2021/07/28

2021年 明治安田生命J1リーグ 第3節 G大阪戦

【G大阪 2 - 1 大分】


延期となっていた第3節、平日夜のDAZN生観戦。プランハマれど遂行し切れず、という試合内容でダメージの大きい逆転負けを喫してしまいました。消耗が激しい夏の連戦で苦しんでいたガンバを相手に最後の最後にエネルギーが切れたのはトリニータの方に見えました。前に押し出すパワーが残っていなかった。順位表も今までは1試合消化が少ないから、というエクスキューズを心の糧にしてきましたが、他のチームと消化数も並んでガッツリ苦しい現実が圧し掛かる。この夏はオリンピックでも観よう、オリンピックでも。


先発メンバーは前節からボランチ下田だけがベンチ外となり、小林裕紀が入った。ベンチメンバーには新戦力呉屋、びっくり帰還梅崎、怪我から復帰の野村とかなり厚みが増した構成に。特に中断期間中に梅崎という予想外の補強には驚かされた。2006年に西川周作と共にA代表に選ばれ、海外移籍するというユース生え抜きの新しい道を切り開きまくったレジェンド。右サイドで使うつもりだとしたら今シーズンの松本怜さんに対する強化部のぞんざいな扱いが気になりますが、強化部が諦めずに何かやろうとする意欲は感じられました。先制しても、先制されても後から切れるカードの種類が増えたので、戦術の幅は広がるはずでした。はずでした。


対するガンバ。お疲れ様ですとしか言い様がない日程を消化せざるを得なくなった今シーズン。コロナ感染に始まり、シーズン序盤にレジェンド宮本監督を解任、これまたレジェンドの松波監督が就任するもACLで消耗しながら敗退。そこから未消化の試合を立て続けに消化する15連戦が始まっている状況。珍しく小野瀬が左サイドに入るくらいにはやり繰りに苦しんでいる。明らかに手負いのガンバ、我が軍にとっては大チャンス到来。勝たねばならなかった。ただ、終わって冷静に振り返ると宇佐美・倉田・矢島などの主力をベンチに控えさせたのは温存とかターンオーバーというよりも終盤に失点の多いトリニータに対しての最適解だったのかもしれません。準備されていたパワープレー。


試合自体は3バック同士でミラーゲームの並びになりつつも、トリニータはボール保持時に4バックになったり、ポープを含んで数的優位を作ったりと常にガンバのプレスを回避出来つつ、ボールを前進させることが出来ており、準備して来たことが発揮できていたので安心して観戦できました。非保持時、ガンバに戦術的怖さは薄く、トリニータのプレスがハマりボールを奪い返すことが多かったですが、個の力で打開することを前提にしたシンプルな攻撃でトリニータゴールを脅かした。何度かあった枠内シュートはポープが冷静に処理できたことで前半は0-0と均衡を保つことが出来た。


前半に小林成豪が痛んだシーンがあった関係か、後半頭から野村が久々の出場。先制はこの野村がコーナーキックのキッカーを担ってからだった。野村の後に交代出場した呉屋が得たコーナーキックでキッカーとなった野村は逆サイドまで届く正確なキックを披露。この折り返しをエンリケが詰めて先制。攻撃のリスクを最小限にしながら新戦力と復帰した10番の力でセットプレーから得点するというプランが見事にハマって試合を動かすことが出来た。逆にリスクを負って前に出ざるを得なくなったガンバは宇佐美・倉田・矢島、そしてレアンドロペレイラまでもを投入して追撃にかかる。防戦一方になりかけたトリニータは刀根、梅崎を投入するも押し返す余力がなくなりラインが下がってしまった。ブロックを敷いた守備が崩されたりした訳ではなかったけれども、レアンドロペレイラと宇佐美にシュートを決められて逆転負けとなりました。


死に物狂いで得点を奪いに来たガンバを真正面で受けてしまわざるを得なくなった時間帯が惜しい。前線で時間を作れなくなってしまったのが試合をひっくり返された敗因。総走行距離では上回っていたからこそ最後に疲弊した夏の一戦。せめて引き分けに留めたかった内容でした。特に90分以上前線でチェイスを続けた長沢を交代出来なかった点が反省点。ワントップ梅崎でも良かったかもしれない。結果論ではありますが交代要員の選定が違えば結果も違ったかもしれない。まぁ他にも決定機を作られてもいたし、ギリギリ持ちこたえて何とか戦術で上回ろうとはしていたけれども、個人の、札束の力でねじ伏せられたという、地方のクラブを応援する我々が一番観たくない内容で負けたことは確かです。辛かった。


