2023/08/27

2023年 明治安田生命J2リーグ 第32節 仙台戦

【大分 2 - 3 仙台】


ふて寝しました。DAZNで試合観終わってふて寝。変な時間に起きちゃったよ。残り10試合、シーズンの集大成として煮詰まったものがピッチで表現されるべき時期にホームで3失点。久々にボールを繋いで前進して相手陣内に押し込み続けるサッカーが表現できたと思いきや、で?守備は?みたいな3失点。いやー、しんどい試合になってしまいました。TKPサンクスデーで負けるなんてね。


夏が終わりません。残暑ってレベルじゃないくらいの暑いコンディションが続いています。今年は秋の訪れが遅いかもしれませんが、すでに「残り試合全部勝つ」みたいなことを言い出さなければならない時期です。なんだか暑さとシーズンの終盤とが噛み合っていない季語変更の異常気象の中、フォーメーションは前節の敗北を受けて4-2-3-1へと変更。なんだか基本、ミラーゲームに持ち込んでいるような気がしてきました。羽田と安藤のCB、伊佐のワントップ、ボランチには弓場と保田を使って野村を前で使う並びだったためボール保持を前提とした戦い方を選択。ベンチにはキャプテン司が復帰。ペレイラがベンチ外。久々に保持出来て良かったんだけどね、保持率アップして守備力ダウン、結果には繋がりませんでした。



仙台は伊藤彰監督を解任後、コーチから昇格させた堀監督が指揮を執る。ヴェルディでも代打監督を経験しており、その時は建て直しに成功した印象がある。翌年途中で解任となったけれども、一時は何とかしてくれる人というイメージ。しかし、今日の仙台の戦いっぷりを観る限りはちょっと主体性に欠く戦い方になってしまっており、J2では強化費多めの仙台が方向性を見失っている印象ではある。そんなチーム相手に3失点するんだから我が軍はどれだけ酷い守備なんだって話です。



先制までの流れは素晴らしかった。得点シーンはヘディング一発で裏返したシーンから始まりましたけれども、伊佐が上手く抜け出してGKと1対1になってシュート、真正面の強烈なシュートはGK林に跳ね返されるもこぼれ球を押し込んだのが保田、という流れ。プロ初ゴールの保田。攻撃のポテンシャルはJ2屈指。世代別代表の中核になれるレベル。負けていると1人突出してイライラしているのが伝わってくるレベルの負けん気の強さが異常。今、Jリーグを通じて将来が楽しみな人材No.1と言っても良い。素晴らしいゴールでした。これで前半をリードで終われれば良かったのだけれども、アディショナルタイムギリギリでPKを献上。これを決められてしまって同点で終えてしまう。なんでやねん。



失点は気にして欲しいです。後半に向けてもう一度頑張れっていうメッセージなので理解はするけれども、守備の形も作って欲しいです。カウンターを受けて全員戻ってから2失点。なんでやねん。



長沢のヘディングで一矢報いるも、反撃は1点止まり。仙台のGK林のパフォーマンスが素晴らしかったけれども、2得点は悪くない。悪いのは3失点。今シーズンの集大成が滲み出て欲しい残り10試合。ピッチ上で自主性ってものは発揮されているのだろうか。中位以下のクラブから勝ち点が奪えず、シーズン前半の貯金を食い潰す終盤戦。残り10試合、残留争いを行っているクラブはもっと強くなる。J2終盤戦、未だ課題が多い。 



2023/08/20

2023年 明治安田生命J2リーグ 第31節 岡山戦

【岡山 1 - 0 大分】


いやー・・・ビックリしましたね。意外過ぎる高木駿の移籍にビックリのお盆明けとなりました。まさかですよ?怪我から復帰してスタメンになって久々の勝利に貢献した副キャプテンが急転直下のJ1札幌移籍とは予想だにせず。34歳のGKがJ1に引き抜かれるとは予想外にも程があった。移籍する方も移籍する方だし、移籍させる会社側も何を考えているんだって話です。あの流れから移籍て。サイコパスみある。これまでの貢献って言われても納得感は無し。もしかしたら藤本とか上夷がJ1に、みたいな可能性は「もしも」の時の精神をね、精神を安定させるためにですよ?先回りして想像してショックを軽減する練習をしたりはしてみていたんです。ただ、まさかの高木駿とは。ただ、うちのGKチームはサイコパスっぽいので大丈夫です。みんな図太い。特に西川は謎の図太さが凄い。人員が減って全員チャンス増です。GKチームみんな頑張ろう、そんな気持ちで岡山に行って来ました。





