2022/05/30

2022年 明治安田生命J2リーグ 第19節 群馬戦

【群馬 0 - 1 大分】

急に夏。異世界・群馬は夏でした。結果だけ必要だった試合で、結果しかない内容の試合でした。勝ちに不思議の勝ちあり。




2017年以来かな?5年振りくらいに正田醤油スタジアム群馬に行って来ました。特に変わっていない印象。毎回日曜日の夜遅くにキックオフ時間を設定しやがるせいで行く気にならないアウェイNo.1と言っても過言ではない異世界・群馬。チーム状況もよろしくないし、気が進みませんでしたが行きました、私、行きました。観れる時に観ときやの精神。気温が30度を超える今年初の夏日になった関東地方、この日に限っては日曜日遅くのキックオフは助かりました。風もあって涼しめの夏日。

この日は前節に引き続きスタメン継続気味だったものの、運用は守備時4-4-2をベースに保持時に可変しての3バックとなる戦術に変更。3バックのまま可変しなかった前節とは違い、可変しました。トランスフォーマー。左サイドバックに松本怜を選択したことがこの試合のポイントとなりました。羽田と弓場をボランチにして左に藤本、右に井上健太。サムエルと渡邉新太の2トップという布陣。攻撃時はサムエルがワントップとなり、渡邉新太がトップ下。両ワイドに藤本と井上健太が幅を取ったポジションとなる。ベンチには呉屋・下田北斗を入れており、試合前は動けていたので序列が変わったのかターンオーバーなのかは判断つかず。

対する群馬。今シーズンから元組長こと大槻監督に率いられてギリギリJ2に残留したボトムから這い上がろうとしているチーム。3バックも4バックも運用している様子ですがこの日は4-4-2をベースに前半は風上に立ってリトリートしてからのカウンター、後半はプレス強度を強めにしていた印象。コーチにはトリニータに在籍経験のある小林亮もいたはずなんだけれども目視では確認できず。マスクしてるんで誰が誰だか分かりませんでした。群馬の選手は大エース大前をJ1京都に引き抜かれるも、大前の太っちょ精神はベテランGK櫛引に引き継がれ、良い肉付きの選手の系譜を絶やさない強化方針は息づいている。相模原から平松、セレッソから山根永遠、琉球から風間宏希などJ2仕様の選手へとベースアップした印象であった。ただ群馬にも怪我人はいる様子。群馬出身のレジェンド細貝萌は長期離脱中の模様。







この日はポイントは松本怜と書きましたが、左サイドで仕掛ける藤本と松本怜が攻撃的な面で良く絡んで相手陣内深くまで群馬守備陣を押し込むことが出来たことが良かった。藤本も仕掛けるし、松本怜も仕掛けるので攻撃に厚みが出ました。単発じゃない。二重三重に仕掛け続けるしつこさがありました。そこに三竿も絡むのでチャンスはほぼ左からだった印象。



先制点も左サイドから。群馬の4-4ブロックの右側を何度も何度も叩き続けたことで生まれたスペースに弓場が入り、クロスを上げる。ボールは相手DFの足に当たり大きく弓なりのボールとなり、群馬特有の不定期の風に押し戻されたクロスとなり、上手く入り込んだ渡邉新太がヘディングでシュートを決めた。





渡邉新太、ナイスゴールでした。試合後のコメントで岡山戦でフリーのヘディングを外してしまったのでヘディングの練習をしていたとのこと。早速成果が出たってことです。この左サイドからの攻撃に関しては再現性もあって良かった。攻撃面では良かった。攻撃面では。



左サイドからのクロスはこの後もあったのだけれども、クロスの精度が少し足りず2得点目は生み出せなかった。松本怜はコーナーキックも蹴ってましたがこちらも得点には繋がらず。2得点目が課題だけれども、まだまだ足りないという印象。


守備に関しては危ういシーンが多く、3~4回は「あ、やられた」と思った瞬間がありました。上の写真のシーンもペレイラがナイスなカバーをした後にしばらく寝たまま動かなかったので速く立ち上がれよぉぉ!と思いましたね。いつまで寝とるんや、の図です。群馬のサイド攻撃は悉く決定機になった印象で、左サイドが押し込めていたが故にカウンターで裏を取られて逆サイドに振られると即死しそうなシーンが散見されました。




しかし、この日はゲームキャプテン高木が全ての決定機を止め切ってくれました。ピンチは全て高木が回収。もう高木のおかげで勝てたと言っても過言ではありません。前半も後半も酷いピンチがありましたが最後の壁となってくれました。




