2019/10/23

2019年 天皇杯 準々決勝 神戸戦

【神戸 1 - 0 大分】



天皇杯準々決勝を自宅でスカパー!観戦。この試合のためだけに再契約しましたよ!しかし元日、新国立競技場のこけら落としに出場の夢破れる。旧国立では無敗でしたから、決勝にさえ、決勝にさえ進出できれば神通力でジンクスに頼って何とかなったものを(※3回しか戦ってないけどジェフにも勝てたから国立無敗の神通力は凄い)今シーズン5度目の神戸戦、1勝2分け1敗という五分五分の結果で迎えた決着の時。ノエビアスタジアムの芝に大苦戦となった一戦という印象。ラグビーワールドカップの影響でハイブリッド芝が短めにカットされているらしく、両軍滑りやすい状況に。そうなると技術の差が露骨に出てしまう。善戦したとは思いますが、力負けだったというのが率直な印象。いつの間にか真っ当なチームに生まれ変わっていた神戸、強かった。


週末にはリーグ戦がないため、出し惜しみのない顔ぶれでした。移籍前に天皇杯に出ちゃってる選手は出場できないものの、浦和戦で休養したオナイウ阿道がスタメン復帰。試合開始直後はオナイウ阿道のワントップ、小塚と後藤のシャドーという並び。左サイドには星。残念ながら天皇杯ラッキーボーイだった伊藤涼太郎が帯同せず。ここまで伊藤涼太郎の活躍があって勝ち上がって来たので、ジンクスにあやかってベンチには居て欲しかった。いつの間にか怪我から復帰した岩田とティティパンの回復力は素晴らしい。若いって素敵。


対する神戸。イニエスタ不在、ポドルスキとビジャをベンチスタート。前線に日本人を並べるという、意思疎通を重視した選手起用。逆に嫌です。ウェリントンにロングボールバカバカ蹴るような神戸はどこへ行った・・・。そっちも嫌だったけど。前半開始からしばらくボールを保持する神戸という、久々に主体性を持って我が軍に対峙する当たり前ことを当たり前に行う金満クラブになっていた。生まれ変わった感溢れる。引いて守った名古屋や浦和とは違った。


前半はお互いにお互いの良さが出ていた内容で、観ていて楽しい試合でした。ボールを保持した神戸の攻撃に対して、絶妙のポジショニングで挟み込んでボールを回収する我が軍。しかし、回収後のカウンターを阻止する神戸の屈強なDF陣という攻防が繰り返され、ファウルも少なく、宿敵西村主審の仕事も少なかった。主体性のあるチームとの戦いは素晴らしい。面白かった。前半の終わり際には盛り返してシュートチャンスを作れて枠内シュート数も神戸を上回るという、誰が出場してもJ1の高年俸軍団相手に戦えたという成長した姿を見せてくれました。チャンスを決められていれば言うこと無しだった。アンカー気味のサンペール脇付近のスペースをシャドーの選手が活かせるかどうかが鍵だったと推測していたのだけれども、オナイウをワントップで使ってしまったのがあまり効果的ではなかった。前半途中からワントップ後藤、シャドーオナイウ阿道に入れ替えたけれども、出来れば試合開始からワントップ後藤をチョイスして欲しかった。この試合の鍵はシャドーだったと思うので、ちょいちょい危うい飯倉へのプレスは後藤に任せたかった。浦和戦も惜しいプレスが多数あったのでそのままの方が効果的だったのではないか。そこだけが不満点。いずれにしろ後藤もオナイウも決定機を決められていないので結果的には一緒だったかもしれません。


チャンスはあったと思いますし、新国立が一瞬脳裏に浮かぶようなシュートシーンもあったんですが決め切れず。時間が経つにつれて、滑るハイブリッド芝に手こずり続けるような、どのチャンスも少しだけトラップがズレたりと、突き詰めたら技術の差になるような場面が多く散見された中で、神戸の選手がキッチリとチャンスを決め切ったのを見せられると最後は届きそうで届かなかった差が出たのかなと、悔しいですが先に決められなかったことが全てだったという印象です。伸びしろです、伸びしろ。J1の厳しい環境の中で鍛えよう。このチームはもっともっと伸ばせるはず。これ以上は伸びないだろうという予想を覆し続けてきたチームです、まだまだやれる。


