、「可愛いものが観たい」という呪術使い達の執念が渦巻くピッチサイドシートが完成。しかもメガニータンが1体遠征に来ているというのが驚異的。メガが遠征してるんです、メガが。別途搬入が必要なレベルの大きさ。天気は雨予報でしたしね、雨に濡れてヘビーメガニータンになる可能性もある訳じゃないですか。よくぞ持ってくる決心をされたなと、オーナーさんたちの心意気が、執念が素晴らしかった。水戸主催の企画を大成功に導いた呪骸たち。ご本人登場的なニータンとホーリーくんが「突然変異呪骸」に見えてしまった。









私を含むピッチを渦巻く呪術が濃すぎたのが悪かったのか、この試合は残念な方向に進み始める。開始3分に主審から提示されたイエローカードを発端に、手を使って後ろから相手を倒すムーブが全てイエローカード対象基準になってしまうという、厳格なルールを適用し過ぎてつまらなくなるパターンの試合になってしまいました。私フットボールと対話する主審の方が好きです。結果的に最初の判定の影響が大きかった。バカスカ得点が入る試合を観過ぎたせいか、すごく地味な試合展開に観えてしまった・・・。



開始3分で提示する警告はよっぽど暴力的なプレーとか、決定的なプレー阻止とかならば納得感はあるのですが、注意で良くない?レベルのファウルで真っ先に提示されると試合は壊れがちになってしまいます。それこそこの試合は、両チームのシーズンを決定付ける可能性のある熱いゲームを期待していたし、球際でガツガツぶつかり合うような試合になると思っていただけに、「はい、ファウルされましたー、さっきと同じやつー」というアピール合戦が始まってしまい、イエローカードが乱発される緊張状態に。そんな中、ボールを保持出来たのはトリニータ側。プレスがハマり、ボールを奪い、保持し、様子を伺うという試合の入りが良かったのはトリニータでした。ただ、トリニータは守備面にバランスの比重を置いたからか、アタッキングサードでの攻撃は形にならず、左サイドにツートップが集まるような謎の状態になることもあって得点の匂いはせず、退屈な試合展開に感じてしまいました。バカスカ得点が入る試合を観過ぎたのが悪い。試合よりも途中から降り出した雨に濡れる呪骸・・・失礼、ニータン達の方が気になる始末でした。




ちゃんと両チームの運営が雨に対応して撤収していたのが素晴らしかった!大分も水戸もぬいぐるみ単体の収益が上がって、試合の企画チケットで更にリカーリングビジネスが出来ていますから、お得意様への気遣いが凄い。立派な産業です。試合に集中。





試合が動いたのは38分、水戸の10番前田椋介が2枚目のイエローで退場となり、常時数的優位を獲得。前半終了までじっくりとボールを保持出来る状況になるも得点は奪えず。スコアレスのまま前半は終了。まだ3失点してません!呪術が効いてる効いてる!(※効いてない)



前半だけで5枚のイエローカードが提示されたこともあり、監督の指示通り不要なファールは避けたいところ。水戸は前半の終了間際にDFの要である大崎航詩が伊佐のチェイシングとカチ合って痛んだこともあって、交代要員が入り、後半開始からは5バックで守る形に。5-3-1のブロックで守り始めたのだけれども、その守備は積極的で5枚の最終ラインが高めの位置取りをして引っ掛けたら誰かが攻撃に出ていける距離感を保つ意図が感じられた。それを逆手に取ることが出来たのがこの試合の流れを変えたポイント。高めのラインの裏側に走り込む伊佐が面白いように裏を取れるようになり、一気に決定機が増加。58分の得点も伊佐の裏抜けから。






ゴール前に中央突破でゴリっと行くのが持ち味の渡邉新太。この日は何度もゴリっと行ってました。本当にゴリっと以外で表現できないのが面白い。Mr.ゴリっと新太。数的優位の中で待望の先制点。今シーズン初ゴールなのは意外だったけれども。遅い、遅すぎたけれども値千金のナイスゴールでした。持ち味ゴリっと出ました。








ゴール裏が近いのでそのまま選手達がわちゃわちゃしている中で、水戸の選手達が失点直後に即全員で集まって話し合っていたのが印象的だった。



伊佐に何度も裏を取られた後の失点だったこともあり、おそらくこの後10人でどう戦うかを相談していた模様。この自主性。こういう対戦相手のチームは嫌です。5枚でラインを上げる守備も、伊佐ひとりに破られてしまったけれども、統率は取れていて見応えはあった。チームとしての意思統一が感じられる守り方だっただけに、チーム力みたいなものが垣間見れた。