0-1でアディショナルタイム6分、長い長い夜になりましたが無事守り切って勝利。内容よりも結果が重要な位置付けだったと思います。色々と足りない点はあったような気がするけれども、勝てば良かろうなのだ。この試合はそんな試合です。コンディションが揃わない中で最大限の結果。勝ちこそ全て、勝ち続ける中で改善していけたら最強。

亀はここから一気に行く気で満々の様子ですが、今のチームのコンディションから考えると上向きになれるのかどうか、まだ不安が残ります。が、水曜日の天皇杯さえ終えれば6月はほぼ週1回ペースの試合となります。そこでコンディションが整えればもう一度チームを再構築できる時間も取れるはず。反転攻勢に向けて怪我人が戻ってくることがまず大前提。もし戻って来たメンバーがこの日のメンバーを押しのけて復帰できるならば、チームの競争はより激化してベースアップするに違いない。スタメンを奪われたくないのならば結果を出し続けるのだ羽田よ。勝負の6月が来る。



2022/05/26

2022年 明治安田生命J2リーグ 第18節 秋田戦

【大分 1 - 1 秋田】


スタメンでさえ怪我を抱えながらギリギリで試合をやっている状態なのではないのか?そんな印象しか無かった水曜日の試合を仕事放り投げてDAZN生観戦。平日に連戦が続いて回復する間も無い中でよくやってますよ、私はそう思いましたよ。なぜそう思ったのか?それはスタメンから滲み出ました。

まったく予想外の羽田スタメン!びっくりですよ!しかも3バックの真ん中を羽田に任せるという、今までに無い形を採用。これずっと観たかった形なんです、私は。前任の監督は頑なにやりませんでしたが、私はこれを待っていたのよ。夢にまで見た羽田の真ん中3バック。現実を目の当たりにしての私の感想は「皆そんなにコンディション悪いの?」です。本当にやってどないすんねんってやつ。夢のままでよかったんですよ!本当にやるってことはチーム状況が良くないってことだよ!羽田推しとして不安の方が勝ってしまう。心配&心配。


左から三竿、羽田、ペレイラを最終ラインに並べて、左サイドに上夷、右サイドに伊東を配置。弓場に中盤の底を任せてワントップのサムエル、左ウィングに藤本、右ウィングに井上健太を配置して幅を取らせる。トップ下に野村を置くようなイメージ。最初から保持状態の可変しないモードにしたような並び。常時3-1-6というか、3-3-1-3というか。なるほどその手があったか、と思いました。下田北斗を休ませたい、小林裕紀を休ませたい、ならば羽田が鍵となる。特に秋田という特徴のある相手だし、保持が出来る前提で4-4-2の守備ブロックを放棄して肉弾戦でも高さのある羽田を置くのは理解できます。悪くない選択。メンバーが少ない中で、上手くやり繰りしている印象しかありませんでした。頑張れ羽田、大チャンス。

対する秋田。17節を終えた時点で10位と我が軍より上位にいるチーム。超秋田一体をスローガンにJ2生存戦略に基づいた粘り強い戦いを続けるナハマゲ。昨年のスローガンが秋田一体で、今年が超秋田一体。2年後くらいには超超々秋田一体になっていそうな勢いのあるチーム。超超超超イイ感じってやつです。J3での対決以来の再会となりました。前節東京V戦で前半に3失点したのに後半に3得点して追いついたくらいの粘り強さを持つ秋田。走力、球際、切り替えに針を振ったチーム作り。スイッチが入ると全員が全力で走り始めるので超怖い。我が軍の志向とは対照的で、初めて見た人でも秋田のサッカーは分かり易く、走らないヤツはいねぇがとナマハゲに出刃包丁で追いかけられているかのような走力のサッカーです。

試合自体はお互いが想定した内容だったのではなかろうか。保持するトリニータ、ロングボールを蹴る秋田。今年のチームは試合の入り方は良いのだけれども、そこがピークになりがち。最初の決定機以上の決定機がなかなか訪れない。秋田は常時プレスにくる訳ではなく、プレスに行く時と行かないときはハッキリしていて、パスを晒しながら食い付かせられた時は前進。運ぶことは出来るんだけれども、相手の守備陣形は揃っていることが多いので打開できず。それでも左の藤本のドリブル、右の井上健太のスピードで仕掛けて打開を目指すのだけれどもコーナーキック獲得出来たら良い方。秋田の4-4-2ブロックを崩せずに得点が遠いままだった前半終了間際、コーナーキックのこぼれ球を井上健太が素晴らしいミドルシュートを決め切って先制に成功。遂に井上健太もリーグ戦で結果を残したことは大きな成果。ここは数少ない良かったポイントなので過大解釈して大いに喜びましょう。井上健太、素晴らしかった。以後、自信もって打って行こう。苦しみながらもリードして前半を終えられたことは大きかった。

