2018/10/28

2018年 明治安田生命J2リーグ 第39節 松本戦

【大分 1 - 0 松本】



ずっと足りなかったはずの「ここ一番の勝負強さ」がなぜかここに来て爆誕!おそらくジェフの、犬の呪いが解けたおかげです!首位攻防戦で1点をもぎ取って、守り切るという素晴らし過ぎる結果を叩き出してくれました。喜びすぎるのは今日だけ。まだ!まだ何も勝ち取ってない!浮かれ過ぎないように!今日だけはアホみたいにはしゃぎましょう!


DAZNで観戦していても緊張感が溢れ出して止まらなかったこの試合、スタメンは前節から國分と馬場が入れ替え。てっきり怪我でもしたのかと思われた小手川、馬場がしっかり無事だったので一安心。しかし、そうだとしたら前節の千葉戦の攻撃陣メンバーは改めて熾烈なメンバー争いが繰り広げられていることの証左。今日は藤本、三平、馬場の3人というチョイスでしたがこの人選が大当たり。


対する松本山雅は緊急事態。前田大然とセルジーニョが怪我で不在となり、攻撃陣の駒不足に陥っている。中盤に君臨していたパウリーニョも7月に怪我をしてまだ戻って来れていない。それでも首位で踏ん張っていた松本、ここ数試合は得点から遠ざかり苦しんでいる様子。今日も攻撃の術を失っている印象が強く残る。


今季最多の観衆を集めたこの試合では、歴代のビックフラッグが登場したらしく、インスタ映えするスタジアムと化す。次はホーム最終戦、沢山の観客の皆さんのご来場お待ちしております。


試合には良い入り方が出来たと感じました。コイントスでエンドを変えるような小賢しいことをやるチームは大体ダメですが(※前節のことは忘れろ)これといって動揺も見せず、安定していました。松本はハロウィンということで基本トリックorリトリート戦略。引いて守ってセットプレーで何とかする感じ。前田大然とセルジーニョ不在とは言え、高さと強さと速さを持つ高崎のワントップに岩上、石原の「岩石」シャドーが絡む形。この3人が我が軍の最終ラインのボール回しに対してプレッシャーをかけてきましたが、上手くボールを回し続けながら落ち着いた試合運びが出来たと思います。プレッシャーはあまり機能せず、押し込めた印象。両軍が様子見の中で、リスクを負わずに堅い試合の入りではありましたが、それでもボールを保持できていたのでどこかでワンチャンスを作れたらなと、個人的には引き分けだったとしても悪くない結果と思っていたので、両軍バランスを崩さないまま後半に勝負かな、なんて考えながら観ていました。


前半から丸谷の潰しが効きまくっていて、日頃目立たないのに今日は潰し屋として珍しく目立ち、素晴らしい動きで数々のボール奪取を見せてくれました。あれ、丸谷が潰せていなかったら松本の前線にボールを送られてまずい状況を生み出されていたので未然に防ぐことが出来、松本の攻撃機会を激減させることが出来ました。CB鈴木もほとんど高崎には何もさせないまま完璧なお仕事を遂行してくれました。


意外な形で試合が動いたのは32分、右サイド相手陣内深い位置でボールを奪われてから。今日は右のシャドーとして先発していた三平。低い位置にも顔出して松本怜と岩田と絡んでいましたが、松本怜と合わずにパスがそのまま松本側に渡ってしまった。このボールを責任を感じた三平が戻りながらスライディングで奪い返し、馬場がフォローして前田が拾い、丸谷から藤本に渡って、最後はボールを奪った三平自身がダイレクトで決めるという流れるようなゴールでした。ミスの帳消しどころか、今日のMOMとなるゴールでした。自作自演のバランスブレイクでショートカウンターを発動させてしまった。