この後は選手交代などで2点目を狙いに行く攻撃的な采配だった。得点はできずも、水戸にも決定機を作らせず。終盤は水戸も4-3-2にしてリスク覚悟で前に出て来たりもしてきたけれども、途中出場のベテラン勢が時間を使って、公式記録はシュートゼロで終わっているので危なげなく逃げ切りに成功ということにしておきましょう。私だけが便秘になりつつも無失点で勝利を得られました。とにかく漏れはピシャット止まったぞ!!後半に右サイドで1度守備が破たんしたシーンがあったような気もしたけど気にすんな!



西川!クリーンシートの西川! 久しぶりだな西川!大丈夫だったか!!解放されて良かったな西川!試合内容は気温が下がった割には低調だったと思うのだけれども、スタッツ的には差を作れているのでひとまず、守備にもう一度自信を持ってもらって残り6試合を駆け抜けようではないか。泣いても笑ってももう6試合なのでね、一つでも多く勝てるのならば、しばらく便意を失っても構わんよ(※やめろ)




次節はホームで大宮戦。ニータンのお面が貰える勝負の試合。アウェイでの大宮戦は3失点したのでね、今度はホームの皆さん、引き続き漏らさないようにお願いします。


2023/09/17

2023年 明治安田生命J2リーグ 第35節 徳島戦

【大分 3 - 3 徳島】


止まらねぇ失点大分、暴れろ荒れ狂うっつうの。久々に書いたよ、この出だしで。いやいや、いい加減に落ち着いておくれ。この失点の止められなさ加減は何なんでしょうか?素晴らしい攻撃と、よく分からない守備と、毎試合難問を突き付けられているブロガー泣かせの試合ばっかりを続けるのは止めて頂きたいです、はい。素晴らしい追い上げの気迫と、何なの?っていう失点と。もうやだ、情緒不安定になりそう。評価の難しいチームとして仕上がってどうするんだって話です。


私、エルゴラというサッカー専門新聞を読んでいるのですが、そこに試合プレビューの監督コメントとして「課題は守備です。さすがに3試合で8失点してはいけません。『守備が出来ない選手は起用しない』と伝えましたし、(略)」とあったので期待していたのですよ、守備が出来るメンバーが起用され、守備意識の高まった戦術が観れると。残念ながら結果は4試合で11失点でした!!どんな準備したんだ!!メンバー選考が悪いとは思わなかったのだけれども、人よりも組織、約束事の欠如が原因のように見えましたが気のせいでしょうか?全てがカウンターじゃなくてリトリートしてからの失点でした。エルゴラ電子版はおすすめです。一流のギャグが読めます。そんな簡単に守備意識が高まるなら春先に高めてよって話ですからね、もはや難しいってことです。



スタメンのフォーメーションは守備時4-4-2、伊佐と渡邉新太の2トップ。ボランチに羽田と弓場。左サイドに久々スタメンで登場の藤本。CBがペレイラとデルラン。ボール保持時に羽田が降りて3バックとなり、両サイドを前線に押し出す3-5-2的な流動的な形となる。攻撃面では良かったし、相手陣内に押し込めている時に関しては不満はございませんでした。



対する徳島。監督もエンブレムも変わります。我慢に我慢を重ねたラバイン監督を解任し、吉田達磨氏を招聘。残留が危うくなりかけたので実績のある監督に任せて、とりあえず今シーズンは残留と来季への+αを目指そうとする状況か。今シーズン加入し、主軸であるジーニアス柿谷がこの試合はメンバー外。4バックでも3バックでも実績はあるけれども怪我人でどっちで来るのかは未知数だった。J2でも屈指のサイドバックであるエウシーニョが怪我がちなのが徳島低迷の要因だったように思える。結局4バックの4-2-3-1でスタートだったと思われる。変わるエンブレムは割とシンプルでカッコイイ。



ユベントスのリブランディング以降、エンブレムを変えるクラブが増えている印象です。我が軍はすでに1度変更しているのでもう二度と無いと思いますけれども、10年単位で変更していくのも面白いかもしれません。



次回のホームゲームの大宮戦、ニータンお面が貰えるらしいじゃないですか!?羨ましい。アウェイ大宮戦でも3失点で泣きながら帰りましたけど、ニータンのお面があれば泣き顔も隠せるから、もしまた3失点したら全員でニータンのお面を被って帰ろうな!