途中交代で入ったばかりの小林成豪が怪我で交代になってしまうなどの不運もあり、ツキもなかった。滑る芝に手こずりまくったので、来週の昭和電工ドームの新ハイブリッド芝に不安がよぎるという余計な心配までしてしまう天皇杯の敗戦となってしまいました。埼玉スタジアムの芝は最高だったんだよな・・・。


準々決勝の壁は乗り越えられなかったけれども、いままでの最高記録に並べた結果はチームの底上げに繋げられたと思いますし、サブメンバーの貴重な出場機会として活用しつつ勝ち上がれたことは意味があったと思います。日本の全クラブで戦ってベスト8ですから胸を張れる結果です。でもまぁ新国立競技場、行きたかったな・・・。大チャンスだったと思うのでショックは引きずりそうですが、負けてしまったものはしょうがありません。切り替えてリーグ戦に集中しましょう。また来年、チャレンジですね。ハイブリッド芝、アジャスト出来るだろうか・・・。



2019/10/19

2019年 明治安田生命J1リーグ 第29節 浦和戦

【浦和 0 - 1 大分】



金曜日!埼玉!Jリーグ!金玉Jです!違う!金Jです、金J!J1では規模が小さく田舎の我が軍が金Jに選ばれることは無いと思っていましたが、浦和がACLでは絶好調続きで勝ち上がり続けたために実現してしまった初の金Jを体験しに、仕事を投げ出して行ってきました。6シーズンぶりの埼玉に。不良社会人が多数詰めかける雨の埼玉スタジアム2002。





2013年以降、一度も行けなかったスタジアム。日本代表戦があれだけバカスカ開催されていたのにも関わらず、一度も行けなかった。ちょっと諸事情あってJ2、J3界隈を巡っていたので仕方がありません。J2J3は代表ウィークも試合あるし仕方ない。人が多すぎるスタジアムは苦手なので、今日ぐらいの入り具合が個人的にはちょうど良かったです。


全然勝てなかった2013年、前半に3得点したのにも関わらず、後半に4失点の大逆転負けを喫した試合も現地で観ていたのです。おそらくもう二度と3得点して4失点する試合は観れないと思う。超絶レア体験だった。もう観たくないし。この時はまさか6年後に伏線が回収されるドラマになるとは思いもしませんでしたが、1つのクラブを応援し続けることは終わらない大河ドラマを見続けるようなものだなと、改めて感じました。しかし6年て。脚本がえげつない。浦和から埼玉スタジアム2002で勝てるチームになって戻って来れるなんて想像だにしなかった。しかもこの日は複数のドラマも絡み合ってしまったがために展開も含めて痺れてしまった。


一つ目のドラマが先発陣。浦和から借りたままパクろうとしているオナイウ阿道と伊藤涼太郎という好調の攻撃的人員が使えない制約の中で選ばれたのが後藤、小林成豪、小塚のワントップツーシャドー。特に後藤は3試合連続ゴール中で好調の三平、怪我から復帰した伊佐を差し置いてのチョイスだった訳で、ユースから育て上げたエースFWにかかる期待は大きかった。J1昇格でチャンスも少なくなって、アピールが必要だった後藤にとって壁をもう一つ乗り越えられるかどうか、後藤を主役とした場合の大河ドラマであれば大きな契機となるはず。岩田も怪我から先発へ復帰。GKムンが久々のベンチ入り。ここにもきっと各々のドラマがあるはず。












もうひとつのドラマは出稼ぎに出たままの西川周作という、大分トリニータユースの礎を築いた至宝との対決であったこと。大分トリニータの育成ブランディングには欠かせない選手。大分では「指原莉乃」、「関あじ」、「関さば」、「西川周作」、「城下かれい」くらいの順番でブランディングされています(※されていない)個人的にも想い入れが深い選手ですから、当然生で観たかった訳です。バシャバシャ写真撮りました。あの特異な、ペナルティエリア内からアシストを決めてしまうレベルの高精度キックの写真を撮りたかった。ですがこの日は我が軍の攻守のバランスが素晴らしく、カウンターを許さなかったのでキックの回数は少なかった。それくらい西川周作対策が施されていたのではないか。守備は鈴木義宜vs興梠慎三が見どころ満載。個人技に翻弄された場面もあったけれどもシャットアウト出来たことは素晴らしかった。



一目見て誰の脚か分かりますでしょうか?競走馬かよと。この日、2度目の復帰となった伊佐をですね、改めて見たんですが、何なんですかねこの血管は。漫画かと思いました。バキか。バキのビスケット・オリバか。





完全に一致。どんな厳しいトレーニングをこなしたらこうなるんだろう。この血管が観れるのは試合前のアップの時だけ!早めにスタジアムに行くしかない!それくらいの価値はある!この血管見たら試合観ずに帰ってもいいレベル!筋肉に勝る技術無し!