先週、大分で試合を観て、翌週岡山で試合を観ているってのもサイコパス感がありますが、行きました私、サイコパスです。今週もコンディションは厳しかった。スタジアムは風が無く、ほぼ無風。暑い。無理。サッカーやる季節じゃない。こんなに暑いのは珍しい。そんな超絶厳しいコンディションの中で両チームよくぞ走ってしました。プロ選手は超人です。

GKは西川がスタメン。そもそも開幕からスタメンを奪取したポテンシャルはある訳で、シーズン序盤の経験値も重ねて来ているので踏ん張れるはずです。前節に引き続き3バックで羽田を真ん中に置いた形。ボランチは野村と保田の2枚。ベンチにはボランチ要員がおらず、中盤の人員が足りていません。6月の岡山戦ではFWがおらず、ゼロトップで戦いましたが今度は中盤不足。逆にFWは増えました。怪我人復帰が続いているものの人員構成のバランスは取れないままです。

対するは岡山。ホームでは勝利したので引き分け以上で勝ち越しが決まる試合でした。2年目の木山監督が引き分けが多く勝ち切れないチームに業を煮やして清水戦後にペットボトルキックを発動。無事ドアガラスを割って1試合の出場停止処分を食らうという事件が発生。冷静沈着なイメージがある木山監督がガラにもなくペットボトルキックをしてでもチームに喝を入れるくらいには追い込まれているってことでしょうか。足元の技術は怪しい木山監督ですが、監督としての手腕は手堅い。3-1-4-2を運用中。岡山は希望の若手、佐野航大がクラブ初の海外移籍。良いな、ベテランがJ1に行くより夢があって良いよな。主力を失いながらもジェフから末吉塁を補強。櫻川ソロモンといい、なんでジェフを弱体化させる補強ばかりするのかは謎です。木山監督はジェフに恨みでもあるのでしょうか?高畑奎汰と末吉塁の背番号17番同士がサイドでマッチアップ。ここの争いだけは高畑に軍配が上がったと思うのですが、試合としては負けました。






開始10分までは縦に深さを作るトリニータと、横に幅を作る岡山の戦術っぽい争いがあった気がするのですが10分過ぎて全員が汗だくになると有耶無耶になりました。コンパクトな布陣で狭い中盤での争いからお互いに裏のスペースをどうやって攻略するのか、という試合展開。フォーメーション的にはほぼミラーゲームっぽくなっていたような雰囲気だったけれども、お互いにプレッシャーは中途半端で、シーズン通じて勝ち切れない試合が多い岡山と、最近調子が上がらないトリニータの凡戦といった様相。悪くは無かったけれども、良くも無かった。そんな前半でした。お互いに守備のプレスはハマり切らないことが多く、前進出来てもフィニッシュの精度は低く、スコアレスで前半は終わった。暑さが悪い。

下平監督がラインコントロールに言及しているけれども、確かにオフサイドで裏のスペースを守れていた場面は多かった。後半、岡山はサイドの奥のスペースを狙うパスを効果的に使って、前進。藤枝も同じことやってた気がするんだけど大分対策なのか?岡山はコーナーキック獲得から先制に成功する。再三コーナーキックを獲得しつつも決め切れなかったトリニータと対象的に、少ないコーナーキックを決め切った岡山。流れの中からゴールは決まらなかった試合で、10本もコーナーキックを獲得しながら1本も枠内にすらシュートを決められなかったことが響いた。






先制されてから、トリニータは選手交代も行って攻撃を活性化。これがですね、最初からやれば良いのにって印象でして、特にビルドアップ時の羽田がですね、もう少し、5メートルから10メートルくらいでも持ちながら上がってくれれば最終ラインが押し上がって、前線との距離感も詰められるし、ペレイラもデルランも前線に出て押し込める形になれるのに、なかなか西川の近くから離れなかったのが観ていてもどかしかった印象だったんです。西川は特に変わらなかったけれども、高木駿喪失について羽田は気を使っていたのかもしれない。失点してからはグッと前に出始めたので、必要に迫られてやる時点で相手は引いて守ってますし、体力的にも疲弊もしていたし、なかなか厳しいものがありました。それでも高畑のシュートがポストに直撃するなど、惜しい所までは行ったとは思います。ただ、結果的にゴールは割れず。連勝はならず、岡山に勝ち越しもならず五分となりました。下位相手に勝ち点を積み上げられず、痛恨の敗戦。コンディションが厳しい暑さだっただけに、両チーム疲弊して精度を欠く試合で見どころは少なかった。