後半、追いかける側の秋田・吉田監督が55分に3枚替えを敢行すると秋田のチームスタイルが変わる。一転ボールを保持して細かいパスで前進するようになる。守備時に5バックになってリトリートし、サイドのスペースを消してクロスを上げさせないようにしていたトリニータは押し返せなくなり、ロングスロー崩れの展開から左サイド、フリーでクロスを放り込まれて失点。同点に追いつかれてしまう。左サイドを崩されてしまった。ポジショニングが甘すぎてます。甘い。そりゃフリーでクロス上げられるわ。じっくりDAZNを再確認してご賞味ください。クロスに特徴のある秋田だと分かっていたはずなのにやられてしまった。


追いつかれた後に休ませたかったはずの下田北斗を投入。同じく途中から投入された屋敷が左サイドのスペースで仕掛けて躍動しながら、サイドバックにズレた三竿と絡みつつチャンスメイク。バーを叩くシュートがあったりと、得点の香りはしたものの2点目は奪えずにドロー決着となりました。何とも表現が難しい試合が続きます。終了間際の攻撃を見る限り、焦りっぷりからもチーム状況が滲み出てました。


限られたメンバーの中でやり繰りしながら、対秋田戦術の準備と対策は当たっていて、内容自体は理解はできるんだけれども、感情としては受け入れ難い試合となりました。結果論として巡り巡る答えのない話なんですけれども、監督・コーチが準備した内容は当りだけれども、選手が結果で応えられず、でもそんなメンバーを選んでいるのは監督・コーチじゃないか問題です。結局、ホームで勝てないのは全員が足りないということだと思います。チーム状況が苦しいというエクスキューズは出来るんだけれども、それでも相手を上回れたはずの内容なので受け入れ難いと感じるんだと思われます。


上夷が腕を痛め、伊東がまた試合終了が近づくと共に足を引きずるようになり、スカッとしない試合だったけれども今後への心配の方が上回ってしまう。羽田は相変わらずチャレンジングな縦パスが良かったけれども、1失点もあってまぁまぁ及第点といった評価でしょうか。コーナーキックなどでゴールとか分かり易い結果があれば良かったんだけれども。坂・羽田・ペレイラの3バックは三竿を左サイドで使えるので良いかもしれない。三竿が二人欲しい台所事情。こんな状況でも試合に出続けているペレイラと三竿は凄い。刀根もいない今シーズン、羽田が頑張れ。羽田推しには確変チャンス。


週末はアウェイ群馬戦。本当に厳しい日程で厳しいコンディションに陥っていると思いますが、なんとかしのぎ切って欲しい。怪我人が戻らないのでいつまで続くのか分からない漠然とした不安が募る。心配になってきましたね・・・。




2022/05/22

2022年 明治安田生命J2リーグ 第17節 岡山戦

【岡山 1 − 0 大分】

ハゲの国・岡山、あっ違う!晴れの国・岡山に行ってきました。失礼失礼、タイプミスです、タイプミス。曇ってたけどな。ルヴァンカップの日程を消化しきって、これからようやく平等な条件でリーグ戦を戦えることになった大分トリニータ。怪我人が戻ってくるであろう6月からの反転攻勢を根拠も無く何となく信じている私としても、そろそろベンチメンバーに誰かが復帰してくるのではないのか、そんな期待感を持ちつつ新幹線に揺られて来ました。しかし予想に反して逆に怪我人、増えてしまったね・・・。逆境さんが近づいて来ている。




久々に行った岡山のシティライトスタジアム。少しずつ着実にクラブの規模を拡大し続けている岡山のイメージがあったのだけれども、さすがに全国のクラブ同様、コロナの影響で動員は減ってしまったか。それでもチームの上昇と共に動員も回復している方じゃないでしょうか。今シーズンのJ2ダークホースになると予想していたのですが、ダークホース以上に活躍中。