はい、試合です。試合は両軍、左サイドに必殺の武器を持つ状態で始まりました。トリニータの左は藤本&高畑に対して徳島の左は西谷の単騎突破。この左サイドの攻撃を軸に保持合戦。徳島も長年スペイン人監督の元で培ったポジショナルの下地があるので保持しつつ、空いたスペースを突くような攻撃が出来る。我が軍は保持して前進し、押し込んでの波状攻撃を目論む。前半は保持合戦状態の中から先に失点。右サイドバックの野嶽が足を滑らせて転んだ契機に保持されてしまって逆サイドに振られ、なぜかフリーになっている徳島の右サイドバック石尾にヘディングで決められてしまった。我が軍の守備陣はリトリートしていた状態。全員引いて守っているけどやられる、という何度も見たパターン。


19分に渡邉新太が得たFKで10番野村が直接決めて同点に追いつけたことは素晴らしかった。シュートも壁の中の作り方も完璧だったと思います。伊佐が壁の中でGKの方を向いて飛び上がっているのが謎のフェイントになっています。三平さんのノウハウが受け継がれています。GKが弾いたら押し込む準備をしているFWの仕事っぷりが凄いので是非リプレイで観て欲しい。失点してから早めに追いつけたことはチームの成長を感じるところです。失点してもへこたれないメンタルが大事。前半は1-1で折り返し。


下平監督の言う「守備はやってきたこと」は恐らく、押し込んだ後にカウンターを受けない部分での守備だと思われます。そこは弓場のインターセプトが多く出ていたのでおそらく効果としては出ていたと思われます。カウンターも受けなかったし、リスクとバランスの部分では問題無かった。問題は全て守備陣が戻った後の守備でした。プロの世界なので、基本全員が引いた状態であれば簡単には破られないはず、という前提があって、1対1で負けない限り失点はしない、というのが我が軍首脳陣の守備の認識だと思われます。しかし、2失点目もリトリートした状態で左サイドでフリーにしてしまっていたし、徳島側が押し込んでボールを回している中で、相手をフリーにしてしまうような追い方をしていたし、誰が誰を見るのか?が曖昧になっているような印象です。リトリートしたらマンマークに変えるくらいの徹底さがあるなら分かるんだけど、割とファジーなので失点が止まらないんだと思います。スペースを埋めきっている訳でもなく、人に付いている訳でもない。3失点目はもう、西谷の個人技に1対1で負けたのでどうしようもない失点でした。



リトリートした後の守備の約束事を徹底できないと失点は止まらない。ここは監督だけの責任ではなく、守備陣の仕事っぷりが問われる部分です。前節のトリテンを読むと試合途中で羽田が守備について自主的に進言したらしく、守り方の変更が試合途中で承認されていたらしい。これまでの課題であった自主性が出ていたという事実が確認できたのだけれども、その後に2失点しているので結果に繋がっていません。そうなると疑心暗鬼になって、なんとか守ろうとボールに集まる傾向が出てしまい、フリーになる選手を出してしまうメンタル面でのバランスの悪さが出て悪循環に陥ります。信頼して任せる、という好循環に繋がらないのが勝てなくなるパターンです。何とかしようと頑張り過ぎてバランスが崩れる、降格するチームにありがちなやつです。これを克服して自信を付けるには勝利しか特効薬が無いのが難しいところ。



ただ、この勝ち越しを許してしまった後の選手達の姿勢は素晴らしかった。TKPスペシャルサンクスデーで負ける訳にはいかないし、シーズンの可能性も終わってしまう。前節の甲府がそうであったように、今シーズンの全てを懸けて全力を尽くして猛追。梅崎のCKを決めたペレイラ、途中出場から素晴らしい働きっぷりだったランボー香川のクロス、長沢の裏に走り込んだ鮎川。交代しなかった選手達は厳しいコンディションの中で足を攣りながら走っていたし、シーズンを懸けた戦いが出来ていたと思います。よくぞ2点を追いつけたと思います。途中出場の選手達、全員が素晴らしかった。だからこそ、守備面での不出来が残念で仕方ない。勝ち点1を獲得出来たけれども、追いかける立場としては足りません。厳しい状況に追い込まれました。