DAZNさん、漢は馬場です。今日はJ1も1試合しかなく、J2の注目試合とあってDAZNのカメラも多く配備されていた模様。上に行く、ということはこういうことだ。地元マスコミも沢山取り上げてくれて、世間の注目を浴び、プレッシャーは増し続けることでしょう。J3優勝の経験があるとはいえ、J1への昇格はまた一つ上のプレッシャーが加わるはず。我が軍、おふざけが過ぎるメンバーが多いので大丈夫っぽいです。アシストで相変わらずのペナルティエリア内での落ち着きっぷりを見せた藤本。まるで実家で過ごすがの如く冷静。ペナルティエリア内に入ってしまえば後ろにいるはずの三平のことも分かってしまう。例え三平が変な花瓶の中に入っていても感じ取れる実家みが強い、実家みが。



取れたら良いなと思っていた先制点を取れた前半を無事に終わらせることができ、後半は前がかりになるであろう松本の裏を取り、追加点を入れて試合を決める得意の形に持って行きたかった。松本は後半途中から高崎に代えて永井龍を投入。在籍経験のある選手に恩返しゴールを許しがちな我が軍の弱点を突こうとする反町采配。しかし、前線の選手を入れ替えた片野坂監督、勝っているのに前線2枚替えを敢行。三平と馬場を伊佐と後藤にチェンジ。激しいチェイシングを維持することで長めのボールを蹴ることしかできなくさせることが出来、最終ラインが跳ね返し、セカンドボールは丸谷と前田が制圧、追加点さえ奪えなかったものの、松本にチャンスらしいチャンスを作らせないまま、1点を守り切って試合を終わらせることが出来ました。無失点素晴らしい。2桁得点しているFWが4人いる攻撃的な我が軍と、堅い守備で安定して勝ち点を稼ぎ続けた松本との戦いの差は攻撃志向でチーム作りを貫いた哲学に軍配が上がりました。


これで遂に今シーズンの目標であった勝ち点70を超え、勝ち点72を達成。今年もまた昨年に引き続き、目標を達成した上で上方修正することができるチャンスを獲得。結局昨年はプレーオフ圏内に入ることが出来ませんでしたが、今年は今、手の中に全ての可能性を収めている状態です。昇格の女神が、チラチラとこっちを見ている視線を感じて仕方ありませんが、まだそれ勘違いだぞ!ここからの残り3試合で勝ち取らなければなりません。ここからの3試合が本当の天王山。勝って兜の緒を締めるどころか、まつり縫いで縫い付けろ。不安要素は監督の喉以外にはありません。


特に次節、横浜FCvs大分、町田vs福岡、松本vs東京Vが同時キックオフとなるJ2第40節は神懸かり過ぎの日程。この40節、横浜FCは必ず勝ちに来るのでそっと裏を取ってやりましょう。今日のような手堅い試合運びで、残り3試合を勝ち続けて欲しい。目の前の1勝に集中。さぁ行こう、J1へ。


2018/10/22

2018年 明治安田生命J2リーグ 第38節 千葉戦

【千葉 2 - 4 大分】



クラブ史上初!リーグ戦においてジェフに2戦完勝!遂に実現した大快挙!鬼門のフクアリで見事に勝利して連敗を阻止してきました。それもこれも大銀ドームでジェフを倒せたからこその記録達成。超絶大鬼門で倒せた今シーズンであれば、アウェイであっても実現できるだろうと期待を込めて行って来ましたよ、フクアリに。平成最後のジェフ戦、完勝出来て良かった!平成に生まれた呪い、平成のうちに解けて良かった!


公式ツイッターによって唐突な謎イベントが発表されて騒然としたのがこのツイート。駅に集まって皆で歌いながらスタジアムまで練り歩く、というフーリガンを彷彿とさせるウルトラスっぷりを煽ってしまう。一番熱心なサポーターが既に待機列に並んでいる時間帯がターゲットなのも凄い。


おそらく一般人が想像したのがこんな感じ。蘇我駅を占拠し、青く染めてそのままスタジアムまで破壊と略奪の限りを繰り返し、金品と勝ち点を奪えと公式が言い出したのです(※そこまで言っていない)。これには千葉方面からも心配の声が上がってしまいました。