大分のサポーターも多く訪れていたスタジアム。1人1旗持ってたんじゃないかというくらいに青かった。この日のスタメンはシーズン当初に採用していた幻の4-3-3っぽかったんだけれども、インサイドハーフが野村1人、トップ下のようなポジションで1トップの呉屋と縦関係っぽい位置取りで、ボランチを下田と小林裕紀2名にした形で並べた方がしっくりくるかなぁという印象。シーズン当初の4-3-3とは中盤の構成が逆三角形になっている形と言うか。新しい4-3-3の印象。ボール保持時は小林裕紀が降りて両サイドバックが上がるので3-1-6になるし、守備時は4-4-2にもなる。この可変4-3-3の運用はハマっていた。内容自体は今シーズンベストと言っても良いくらいのバランスの良さだった。バランスは良かったのよ、あの頃の4-3-3よりも井上健太と藤本が自信を得て頼もしかった。両ワイドから仕掛ける姿勢は素晴らしかった。



ベンチメンバーには水曜日のルヴァンカップで得点したサムエルと渡邉新太、良い動きをしていた屋敷や弓場が入った。水曜日にブログで羽田行方不明と書いてしまったのですが、こんなブログをちゃんと読んでくれている読者がいるようで、匿名の読者が優しくコメントで鹿島戦でのレッドカードを教えてくれまして、羽田はルヴァンカップでの出場停止でリーグ戦に回っていただけでした。それで三竿が入っていたんだ。忘れてました。しかしその羽田、結局リーグ戦のベンチに入れなかったのは残念。俺は待ってる。俺は待ってるぞ。

対する岡山。我が軍と色々と因縁の多い木山監督を招聘。京都からヨルディバイスを、ガンバからチアゴアウベスを、栃木から柳と質の良い補強が出来た。4-2-3-1を運用中。基本はヨルディバイスと柳のCBを中心とした堅い守備をベースにチアゴアウベスにドリブルで走らせるカウンター、ミッチェルデュークらの高さを活かしたクロス・セットプレーを得点源とする印象。J2の戦い方を熟知した木山監督らしいチーム作り。ただ木山監督、一度も昇格させていないのでクラブも監督もJ1昇格が悲願となる。編成としては合致している印象。ただ飛び抜けた戦力では無いのでまだダークホース的なクラブだと分析してます。ヨルディバイスと柳のキックオフルーティンは男臭かったです。


試合内容自体はトリニータの方が良かった。高畑奎汰が序盤に痛んで交代するというアクシデントがあったけれども、代わりに入った上夷も遜色なく、ボールを保持してゲームを優位に進められていたと思います。守備時4-4のブロックを築く形の岡山の守備を破り切れず、決定機は作れど決め切れないという内容。井上健太のスピード、藤本のボール奪取とドリブルと、両ワイドは良い仕事をしていたとは思うんだけれども、決定的な部分ではあと少し、あと少しだけ足りなかった。クロスの質、仕掛けの質、あと少しが足りなかった。







後半に入ると両チーム体力の消耗が目立ち、選手交代を繰り返したけれども、どんどんと体育の授業みたいなサッカーに変貌していった。肉弾戦に持ち込まれると技術も戦術も年俸もへったくれもなく、リスクをとって走る体力があった方が上回ってしまう。失点はそんな感じでした。ゲームを通じて優位に進められていたのに、先に得点出来なかったことが全てでしょうか。惜しいシーンは多々あって、ゴールの枠にシュートを飛ばせず、守備網を破れなかった。惜しかった。サムエルの独走とか、遂に体脂肪が燃え切った感が出ていた。




上位を伺う上で、大切な試合を落としたのは確か。サムエルが押し込んだゴール未遂は現地で観る限りはファウルだったのかな?という雰囲気でしたが、改めてダイジェストで観る限り先にGKがファンブルしてキャッチできていなかったのでゴールとして認められていても良かったんじゃないか、という印象に変わりました。残念。

かなり気合を入れて連敗阻止、上位進出のために全力を出したものの及ばず。悔しい敗戦で、勝ち点84を目指しているチームとしては不甲斐無い結果です。内容と結果はアンバランス。試合内容の質は悪くなく、惜しい試合でした。勝たせてあげられなかった。怪我人が多すぎるけれども、次の試合は水曜日にやってきてしまう。今日の試合内容を継続しつつ、ターンオーバー出来るメンバーがいるのかどうか。選手層は厚かったはずなのに、メンバー不足に陥ってしまう可能性がある。せっかく主力になりそうな雰囲気のあった若手達も故障を抱えてしまい、もう打つ手が少ない。逆境さんが来てしまうのか。チームで、クラブで、サポートで、バラバラにならずに乗り越えたい。夏を前にここまで苦しくなるとは。早くも正念場、でもブレずに継続して欲しい。伸びしろと勢いをもう一度もたらすメンバーの復帰に望みを持ちたい。