2020/08/30

2020年 明治安田生命J1リーグ 第13節 浦和戦

【浦和 2 - 1 大分】
   
内容はすこぶる充実していたものの、逆転された後に構えた浦和の守備網を突破できずに惜しくも逆転負けとなりました。負けは負けですが、これで負けるならもう仕方ないねと言えるくらい、やれることはやった上での敗北。惜しい。こういう試合は書くのが難しい。良いけど悪い、悪いんだけど良いみたいな話です。森保日本代表監督が視察に訪れていましたが、誰か目に留まった選手はいただろうか?

 

シャドーのスタメンは三平と小塚が勝ち取る。この二人が先制点を生んだので人選はドンピシャ。ベンチには町田が復帰。知念や渡、田中達也もベンチにいるので攻撃陣の選択肢は豊富になってきた。良いんですよ、良い。良い方向になっている。あとは結果だけなんだけれども。特に今週は1週間準備期間があって、浦和に対して準備してきたことがハマったし、先制もしたし、良かったんだ。良かったんだよ。

 

対する浦和。オーストラリアから補強したトーマス・デンの守備能力が高いという噂。オーソドックスな4-4-2となって遂に失われたミシャ式の影響。鳥取から新潟、新潟から浦和へと各カテゴリで得点王としてステップアップして来たブラジル人、レオナルドの活躍もあって上位に絡みそうな雰囲気。興梠が怪我?から復帰したそうで、レオナルドと興梠の2トップで固定できれば強力な陣形になりそう。 試合は4バックでプレッシャーをかけてくる浦和に対し、安定したボール回しでサイド攻撃を仕掛けるトリニータという構図。


前節トリテンで試合後の無料記事の内容に島川の「ちょっと左下がり」という表現を発見しました。「右上がり」ではなく、「左下がり」らしい。それと使い分けをするようになった的な話。この試合では島川は最終ラインに降りて、いにしえの4-1-6変換だったと思われます。左下がりでは無かった。完全に昨シーズンのやり方に戻した浦和対策。浦和の4バックに対して逆サイドをフリーに出来るため、サイドチェンジで浦和守備のズレを狙う。試合を通じて何度も決定機を作れていた。

 

ハーフタイムのコメント、大概冷静なコメントが多い片野坂監督ですが珍しく「よっしゃ行ったれ」的なコメントで試合内容の手応えを感じている様であった。結果的にはオーソドックスな守備をやり切った浦和の個の力の前に屈してしまった。浦和のボランチ、柴戸が90分間で12km以上を完走して守備に奔走。この暑さの中で抜群の運動量で守備タスクをやり切ったことが凄い。浦和の個の能力と頑張りが上回った試合だった。


個といえば西川周作のパントキック、カメラワークが追いつかないのがもったいない。めちゃくちゃ厄介でした。戦術とか陣形とかを破壊する速さと精度で一気に展開をひっくり返してしまう。埼玉スタジアムのカメラワークは全体を俯瞰する画角で撮影されるので全体の動きが観れて楽しい。昭和電工ドームの試合だと謎のズームがあり、手前のサイドが切れることが多くてガッカリする。この試合自体はとても面白い試合ではあった。


次節も1週間の間隔が空くので、我が軍はしっかりとした準備さえできればクオリティの高い試合が出来ると思われます。次節FC東京戦は勝ち点を計算できるような相手では無いものの、今日のクオリティを発揮できるのであれば良い試合は出来るはず。後は結果が出るのを待つだけの状態になっているので辛抱強く、不撓不屈の精神で待ちましょう。


2020/08/24

2020年 明治安田生命J1リーグ 第12節 柏戦

【大分 0 - 0 柏】


オルンガ、止めたンガ。強力なケニア代表FWを止めたけれども、我が軍の攻撃も決め切ることが出来ずに痛み分ンガ。


今日から3試合、限定ユニフォームでの試合。カッコイイよね限定ユニフォーム。カッコいいよ。遂に限定ユニフォームを作れるまでになった喜びね。スタメンはシャドーが三平から渡に代わったのが前節との違い。連戦にも関わらずほぼほぼメンバーは固定気味。ベンチに知念が復帰したので一安心。そして遂に吉田舜がリーグ戦でベンチ入り。スタメン画像が微妙に変わりました。これも限定ユニフォームと関係あるのでしょうか?デザインは全然関連性無いけれども。

 

キャプテン鈴木義宜はJ通算200試合出場を達成。プロ入りしてほとんどの試合に出場してるんじゃないのか。まだ20代なんだぜ、信じられるか?DFではマリノス中澤佑二の通算593試合出場がNo.1の記録。まだまだ通過点です。これからも最終ラインに安定感を供給し続けて欲しい。おめでとうございました。

 

対する柏。7試合連続ゴール中のオルンガがワントップで登場。どんな戦術があろうとも突出した個で得点を生み出してしまうレベルの力。柏は4-2-3-1の陣形。J2岡山でブレイクした仲間隼人がスタメン。2019年のJ2チャンピオン柏、基本は「戦術オルンガ」を軸に背番号10番江坂が絡むという印象だった。オルンガを活かすなら柏は自陣に引いてトリニータのゴール前に広大なスペースを生み出したいと考えるはず。我が軍の擬似カウンターではなく天然カウンター。この天然カウンターをどう阻止するのかがこの試合のトリニータ側の準備だったと思われます。ルヴァンカップでは日本人の若手にパスワークで崩されて完敗したので「戦術オルンガ」だけではないチーム。どのように柏が出てくるのか、相手の出方を確認しつつのキックオフでした。