そうすると一転、歌を口ずさみながら程度で考えていますとか言い出す公式。わざわざ田舎者達が!敵地最寄り駅に集まって!迷惑にならない程度に!口ずさみながらスタジアムまで歩くツアーを!組んでしまった!口ずさむくらいなら各々でやれ、という話なのですが、どんな感じになるのか遠目から見たい衝動に駆られる。が、残念ながら好天に恵まれて過剰に寝坊。駅に着いた頃には破壊と略奪の痕跡が全くない普通の蘇我駅でした。この謎イベント、公式からもアフターフォローが全く無いので本当に謎で終わりそうなのですが、大分駅に集まってからシャトルバスで移動とか、ホームでやった方が断然盛り上がるのでは?アウェイでは人が少ないので、ぜひホームで挑戦してみて欲しいと思いました。いいぞ、もっとやれ(※ホームでな)です。


対するジェフ、前節ホームで勝利したものの昇格の可能性がほぼ潰えてサポーターが居残るという、勝ったけれどもシーズンの結果を考えると切れざるを得ず、振り上げた拳の下ろしどころが見つからないままにこの試合を迎えてしまった。抗議したいけど応援したいという、愛憎まみえる感じが痛い程分かってしまうので観ていて辛かったです。太鼓と拍手だけが響く少しだけ味気ないフクアリ。










先発陣には変更あり。前線の面子を全て替えてしまった。負けたので入れ替えるのは分かるのですが、冷静に考えると前節2得点した前線を入れ替え、3失点した守備陣は据え置きと言う、失点上等もっと得点出来なきゃ出番を失くすぞ、という監督の強すぎるメッセージ。伊佐がベンチになり、絶好調だった小手川、馬場がベンチにも居なくなるという謎。これで勝ち点を持ち帰れなかったら求心力が落ちてもおかしくないレベルでベンチメンバー選考に勝負を懸けた印象を受けました。片野坂監督、大丈夫だろうか、がスタメンを見ての印象。結果は片野坂監督しゅごい・・・・ずっと付いていくからね・・・・で一掃され申した。









前節、特にツイッターなどのSNS界隈で決定機を外した伊佐に対して厳しい声が多かった模様ですが、この終盤のプレッシャーのかかる時期にサポーターが選手をやり玉にあげるようなことは出来るだけ避けたく、代わって出る選手にまで過剰なプレッシャーになってしまう可能性もあるので私はヘイヘイドンマイくらいがちょうど良いと思っているタイプのおじさんです。完全に可能性が潰えてしまったのであれば、感情が剥き出しになるのは分かるのですけれども、まだ何も終わってないのでね、戦いは続いている最中ですから、そこは計算して情報発信をするおじさんでありたい。私自信も書いてしまうことがあるので気を付けようと思います。色々な考えがあって良いと思いますが、クラブのためになる方向性を常に計算して戦いましょう。たかがツイッターでも選手達が見て、気持ちを上げられる可能性を増やす。この日のジェフの戦いとジェフのゴール裏の関係を見ても、やはり少しでも力になってあげられることを考え抜くのがサポーターの本来の役割だなと感じざるを得ませんでした。2連勝していたジェフ、集中力を欠く幕開けとなりました。



試合が始まってすぐに事故が起きまして、先制ではあるものの、期待した熱戦に冷や水をかけるレベルの相手GKのプレーに口が開きっぱなしでした。三平が素晴らしかったのは間違いないのですが、思い起こせばホームでのジェフ戦でもGKのミスから先制したので、今シーズンのジェフのGKのレベルは一体何なのかよく分からないですし、愛媛で活躍しているグッピーこと岡本の偉大さしか感じないジェフサポーターも多いのではないだろうか。ただ、この直後の我が軍の失点も自軍での繋ぎの中でミスし、他所のことは言えないレベルで両軍がバタバタしまくりの15分間ではありました。





