2020/10/18

2020年 明治安田生命J1リーグ 第23節 G大阪戦

【大分 0 - 1 G大阪】
 

 この試合まで6連勝1分けの7戦負け無しと完全復活状態のガンバ大阪を迎えた23節。内容は充実も得点が奪えずにガンバにうっちゃられるという惜しい試合となってしまいました。6位以内を目指す上では痛恨の停滞。
 

アウェイ席の割り当て解禁が行われた上に、三平が師匠と仰ぐ(※仰いでいない)くまだまさし来場。芸人としてすべらないようにお風呂用スリッパを履いて舞台に上がるくまだまさし師匠。昭和電工ドームのハイブリッド芝は前節のノエビアスタジアム神戸ほどは滑りやすくないので安心してネタに集中できたのではなかろうか。観客も戻り、イベントも戻り、少しずつ戻りつつある観戦環境に感謝である。
 

トリニータのスタメン、DF陣は安定の顔ぶれだけれどもボランチに羽田を抜擢。左サイドに星、右サイドに松本怜を投入してシャドーには師匠が見守る三平、田中達也が入ってワントップは伊佐という布陣。ベンチには高山が復帰。
 

ガンバは宇佐美をベンチスタートにしておりターンオーバー気味。アデミウソンと渡邉をツートップに配置したオーソドックスな4-4-2。かつてレノファ山口に所属した小野瀬と星が同じサイドで対峙する構図。三浦弦太と昌子が不在で主力CBのやり繰りに悩んでいる印象。
 

鹿島戦のようにガンバが前線からプレスをかけてくると予想していたので拍子抜けした試合の入り。ガンバの前線はそれほど強烈なプレスはかけて来なかったためにボールが持てたトリニータ。ガンバのDF陣は中盤をコンパクトに保とうとハイライン気味だった割にガンバの前線はあまりプレスをかけてこなかった。この意識のズレにより最終ラインから余裕を持って裏のスペースに正確なパスを供給できたことで内容的に上回れた。その大きな要因は伊佐の献身的なプレーの数々。チェイシング、裏抜け、ポスト、潰れ役などの泥臭いプレーを一手に引き受けてくれたことで前線が躍動。数多くのチャンスは作れたものの、ガンバGK東口の好守もあって決め切れず。
 

 


後半に入っても大きく様相は変わらなかったけれども、先手先手で交代選手を送り出したのは宮本監督であった。
 

 


勝負を分けたのはコーナーキックの精度だった。トリニータも再三コーナーキックを獲得することが出来たこの試合、長身でヘディングからのゴールが期待できる羽田が先発していたこともあって今まで以上にセットプレーへの期待感があった。実際、後半に羽田がフリーでヘディング出来たシーンもあったので惜しかった。しかし、結果を出したのはガンバ側であった。宇佐美が投入されたことでプレースキックの精度が上がるガンバに対して、70分に刀根を投入した片野坂監督。直前のコーナーキックでも宇佐美のキックをパトリックに合わせられてしまっていて、そこをケアしたんだと思う。だが、残念ながら2分後にコーナーキックから失点。刀根と羽田がパトリックに吹っ飛ばされてしまった。どうしようもない。それならもう2得点するしかないのだ。
 

80分過ぎに4人交代で2得点ゲット大作戦に切り替えるも、得点ならず。伊佐が良すぎたが故に交代のタイミングも遅くなってしまった。伊佐は交代後もアイシングしながらボールを追いかけ始めるレベルで燃えていたな。元気は良いことだけれども怪我だけ気を付けて欲しい。良い内容の中で得点を得られず、もどかしい敗戦となってしまいました。ケチャップがどばどば出ません。