 

しかし試合内容は堅いトリニータ守備網、という印象しかない試合に。柏の攻撃はトリニータの守備網に悉く引っかかり、カウンターどころかボール保持を許さなかった。柏のプレスがハマらなかったことが全ての要因。オルンガ、守備は普通ンガ。ルヴァンカップの時の方がプレスをハメられていたように思える。あの試合を受けて練度の高いメンバーで準備してきたプレス回避に成功。これにより無駄に走らされることになった柏の中盤選手達は連戦の疲労もあってなのか、各々のパフォーマンスが急激に低下。特にブラジル人、座り込む割にプレーに戻るって何だったんだろうか。気になって公式アプリで調べたら驚きの数値が。



スプリント回数0回って、初めて見た気がする。計測バグでしょうか?やっぱり全然走ってなかった。こんなMFいます?怪我が心配になるレベル。このMF、水曜日の前節は11回スプリントしてました。我が軍がボールを保持出来たのはこのお陰な気がしてきた。ボランチの相方である大谷も2回は少ない。総走行距離では6Kmの差が出ている。走り勝てました。印象で柏のパフォーマンスが低いなと感じましたけど、数値でまざまざと差が出ているので、戦術以前に走れてないじゃん、っていうことが明白になっています。7連戦の最終戦で遠い大分、湿度の高い昭和電工ドームでプレスがハマらないとあんなことになってしまうのか。 パスミスも多く、とにかくトリニータの守備が光った試合となりました。


トリニータ側は攻撃時に島川が最終ラインに降りる形でボールを保持。いつもの4-1-5変換に戻した印象。前節までのやり方とは違って昨年のスタイルまでに戻った。この戦術に渡がどっぷり順応し終わっていたことが良かったと感じたポイント。いつの間にか違和感なく馴染めるようになっていた。右サイドに松本怜が戻ったこともあって連携面は昨年度のクオリティに。柏のワントップ3シャドーみたいな並び、GK含めて5人になるトリニータの最終ラインに対してプレスをかけると1人はフリーになっていることになって、しかも柏のブラジル人ボランチは走らないので1人フリーで前を向ける状態になっていたことが大きい。両サイドを上げられたし、ざっくりですけど、いにしえの戦術に戻すことが柏対策となった。ルヴァンカップを受けての対策も出来たろうし、分析・対策班の仕事っぷりが評価されるべき試合ではなかろうか。後は得点を決め切るだけでしたが、決定機を作れたものの1点が最後まで遠い。

 

柏の公式ツイッターは短評をまとめるのが上手。日本代表GK中村の壁は厚かったが、我が軍のGKムンの壁も同様に厚い。ビッグセーブが多かった。MVP級の活躍。後半、両軍微修正がありながらも試合展開は変わらず。スコアレスドローでの決着となりました。
 

トリニータの攻撃陣に関しては伊佐も髙澤も良かったし、サイドチェンジもバンバン決まってクロスも多かった。特に最後の最後、左サイドから作ったチャンスは決めたかったけれども。藤本が本当に惜しい状況が続いていて、あと少し、残りほんの少しの殻が破れそうで破れない。惜しい。もう一押し頑張れと声援を送りたい。送れないから投げ銭するしかない。 


しかしオルンガは長かった。身長も足も長い。それでいて走るスピードも判断も速い。本気で追ってないけれども一応は守備もする素晴らしい選手。ワントップで前線に張っている時間帯が長かったけれども、中盤に降りてこられるとどうしようもなかった。あれはもうスペシャルですわ。7試合連続ゴールってことは7チームが止められなかったってことですから、疲労もあったかもしれないけれども守り切れたことは自信にしておきましょう。安定感は素敵。スペインへの移籍話がスポーツ紙に出ていましたが、そんなオルンガを止めてしまった鈴木義宜にスペインからオファーが来たらどうしよう。15億円くらいの移籍金を設定しておいて欲しいもんです。


伊佐も三平も元気だし、髙澤もツヤが良いし、知念も復帰したし、渡も順応した。あとはシャドーで野村とか町田が戦線に復帰してくれると5人交代枠が活かせて、もっと勝利を手繰り寄せられる予感がする。ここから2週間は週末の試合に集中できるスケジュールになるので、じっくり相手を研究して対応する時間も取れる。この2週間、重要。戦術を一旦戻すのか、新しいチャレンジを始めるのか。目標の6位を達成するにはそろそろ勝ち点3を稼いでおかなければなりません。約三分の一を消化してシーズンの方針がみえる2週間になるのではないでしょうか。浦和戦、東京戦の戦い方が楽しみになります。



2020/08/20

2020年 明治安田生命J1リーグ 第11節 札幌戦

【札幌 1 - 1 大分】

   

