2021/02/28

2021年 明治安田生命J1リーグ 第1節 徳島戦

【大分 1 - 1 徳島】
   
 シーズンあけましておめでとうございます。2021シーズンが遂に開幕しましたが、今年は事前情報がほぼ無く、新チームが完全に謎のベールに包まれたまま開幕を迎えたこともあってスタメンが非常に楽しみでした。新戦力と既存戦力をどう煮詰めたのか。ワクワクしながらのDAZN生観戦でした。生観戦の後も追加で1回観ました。替え玉カタめ観戦。

 

誰も予想できなかったであろうメンバーの組み合わせ。さらにゲームが始まると4バックの布陣。GKはキャプテン高木が開幕スタメン、サブはポープ。4バックは左から可愛い高畑、安定の三竿、新DFリーダー坂、前線に大きく出る小出という顔ぶれ。戦い方は継続だって各方面の媒体にあったのにまさかの4バックですよ。完全に裏をかかれました。ボランチの組み合わせは長谷川と小林裕紀のコンビ。右が新スピードスター井上、左に10番・古巣対戦となる野村が入る。2トップ気味に、ユニフォーム発表のYoutubeライブ配信があるのに昼寝・遅刻するほどの図太さNo.1髙澤と新潟から引き抜いた期待の渡邉新太。そしてこの準備してきた感満載の布陣が攻撃面で機能しないという、謎に謎を重ねる謎多きシーズンスタート。それなのに選手達には何故か余裕を感じるという謎の自信が。一体何なんだこの新チームは。


サブメンバーは13番を背負う伊佐、昨年仙台でトップスコアラーだった長沢、川崎から来た北斗の男・下田、子供おじさん町田、円熟味を増す最年長松本怜、シーズンオフに風貌が濃くなった刀根。これから即連戦に入るのである程度ターンオーバー気味なのではなかろうか。スタメン予想では長沢をワントップにする予想が多かったけれども、ベンチに置いてジョーカー的に使うのも良い。この試合は使うのが遅すぎたけれども。

 

対する昨年のJ2チャンピオン徳島。あの厳しいJ2で優勝するんだから弱い訳がない。主要メンバーはほぼ残留して順調にチームを作り上げた。にもかかわらずリカルド・ロドリゲス監督を浦和に引き抜かれるという無慈悲な仕打ちを受けた。新監督は未だ入国できておらず、暫定監督として甲本ヘッドコーチが指揮を執る。ヴェルディから補強の藤田譲瑠チマ、川崎から移籍した宮代が開幕スタメン。チマさんは昨年ヴェルディの試合をちょくちょく観に行っていたので万感の想いです。西谷がベンチにも居ない、10番渡井がベンチスタートが意外だった点。ピンポイントで補強した選手が開幕スタメンとなり、微修正が図られたようなメンバーでした。繋げるGK上福元、チームの心臓岩尾、デカくて速いエース垣田と背骨は変わらず。

 

 


問題の前半。守備時4バックでスタートになっていましたが、ボールを繋ぐことが出来なかった。4-4-2のブロックは久々に見た。片野坂体制ではJ3時代に4バックから始まったので懐かしい感じ。しかし、新しい戦術は不発。新戦術の守備がハマらず。ただ前半がダメダメだったこの試合も、90分トータルで評価するならば徳島が飛ばし過ぎたというのが妥当な評価なのではなかろうか。特に両サイド。おそらく3バックでも4バックでもボールは握れなかった気がする。無理せずボールを蹴り、うまくやり過ごせていたのかもしれない。


徳島のボールの持ち方は洗練されていました。決して我が軍から主力が抜けたから上手くいかなかった訳じゃない。J2王者徳島に対するリスペクトが足りない。4-4-2ブロックのラインに対して絶妙な位置取りであった。徳島は攻撃時、後ろ3枚でボールを回す時に、髙澤と渡邉の2トップは中盤と連動したプレスをかけられず、両サイドに振り分けられてボールを奪えない時間が長かった。鳴門ポジショナルプレーの渦に巻き込まれたのである。練度では徳島が一枚上手であった。 攻撃面では右サイドに井上健太を配置したけれども、そのスピードを活かすような形をあまり作り切れず、攻撃は鳴りを潜めてしまった。対峙した徳島のサイドを抑えるために守勢に。その裏を取って攻撃することが目的だったのだろうけれども、パスの精度も上がらなかった。