試合を観ていてガンバの出来がかなり悪かったので、そんな厳しい状態のガンバに勝てないとなると後半戦も厳しくなるだろうことは推測できますが、呉屋・梅崎の加入によりベンチ入りの競争は激化していくでしょうし、あとはチーム内の競争で個の能力が活性化していくことしか活路は見いだせないかなとも感じました。梅崎が持っているベテランの経験をチームに還元して欲しいと切に願います。状況は厳しさを増していますが、まだ試合は残っていますから最後まで戦い抜いて欲しい。しばらくオリンピックで気晴らしですかね・・・。


2021/07/11

2021年 明治安田生命J1リーグ 第22節 浦和戦

【大分 1 ― 0 浦和】


なぜか本拠地で浦和に負けないジンクスが発動。大分が自力で勝ったのか、浦和が勝手に負けたのか何とも不思議な現象が毎年起きますが今年も昭和電工ドームで無事勝ち点を得ることに成功。相性が良いと言ってしまえば楽ですが実は周到な、入念な準備をしていたはずです。天皇杯から準備期間が無かったなんて嘘です。リーグ戦のメンバーにはみっちり対策を落とし込んでいたはず。そうじゃなければあれほど良い試合の入りが出来るはずがない。


一応ですね、ゲン担ぎも手を抜かず続けようと再開はしたんです。今まで「カツ」的な揚げ物にとらわれ過ぎていたかもしれないので別の切り口でアプローチしてみようと思い立ちまして、勝利をね、勝利を、大勝利を呼び込もうと大勝軒のつけ麺にしてみました。白星にあやかって白髪ねぎもトッピング。効果絶大。大勝です、大勝。今節のMVP。辛いつけ麺にしたせいで大勝利よりも辛勝になった気もしますが、いやいや勝ち点が少ない我が軍にとっては間違いなく大勝利でした。


天皇杯のカップ戦メンバーからガラリと入れ替えたスタメン。GKポープ、3バックは左にレッドカード休暇から復帰の三竿、真ん中エンリケ、右に上夷。上夷は清水戦ではちょっと物足りなかったので意外な抜擢。ボランチは下田と長谷川のコンビ。左サイドは香川、右サイドに成長著しい井上健太を配置して、長沢ワントップの小林成豪と町田也真人がシャドーに入るいつもの3-4-2-1。ベンチメンバーは分厚くなっている印象。



対する浦和。宇佐神宮の加護が生んだSGGK西川周作が一時期スタメンを奪われるという衝撃の新人、若干18歳の鈴木彩艶の台頭が話題。飛び級でオリンピック代表に選出された後は再び西川周作がスタメンを奪い返した模様。オリンピック代表に選ばせようとする浦和の戦略とそれに応える若手GKは素晴らしい。しかしそれでもスタメンを奪い返す西川周作が更に素晴らしい。基本は4-2-3-1の並び。リカルド・ロドリゲス監督が落とし込んでいるポジショナルプレーが浸透し始めて結果が出ている。特に今シーズンはMF小泉とデンマーク人FWユンカーの補強が大当たり。



結果を出す上に見た目も王子様っぽく、日本に溶け込もうとツイッターで日本語でコミュニケーションを取るというマルチタスクっぷり。さらにうどん好きという、ピーターウタカのおでん好きに次ぐ分かり易さ。うどんでお祝いは安上がりで好感持てます。Jリーグで長く活躍しそうな条件を全部持っていて困る。ユンカーまじユンカー。このユンカーを止められるのかどうかが守備面の鍵でした。しかし、浦和は柏から江坂も補強したし、酒井宏樹も補強したのはえぐい。シーズン後半の台風の目になるんじゃなかろうか。


試合は昭和電工ドーム特有の暑さもあってか、清水戦に似た様子見しつつのローペースで始まった。前3枚がプレスに行く位置は諸条件が揃った時のみの設定であった印象。最終ラインから連動した守備になっていた。更にその中でユンカーを抑えるためにまず決定的なパスの供給元である小泉との関係性を分断。小泉に対しては強く寄せて自由を奪う。浦和は5レーン理論をベースとしたポジショナルプレーが浸透し始めたからこそ、我が軍のスペースを埋める5-4の守備ブロックにハマってしまい、さらにエンリケの個の能力がユンカーを抑えて手出しさせず、浦和がボールを保持するけれども深い位置に侵入出来ない状況を作り出せました。浦和の最終ラインからのボール回しがプレスに引っかかり、ショートカウンターを発動できるシーンを何度も作り出せていた。