残り11試合、自動昇格圏内の2位との差も開き、遂にプレーオフ圏内に留まれるかどうかが妥当な線になってきた。今の勢いだとズルズルと落ちそう。底抜けに明るかった高木が移籍してしまってチームも敗戦でかなり凹んだ印象。こなれば観ている我々が底抜けに明るくなるしかない。長引きそうな夏の暑さが素早いトランジションを阻害する。そうなれば頼みの綱はセットプレーなんだけれども、あれだけ多く獲得しながら、長身の選手が多くいながら決められないならばどうすればいいのだろうか。正念場ですね。





2023/08/13

2023年 明治安田生命J2リーグ 第30節 藤枝戦

【大分 1 - 0 藤枝】


法事があったので帰省したついでにレゾドにも立ち寄りました。というよりレゾドに立ち寄れるようにするための法事だったと言っても過言ではない。台風の影響で色々と予定が組み辛かったのだけれども、思い切って帰省。ただね、先祖がね、私の先祖がですよ?お盆に仏壇に帰って来てもつまらないと思ったんでね、お墓参りの後にレゾドに連れて行きました。レゾドに置いて来たと言っても過言ではない。大分市ホームタウンデーだったし。え?死んでたらダメなんですか?負けていたら地縛霊になっていたと思うんだけど、勝利しましたんで無事に勝ち点3と先祖の霊が帰って来ました。

もうね、坊主なんて待てない。私は。19時キックオフなんだこっちは。坊主よ、3倍速くらいで読経してくれんだろうか?何ならもう「成仏!!」だけ叫んで欲しい。説得力の問題でさ、そりゃ長々と読経してもらってこれで死んだ婆さんも極楽浄土に旅立ちましたよって言われりゃ納得感と説得力があるけれどもさ、19時キックオフなんだこっちは。もう俺、婆さん連れて行くわってことで聖地巡礼。2月のホーム開幕戦以来、灼熱のレゾド参戦となりました。暑かった。辛い。汗でグッチャグチャです。協賛のうちわが無かったら俺が婆さんに極楽浄土に連れていかれるところだった、危ない。


スタメンは激変。これが藤枝対策だったのか、何だったのかは試合直後では謎ですが流れを変えたい想いがチームにも、横断幕の位置をいつもと違う形で張り出したスタジアムにも感じ取れた。


3バック、3-4-2-1で守備時5-3-2っぽくなる形のミラーゲームをチョイス。藤枝と真っ向勝負。3バックは怪我から復帰のペレイラが右に入り、真ん中羽田、左がデルラン。ボランチに保田と野村、左に高畑で右に松尾、長沢のワントップに中川・鮎川のツーシャドー。そしてGKは高木が登場。ガラッと変わったスタメン。ベンチには町田も入り、怪我から復帰したメンバーが増えて来た印象。ここまで稼働率が高かった上夷や安藤がベンチスタート。


対する蹴球都市藤枝。大エース渡邉りょうがセレッソ大阪に、ゲームメイカーの久保藤次郎が名古屋グランパスにそれぞれシーズン途中で引き抜かれてしまう。しかし、そこは蹴球都市。蹴球で生計を立てている都市だけあってキッチリ移籍金を回収。今治からFW中川風希、札幌からMF田中、名古屋からFWレオナルド、磐田からDF中川、FC大阪からMF西矢と5人を補強して穴埋めからの盛り土。こちらも3-4-2-1だったはず。守備時5バック。主軸が抜けたこともあって攻撃面での連携というか、崩しのアイデア共有みたいなところの質がちょうど人の入れ替わりで落ちてしまっているタイミングであったような印象。ボールを握って攻め続けるエンターテインメントサッカーを標榜。シーズン前半戦の対戦では一番内容で勝ちきったイメージのある相手だっただけに、逆にリベンジに燃えているのではないかと予想していたのだけれどもサポーターは少し少な目。台風の影響とかお盆で移動費が高い中で、ゴール裏人数は少なかったけれども、精鋭遠征メンバーがご来場。



相撲取りに似ている自覚が芽生えているニータン。ホームで観るニータンはかなり活動的で太客とイチャイチャしていた。本当にアイドルっぽい活動内容で忙しそう。あんなに暑い環境で、甲羅の中は地獄だと思うのだけれども全てはお金のためです。金の雨を降らせる亀なので暑さに負けず頑張って欲しい。