それでも守備は辛抱強くスライドして対応が出来ていたし、失点シーンも若干裏は取られたものの、崩された程でもなかったし、高木の思い切りの良さが悪い方向になってしまう「飛び出たけど触れない」が発動してしまっただけなので守備面ではギリギリ機能していたのではなかろうか。準備していたことは発揮出来なかったっぽいのが心配ではあるけれどもまぁ、始まったばかりですから!

 

前半飲水タイムの時点でトリニータは守備時5バックにしたので、甲本ヘッドコーチはそこに言及。徳島も呼応して攻撃時に後ろ4枚でボール回しをするようになっていた。前半だけで色々な攻防があり見応えはあった。

 

「でも、大丈夫」吉高由里子の声が聞こえる(※幻聴です)45分残ってますから。この試合は選手達に余裕を感じたんですよね。現状を正しく認識できているというか、2点くらい取れるだろ、こっちがダメならあっちでいくか的な。後半には理路整然としたモチベーションと深みと自信を感じた。後半から町田を投入したトリニータは再度意思統一。徳島のサイドバック吹ケが55分で交代したこともハードワークなタスクがあったことを物語る。得点はこの交代の直後に発生。最終ライン坂から右サイドに鬼フィード炸裂。爆速で追いつく井上健太。折り返しを町田がシュート、こぼれ球を渡邉新太が押し込んでJ1デビュー戦での初ゴールを決めた。

 

渡邉新太を育ててくれた新潟ありがとう。アイシテルニイガタ。攻守にMVP級の仕事っぷりだった!先に手を打ったはずの左サイドから崩壊してしまった徳島。采配が逆効果となってしまった。後半の早い時間帯に追いつけたトリニータにとっては守備もハマって高い位置でボールを奪えた場面もあり、逆転までの道筋が見えたはずであったが、お互いに交代枠を使い切っても決定打を出せず。このまま痛み分けでドローとなりました。もう1点が取れそうで取れない両軍。コーナーキックが何度か取れたのに長沢を投入出来なかったのは惜しい。イエローカードが0枚と、クリーンで面白い試合であった。最小限しか笛が吹かれない、VARにも依存させず、清水勇人主審が素晴らしかった。


開幕戦を白星で飾れれば勢いと自信が付きますが、どっちつかずの引き分け。どう評価すべきかまだ分からないことが多い。でも今日の内容を観た印象だと「徳島やりそう」と「大分は面白くなりそう」なんですよ。特に坂よ、坂。思い切ったフィードが良い。判断の速さと思い切りの良さ。選手の強みを活かしたチーム作りを行うのであれば、素晴らしい武器を手に入れた。あの武器があれば右サイドに井上健太を使いたくなる。


この試合は不発に終わった「新しい守備」がハマるとどうなるのか観てみたい。開幕戦をピークにするわけがないので、これから色々な選手が順次出場していくと思われます。未だほとんどがベールに包まれたまま、という印象の大分トリニータ。まだ何か沢山隠している気がする。今日の4バック発動により、次の試合から大分トリニータ対策が面倒になっていくことは必定。シーズンを通して俯瞰して観るならば、謎が多い方が対策はされにくい。そのための前半だったのかもしれない。謎のままシーズンが終わらないことを祈りましょう。事実、すぐにルヴァンカップですがスタメンが全く予想できない。ターンオーバーで出て来るメンバーも楽しみ。新シーズン、始まりました。今年も良いシーズンにしましょう。一致団結!