既に大人気の伊佐のYouTubeチャンネルですが、このトレーニング動画も何気なく観ました。これほどの地味なトレーニングに時間をかけていることが分かってからのこの血管。説得力。足を攣るくらいなら酸素を供給する血管を太くすればいい!岡野洵よ、血管を太くしよう!そして動画の最後の大オチな、伏線回収具合な。







ホームで戦った時は無邪気にプレスをかけて来てくれた浦和ですが、この日は慎重に我慢するスタイルでした。名古屋とか、浦和とか、強化費で差があるチームが過剰に引きこもる前半になるという現象を目の当たりにしているのですが、おそらく清水戦の敗北あたりからこの方法が大分対策として有用という風にJ1の各分析官が導き出しているのではないか。FC東京やマリノスがプレスを敢行し切って我が軍に勝ちきるという前例があるにも関わらず、そこまでの試合運びに自信が持てない状態のクラブが前半に引きこもって勝ち点を失う。引きこもって勝ちきったのは鹿島くらい。前半を無駄にして、良くて引き分けになってしまう。この前半撤退戦術を取る時点で負けを認めているメンタルになっているのではないか。そこにリーグ戦で上位にいるチームと下位にいるチームの差を感じる。監督が自分のチームを信じているかどうか、上回れるコンディションなのかどうかが如実に現れる。2度目の磐田戦は自滅過ぎて例外だけれども。浦和にも案の定後半に盛り返しを食らった。個の力でぶつかり合えば分が悪いので、前半をやり過ごすことは実は我が軍に有利に働くのではないだろうか。









浦和相手に2試合とも勝利をもぎ取れたけれども果たして本当に浦和のベストメンバーと対決したのかというと少し怪しい。ホームでの試合では興梠・武藤がベンチスタートだったし、この試合も武藤が後半で肩を痛めて下がってしまったし、売り出し中の橋岡も遠征帰りでベンチ外、鈴木大輔も居ない、杉本健勇は相変わらず浦和ではアレだし、という状況。水曜日にはACL準決勝を控えており、色々と怪しい。オナイウ阿道を戻したくて仕方ないのではないか。良い感じで熟してます、オナイウ阿道。







アディショナルタイムに決められて追いつかれたり負けたりすることが多かったここ数試合。逆に値千金の先制弾を決めて勝ってしまったのは気持ち良すぎた。後半はピンチも多かったけれども、高木が最後に踏ん張ってくれた。





結果が欲しかった状況で、最後の最後まで諦めずに走り切り、得点を決めた。後藤が自陣内からダイビングヘッドで繋いだところから始まった一連の流れ。ここから走ったのだ。



























大爆発。



試合後、ヒーローインタビューに向かう後藤に手を合わせる監督。後藤神誕生の瞬間であった。



プレッシャーに打ち克ち、ユースの先輩から決勝点を決めた後藤。これで勝ち点は43となり7位に浮上。現実的に考えればほぼほぼ残留は手中に収めたと言って良いのではないか。金JによるゴールデンゴールでJ1残留の金字塔。キンキラキンで最高の金Jでした。浦和は金J全敗という相性の悪さ。ACLを頑張って欲しい、ACLを。片野坂体制ではジェフに勝利したりと、今までなし得なかったハードルをバンバン超えて行くので、この勢いで次の天皇杯、この日たっぷり休養したオナイウ阿道と伊藤涼太郎に期待したい。そして次節は首位FC東京を新しい芝のスタジアムに迎える大事な一戦。シーズン終盤ですが勢いに乗って駆け抜けて欲しい。


2019/10/06

2019年 明治安田生命J1リーグ 第28節 名古屋戦

【名古屋 1 - 1 大分】



またもやロスタイムに勝ち点が減るという、中々上手くいかない状況を目の当たりにしてきました。勝てなきゃ辛いですが、勝ち点1を積み上げたことは評価したい。J2時代から2点取れなきゃ勝ちきれなかったチームですから、2点目が取れなかったことが敗因だと感じています。トヨタ相手にダイハツ九州が引き分けたんでね、そこは忘れないように。前節ヤマハに負けたのは未だに納得してないですが。











10月にしては暑いコンディション。ただ、湿度は低いので日陰は快適。スポーツ観戦には良い季節になってきました。選手にとってはまだまだ厳しいコンディションだったと思います。飲水タイムありましたし。