残り7試合、続いている3失点を止めるために水戸に行こうと思います。俺が止めるくらいの気持ちでゲン担ぎをしてやろう。勝利が守備の特効薬と信じて。



2023/09/10

2023年 明治安田生命J2リーグ 第34節 甲府戦

【甲府 3 - 2 大分】


甲府に日帰りで行ってまいりました。手に入れかけて失った幻のような勝ち点と、大量のイエローカードがお土産です。いや要らんよ!!イエローカード貰い過ぎだよ!しかし、今年のチームは一体どんなチームなんでしょうか?表現と分析が難し過ぎる。訳が分かりません。整理が追いつかない。対戦相手あってのサッカーですから、相手のコンディションに左右されますけれども、前節の長崎に続き、甲府も実態が掴めないチーム状況でした。我が軍が良いのかダメなのか?敵軍がダメなのか良いのか?この試合でこそハッキリするかと思いきや、甲府の捨て身の攻撃に我が軍の守備がしっかりしていないことだけが浮き彫りになっただけでした。




ようやくサッカー観戦していても汗が噴き出さない程度の気候になりました。下平監督がジャケットを羽織れるレベルの暑さです。やっとまともなサッカーが出来る気候です。夏の終わり(©森山直太朗)です。台風一過のコンディションで逆に暑くなるかと思いましたが、死なない程度の暑さになりました。台風の影響で移動にも負担があったかもしれない。最近の気候変動はエグいので皆さん無理せず生きて行きましょう。

スタメンは前節のメンバーを維持・継続。今節も守備時は4-4-2です。ベンチに藤本が復帰した程度の変化。先週トリテンをちらっと読んで違和感を覚えたのが「サッカーに向き合っている選手こそベンチに入るべき」的な話。え?大丈夫ですか?って感じてしまいまして、私。練習で結果を出しているメンバーこそベンチに入るべきであってね、実力主義で選抜されない競争原理が働かない組織なんて夢も希望も無いし、私が若手ならやる気が出ません。「練習こそ全て」がベースの価値観としてあった上での話、であって欲しいものです。誰が何の基準でメンバーを選ぶんだってことです。共創するのはサッカーの中身であって、メンバー選考ではない。監督・コーチが自分たちの責任と価値観で決定すべきことを選手側に委ねたり、影響を受けるようなマネジメントは流石に違う気がする。実力主義こそ全て。そういうマネジメントだということを願う。試合に絡んでいる選手達がピリッとしないと尚更違和感を持ってしまう。

対する甲府。後半戦に入って我が軍よりも苦しんでいる様子。ACLを控えて何故か調子が上がらない。ホームでしばらく得点さえ生まれないとか絶不調の模様。レジェンド三平和司がトップ下でスタメン、クリスチアーノが長崎から移籍してワントップ。4-2-3-1を運用中。ピーターウタカがベンチスタートの理由はよく分からなかったけれども、ゴールという結果から遠ざかり過ぎていて自信喪失的な状況なのかもしれない。キャプテンであったDF須貝が鹿島に移籍するという激震があって、大変だったでしょうね。分かりますよ、分かりますよ、うちも副キャ(※略)とにかく、元気のないチームに元気を出してもらうばかりの優しい大分トリニータさんです。




試合内容が良いと感じた前節の長崎戦に続き、この試合の前半は尻上がりに試合を支配できた。甲府に最終ラインでボールを持たせた感です、持たせた感。そこにハイプレスが効いて高い位置でボールを奪って左サイドに展開、高畑奎汰が抜け出して期待値の高いクロスを上げる、を繰り返せており、ストロングポイントが出せていた。クロスが上がれば自然とコーナーキックを獲得できる。この試合、なぜか岡山コーチが見当たらなかったのだけれども、ようやくコーナーキックから先制点が生み出せました。不在の岡山コーチに捧げる1点。







前節から多用し始めたショートコーナーから最後に高畑奎汰がクロスを上げると、羽田が上手く頭で合わせて先制。7月7日生まれの背番号49番が9月9日に決めました。来年は背番号81に変えよう。羽田の年1回、七夕ゴールです。素晴らしいゴールだった。





2得点目は予想外過ぎて写真が間に合わなかった。ライン際でボールを残そうと渡邉新太が前線に蹴ったハイボール。この処理を甲府DFとGKが連係ミスして伊佐に先にボールを触られるという失態を誘発。難しいシュートだったけれどもボールはゴールに吸い込まれるように転がって行った。伊佐でなければ生み出せないような得点。気候がね、和らぎましたから、走れる選手はより走れるようになりました。前線の選手達はよく走っていた。そして2得点。こちらも素晴らしいゴールであった。