試合序盤はお互いに深追いするプレスを敢行していたけれども、第1の「シュン」GK高木を先発にしたことで、高木を含めた最終ラインでのボール回しにより、藤枝のプレスを回避。徐々に無理をしなくなった藤枝。両軍コンパクトな布陣で一度ボールを握って前進したらシュートチャンスまで攻撃を続けるスタイル。藤枝が攻撃時の最終ラインはハーフラインを超えてしまってGKがセンターサークル近くに出向くレベル。

トリニータとしてはこの広大なスペースをどう攻略するか?この日はワントップに入った第2の「シュン」長沢が素晴らしかった。起点となれるし、機動力重視のツーシャドーとの絡みも抜群だったし、サムエルと違ってサボらず走れるのでプレスもかかる。起点となる長沢の頑張りによって藤枝のハイラインとスペースを攻略。特に先制の場面は長沢のプレスから藤枝GKのパスがズレ、トラップがズレ、高畑のインターセプトに繋がった。高畑はそのまま持ち込んでクロス、長沢がここでも潰れ役となり、裏のスペースに走り込んだのが第3の「シュン」鮎川。


前半だけでダイレクトシュートを2回枠外に飛ばしていた鮎川。3度目の正直で決め切りました。広島からレンタル移籍でようやく結果を出しました。この得点で肩の力が抜けたのか、この後の存在感、スタジアムとの連動したようなプレー、本領発揮といった感じでしょうか、得点後の方が動きが良くなった。




トリニータは先制後、藤枝にボールを握られるも最後の一手を欠く藤枝にゴールを許さず。そのまま前半を終える。終了間際、中川が痛んで担架で退場。一人少ない状態で前半は凌ぎ切った。


後半から中川に代えて町田也真人を投入。再三ゴールに迫るも決め切れず。



しかし、藤枝の攻撃もシャットアウト。デルランの惜しいシュートとか、色々ありましたけれども端折ります。得点が生まれなかった後半でした。ただ、久々の先発となったペレイラは60分過ぎにはバテていたので上夷を投入するなど、早めの交代が良かったと思います。足を攣る選手も多く、厳しい暑さの中でよく戦いました。久々の勝利。






久々のホームでの勝利なのでナイスゲームと言いたいところなんだけれども、2得点目が奪えなかった点は課題ですし、また怪我人が出た可能性もあるので不安の方が上回る。しかし、もはや残り12試合しかないので一つずつ勝っていくしかありません。メンバーを変えて、繋ぐところと蹴るところのバランスを変えたことが勝利を手繰り寄せたポイントでした。繋ぐから裏にスペースが出来て長いボールが通るし、何でも出来るトリニータの形が戻って来たのかもしれません。ひとまず勝てたのでね、雰囲気も変わるでしょうし、先祖の霊を連れて残り試合も戦いましょう。








2023/08/07

2023年 明治安田生命J2リーグ 第29節 山口戦

【山口 2 - 2 大分】


山口のサイドチェンジに苦しめられた試合でした。DAZNでも現地の暑さは感じ取れましたが、難しいコンディションの中で夏用のサッカーをやっていたのか、何なのか。サムエルワントップでロングボール戦術に完全に切り替わってしまった我がチームはまたも勝利には及ばず。負けなくて良かったけれども、勝たなくてはならない試合でした。素晴らしいゴールで先制したんだし。


戻って来たメンバーと、ベンチ外になっているメンバーとがいて、競争なのか戦術なのか怪我なのか判断ができませんがひとまず高木がベンチ入りです。もっと長引くと思っていたけれども、高木の復帰は大きい。この時期になればプロの選手は怪我などで満身創痍の上に疲労もあって大変だとは思うのだけれども、何とか試合に間に合わせていると思われます。試合後の高木の形相が全てを物語っていた。熱い漢が帰って来た。この日は4-2-3-1を選択。ワントップサムエル、藤本・野村・中川を前線にしてボランチは弓場と池田のコンビ。DFは左から高畑・デルラン・安藤・上夷。ベンチメンバーには長沢が復帰。



対する山口。現在下位に低迷してしまっていることもあって、しばらく会わないうちに全然違うチームに変貌。 諸君、狂いたまへの精神でエスナイデル監督を招聘。本当に狂ってどうするとJ2界隈が騒然としましたが、そのエスナイデル監督がジェフ時代に重用したDFキムボムヨンを獲得。更にインドネシアのクラブからブラジル人FWも獲得。夏に出費です、出費。代名詞のハイラインでバチバチ行くのかと思いきや、ジェフ2年目の後半戦に見せた守備を立て直す手腕を発揮。負け無しで自信を与えると、徐々にハイラインを開始してジェフには負けた模様。何だかんだでこの日の山口の最終ラインとGKは怪しかったし、隙は多くあった気がする。