最後の精度が足りない問題。今日はクロスの精度もシュートの精度もイマイチだったけれども、昨シーズンチームで得点源となった藤本、オナイウが移籍して今シーズン補強の目玉となった知念と渡。この二人がもう少しのところまで来ているんだけれどもフィットし切れず、アタッキングサードからの得点源として本領発揮が出来ていない。田中達也のブレイクのお陰で降格圏よりも少し上にいるけれども、ここから+αがないと交代枠の多い今シーズンは資金力の差を埋めきれない。その中で今日の羽田に+αの可能性を感じた。セットプレーで得点出来ない問題、この解決策に羽田は答えを出せそうだった。惜しい止まりになってしまったんだけれども、可能性はあった。運動量の面では島川に劣るけれども高さを活かした守備力とセットプレーで羽田が成長してくれれば残り試合の鍵になるのではないか。一方で島川もおそらく得点への意欲は増していて、前節もペナルティエリア内で得点に絡んだし、この試合もペナルティエリアでシュートした場面があった。ボランチ陣が得点に絡んでくれれば厚みが増します。長谷川もミドルシュートを決められるようになったら一気に評価を上げられると思うし、ボランチの伸びしろに期待したい。競争激化による成長を。

昨シーズン途中から加入して主力となったが、今は行方不明の小林裕紀。誕生日おめでとう。24節を先に消化している関係で来週は試合無し。ここまでの連戦の傷を癒しつつ、負傷者も戻って来てくれないだろうか。ボランチ陣の伸びしろ、ここに期待したい。
 


2020/10/14

2020年 明治安田生命J1リーグ 第22節 神戸戦

【神戸 1 - 1 大分】


また連戦が始まってしまいました。中3日で迎えたアウェイ神戸戦。平日なのでDAZN観戦となりました。フィンク監督が退任後、新監督に就任した三浦淳寛が率いてから絶好調のヴィッセル神戸。予想外に名監督疑惑が持ち上がる三浦監督、大胆にも大分相手にターンオーバーを選択。

 

8人もアカデミー出身者がいるという若手主体のメンバーにごっそり変えた模様。舐められたもんです。フォーメーション的にもミラーゲームに設定してきましたし。勝ち点的には4しか離れていない神戸と大分。このメンバーとの強化費なら大差無かったはず。しかし、ベンチにはイニエスタ、山口蛍、酒井高徳、田中順也、古橋が控えるという桁外れの修正力。このメンバーが次から次へと出てくることを想定すれば、先に試合を決めたかった。先に。

 

対する大分のメンバー構成はワントップに知念、シャドーに渡と野村という攻撃陣。左に田中達也が回って右に小出。後はいつもの後ろのメンバー。ベンチには伊佐が待望の復帰。高木、刀根、羽田が盤石のベンチメンバー化してきました。先に試合を動かしたかった。先に。

 

しかし、残念ながらわずか5分で先に失点してしまう我が軍。全然舐められてなかった。先に動かされどうする。崩された訳でもなく、右サイドからのふんわりクロスをふんわりヘディングされてしまっての失点。ちょっとやり切れないビハインドを背負ってしまった。止められなかったかムンよ。割とふんわりシュートだったのに。しかし、ゴールを決めた神戸の9番、ペナルティエリアに入る感じに落ち着きを感じた。あっという間に失点してビハインドを背負ってしまったトリニータ。ここから神戸が無理せずにボールを握る展開に。

 

今日のトリニータ攻撃陣はしっくり来ていた。ミラーゲームではあったものの知念、渡、野村の前線はそれぞれシュートチャンスを作れたし、追いつけそうな雰囲気はあった。渡のヘディングとか完璧だったのに。少しずつだけれども古参兵無しでも連携感は出て来ている。だが、そこに立ち塞がったのはJ3時代に控えGKとして表舞台には出て来なかった神戸GK吉丸。ほとんど顔を見た記憶が無かったので、特徴的な名前は憶えていたけれども、若手GKを預かった記憶があったのに割と大人っぽい顔だったので紐づかず。まだ24歳。あの頃預かっていた吉丸なのかと認識できた頃にはゴール前に仁王立ち。悉くシュートチャンスを防ぎまくった。

 

後半に入っても吉丸の牙城を崩せず。持ち味が出ているようで、出ていないような、非常に批評が難しい試合だったんですけれども、この要因のほとんどが滑りやすいハイブリッド芝のせいのような気がする。

 