コンディショニングが難しい真夏の連戦。そんな環境下、J1でも最北端にある札幌に出向いての一戦で追いつかれてのドロー決着。追いつかれた側なので惜しい結果ではありますが、内容的には妥当以上の結果だと感じました。勝利への執念。チームは前節からの良い流れを確固たるモノにして息を吹き返した、そんな印象の試合でした。この強いメンタルが感じられる試合を続けられればきっと大丈夫。

 

この日のスタメンはターンオーバーとはならず、ほとんど前節と同じメンバー。試合を作るという意味では老獪な選手達という印象。攻守のバランスが整った気がする。室蘭出身の松本怜が右サイドに復帰した点が前節との唯一の相違点。知念が戻って来ないのが心配。DAZNで注目選手となった髙澤、太ももの肌艶が良かった。ツヤツヤでコンディション良さげ。競走馬のような筋肉モリモリの伊佐にツヤツヤの髙澤。モリツヤです、モリツヤ。

 

ここで1点ご報告です。いつものロッカールームツイートですがあっさり「頼むぞ」に戻ったのでやっぱり前節にあった平安貴族的な「頼みぞ」が凡ミスだったと判明致しました。でも二度あることは三度あるとも言われるので次にやりやがったら容赦せずに揚げ足を取ろうな、皆で吊し上げような!

 

対する札幌、エースとなった日本代表FW鈴木武蔵がシーズン途中にベルギー移籍。新潟時代からイベントでやらせてる女装は忘れてあげた方が良いのではないのか。いまどき海外ではアレな気がする。主軸だった女装時モデル並みの美脚FWを失ったからなのか札幌は現在3連敗と不調の模様。あーダメですダメです、連敗とか不調とかに騙されてはなりません。武蔵が移籍しても次から次へと外国人FWが出てきやがったので戦力は厚いままです。騙されません勝つまでは。

 

DAZNの実況&解説の試合全般への勉強っぷりが垣間見れた生放送、「0トップ」と称されていた札幌のスタメンでしたが並び的には3-4-1-2っぽかった。 この試合が終わると次節が鳥栖戦で中止が決定している札幌はこの試合に全力を出し切れる布陣。序盤にボールを握ったのは札幌でしたが、プレスに対して粘り強く対応した印象のトリニータと言った様相。連戦のアウェイの試合なんてね、なるべく体力を使わずに前半はやり過ごしてしまって良いと思っていたんです。しかし、手を抜かないモリモリの伊佐がチームを引っ張りまくるので、強固な守備網と連動してボールを回収できる場面が増えました。ミラーゲームとあって探り合いの続く、堅い試合の入りではあったものの徐々に主導権を奪い返して飲水タイム後はボールを握れるようにまでなりました。守備陣が安定して先制を許さなかったことが大きい。 


マリノス戦でも最終ラインが若干右にスライドして4バックっぽくなるというか、ミシャ式初期の4-1-6変換の並びが変わっているような気がする。昔はボランチが1枚最終ラインに降りて3バック+ボランチによる4バックになっていたけれども、今はボランチがなるべく横に並んで香川、三竿、鈴木、岩田の4枚が最終ラインに並んで右サイドの松本怜を前に押し出しているような感じ。ただ、昨年も右サイドから崩された札幌の対策も真っ当で、連動したプレスにより松本怜の裏狙いを阻止されて攻撃は停滞気味に。全般的にマイナーチェンジによって守備の安定感とボール回しの精度は向上。試合運びは安定し、前線へのプレスもできるようになって押し込まれ続けることも少なくなった。何かが改善されていると思うのだが、もっとこの事象を言語化出来る人を探し出してブログ書かせて下さい。老害ブロガーにはここまでが限界。


前半終了間際にはコーナーキックを連続で獲得でき、これが先制に繋がった。さすがに3回連続で蹴れば長谷川も完璧に合わせられます。 悲願だったセットプレーからの得点は前半ラストプレー。レアなセットプレーからの得点ですよ、期待してなかったから自宅でビクッてしました。香川がフリーになってダイレクトシュート、札幌GK菅野が弾いたボールをモリモリの伊佐が筋肉で捻じ込んだ。こん棒みたいなふくらはぎは嘘をつかない。あのふくらはぎがあったからこその瞬発力&踏ん張りによるFWらしいゴール。怪我から復帰してチームを引っ張り、課題だったセットプレーから先制点を生むという活躍。良いぞ伊佐、良い筋肉だ。伊佐は今節も素晴らしいプレー内容だった。

 

後半は前がかりになる札幌と凌ぐトリニータという分かり易い構図に。交代枠をフル活用して外国人FWを次々と投入するペトロヴィッチ監督。57分に長身のジェイ、69分にアンデルソンロペス、87分にドウグラスオリベイラとフレッシュで強力な攻撃陣を召喚。DF陣が身体を張って1点を守り切れそうではありました。珍しく守備固め要員も送り込まれて逃げ切りを図るトリニータ。

 

ただ残念ながらルーカスフェルナンデスにゴールを捻じ込まれて追いつかれてしまい、同点で試合終了となりました。2点目を取れそうなカウンター攻撃も繰り出せていたのでやっぱり惜しいとは思います。ただシュートを19本も浴びているので、よくぞ1失点で抑えられたとも思うのです。厳しい連戦の中で気持ちを見せた試合で勝ち点1を獲得出来たことは前向きに捉えられる試合内容と評価したい。攻撃時のポジション変化のマイナーチェンジが限定的な、マリノス対策では無かった可能性が出て来たので戦術的変化も楽しみになりました。