試合が振り出しに戻った後、頑なに結果の出ないハイラインを敷き続ける千葉と、ボールを最終ラインから繋ぐ大分との鍔迫り合いが迫力あり、お互いが真剣で斬り合うような、少しでも判断ミスをすると失点に直結するような戦いが続きました。お互いに最終ラインでボール持っている時が最大に不安という状況から、1失点後、無理して繋がず長いボールを入れるようになったことが逆に功を奏する形で藤本による2得点目に繋がりました。独走からの落ち着きがですね、ペナルティエリア生まれ、ペナルティエリア育ち、無さそうな角度でも大体決める、を体現する形で、まるで実家で過ごすが如く落ち着き払ってのゴール。まるで実家のコタツで寝ている甥っ子をそっと布団まで連れて行ってあげるが如くに、甥っ子を起こさないようにそっと相手GKを避けてのベッドインゴールですよ(※どんなゴールだ)それくらいの落ち着きが素晴らしかった。この落ち着きを伊佐も盗んで欲しいし、伊佐のプレスバックを少しだけ盗んだ藤本。お互いにお互いが良い影響を及ぼし合って成長していることが本当に素晴らしい。













3点目は完璧なカウンター。スタメンに抜擢された3人が素晴らしく絡みあってハイラインの裏を侵攻。藤本のクロスを三平が押し込んで突き放しに成功。さらにこの後、藤本が相手GKからボールをかっさらい、ペナルティエリア外で横っ飛びセーブを見せるという衝撃的なプレーを引き出してしまったのが今日一番の思い出となってしまいました。警告で済んだのが奇跡。忘れられない。









攻めあぐねた千葉は後半開始から左サイドに為田を投入。我が軍の右サイドの岩田とマッチアップする形に胸躍ってしまう。ガンガン行ってましたよ、岩田の野郎。最高でした。











53分、疲れの見えた三平に代えて伊佐を投入。もう頑張って乗り越えておくれとしか思えません。しかしこの時間帯からはほとんど千葉がボールを保持し、じわじわと攻勢をかけられる我慢の時間帯に。この時間帯での守備陣の集中力は素晴らしかった。この時間帯は。ジェフは茶島、ラリベイと次々に攻撃陣を入れ替え。







哀愁漂うエス将。布将の時と同じく、もうこれが最後なんだろうな、という別れの予感。このハイラインスタイル、完璧に遂行できたらそりゃ凄いと思うのですが、我が軍の様に引いて5バックでブロックを築かれた場合に辛い。カウンターの餌食となってしまう。我が軍は最終ラインを下げて、ボールを回して相手を動かすスタイルなので柔軟性の違いが今シーズンの結果を生み出したと思います。ジェフのメンバーはやはりJ2屈指の戦力で、昨年途中からのハイライン控えめ戦術を完全に棄てたことが信じられない。米を食ってハイライン控えめであれば優勝候補筆頭だったのに。



試合を決めたのは80分、右サイドを駆け上がった岩田の野郎からペナルティエリアに侵入した伊佐へパスが渡ると、あれ?凄い落ち着いてない?伊佐落ち着いてない?落ち着いて逆サイドまで見渡せて、どフリーの星にパス出せてない?この時間帯に駆け上がれる星も素晴らしいけれども、的確なスピードでパスを出せた伊佐が呼び込んだゴールとなりました。完璧なパスでした。プレッシャーを乗り越えての1アシスト。素晴らしかった。フォローする情報発信大切。









星に☆ピースを掲げるおじさんとそれに応える星となぜか頭を抱える片野坂監督の図。カオス。



83分、藤本に代えて久々に後藤がピッチに。怪我以降、なかなかチャンスが巡って来なかったくらいに周りの大活躍があったのでもう一回エースとして帰って来てくれたことが何よりも嬉しい。カウンターでボールを持った時の期待感って言ったらやっぱり一番わくわくするので復調は助かります。しかしFW陣、誰がどう出ても大活躍してしまう。絶好調の攻撃陣。ただ守備陣、アディショナルタイムの失点は虚を衝かれた形だったので猛省して残りの4試合に活かしましょう。