TVゲームで言うところの「氷ステージ」感があるノエビアスタジアム神戸。急には止まれない感じのやつです。滑るのを我慢しながらのプレーが前提になっていて、踏ん張りが効かないから予想外のプレーから決定的なチャンスが生まれる印象でした。しかも主審は笛をあまり吹かないタイプで、サッカーを観ているはずなのに、ちょっとだけ違う競技を観ているような錯覚に陥りました。氷ステージです。昭和電工ドームもハイブリッド芝ですが、ここまで滑る印象はないのでちょっと不思議でした。この滑り易さに慣れて味方につけたのが同点弾だったのではないでしょうか。

 

JリーグのTwitterはなぜに埋め込み動画の再生許可をしないのか謎なんですけど、そんなことより右サイドの崩しは見事だった。一瞬島川が上がり過ぎていてポジションも被っていて何をやっているんだ?って思ってしまったんですけれども、神戸DFも混乱した模様。島川のスルーが活きて岩田が抜け出してのオウンゴール誘発。一度スピードに乗れば止められない氷ステージ。ついに吉丸の牙城を崩した。オウンゴールだったけれども、外側に髙澤がいるので酒井高徳が触っていなくてもゴールだったろうし、素晴らしい岩田の抜け出しとパスであった。同点。

 

Optaが珍しく地味なデータしか出せませんでした。意外なデータを出してこそのOptaですが神戸と大分に関しては引き分けばっかりですね、っていう話です。何となく試合途中から引き分けで終わりそうな雰囲気は感じていました。予想通りの痛み分け結果に。最後の岩田のロングシュートのシーン、氷ステージ特有のスピードに乗れていたので右サイドの松本怜を使ったら何か起きたかもしれなかったところは心残りではあった。


マリノス戦の大敗から考えると1失点のままで我慢し、1得点で追いつけた点は評価できますし、GK吉丸の奮闘が無ければ勝てたような気もする内容ではありました。これまた連戦なので週末のガンバ戦に向けてリカバリーして欲しいところです。6位以内を目指すならば差を埋めたい一戦でしたが、アウェイで勝ち点1は及第点じゃないでしょうか。ホームでは勝って欲しい。

 

2020/10/11

2020年 明治安田生命J1リーグ 第21節 横浜Fマリノス戦

【横浜FM 4 - 0 大分】
   
雨です。雨。恵みの雨。台風ですけど、都内在住アウェイ民にとっては恵みの雨。マリノスは水曜日にルヴァンカップ準決勝で主力を投じるも敗退。意気消沈のリーグ戦に強い雨。ダイナミックプライシングを採用した三ツ沢のチケットが高額設定のまま値下がりしなかったこともあって、ガラガラのガラです。え!?良いんですか!?空いているならお邪魔しますけれども!?お金で解決できるなら払いますけれども!?ということで行って来ました、強い雨の三ツ沢。濡れた。今シーズン2度目のアウェイ観戦記。久々過ぎて涙で濡れた。サンキュー雨!サンキューな!雨の三ツ沢は相性的に嫌な予感しかしなかったけれども。


たまたま持っていたタオルマフラーが役に立ち、マリノスサポーターに偽装してメインスタンドに紛れ込むことに成功。高いチケット払いました!マリノスにお金を払いました!もともと声も出さずにしっとり観戦するのは得意ですし、試合を観ながらニヤニヤするだけなので今の観戦スタイルは渡りに船。「J2かな?」ってレベルのガラガラのガラですから、感染リスクも低いときた。恵みの雨です。風邪をひくとすこぶる面倒なご時世ではありますが、まだそれほど寒くも無いので何とかなりました。





 メインスタンドに空席多数。マリノスとの試合は噛み合うんでね、面白いと思うんですけれども横浜界隈では評価されていない模様。コロナ禍ですし、仕方ない。ルヴァンカップ準決勝は柏と対決して4700人の入場者だったのに、週末のリーグ戦で3600人と入場者数が1000人減。面白いはずなのにもったいない。プレスをかけて相手陣内に押し込んで畳みかけるポステコマリノスと相手を自陣に引き込んで裏を取る片野坂トリニータの名勝負数え歌。オルンガは居ないし、優勝もかかっていないので仕方ないけれどもちょっと寂しい。お陰でスタジアムには入れたんだけれども。寂しい上に今回は名勝負どころか、ボコボコのボコにされました。4失点。マリノスとはJ1復帰後、やってやられてやり返されての五分。