 

問題は次です。週末の柏戦。オルンガを止めるンガ。移籍するという噂だけが駆け巡ったけれども、今日の試合にはまだ出場していたオルンガ。怒涛の勢いで誰も止められないオルンガをDF陣が止められるかどうか。止められないならオルンガ以上に得点してしまえば良い訳で、伊佐ンガと知念ンガと渡ンガでも誰ンガでも良いので総合力で上回ってしまおう。頼みぞ!(※不撓不屈の精神で流行らすことにします)



2020/08/16

2020年 明治安田生命J1リーグ 第10節 横浜FM戦

【大分 1 - 0 横浜FM】

   

ようやく連敗止まりました。止めました。素晴らしかった。ナイスゲームでした。お盆に先祖の霊と共に充実の試合内容が帰って来ました。早く線香を!線香を焚いてください!勝利のロウソクの火を絶やさぬよう!合掌!
 

柏にはオルンガがいるけれども、大分では伊佐ンガが圧倒的な存在感を発揮。前線からチームを引っ張った伊佐の日でした。この日のスタメンはワントップ伊佐、三平と髙澤がシャドーというJ3を知る3人の組み合わせ。右サイドに田中を配置したことで役割分担がスッキリした印象。岩田智輝も復帰で安心と信頼の最終ライン。ここまで不動のメンバーだった知念はコンディション不良でしょうか?柏戦に向けて知念ガも温めて待っているので先祖の霊と共に戻って欲しい。柏戦ではオルンガ、伊佐ンガ、知念ガ、高山薫ンガの4人が揃うことを願います。

 

7月に入ってから「頼みぞ」という謎の平安貴族語をツイートしだした公式。1回目は突っ込みツイートが満載となりましたが、2回目なので意図的なのか暑さでボケたのかは分かりませんがブロガーとしては揚げ足取りが出来るので助かります。流行らないのは確実。

 

昨年王者のマリノスのスタメン。オナイウは元気そうで何よりです。世界に挑戦した若者をなぜかマリノスが呼び戻すという世界規模での鮭漁的な強化方針。人員が厚いのに更に補強を続ける手を抜かなさ加減がやっちゃえ日産。7月下旬にポルトガルのクラブ経由で松本山雅からレンタルした前田大然が初スタメンという、思い切った起用となった。ベルギーのクラブが経営破たんしてウィンドー外で特例での移籍が可能となった天野純を戻すのは理解できるけど、同じクラブにいた小池龍太もついでに獲得。他所の鮭も獲得する勢い。とにかく厚い。しかし、今シーズンは若干苦しんでいる模様。戦い方は研究され、対策され、新戦力が馴染むのに時間がかかって上積みが発揮できない。規模が違うけれども我が軍と同様に熟成とレベルアップに時間がかかっている。 


昨シーズンからJ1リーグ戦で戦うと必ず面白い試合になる、名勝負製造機のマリノス。今シーズンも変わらずハイラインにこだわり、ボールを追ってくる。引き込み、裏を取る戦術の我が軍とスイングする訳です。絶対面白くなる故に、初めてサッカー観に行く人がいたらこの試合を選べば間違いない。今回もおススメしたい試合になりました。ジャリジャリ投げ銭したっつうの。 


5連敗中の大分トリニータはマリノスに対して構えずにボールを追いかけるアグレッシブな守備から試合に入った。伊佐の勢いに導かれるように前線からの守備がハマり、ボールを保持することが出来た。伊佐と三平ならば、もう勝手に連動してくれるので助かります。前田大然のスピードに対してはJ2水戸時代から痛い目にあっているし、U23代表で勝手知ったる岩田智輝が復帰して対応は十分。ポステコグルー監督とすれば、前田大然を手に入れたらあのスピードを活かしてみたくなると思うのです。とりあえず新戦力で調子の上がらないチーム状況を打開できると期待しての起用だったと思いますが実戦投入は早すぎた印象。研修する暇はないのでOJTが基本となる職場は我が軍と同様。


偽サイドバックの松原も居ないマリノスは前線のプレスが連動せずに長谷川と島川に横並びで自由にボール保持を許してくれた。左右に散らしつつ、裏も狙えるようになったトリニータはようやく狙いがワンパターン化しない攻撃を組み立てられるようになった。マリノスのやり方が分かっているからこそ、良くなった気はする。2本あったクロスからの決定機を伊佐と三平が決めてくれていたらパーフェクトな前半だった。マリノスが4-2-3-1っぽくなっていて、2-3のサイドの脇のスペースを上手く使えていた。
   

相変わらず裏のスペース全般を守るGK朴の守備範囲の広さには手を焼いて前半はあまり裏取りは出来なかったものの、サイド攻撃から決定機は作れていたトリニータに対して63分に前田、エリキ、扇原を下げて3枚交代して前がかりになるマリノス。この辺りから裏が取れそうになった。67分に最終ライン、三竿の縦パスを髙澤が裏で受けて抜け出す、派手なアクションで上がれと指示を出す片野坂監督、髙澤がゴール前で切り返してフリーの田中に送ってのゴール。久々に会心のゴールを観た。ハイラインのマリノスだったからこそのゴールのような気もする。