前半の内容は良かったんですよね・・・。左サイドで高畑奎汰が抜けだした時のワクワク感を共有したい。攻撃面はボール保持時に最終ラインから保田に渡って、保田がターンして前を向く瞬間がたまらなく好きで。野村が時間を作って高畑奎汰が抜け出して、観たいものが観れた満足感。前半は楽しかったな・・・・。



さて、問題の後半なんですけれども、苦しくなった原因の一つがこの監督の指示だったんじゃなかろうか。「ラインコントロール」これ、ラインを上げろってことだと思うのだけれども、甲府は後半頭からクリスチアーノを替えてピーターウタカを投入。ピーターウタカが裏を狙うようになり、甲府の攻撃手法が変更。ここに対応すべきだったと思うのだけれども、ラインを上げては裏を取られる、という繰り返しになってしまった。背走する守備ほど不安定なものはない。



連続で押し込まれ続ける形になり、まずは三平さんに反撃の狼煙となる1点を奪われる。危うい場面が何度も続き、ビルドアップに落ち着きが無くなる。そうこうしているうちにテイシェイラが飛び出してセーブした後に肉離れっぽい症状で倒れてしまう。



なぜか三平さんが治療。敵軍の三平さんにやらすな。我が軍のメンバーで対処してあげて。テイシェイラ、遅延行為でイエローカードを貰った後に交代。西川がスクランブル発進。


交代後、右サイドで上夷と羽田のパスがズレて三平さんに掻っ攫われて裏狙いのピーターウタカに決定的なパスを供給されてしまう。これを1対1でボールに触れずピーターウタカを倒してイエローカード&PK判定。2重罰で済んで助かったレベルの判定。西川は悪くない。右サイドでのなんでもないパスミスが悪い。




そして何がビックリってこのPKを西川が止める。駆け引きで西川が読み切ったのが素晴らしかった。この後、残念ながらどうしようもないオウンゴールで1失点するのだけれども。


2点差を追いつかれてしまった後にも1度だけチャンスはあった。野村のシュートは残念ながらポストに弾かれてしまったことで流れをもう一度引き寄せることは出来なかった。するとこの後、またもや背走しながらの守備で梅崎がペナルティエリア内でスライディングで相手を倒してまたもPK献上。



当たっていたとは言え、さすがの西川も2度連続でPKは止められず。長谷川に決められて逆転を許してしまった。9分ものアディショナルタイムがあったけれども、追いつくことは出来ず、大逆転負けを喫して順位も入れ替わり。前半と後半とで全く違うゲームになるという、両チーム不安定な内容を露呈する試合となりました。どちらのチームにも良い所と悪い所が濃厚に出るゲームでした。


後半にジャケットを脱いだ下平監督。試合後のコメントではピーターウタカの投入による影響が大きかったとコメントを残していたけれども、2点差を追いつくために甲府が前からボールを奪いに来ていた展開の中で、選手交代でその状況を打開できず。何とかして欲しかったところ。テイシェイラの負傷による予想外の交代枠を使ったことは不運だったけれども、シーズンは佳境に入っていて、後半の甲府はシーズンの全てを懸ける覚悟で前からボールを奪いに来ていたと思う。実質リーグ戦が終わりかけていた、甲府としては完全に追い込まれた状況。捨て身で前から行くしかない、その覚悟と雰囲気を感じ取れたか?ここからはもう、そういう戦いの連続なのです。例えば2点差があったので後半開始から5-4のブロックで構えてみても良かっただろうし、何より選手達が甲府の覚悟を感じて自主的にやり方を変えられなければ、今シーズンを通じてやってきたことは何だったのか、という話でもある。監督のラインコントロールの指示なんて無視して自主的に引いて守って良かったと思うのだけれども、それも出来なかった。引いて守ってもダメだったかもしれないし、結果論なだけかもしれないけど、ピーターウタカ対策になった可能性は高い。攻撃面では素晴らしかっただけに、上げたり下げたり忙しい。一体感は確かにあって、良いチームには見えるのだけれども、マネジメント手法的にも評価の難しいチーム。このところ結果が出ていないので無駄に心配が募るばかり。良い面と悪い面が1試合の中で同時に出るのがよろしくない。

レジェンド三平さんはACLを頑張って欲しい。甲府にサッカー専用スタジアムをもたらして、1年でも長く現役でいて下さい。J2のプレーオフ争いは最後まで混沌としそうですけれども、守備に安定性を欠く状況では苦しい。残り8試合。どれだけ勝てるだろうか。最後まで見届けたい。