そんな立ち上がり、試合が動いたのは12分、左サイドで西川周作からのピンポイントパスを受け損ねた浦和のミスにつけ込み、ボールを奪った三竿が小林成豪につなぎ、成豪がそのまま持ち込んでクロス。長沢がニアに走って浦和DF槙野をつり出し、裏に空いた広大なスペースに浦和殺しの異名を与えたくなる町田也真人が颯爽と登場。ヘディングシュートで先制点を決めた。久々のリーグ戦ゴールはまたしても町田也真人。これで勢いに乗れたトリニータはその後も再三決定機を作り出す。戦術が浸透してしまったからこそ対策しやすくなった浦和を逆手に取り、ショートカウンターを何度も発動。追加点を奪って試合を決めなければならなかったくらいの決定機を量産。素晴らしい内容の前半だった。追加点が欲しかったけれども。


後半も守勢に回り過ぎず、攻撃の意識を持ちながらカウンターを決めたかったのだけれども、浦和が先に動き、後半頭から杉本健勇を投入。2トップの4-4-2っぽく並びを変えて来たことで守備の狙いが分散されてしまって残念ながら守勢に回ってしまう。浦和に移籍してからの杉本健勇はすこぶる評価が悪くなっていますが、この試合は躍動して非常に厄介な存在でした。急に困る。移籍or残留アピールか何かだったんでしょうか。しかし、トリニータとしてはここで我慢できたことが大きかった。セットプレーでもやられなかったし、守備面ではこの試合はエンリケが本当に安定していて真ん中で跳ね返し続けた。パーフェクトなエンリケがユンカーを完封。個の能力だけなら昨年のメンバーよりもベースアップしている印象さえあって、苦しい時間帯の守備陣の我慢が勝利を手繰り寄せた。守備陣が素晴らしかった。若手の上夷、井上健太の右サイドコンビはようやくJ1で納得できる内容で応えてくれた。井上健太はクロスも縦への突破も一級品になりつつある。後はもうゴールを決めてしまって下さい。ようやく一皮剥けた、井上ズル剥健太に進化し始めた。遅い。シーズン頭からそうであって欲しかった。我が軍では大卒は即戦力。後半戦で取り返そう。



そして唯一の得点を生み出した町田也真人。毎試合イラっとする情報しか出さないOptaもこの日は良い情報出し。浦和キラー町田也真人がMVPです!つけ麺がMVPな訳がないだろ!試合後のヒーローインタビューも素晴らしかった!これからもどんどん大分県民を笑顔にして欲しい!



この成長し始めたメンバーでJ2に戻る訳にはいきません。坂も負傷離脱中、10番を背負う野村もまだ復帰していない、その中で呉屋を補強した。黒﨑や高山薫の移籍があったのでもう一人くらい、更に補強があるのかもしれない。なんだか急に盛り返せる気がしてきたな・・・。清水戦からもベースの戦術は変わってないけれども、1つ勝つだけで全く印象が変わるのがサッカーの恐ろしいところ。ボールの動かし方も板に付いてきたし、各々の能力は高いし、若手が主力になりつつあり、怪我人が戻れば急激にベースアップしそうな雰囲気。この流れで次の試合もすぐ・・・え?中断なの!?また中断前の試合だけ勝った感じです!?休みに入る前に駆け込みでキッチリ仕事するの何なの!そんなに気持ち良く休みたいの!?勝つなら何でも良いんだけれどもさ、しばらくお休みして、そして未消化である3節のガンバ戦を迎えるってことですね。呉屋がいきなり登場するか。伊佐も渡邉新太も元気だったので、髙澤を含めたより熾烈なメンバー争いを期待したい。ガンバ戦が非常に楽しみになってきました!期待して待ちましょう!