 

マリノスが不振過ぎるのか、我が軍が良かったのかが難しい評価ではあるものの、勝ったからもう何でも良いやという気持ちが正直なところ。攻撃も守備も、今日は勝つ、という気持ちのこもったプレーが多かったので結束力ではマリノスを確実に上回れた。身体を張った守備陣が素晴らしかった。不振王決定戦ではマリノスに軍配。あれだけの補強をした半面、戦術面での練度が下がると上手くいかなくなることを目の当たりに。マリノスも時間がかかったけど我慢を続けて昨シーズンの結果を得たので、新メンバーがフィットした後は怖い。


勝利を得て一息つけたものの、新戦術というか、今シーズンの上積みのチャレンジ部分は発揮できていないような印象。どのような新戦術なのか、まだまだベールに包まれたまま。それでも試合終了間際にインターン生たちが少しずつ輝き始めたのは良い傾向。井上のスピード感と小塚のスルーパスとか、藤本のドリブルとかが渡と融合し始めているので各々の特徴を活かせる連携が出来れば武器は増えそう。リスクのあるボール回しをする以上、ミスはゼロにはなりませんけれども、今日は無事に無失点で終えられたし、GKムンの安定感も素晴らしかったし、セットプレーの守備の穴も埋められたってことにしておきましょう。昨シーズンから戦術不変のマリノスだったからこそ分析と対策をする時間が取れたから良かったのか、要因は何なのか。水曜日の札幌戦、札幌対策なのか、戦術の上積みが発揮されるのか。上向くのかどうなのか。ナイスゲームだったけれども気を引き締めて次の試合を楽しみに待ちたいと思います。次も頼みぞ。やっぱり流行らないと思います、これ。

 

2020/08/12

2020年 YBCルヴァンカップ グループステージ 第3節 柏レイソル戦

【柏 3 - 1 大分】

予選敗退が決まった消化試合とはいえ、きっと活きの良い若手が出場するであろうルヴァンカップ。若手も若手、まさかの16歳がデビューするレベルでピチピチでした。今シーズン早くも最後のスカパー!生観戦。残念ながら今月で即解約です。
   

2種登録選手を3人投入、2名がスタメンというピッチピチ状態。加入内定の大学生ですらない、まだユースで育成中の戦術純正培養組。アカデミーヘッドオブコーチングというパッと思い出せない役職が付いた浮氣さんの仕事っぷりが発揮されました。ユース生の方が驚くほど戦術に溶け込む。融解しまくり。ミルメークくらい溶ける。トップチームからユースまで芯の通った戦術展開によって選手が適合し始めている。昨年からなのでまだまだ結果が出ていると判断するには早すぎるんでしょうけれどもね、まだ1年ですから、早すぎますけどね、良い方向になっている片鱗は感じられました。ファンボさんによる鉄拳制裁世代(※比喩です)は数名がA代表にまで上り詰めていたりと、技術も戦術理解も精神力も大事なプロの世界。その歴史が融合して新しいユース時代の幕開けを感じさせる一戦であったと思います。

 

公式ツイッターのハートマークが母親っぽくて気持ち悪さがありますが、とにかくこの弓場と屋敷を擁したスタメンが新鮮。写真後ろの文字、「YOUNG HOPEFUL」が絶妙に隠れていて考え込まないと読み取れないデザインなのが急いで決まった何かを思い知らせてくれます。直訳サイトだと「若いって幸せ」って出て来たんですけど、私の推測が間違っているのだろうか。何のメッセージだ。とにかく若いってことだ、高畑がお兄さんになるレベル。ベンチに入った小手川も昔はそんな若手でした。この若手達も小手川のようになるんだろうか。ポジションとしては右のCBに高山を持ってくるというのが初の試み。岩田智輝不在の中、過剰な走力を誇るこのチョイスは正解だったように感じた。宇佐がダメなら中津です。

 

対する柏レイソル。J2に降格すると、なぜか強くなって戻ってくるというリバウンド芸が十八番。困った時にはヴィットーリアと叫んでネルシーニョ監督を招聘。たちまちJ2各位をボコボコにしてJ1に復帰してしまう。オルンガ旋風でJ1でタイトルを獲得してしまう勢い。公式ツイッターとは分けて速報アカウントで情報を流す広報スタイル。

 

我が軍以上にユース育成に定評があるクラブ。この日も長崎から帰って来た呉屋を中心にアピールの場として出場機会の少ない選手達がギラギラしていました。 前半は柏の4バックに対してボール保持時に星と松本怜の両サイドが高い位置を取れたことで主導権を握ることが出来た。サイドで数的不利になることから中盤を下げて対応した柏は後手に。真夏とあって柏もそれほどボールを追わず、前半は温存気味。そんな試合展開の中でトリニータが2本ほど決定機を作れたけれども決め切れず、終わってみればここが勝負の別れどころでした。決めれそうなうちに決めときや、です。

 