 

スタメンは前節をベースにしつつも、右サイドに田中達也を配置してシャドーには野村と町田を入れる布陣でした。ベンチには三平と松本怜が復帰。連続ゴール中の髙澤に期待していたのだが、裏に欲しがっているタイミングでは裏には出て来ず、ポストプレーから連携はズレ、試合途中からシャドーに降りてもなかなかしっくりした連携が出来ずに本領発揮とはならなかった。連続ゴールも、連勝も途切れてしまった。ラストパス、クロス、最後のチャレンジがことごとくズレた。そこに至るまでの過程が素晴らしかっただけに、最後の精度の一つ前が足りなさ過ぎた試合だった。先発の野村と町田はボールを持てるタイプで前進時にはスムースだったけれども決定的な仕事は出来ず。惜しかった。
 

対するマリノス。水曜日に一発勝負のルヴァンカップ準決勝があったためターンオーバー気味。DFの要、チアゴマルチンスや月間MVPエリキがベンチに控える。ジュニオールサントスが強くて速くてとにかく手を焼いた。層が厚い、層が。ミルフィーユくらい多重構造。しかし、この日は断然ケンマツバラこと松原健の日だったと思います。





 スピードのあるオナイウ阿道を中心に前線からプレスをかけるマリノスに対して、前半は丁寧にボール回しが出来、自陣から前線にボール自体は運べたものの、マリノスの高いDFラインの裏を有効に活用することが出来ずにサイド攻撃が封殺された。スペースがあるのに活用できなかった理由は精度不足とマリノスDFの粘り強い対応だったと感じました。スライドが速かった。特に左サイドを起点に攻めたい意思を感じたトリニータ。飲水タイムでも片野坂監督は星としか話していなかったし、攻撃比率も左サイドの方に若干偏った。しかし星と対峙した2代目宇佐の男、ケンマツバラを抜くことが出来なかった。3代目の岩田智輝は右サイドにいて直接対峙することはなかったけれども、ケンマツバラがですね、左サイドに蓋をしたことでプランが狂ったのではなかろうか。右では岩田とオナイウがマッチアップしていて面白かった。何度かオナイウに裏を取られたけれども決定的な仕事は阻止できた。ただし、田中達也がスペースで躍動するようなシーンは作り出せなかったし、クロスを含めたサイド攻撃の精度が落ちたことでチャンスらしいチャンスを作り出せなかった。試合を通じてサイドで数的優位を作らせないように大分対策が施されていた印象。ボールを運ぶ過程が良かっただけに、最後の精度が残念であった。ただマリノス側の精度も前半は低く、一進一退の噛み合った試合ではあった。前半は。





後半、試合を動かしたのはケンマツバラだった。クロスのクリアをダイレクトボレーでゴール右隅に決めるという、GKムンが一歩も動けなかったスーパーゴールを決めやがりました。トリニータで過ごした駆け出し時代なんて1ゴールもしてなかったと思うんだが、あんなゴールを決める選手になってしまっているなんて聞いていません。圧巻の活躍。19節の柏戦で戸嶋選手へのタックルで大怪我を負わせてしまった松原。大怪我だったが故に誹謗中傷もあったようだけれども、戸嶋選手が発表したコメントや、戸嶋選手から直接気遣いを受けるというJリーガー達の素晴らしいエピソードを受けてのこの試合の松原の活躍。サッカー業界、暴力的な選手もゼロではないけれども、何かあった時に応援される男なのかどうかは日頃の行い次第。この試合で1枚だけ選手に向けて、ゴール裏に掲げられた横断幕に詰まった想いが全てだったのではないか。Jリーグ界隈の爽やかな部分。スタジアムの片隅でびちゃびちゃに濡れてニヤニヤしながら観ているおっさんには眩し過ぎる。色々な想いが交錯しながら、前進する宇佐の男。柏の戸嶋選手に宇佐神宮のご加護がありますように。