前線がガラッと入れ替わったスタメン。後藤のワントップに三平&小塚のシャドー。ありそうでなかった組み合わせ。後藤は久々に戻って来た。前節負けはしたものの、田中達也シャドーも面白かったので継続かと予想していたのですが、サイドに戻りました田中達也。スタートは右が田中で左が松本怜でしたが、飲水タイムであっさり左右を戻しました。しっくりこなかったので即修正です。変にこだわられるより良い事です。ボランチは古巣戦となる小林裕紀と美声島川のコンビ。豊田市出身のGK小島がベンチ入りでの凱旋帰国。リーグ戦でオナイウがベンチスタートになったのは初めてですかね?珍しかったので、秋ですし、来年はもう浦和に戻るのが既定路線になるのかな・・・・という第一印象のスタメンでした。


なぜ名古屋ではトーストにあんこを乗っけるのか?パスタにあんかけをかけてしまうのか?とんかつに八丁味噌が必要なのか?なぜ風間監督の後にフィッカデンティ監督なのか?名古屋の人達だけが発見する独特な味覚が名古屋のサッカーにも活きている。(※活きてない)J2から2年以上も我慢して積み上げた主導権を握ろうとするサッカーを、2019年スローガン「貫く」の名の下に放棄した名古屋。貫けよ!フィッカデンティ体制2試合目、今日の前半はトリニータにボールを持たれても自陣にどっしり構えるという、風間イズムとは正反対のスタンスに違和感を覚えざるを得ない。まだ慣れない。高額年俸のブラジル人を揃えて、大分相手に引くという過剰なリスペクト。そしてGK高木にボールを回すとブーイングする名古屋ゴール裏。誰もプレスをかけない名古屋攻撃陣。あのブーイングは何に対するブーイングなのだろう。なんだかしっくりこない雰囲気のスタジアムになってしまった印象。












暑さもあってか、名古屋が前半をほぼ捨ててしまい、我々一般人には分かり辛い、隙を探りながら後方でボールを回すトリニータと、構えて動かず待つ名古屋という退屈な試合になってしまいました。トリニータもトリニータでミスが多く、ボール回しが冴えませんでした。全然釣れなかった。後半勝負へ。




試合開始前にグランパスくんの背びれにヘディングをかます三平さん。ご利益があったのか、その頭で3試合連続のゴールを決めてしまう。右サイドからの松本怜のクロスが秀逸だった。後藤が触り切れずもそのまま逆サイドまで抜けて行き、田中達也が拾って折り返すと三平が押し込んだ。素晴らしい先制点だった。岡野の駆け上がりも素晴らしかった。グランパスくんの背びれに頭突きするとヘディングシュート決まる説、広めたい。





三平は「夏から男」である。3試合連続ゴールと調子が上向いてきた。試合後は満身創痍っぽかったけれども、来週は試合が無いので回復に努めて欲しい。



アディショナルタイムに追いつかれてしまいましたが、先制されてからの名古屋が強かった。前がかりになってボールを支配し続けた風間イズムの遺産。最初からやれ、最初から。前半の過剰なリスペクトが無駄であったことが証明されたかのような後半。相手陣内に押し込み、攻撃を続ける。後は決めるだけだったのに決められなかった、精度の問題と風間監督が言いそうな試合内容そのものだったが、今日は決められてしまった。



もう少しボールを外に出したり、時間稼いだりが出来たんじゃなかったろうか。岡野も頑張り過ぎてしまって、80分過ぎにはもう足を攣っていたのにずっと戦い続けていた。寝ておけば良いものをヘディングでロングボールを跳ね返し続けていた姿には鬼気迫るものがあった。最後は防ぎきれなかったけれども、伊佐だって22~23歳頃の加入直後は前半で足を攣るくらいだったので、岡野洵21歳も可能性の塊なのではないか。今日のヘディングの強さを垣間見るとジェフユナイテッド千葉で夢を叶えられると困ると思える程。可能性の塊だぞあれは。







追いつかれて勝ち点を失ったような印象ではあるものの、これで積み重ねた勝ち点は40に到達。目標まで残り5ポイント。もっとやれるはずだろうけれども、各クラブも生き残りを懸けて必死。シーズン終盤に勝ち点を重ねることの難しさ。なるべく早く目標を達成して、来季を見据えた更なるチャレンジを見せて欲しい。残り6試合。1試合でも早く上だけを見れる状況になりますように!