2021/07/07

2021年 天皇杯 3回戦 福井戦

【大分 2 - 0 福井】


しちしちしじゅうきゅう!意味も無く九九を叫ぶほど久しぶりの勝利。7月7日の七夕に、年に1度の勝利にならないで欲しいと願う訳ですが、とにかく天皇杯は見事生き残りに成功。JFAの気まぐれでYouTubeライブ配信があるという強運も良かった。天皇杯のことをブログに残せることは貴重です。YouTubeでも観れて本当に良かった。


スタメンはもう訳が分からない。そんなに人員不足でしょうか。ベンチメンバーも少数精鋭。延長戦なんて想定せずにキッチリとノー残業デーで帰る気満々のギリギリ構成。試合の入りは守備時4-4-2だと思われる。GKはキャプテン高木。羽田とペアで高畑がCBをやらされるというパワーハラスメント。若いので大丈夫。左は福森、右は松本怜の4バック。ペレイラと弓場がボランチで、左サイドに渡邉新太、右サイドに屋敷、ツートップが髙澤と藤本という組み合わせだったと思われます。たぶんもう二度とないスタメンだと思われます。激レア。GK西川がベンチ入り。GK西川。響きが良い。


対する福井ユナイテッド。サウルコス福井を引き継いで北信越フットボールリーグ1部を戦うクラブ。大分トリニータユース出身の選手も所属。ユース時代にキャプテンで、個人的にも試合を観たことがある宮地選手が在籍しており運命の再会かと期待されたが残念ながらベンチ外。どんなサッカーをするのか、全く分からなかったため楽しみではあった。


スタジアムは小雨もあって芝が輝く。開始7分、右からのクロスを渡邉新太がヘディングシュート、ポストの跳ね返りを藤本が詰めてこぼれたボールを再び渡邉新太が押し込んだ。幸先よく先制出来たことで落ち着いてボールを動かすことが出来、28分には自陣からボールを運んで崩し、髙澤がゴールを決めるという、なんか、そういうの、久々に観たな・・・・・みたいな追加点を決めて心の傷が癒える前半となりました。




後半は伊佐を投入し、追加点を狙うかと思いきや福井の反撃に防戦となり「2点差は危険なスコア・・・2点差は危険なスコア・・・」と心ここにあらず状態で念仏の様に唱え続けましたが、キャプテン高木の好セーブのお陰で無失点を維持。最後は刀根を投入してパワハラを受けていた高畑をサイドに戻して心のケアも完璧にこなしつつ、シャットアウトしてクロージングに成功。3回戦を突破して4回戦進出。天皇賜杯に一つ近づきました。


出場機会が限られる若手にとっては大変に貴重な公式戦の場。少しでも出場して経験値を詰めるように引き続き勝ち抜いて欲しい。心も癒える勝利でした。勝ちは良い。素晴らしい。しかし、毎回結果論で勝ったら評価され、負けると何をどうやったって酷評されるというプロの世界は本当に大変だなと、勝ったからこそそう感じました。今日のスタメンでもしも負けていたらボロッカスの評価になっていただろうし、正直なところ高畑をCBに起用するなんて片野坂監督もいよいよ思い切り過ぎだろうと怖かったのですが高畑が期待に応えてくれたのは大きかった。わざわざ乗り越えなくてもよかった山を乗り越えた感じがする。迂回できない事情があったのだろうか。連戦に出て来れる人員が少ない。しかし勝ったのだ。冷静になればなるほど勝って良かったと、勝利の味が滲み出る。



2021/07/05

2021年 明治安田生命J1リーグ 第21節 清水戦

【清水 1 - 0 大分】


残留に向けて最低でも勝ち点1を持ち帰らなければならない試合で敗北。清水を残留戦線に引きずり込むことに失敗。またもや陰鬱な週末が到来。韻も踏めていない体言止め3連続でブログを書き始める程に、もう既に残留争いどっぷり肩まで浸かってしまった。残留争いとの付き合い方は、何度経験しても慣れないものです。応援したいだけなのに、応援するのが辛くなる、それが残留争い。

現地に行くかどうか悩んだのですが、日曜日の夜で雨ということもあってDAZN生観戦。風邪引くと面倒なご時世なので無理はせず。前節の警告で三竿を欠くことが決定となったスタメン。上夷が左に入り、真ん中をエンリケ、右が刀根という3バックでのスタート。ボランチには待望の下田が帰還し、長谷川とコンビを組んだ。左には香川、右に井上、ワントップに長沢、町田と小林成豪のシャドーという構成。ベンチには戻って来た伊佐が入る。人員は戻って来ている感が出ている。


そしてそんな中、補強に動いた大分FC。会社は諦めてはいない。コロナで外国籍選手の獲得に時間が必要になってしまう今、J2から威勢の良い若手を引き抜くか、J1でくすぶっている人員を引き抜くかが基本路線ですが予想外のJ1半主力級を強奪。レイソルでケニア人やブラジル人に押し出され続けた呉屋を獲得。いったいどうやって抜いたのか。ニータンのぬいぐるみでもあげたのか。2019年のJ2で22得点という実績を持ちながら昨年J1ではオルンガの控えに回され、今年は長身ブラジル人FWの控えに回されちゃぁ燻りますよ。そこにヒソヒソ話を持って行く強化部。もともとJ2オールスターズ的な人員だったので欲しがってはいたはず。長崎時代にもオファーを出していたのではなかろうか。上夷も一度断られてからだったし、もしそうだとするとマンマークにしつこい強化部ってことでしょうか。完全移籍加入は良い仕事だ!お金はきっと無理してるぞ!