1失点まではまだ許容範囲というか、あまりにもスーパーゴールだったこともあってしょうがない失点として想定内扱いができたと思うんですけれども、その後もラストパスの精度が甘いせいで攻撃は決定打を繰り出せず、疲労からか寄せも甘くなり、マリノスの誇る外国人選手達に次から次へと得点を許してしまった。特に自陣のミスから発生した2失点目が痛かった。2失点目以降は確かにバランスを欠いたけれども、2失点してそのままで終わってもしょうがないので前がかりになったことは、監督はちょっと怒っていた様子ではあったけれどもチャレンジとしては認めても良いと思う。エリキが絶好調であったのだ。止められなかった。ターンオーバーしていてもマリノスが強かった。



試合後はオナイウ阿道や松原との再会と挨拶。刀根先輩は先輩感が凄いけど1年先輩なだけです。




前半の出来が良かっただけに、非常にもったいない試合ではあった。1失点で抑えられれば同点で勝ち点1を持ち帰れたかもしれない。交代で入るメンバーの強烈さでマリノスに根こそぎ持って行かれた。アタッキングサードの精度を上げて来年も名勝負数え歌を継続しよう。積み上げよう。ここからまた連戦。踏ん張りどころです。しかし、久々にトリニータのサッカーを生で観ることが出来て幸せでした。4失点したけど、それでも楽しかった。4失点したけど。もっと制限なく試合が観られるようになって欲しいものです。4失点しない試合も観たい。

2020/10/04

2020年 明治安田生命J1リーグ 第20節 清水戦

【大分 2 - 1 清水】
   
内容的には完勝!完勝です!ホーム昭和電工ドームで調子の上がらない清水を迎え撃った20節、後藤の恩返しゴールも無事阻止に成功。つまり完勝なのであります!リベンジ達成。

 

ようやく試合間が1週間スパンになったスケジュール。じっくりと準備してガラリと変わるかと思いきや、スタメンはほとんどが前節と同じメンバー。変わったのはワントップが髙澤になっただけ。代わりに渡はベンチスタートに。渡、知念、野村、町田がベンチいる安心感。しかし、遂にクラブが正直に白状した怪我人が3人判明。前田、香川、小林成豪の離脱が決定。中でも小林成豪は全治6か月の大怪我。なかなか本領発揮とまでいかないまま怪我を繰り返す状態となってしまってモチベーション的にも心配だがパワーアップして帰って来て欲しい。連戦の影響でプレーできる選手がどれだけいるのか外からは分かりませんが選手のやり繰りは大変だと思われます。

 

岩田智輝はJ通算100試合出場。我が軍の古参メンバーはJ3、J2、J1と股にかけて来たのでJ通算とか、J1通算とかの記念日が複数あって混乱しがち。皆でJ1で刻んでいこう。おめでとう岩田智輝。

 

対する清水。こちらも怪我人が多く、本来中盤だったはずのヘナトアウグストがCBに社内異動をしている状態。ファンソッコとか金井とかがいない。残念ながら福森も8月に全治2か月の怪我が公表されていたのでまだ不在。前回対戦の時点でファンソッコをSBで使っていた記憶があるので、それさえ成り立たなくなって4バックから3バックに変更するなどクラモフスキー監督もマネジメントが大変な様子。ただ、ただですね、それでも外国人枠を最大限活用したフィールドプレイヤー5人がブラジル人っていうのは格差を感じざるを得ない事実。そしてこの1週間、恩返しゴールが恐ろしくて堪らなかった後藤ですよ、後藤。未だ今シーズンゴール0と苦しんでいる模様。ブラジル人に挟まれ、潤滑油となる後藤。ハードワークしていた後藤。プレー内容的には元気そうで何よりでした。

 