監督コメントにもある通り、前半は良いゲームが出来ていたと思います。しかし、ボランチの弓場が負傷交代した矢先に防げそうだったのにやっぱりか的な先制点を奪われて以降、追加で2失点を喫して勝負は決する。終了間際に渡の1得点で一矢報いたけれども、時すでに遅し。 結局また負けたんですけれども、この試合の収穫としては色々あったとは思います。ユースの将来性とか、CB羽田を真ん中で使うと活きるとか、渡もワントップやれるとか、やっぱり小塚のプレーはエロいとか、インターン生も迫力が出て来たとか、鳥取砂丘の砂の味を覚えて成長して帰って来た高畑の逞しさとか、何も持ち帰れない試合ではなかったと思いますし、そうしなければなりません。今のメンバーならやってくれると思います。


どさくさに紛れてルヴァンカップを獲得するチャンスではありましたが、残念ながら爪痕も残せず敗退。リーグ戦に集中と言ってもリーグ戦も連戦続きで状況は変わりません。この苦しい時期に声援を届けられないことがもどかしいですけれども、「新しいチャレンジ」がリーグ戦で実ることを信じて遠巻きに見守りましょう。不撓不屈の精神で。


2020/08/08

2020年 明治安田生命J1リーグ 第9節 川崎戦

【川崎 2 - 0 大分】




投げ銭アプリの登録は終わっていますでしょうか。フロンターレ戦ではこのアプリ上での限定YouTubeライブ配信があって、その告知内容がぶっ飛んでいた。





ニータンソロでの無音LIVE。めちゃくちゃ攻めた企画で試合よりも楽しみになってしまった。ニータンがソロでLIVE配信するけれども頻繁に退室するとかもう、そんなね、全員で突っ込みながら小銭投げつける画が浮かぶ素晴らしい企画ですよ。そりゃもうね、小銭をジャリジャリ言わせながらLIVEを待ちましたよ。





試合前はふろん太氏との掛け合いなどもあってほのぼの雰囲気。最も楽しみなのはニータンによるソロでのLIVE配信。ニータンが得点に歓喜し、乱暴なファウルに激怒し、失点に落ち込むそんなLIVE配信を期待していたら・・・・





ずっとこの静止画が表示されているだけのLIVE配信でやがんの!!全然告知内容と違うじゃねぇか!!こっちは動くニータンを期待して待ってたのに!ぬいぐるみの静止画じゃねぇか!どうすんだこの投げ銭。凄い攻めた良企画だと思っていたのに!静止画を使った動画でのLIVE配信は攻めすぎて訳が分からんぞ!がっかりだ!がっかりした!ふろん太さんのリアクション芸に助けられっぱなしの配信でした。・・・・そろそろ開始5分で失点したサッカーの話でもしましょうか。




この日のスタメンは水曜日に良い働きを見せたメンバーの抜擢が目立つ構成。特にGKムン。リーグ戦でのスタメンを奪取。刀根も引き続きスタメン。セットプレーでの失点を減らすことを考慮すると刀根の守備力、強さは必要ということだろう。右サイドは小出、シャドーは渡と田中、ワントップが髙澤。ボランチコンビは島川と長谷川。伊佐と三平は消耗もあってかベンチスタート。星や小塚がメンバーに入っていないのが納得いかないですけれどもターンオーバーでしょう。



対する川崎、4-3-3の並びとスタメンが判る優秀なデザインのスタメン発表。十分豪華なメンバーですけれども、これでも7月の月間MVP家長がいない。贅沢が過ぎる。


試合は5分での失点が痛すぎたし、その後のまたもやと言わざるを得ない自陣内での繋ぎのミスからの失点も滑って転んで大分県レベルの激痛でした。2点リードした川崎に、前半こそボールを持たせてもらったけれども、後半はもう川崎の横綱相撲を見せつけられただけの試合内容でした。後半は失点さえ無かったものの、内容的には今季ワースト。


この試合、ボールを回す位置がいつもより低くなかったですか?もう自陣ペナルティエリア内でボール回ししていたじゃないですか。ボール回し自体はなんとかなっていましたけれども、中々前進出来なかった。


今シーズンは昨シーズンよりも上を目指す6位以内という目標を設定して、戦術もバージョンアップする予定だったはず。その内容がまだイマイチよく分からない。昨年度はFWに対して裏のスペースを一撃で突くような配球もあったけれども、この試合では無かった。髙澤はスペースを指差して動き出しを見せているので出せないことが課題の様子。シャドーの田中の突破を活かすくらいしか攻め手が無くて、抜け出せないとチャンスにならない。


一方で、J2時代から積み上げて来た連携はまだ錆びておらず、ルヴァンカップで片鱗を見せたんだけれども、J1に上がってからはカウンターを警戒して、ワントップに楔のボールを入れないようにして、サイド攻撃を起点にして残留を勝ち取った。今年はきっと知念や渡という個をバージョンアップして、J2時代の真ん中から攻める方法も織り交ぜながらやるもんだろうと思っていたので、どうも方向性がよく分からない。あれ?何のために自陣からパスを繋いでるんだっけ?みたいな感じになってしまった。リーグ戦メンバーは課題が解決できないまま、という印象だけが残った試合でした。


それでもやり切る覚悟を感じた試合でもあって、リスクのあるような位置でも繋げるという異常なまでのパス回しに、突き詰めようとするチャレンジ精神は不撓不屈。夏の間は厳しいかもしれないけど、不撓不屈。とにかく不撓不屈の精神で勝利を目指して欲しい。