ジェフ相手に2戦合計で8-2での勝利。しかし、累計の通算成績で考えると全然足りないレベルで負け続けていたので、ジェフ預金を全額で下ろすにはあと14年くらいかかると思われます。しかしこの日、遂にシーズンを通じてジェフに、千葉に無敗という悲願を達成できたことが何よりです。第1歩です。一番のジェフ対策は昇格することです。





連敗を阻止し、攻撃陣は絶好調。國分も全く違和感無かった。次節は首位松本をホームに迎えての大一番となります。勝てば首位に躍り出るという手に汗握るであろう一戦を大分県内で催せる幸せを感じて欲しいと思います。4万人集まれ、4万人が。前田大然を擁する松本山雅、あの反町監督がセットプレーやらなんやらであの手この手を使ってくるに違いない。堅い試合になるのか、打ち合いになるのか。シーズンを通して観て来た我々でさえも予測できない次節の攻撃陣先発メンバー。反町監督を悩ませるに違いない。どんな戦いになるのか、本当に楽しみで仕方がないし、大分県民が羨ましい。



今シーズンは最終節の残り10分までもつれる覚悟を持って、共に計算高く戦いましょう。このままJ1へ連れて行ってくれないか。



2018/10/14

2018年 明治安田生命J2リーグ 第37節 町田戦

【町田 3 - 2 大分】



久々に負けました。6連勝ならず。残り試合全部勝つと書き始めて、本当にここまで勝ち続けるとは思っていなかったんですけれども、縁起物の冒頭の勝利連記もひと段落。しかし、手に汗握る熱戦は戦術思想闘争的には内容が濃く、非常に興味深い一戦ではありました。悔しいけれども面白い熱戦で、ヒリヒリするJ2優勝戦線まで連れて来てくれた選手達に改めて感謝したい気持ちが溢れ出して止まらない。ただ、まだまだ終わってはいません、残りは全てこんな試合になることでしょう。今シーズンのJ2は大混戦なので最終節の残り10分くらいまでこじれるはず。この痛くも心地よい昇格戦線、最高じゃないですか。残留争いより俄然心地良い。









野津田では平ちゃんがサイン会をやっていました。有名人だったのでつい写真を撮ってしまった。このJ2界隈を盛り上げられる人材は貴重です。CAことサイバーエージェントが町田ゼルビアの経営に参画することになり、俄然盛り上がる町田サポーター達の期待と熱気があふれる野津田。来年どんな金満クラブになってしまうのか。地域の青少年にも奥菜恵レベルの女優とワンチャンある野心が出て来てしまい、更に優秀な人材を育ててしまうのか。町田のサイバーがエージェントする日も近い(※意味不明)


スタメンには少しだけ変更があり、馬場が先発に復帰して三平がベンチメンバーになる形となりました。大銀ドームでの試合で町田相手にハットトリックをかましてくれた馬場キャプテン。町田キラーとしての抜擢か。個人的に予想した狭い局面を作り出す町田に対して、長いボールを蹴れるボランチとして宮阪を先発させる説は不発となり、ベンチメンバー止まりとなりました。











試合はもう、両軍の思想が滲み出る戦いっぷりでの幕開けとなり町田の狭さvs大分の広さ対決の様相と化しました。町田がボールを持つとピッチの4分の1の広さに密集。横の展開を捨て、縦に人数を割くこの戦術は例えるならば突いてなんぼの槍のような攻撃スタイル。我が軍も数的優位を作らせないために圧縮した守備体系にならなければならず、マイボールになれば横に広がってボール回しをして町田陣形を広げていく作業に入っていく。見てみぃこの狭さ。ゾーンディフェンスって何なんだろうと改めて考えさせられてしまった。



メリットもあればデメリットもあるであろうこの戦術で戦い続けて来た相馬監督。サイバーエージェントの資本が入れば練習場も充実し、補強や新スタジアムの話まで出てくるかもしれない。選手達にとっては今シーズン何かしらアピールをすれば、例え今年昇格出来なくとも生活向上が目に見えているのでモチベーションは一気に高まっているはず。今日は久々に先発になったらしいロメロ・フランクが最もモチベーション高く、ボランチなのかFWなのか分からないレベルで大活躍。先制点はこのロメロ・フランクにやられちまいました。町田はデザインされたセットプレーでの強さも特徴で、用意してきたであろう一発目のセットプレーにまんまとしてやられてしまいました。