前回、IAIスタジアムでの試合ではセットプレーから4失点という衝撃の弱点が露呈してしまった試合でしたが、この試合での対策はバッチリ。題して「セットプレーで守り切れないなら、セットプレーを与えなければ良い」大作戦。これが大成功。試合を通じて清水に与えたコーナーキックが0回です、0回。皆無。つまりノーセットプレー。弱点露呈せず。セットプレーさえ与えなきゃ無失点で切り抜けられますから!大成功!まぁ、清水が低調だっただけなんですけれども。下位を叩き潰すくらいの勢いでゲームに入って欲しかったのですが、ボールが握り易かったこともあってバランス重視で清水の出方を伺うようなスタートだった。清水がライン高めでプレスをかけてくるものの、ハメられて苦しい状況にまでは陥らなかった印象。16分には清水を引き出しつつ、右から裏を狙う形で先制に成功。名前は小出だけどオープンスペースに大きく出る小出の突破&冷静なクロスを髙澤が決めて幸先よく先制。小出が大出。髙澤は2試合連続ゴールと結果を出すようになって来た。早い時間に先制出来たのでもう楽勝だと思いました。


しかし、問題は飲水タイム後。前線のブラジル人3人に中央を崩されて同点に追いつかれてしまった。私も楽勝だとどっぷり油断してましたけど、水が悪い、水が。飲水タイム後の失点が多い気がする。どうも集中が解けてしまうのではないか?飲水タイムで目が覚める興奮剤入りの水とか摂取させた方が良いんじゃないのか(※ドーピング違反でダメです)率直にブラジル人の連携が素晴らしかった。GKムンも一歩及ばず。使っている札束の差があの一瞬だけ露呈しました。

 

同点のまま、どっちつかずの内容になりつつ迎えた後半。流れを掴んだのは先手先手で選手交代を行ったトリニータであった。

 

60分に疲れの見えた小塚を下げて野村を投入。68分には野村が中央から右サイドに大きく振り、深くえぐった田中達也のクロスを「逆サイドから必ず駆け上がり、ペナルティエリアに入ってシュートするけど大体外す男」、星がヘディング。珍しく枠に収まるも清水のGK大久保に掻き出されてしまった。星、J2時代よりもシュートの精度が向上しているのではなかろうか。J2で昇格したシーズンではチーム内最高のシュート数を叩き出した割に決め切れなかったMr.もったいない。決定力が向上したら香川が戻ってもスタメンを維持できるポテンシャルを見せつけた。古参兵が個々に成長してくれれば最高で最強。

 

追加点は町田と羽田を投入した後。シャドーから右サイドに移った田中達也が再び裏のスペースへ出された町田からのふんわりスルーパスに追いつき、深くえぐってクロス、髙澤が潰れて空いたスペースに野村が走り込んでヘディング。またもGK大久保が触ってクロスバーに跳ね返ったところをエース田中達也が諦めずに詰めて勝ち越しゴールを捻じ込んだ。結局シーズン当初からやっている田中達也の裏抜け一発芸の完成度が上がっているだけのような気もするんだけれども、成功するならそれで良いんです。それにしても田中達也、ここまで走れ過ぎ。走力が素晴らし過ぎる。その上でコンスタントに得点を続けるという、異常なレベルに達しつつある。大ブレイクである。大ブレイクしてしまったが故に試合に出れない高木駿から髪の毛をぐちゃぐちゃにされるという辱めを受けてしまった。もっとリスペクトしてあげて下さい!試合はクローザー刀根、知念を投入して仕上げ。↓この4枚目の写真よ。

 

結果的にフリーキックを含めて清水にほとんど自陣でセットプレーを与えなかった。流れの中では失点シーン意外はほとんどチャンスを作らせずに寄せ付けない内容であったという評価で良いのではないか。決定機も作れていたので、もっと決められていれば楽に試合を進められたという、試合後の監督の評価の通り。2連勝で試合内容は充実中。しかも誰が出場してもレベルが落ちずに、それぞれの特徴が出て来ている。上昇機運を維持しつつ、次節のマリノス戦で3連勝を達成したい。良いです、大分トリニータ。再び良い状態です!