2020/08/05

2020年 YBCルヴァンカップ グループステージ第2節 G大阪戦

【大分 1 - 1 G大阪】



止まりました。公式戦連敗をとりあえず止められました。止血に成功。どさくさに紛れてのルヴァンカップ優勝を夢見てスカパー!に課金した水曜日。プライムステージ進出をかけての仕事を放り出して生観戦。とにかく気になったのがスタメンでした。

古参兵です、古参兵。J2J3時代から共に戦った古参兵がここに来て先発に復帰。伊佐のワントップに三平と小塚、両サイドが星と松本怜、ボランチに小手川と佐藤、最終ラインは真ん中に刀根、右に羽田、左に高畑、GKムンという布陣。古参を主軸に、新兵、補強組がバランス良く組み合わさったメンバー。最終ラインはちょっと不安だったけれども、強敵ガンバのFW陣に対して粘り強く奮闘してくれたので私、大満足です。


対するガンバ、超短期決戦となったルヴァンカップの生き残りを懸けて割と主力をぶつけてきた印象。まだ2節なのに両チームノックアウト戦状態。それにしても宇佐美とか使います?ねぇ?週末も試合あんのよ?次のステージに進出するために負けられない2チームの戦いは、「縦パス」がキーワードとなった印象。縦のパスはあなた、横のパスは私。織りなす試合はいつか誰かを優勝に導くかもしれない(※両軍敗退濃厚)



試合開始直後からテンションが高かったのはガンバ。もう、試合開始直後に畳みかけて先制して逃げ切ろうとしていたかのような戦いっぷり。トリニータとしてはここを一旦凌げたことが大きかった。さらに暑いですから、昭和電工ドームは。ガンバのプレスは続かず、徐々にボールを握れるようになった。それでもこの日、最終ラインから縦パスをばんばん通していたガンバの昌子。昌子から宇佐美や倉田、そして遠藤とパスが繋がるのでとんでもなく厄介な攻撃を受けることになったのです。しかし、最後に送られるパスに対して体を張って守備業務に従事した3人のCBが素晴らしかった。リーダーとなった刀根はもちろんですけれども、この日はパトリックに対して体を当てて守備に奮闘していた高畑が良かった。鳥取での成長をようやく表現できたのではないか。


しかし、29分にもったいないことに自陣深くでの横パスを奪われて先制点を許してしまった。しかし35分、バスバス通っていた昌子の縦パスも三平が奪い、伊佐に当てて、もう一回三平に戻し、三平のクロスを小塚が押し込む3人のショートカウンターが発動して同点に追いつけてしまった。昨年から加わった小塚、復活の同点弾。三平のアシストも良かったけれども、何と言っても伊佐でした。この日は両チームを通じて圧倒的な存在感だった。ハイボールに競り勝ち、昌子と渡り合いキープし、守備ではボールを追いかけ、獅子奮迅の仕事っぷり。潰れ役をさせたらJリーグ屈指のレベルになっている。週末は知念が川崎からのレンタルということで試合に出れないのでワントップは伊佐になりそう。今日のパフォーマンスは素晴らしかった。


伊佐が下がってしまった後は前線でタメが作れずに守備の時間帯が長くなってしまった。何度もあったピンチはGKムンがファインセーブで掻き出してくれた。安定していました、ムン。ビルドアップに関してもずっと取り組んできていたことが判るくらいにスムースで高木駿もうかうかしてられない。星のスプリントも、小手川の落ち着きも、羽田のヘディングも良かった。リーグ戦で試合に絡んでいないメンバーがほぼ本気のガンバ相手に何とか1失点に抑えた試合。連携面では特に、伊佐への縦パスがあり、サイド攻撃があり、裏抜けもありと攻撃回数自体は少なかったものの、縦パスがあるからこそ選択肢を絞らせない、J2で色々な戦術対策に苦しんだメンバーらしい打開策の答えがあった試合に感じました。


トリテンによればコロナの影響を受けて、大学生などを読んでテストマッチが出来ない状況に陥っているため、想定以上に新メンバーとの戦術融合が進んでいないのかもしれない。それに加え怪我やコンディション不良もあって状況は良くないのかもしれない。それでも今日の試合のように連携が取れて、モチベーション高く取り組んでくれているメンバーがいることが判ったことは大きな安心要素となったと思います。信頼できるというか、戦えるメンバーがいるということが大変心強い想いを感じることができる試合となりました。引き分けではあったけれども、謎の充実感があります。もう一度、不撓不屈の精神でチャレンジし続ける覚悟が決まった。次が川崎戦でしょ?ちょっとまた厳しい結果になるかもしれないけれども、今年は不撓不屈ですから、何度でも立ち上がりましょう。

2020/08/02

2020年 明治安田生命J1リーグ 第8節 鹿島戦

【大分 1 - 4 鹿島】



2試合連続で4失点という、チームの状況が如実に把握できる結果が出てしまいました。不撓不屈です、不撓不屈。スローガンだけは間違っていない大分トリニータ。あと10連敗しなきゃ連敗記録は更新できないですから、まだ全然大丈夫。不撓不屈の精神で盛り返すしかないのです。これだけスパッと負けると切り替えも簡単で助かります。


