2019/10/19

2019年 明治安田生命J1リーグ 第29節 浦和戦

【浦和 0 - 1 大分】



金曜日!埼玉!Jリーグ!金玉Jです!違う!金Jです、金J!J1では規模が小さく田舎の我が軍が金Jに選ばれることは無いと思っていましたが、浦和がACLでは絶好調続きで勝ち上がり続けたために実現してしまった初の金Jを体験しに、仕事を投げ出して行ってきました。6シーズンぶりの埼玉に。不良社会人が多数詰めかける雨の埼玉スタジアム2002。





2013年以降、一度も行けなかったスタジアム。日本代表戦があれだけバカスカ開催されていたのにも関わらず、一度も行けなかった。ちょっと諸事情あってJ2、J3界隈を巡っていたので仕方がありません。J2J3は代表ウィークも試合あるし仕方ない。人が多すぎるスタジアムは苦手なので、今日ぐらいの入り具合が個人的にはちょうど良かったです。


全然勝てなかった2013年、前半に3得点したのにも関わらず、後半に4失点の大逆転負けを喫した試合も現地で観ていたのです。おそらくもう二度と3得点して4失点する試合は観れないと思う。超絶レア体験だった。もう観たくないし。この時はまさか6年後に伏線が回収されるドラマになるとは思いもしませんでしたが、1つのクラブを応援し続けることは終わらない大河ドラマを見続けるようなものだなと、改めて感じました。しかし6年て。脚本がえげつない。浦和から埼玉スタジアム2002で勝てるチームになって戻って来れるなんて想像だにしなかった。しかもこの日は複数のドラマも絡み合ってしまったがために展開も含めて痺れてしまった。


一つ目のドラマが先発陣。浦和から借りたままパクろうとしているオナイウ阿道と伊藤涼太郎という好調の攻撃的人員が使えない制約の中で選ばれたのが後藤、小林成豪、小塚のワントップツーシャドー。特に後藤は3試合連続ゴール中で好調の三平、怪我から復帰した伊佐を差し置いてのチョイスだった訳で、ユースから育て上げたエースFWにかかる期待は大きかった。J1昇格でチャンスも少なくなって、アピールが必要だった後藤にとって壁をもう一つ乗り越えられるかどうか、後藤を主役とした場合の大河ドラマであれば大きな契機となるはず。岩田も怪我から先発へ復帰。GKムンが久々のベンチ入り。ここにもきっと各々のドラマがあるはず。












もうひとつのドラマは出稼ぎに出たままの西川周作という、大分トリニータユースの礎を築いた至宝との対決であったこと。大分トリニータの育成ブランディングには欠かせない選手。大分では「指原莉乃」、「関あじ」、「関さば」、「西川周作」、「城下かれい」くらいの順番でブランディングされています(※されていない)個人的にも想い入れが深い選手ですから、当然生で観たかった訳です。バシャバシャ写真撮りました。あの特異な、ペナルティエリア内からアシストを決めてしまうレベルの高精度キックの写真を撮りたかった。ですがこの日は我が軍の攻守のバランスが素晴らしく、カウンターを許さなかったのでキックの回数は少なかった。それくらい西川周作対策が施されていたのではないか。守備は鈴木義宜vs興梠慎三が見どころ満載。個人技に翻弄された場面もあったけれどもシャットアウト出来たことは素晴らしかった。



一目見て誰の脚か分かりますでしょうか?競走馬かよと。この日、2度目の復帰となった伊佐をですね、改めて見たんですが、何なんですかねこの血管は。漫画かと思いました。バキか。バキのビスケット・オリバか。





完全に一致。どんな厳しいトレーニングをこなしたらこうなるんだろう。この血管が観れるのは試合前のアップの時だけ!早めにスタジアムに行くしかない!それくらいの価値はある!この血管見たら試合観ずに帰ってもいいレベル!筋肉に勝る技術無し!



既に大人気の伊佐のYouTubeチャンネルですが、このトレーニング動画も何気なく観ました。これほどの地味なトレーニングに時間をかけていることが分かってからのこの血管。説得力。足を攣るくらいなら酸素を供給する血管を太くすればいい!岡野洵よ、血管を太くしよう!そして動画の最後の大オチな、伏線回収具合な。







ホームで戦った時は無邪気にプレスをかけて来てくれた浦和ですが、この日は慎重に我慢するスタイルでした。名古屋とか、浦和とか、強化費で差があるチームが過剰に引きこもる前半になるという現象を目の当たりにしているのですが、おそらく清水戦の敗北あたりからこの方法が大分対策として有用という風にJ1の各分析官が導き出しているのではないか。FC東京やマリノスがプレスを敢行し切って我が軍に勝ちきるという前例があるにも関わらず、そこまでの試合運びに自信が持てない状態のクラブが前半に引きこもって勝ち点を失う。引きこもって勝ちきったのは鹿島くらい。前半を無駄にして、良くて引き分けになってしまう。この前半撤退戦術を取る時点で負けを認めているメンタルになっているのではないか。そこにリーグ戦で上位にいるチームと下位にいるチームの差を感じる。監督が自分のチームを信じているかどうか、上回れるコンディションなのかどうかが如実に現れる。2度目の磐田戦は自滅過ぎて例外だけれども。浦和にも案の定後半に盛り返しを食らった。個の力でぶつかり合えば分が悪いので、前半をやり過ごすことは実は我が軍に有利に働くのではないだろうか。









浦和相手に2試合とも勝利をもぎ取れたけれども果たして本当に浦和のベストメンバーと対決したのかというと少し怪しい。ホームでの試合では興梠・武藤がベンチスタートだったし、この試合も武藤が後半で肩を痛めて下がってしまったし、売り出し中の橋岡も遠征帰りでベンチ外、鈴木大輔も居ない、杉本健勇は相変わらず浦和ではアレだし、という状況。水曜日にはACL準決勝を控えており、色々と怪しい。オナイウ阿道を戻したくて仕方ないのではないか。良い感じで熟してます、オナイウ阿道。







アディショナルタイムに決められて追いつかれたり負けたりすることが多かったここ数試合。逆に値千金の先制弾を決めて勝ってしまったのは気持ち良すぎた。後半はピンチも多かったけれども、高木が最後に踏ん張ってくれた。





結果が欲しかった状況で、最後の最後まで諦めずに走り切り、得点を決めた。後藤が自陣内からダイビングヘッドで繋いだところから始まった一連の流れ。ここから走ったのだ。



























大爆発。



試合後、ヒーローインタビューに向かう後藤に手を合わせる監督。後藤神誕生の瞬間であった。



プレッシャーに打ち克ち、ユースの先輩から決勝点を決めた後藤。これで勝ち点は43となり7位に浮上。現実的に考えればほぼほぼ残留は手中に収めたと言って良いのではないか。金JによるゴールデンゴールでJ1残留の金字塔。キンキラキンで最高の金Jでした。浦和は金J全敗という相性の悪さ。ACLを頑張って欲しい、ACLを。片野坂体制ではジェフに勝利したりと、今までなし得なかったハードルをバンバン超えて行くので、この勢いで次の天皇杯、この日たっぷり休養したオナイウ阿道と伊藤涼太郎に期待したい。そして次節は首位FC東京を新しい芝のスタジアムに迎える大事な一戦。シーズン終盤ですが勢いに乗って駆け抜けて欲しい。


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