ただ、逆転できる自力が付いてきた我が軍、慌てませんでした。ここは逞しかった。横に展開するよりも、速攻で町田の裏のスペースへ向けた長いパス、伊佐砲を放ち、何度も決定機を演出。伊佐のケアに注意が集まると絶好調の小手川がひっそりと裏を取り、あっさりと得点。早いうちに同点に追いついてしまいました。2得点目も裏のスペースへの長いボールから、クロスを馬場がヒールで流し込み逆転に成功。町田キラーっぷりを発揮した馬場。伊佐砲は空振りにはなりましたが、小手川の得点への伏線にもなっており、あれだけのプレスバックをしながら単独突破してゴールまで決められたらブンデスリーガまでノンストップまで行ってしまうレベル。前半のゲームの作り方は途中までは良かった。





得点して盛り上がる中、ベンチメンバーにも関わらず監督っぽく指示を出す三平氏。当たり前の様に逆転出来てしまい、攻撃陣の好調さが溢れ出して止まらなかった訳ですが、徐々に町田の守り方に変化が。プレッシャーのかけ方に無理をさせず、引くところは引くという方針転換を始めた。逆転出来たまま前半を終わらせられれば良かったのですが、左側からのクロスに手こずり失点、前半は行って来いの振り出しに。よろしくない雰囲気漂う。





相馬監督はキックオフからずーっとベンチの前で心配そうに眺めていましたが、後半にはベンチに引っ込んでしまい、完全によろしくない雰囲気が確信に変わる。苦しい時間帯が続き、立て続けに失点。1失点はハンドのアピールで取り消されて事なきを得たものの、その後今度は正真正銘の失点。またしてもロメロ・フランクにロメロ・フランクされて(※意味不明)3失点目。







再逆転に向けて三平、藤本を同時投入、その後星に代えて清本も投入しましたが、最終ラインのボール回しとかに分かり易く焦りが出てタイムオーバー。藤本のヘディングだけが惜しいチャンスだった。もう少しじっくりやれば良いものを、この昇格のかかった試合では平常心ではいられずに浮足立ってしまった。J3での優勝経験のあるメンバーが多いとは言え、やはりプレッシャーを目の当たりにすると焦りが出てしまう。この体験を乗り越えてこその昇格よ。こういうことになるのか、という良い経験が良いタイミングで出来たのかもしれない。



後半の悪い時間帯に早めに手を打てなかったのが敗因ですが、そもそも3失点しちゃダメですよね。3失点とも何とか出来たはずの失点の仕方だったのが悔しい。町田の選手達は今シーズン本当の意味で昇格とのプレッシャーとは戦っていないので、上位陣で唯一昇格出来ないことを前提に戦うチームという稀有な存在。しかし、来年度に向けてモチベーションが高いという昇格を争うチームとはちょっと違ったメンタルでいることが特徴的だと感じました。ここから町田は福岡、東京Vとの直接対決を残しており未消化の2試合も連戦となってしまう。全く読めないけれども、全勝は厳しくなるのではないか。



残り全部勝てば昇格という状況から、残り全部勝てればきっと昇格かもレベルに格下げにはなりましたが、今回の経験を踏まえた上で、引き続き残り試合をもう一度5連勝する勢いでやれば良いのです。残り5試合、来週のフクアリが一番アレですが5連勝目指せば良いのです。いやもう、やっぱり残り全部勝てば良いのです。ここからの5試合が心底震えられるようにするためには、やはり目の前の1勝、まだまだ圧倒的に勝率の低いフクアリでの試合が重要になってきます。しかし、今シーズンは遂にジンクスを破れたのです。犬の呪いが解けた今、もう恐れるものは何もないし、剃れるものは剃って鬼門フクアリで戦いましょう。勝ち点70まで残り4。最後まで震えましょう。