スタメン発表の時点では前節アシストを決めた小出が右サイドかなと思われましたが、蓋を開けてみると岩田智輝が右サイドに入るという布陣。小出が右CB。ワントップツーシャドーは知念、髙澤、田中達也という組み合わせ。今まで不動のレギュラーだった松本怜、小林裕紀がベンチにも入らない状況に、薄まった練度と対策を上回れない強度が難題となって山積している模様です。色々変えたけれども強みが出ず。小林成豪がベンチ入りして戦線に復帰。


対する絶不調らしい鹿島アントラーズ。絶不調?がしかし、J1クラブの絶不調なんか信じちゃダメって前節清水エスパルスに教えられた直後ですから当てにならないことは分かっていました。基本的にずっと負けっぱなしの対鹿島ですし。昨シーズンの開幕戦くらいしか勝った記憶無いですし。


試合前にはJ1通算100試合出場の節目を祝福された三竿家の面々。微笑ましかった。おめでとうございました。試合ですがセットプレーから4失点した直後の公式戦とあってセットプレーの守備が立て直せているかどうかを注目してDAZN生観戦でしたが、セットプレーどころではない失点の連続でトリニータの梅雨は明けなさそうです。


何の脈絡もない得点と失点が繰り出された前半。いや、得点は良かった。大ベテランのGK曽ヶ端が反応を間違えるほどの逆を突くミドルシュートを決めた髙澤。振り抜いた左足の外側に乗せるかの様に放った弾道は左に曲がって決まった。髙澤、左利きです。知らなかった。連続得点と調子が良い。知念だけがターゲットだと業務が集中して負担をかけることになる訳ですが、髙澤にも分散されて攻撃面では清水戦より良い試合の入りが出来ていました。


だからこそ失点が残念過ぎた。バックパスを攫われてそのまま決められた。自滅の様にも見えますが、鹿島のFWエヴェラウドが汗をかくタイプで常に最終ラインギリギリで狙っていたからこそ攫われた。鹿島のサッカーが変わったかどうか、それは正直良く分からない。そもそも鹿島のサッカーを言語化することは難しく、どんなサッカーなのか説明しろと言われても困るのが鹿島のサッカー。最終的に結果だけ出すスタイルというか、個のクオリティが高いことは大前提で試合巧者、展開を読んで正解のプレーを続けるというか、これと言った素人でも見て分かるような特徴的な戦術が思い浮かばないスタイル。最後にリードして時間稼ぎをする部分だけが焦点をあてられがちですがあんなもんおまけでしかない。ショートカウンターもやるし、遅攻もやるし、セットプレーでも点取るし、持たせたりもするし、何でもやる印象。個がね、個が。個が凄い。まずこれが大前提。こういう時はこれが正解だろ、っていうのを脈々と知識として、プレーの判断基準として伝えていく感じ。一クラブ相伝のジーコスピリッツ。


今日の試合を観て、鹿島がザーゴ監督になって劇的に何かが変わった印象は無かった。ザーゴ戦術というか、特有の何かは感じられなかった。去年もプレスをかけて高い位置で奪おうとしていたし、今日もそうだったけれども、プレスが連動せずに剥がせることもあって、特に前半は久々に擬似カウンターが発動する局面もあった。鹿島の不調さ加減が滲み出ていたのでミスが無く、リードしたまま前半を終えられれば結果は違ったかもしれない。後半もリードしている局面でプレスをかけて来ていたので、何が正解なのかがまだしっくり共有できていない雰囲気は感じた。本調子の鹿島では無いと思われる。新監督に新メンバーが加わればどのクラブも通過するレベルの不調さ加減なんじゃないのか。これまでの試合ではあのエヴェラウドも左サイドをやっていたらしいので、新メンバーになってからの人選が決まっていなかったことが鹿島不調の原因なんじゃないのかというのが仮説として成り立ちそう。ハットトリック出来るほどなので以後前線で固定されるんじゃなかろうか。


一方で我が軍の人選なのですよ。どうも連携が途切れがち。サイド攻撃までは出来ていてもクロスを上げられなかったり、パスがズレたり。特に右サイドは輝きを失ってしまった。前節アシストした小出を右サイドで使わずに一つ下げて、岩田智輝を上げた割に特に印象に残らなかった右サイド。いつも通りで良かったのではなかろうか。練度が足りないのに、さらに実戦で慣れない並びにして練度が薄まってしまった印象。この変則日程の中で主軸であった選手を使い続けることが出来なくなってきているので、古参兵に出て来てもらうのが一番良いのではないか。小手川や星、伊佐、刀根とか古参兵とセットで新メンバーも使う、そんな人選が正解なのかもしれない。古参兵がルヴァンカップではスタメンで出て来て欲しい。活きの良い新人が出て来るのがセオリーですけれども、既に一旦出かかって消えたので期待薄。古参兵よ、待ってるぞ。術で個を上回ろう。


過密日程のせいで難しい状況になりがちですけれども、全チーム同じ条件なので乗り越えなければ。これまでも戦術と選手の努力で乗り越えて来たチームだし、乗り越えられるはず。不撓不屈ですよ、不撓不屈。水曜日にガンバ、土曜日に川崎か。まだまだ苦しい状況が続きそうですけれども不撓不屈ですね。