ニータンは山口に初上陸でしょうか。レノ丸と丸いフォルム同士でイチャイチャしていた様子です。・・・はい、試合です、試合。試合は落ち着かない入りだったと思います。トリニータは守備時4-4-2で守っていたけれども、攻撃時にトップ下の藤本が左右に動くので、どちらかのサイドに寄りがちで、いつもと違う何かは感じたのだけれども、サムエルが走れる最初の15分が勝負って言うことだけは明白でした。前半10分、右サイドのスローインから藤本が右サイド奥で受けたボールを中に折り返し、池田→野村と繋いで最後は逆サイドの左サイドに走り込んだ高畑奎汰が素晴らしいシュートでゴールを奪ってみせた。



怪我から復帰して素晴らしいキックを披露した高畑。凄まじいシュートでした。これで楽に試合を運べると思うじゃないですか、違いました。特に飲水タイムまではちょっと我慢かな、なんて思っていたのだけれどもサムエルの走れなさ加減が徐々に山口のDFを自由にする時間を与えてしまった。


攻撃時に藤本がいずれかのサイドに寄ることもあって、守備への切り替えの中で逆サイドに一気に振られるロングパスを山口が多用し始める。元々は裏のスペースを縦に狙っていた雰囲気なのだけれども、逆サイドに振られてから前進された。飲水タイム後にエスナイデル監督の指示があったのか、何なのか、ボールを保持できず、攻撃を受け続けてしまう形になって立て続けに2失点。前半のうちに逆転されてしまった。2失点目はPKで、デルランが山口の新ブラジル人FWシルビオジュニオールを倒してしまったけれども、あのFWも怪しかったのでそこまで警戒するほどではなかったように思える。決定機も多く作れてはいたけれども決め切れずに逆転を許すという、無念の前半。



後半、弓場から保田へボランチを交代。意図はよく分からなかったけれども、保田は頑張れと思いました。若さで乗り切れ。しかし、後半も山口のサイドチェンジが効いたし、そこまで良い形を作り切れなかった。戦い方が明白に変わったのは羽田を投入して3バックになってからでしょうか、ボールを若干繋ぐようになり、チャンスを作れるように。しかし、これは80分を過ぎてからの話。遅くなかったです??当然時間が足りなく、迎えた95分過ぎ、最後のCKのチャンスにGK西川も駆け上がって、ラストプレーというところで西川の前にボールがこぼれて、シュートを空振りさせて、ヽ(・ω・)/ズコーっとクリアされて試合終了かと思いきや、クリアボールのスローインからいつの間にか左サイドで高畑が仕掛けてクロスを上げる、逆サイドに走り込んだ松尾がダイレクトボレーで決め切って同点に。劇的同点ゴールでした。最後、よく諦めずに全員でチャレンジしてくれた。



松尾、すごい松尾。よく決めてくれました。高畑の仕掛けとクロスも素晴らしかった。GK西川のシュート空振りで、山口側も「勝った」と思ったはずなんです、私も「負けた」って思いましたし。あの空振りが油断を生ませた要因になってます(※断言)トリニータの選手が最後まで諦めずにプレーを続けたのは多くのサポーターが現地に乗り込んだからだと思いますし、みんなでやれることはやっているのだと思います。負けるくらいなら引き分けで終わった方が良いですが、この日は先制も出来ていたし、決定機も多かったので引き分けであっても評価できない試合でした。もう少しでしたね。



試合後の下平監督のコメントを読むと、山口がポゼッションに秀でたチームだからサムエルワントップのロングボール戦術で戦ったと。が、どうもハマったかというと怪しい。先制後からプレスが回避されることが多く、戦術全般が中途半端であった印象。サムエルをワントップで使うことのメリットとデメリットのバランスが噛み合わなかったように思う。後半の短い時間で勝負ならメリットが上回ると思うのだけれども、試合を通じて徐々にプレスの緩さからサイドチェンジの配給を許してしまった。ハイライン対策をエスナイデル監督に打たれるという餅は餅屋対策。山口、全然狂ってない。山口も生き残りを懸けて必死。トリニータは下位からキッチリ勝ち点を回収できない。2位磐田との差も広がり、プレーオフ圏内に入れるかどうか。食い止めたい。食い止めてもらいたい。最後のあの、諦めの悪さを信じて次節の藤枝戦でこそ勝利を。