対するロティーナ監督率いる清水。前回対戦では初めてロティーナ監督から白星を奪うことに初めて成功。この試合は我が軍からの卒業生を一人も使わないという、編制と戦術のミスマッチを体現するかのようなメンバー構成。鈴木義宜は怪我だけどさ。移籍していったメンバーさ、活躍していないのは誰も得していないのでお互いに白目を剥くしかありません。皆で頑張って生き残ろうな。


試合はもう今まで観て来たロティーナ監督との試合に輪をかけてロティーナ監督じみた試合。表現が変だけれども、ロティーナ監督vs片野坂監督の戦術ボードで殴り合うような地味な展開。相変わらず一般人には向かない。伝えきれる自信がない。特にDAZNでは最終ラインでのボール回しを中心とした画作りになっているので前線のスペースで何が起きているのかが見えにくく、半ば諦めて「きっとこんな感じだろうな」で観るしかない。ボールが前線に出たらそこにはなぜかフリーの町田が降りている状態。お互いに過剰なリスクは避け、最終ラインでボールを保持し、諸条件が揃った時に非保持側がプレスをかけ、相手の動き方を見極めてボールを動かし続ける。スペースが空けばボールを供給して前進する、しかしお互いにロングボールも使う、セットプレーは厳格に。清水が守備時に5バックになることは準備万端感があった。清水のロングスローは雨で効果が薄くなっていた点はトリニータ側にとっての小さな利点であった。


前半、ほぼ安全に時間を潰したような両チームであったが後半に入って清水のCKから得点が生まれて試合が動き出す。小林成豪と渡邉新太を入れ替えて攻撃陣をリフレッシュさせた後、刀根と上夷を下げて羽田と伊佐を投入。4バック、長沢と伊佐の2トップに変更。あの手この手を尽くすも得点は生まれず、カウンターでとどめを刺されそうになる場面もあったけれどもGKポープが跳ね返す。最後の20分が最も分かり易く面白い内容になりましたが、残念ながら得点は奪えず。得点力不足に陥っているトリニータにとって、ロティーナ監督が率いるチームに先制されると厳しい。惜しかったけれども成長は感じた。特に全然節くらいからハマった感があった井上健太。明らかにクロスの精度が上がった。スプリント26回は両チームで群を抜いたデータ。練習で積み重ねているであろうことが表現でき始めたので後は縦への突破とシュートの意識ですよ、お前が決めろってやつです。若手が一皮剥け始めたのは良い傾向。


ハーフタイムに突然Optaが呟いたデータ。毎回うるせぇぞ、タイミングを考えろ。移籍直後に出せ、移籍直後に。当然呉屋さんにも期待しますけれども、昨年の知念さんもとにかく馴染むのに時間がかかったのでね、タスクを簡易化してお待ちしましょう。現体制への信頼感は揺るがないんですけれども、最後にゴールを決め、ゴールを守るのは選手達だとも思うんです。刺激を入れてみるのは良い事です。今日の羽田の最終ラインへの投入とか、羽田推しの私にとっては遅いくらいの感覚なんでね、オリンピックの中断期間を使って劇的に人選を変えて欲しい。劇的に。ゴールを守るフォーマットや仕組み、ゴールを決めるフォーマットや仕組み自体は提供できているという評価ですが、ここまで結果が出ないとなると両方が足りていないということです。チームを劇的に変える人材大歓迎状態です。っていうか羽田が頑張って3バックのスタメンに入って欲しい。


半分から下のチームからしか勝ち点を奪えていなかった前半戦を考えると、清水からも勝ち点を落とすとなると、もうこれ、劇的に促さないと間に合わないだろうけれども、劇的に変えていこう、劇的に。ひっそりゲン担ぎを止めてみてもあっさり負けるし、やっぱり困った時はケチャップを持参してスタジアムに行かないとゴールは生まれないし、ゲン担ぎも劇的に意識を変えて違うことを試してみよう。