2021/02/25

2021年 J2順位予想(完結編)


J2戦力分析の後半です。最後に全順位の予想をしています。前編はこちら。 
長いので、暇な時にお付き合いください。


【松本山雅FC】
1年でのJ1復帰計画を盛大に失敗してしまった松本山雅。布監督で結果が出ず、21位にまで下位に低迷し途中解任。布を切って服を作れず。終盤に立て直すも13位で終了。巻き返しを図る今シーズンは選手をごっそり入れ替えた。ごっそり感は全カテゴリ含めてNo.1の作り直し感。監督は昨季途中から就任した柴田監督が継続。FWルカオ[←鹿児島]、FW山口 一真[←鹿島]、FW鈴木 国友[←湘南]、MF前 貴之[←横浜FM]、MF佐藤 和弘[←大分]、MF田中 パウロ淳一[←山口]、MF外山 凌[←水戸]、MF小手川 宏基[←大分]、MF平川 怜[←FC東京/期限付き移籍]、FW戸島 章[←横浜FC]、MF河合 秀人[←琉球]、MF表原 玄太[←徳島]、DF篠原 弘次郎[←福岡]、DF浜崎 拓磨[←仙台]、DF常田 克人[←仙台]などが主要な補強。セルジーニョとは契約更新せず。戦力は十分上位も問題は戦術。松本山雅のサッカー=反町監督のサッカーから脱却できるかどうか。ルカオ、阪野、戸島など強いFWに縦に蹴るサッカーの編成になっているけれども、そこから脱却しなくてよかったのか。J2の潮流からするとオールドスタイルに感じるが、逆にハマりそうな気もする。J2の中では資金のあるクラブだけが行えるパワー系戦術を徹底した方が近道との判断か。J1で生き残れなかったから違うスタイルを模索するんじゃなかったのかという気もするけれども昇格が先ってことでしょうか。上位に迫れるか。 


【アルビレックス新潟】
ブラジル人とスペイン人の酒気帯び運転でゴタゴタしました。ナニシテルニイガタ。10月半ばに2名を契約解除。予期せぬ主力の抜けっぷりでキッチリ終盤に失速。事件発覚を隠ぺいも逃げ切りに失敗。カクシテタニイガタ。Jリーグから罰金300万円とけん責処分まで食らってJ2生活を延長。4位まで順位を上げていたので悔やんでも悔やみきれない。事業規模が急激に小さくなるプレッシャーの恐ろしさの前で悪魔が囁いたに違いない。アルベルト監督の体制を維持して戦術的には不安要素は少ない。FW渡邉 新太[→大分]、DFマウロ[→CDテネリフェ(スペイン)/期限付き移籍期間満了]、MFシルビーニョ[→未確定]、DF柳 育崇[→栃木]、GK大谷 幸輝[→札幌]、FW鄭 大世[→清水/期限付き移籍期間満了]、DF新井 直人[→C大阪]と流出した戦力もあるが、悩みに悩んだ本間至恩の慰留に成功。更にDF長谷川 巧[←金沢/期限付き移籍期間満了により復帰]、MF島田 譲[←長崎]、DF星 雄次[←大分]、DF田上 大地[←柏/期限付き移籍期間延長]、DF岡本 將成[←鹿児島/期限付き移籍期間満了]、MF高 宇洋[←G大阪]、FW谷口 海斗[←熊本]、MF藤原 奏哉[←北九州]、FW鈴木 孝司[←C大阪]、DF千葉 和彦[←名古屋]とJ2で計算できる戦力も確保。J3得点王谷口海斗はJ2でどこまでやれるか楽しみな存在。GK小島 亨介[←大分/期限付き移籍期間延長]も引き続き修行が続きます。夏場に新たに飲酒運転をしない外国人を獲得する勇気と余裕があれば上位から抜け出せる余地もありそう。星の決定力が上がれば余裕で昇格なんだけれども。


【ツエーゲン金沢】
18位と柳下監督の体制下では最も下位に低迷した結果となってしまった。5年目となったヤンツーのマンツーディフェンス集大成のシーズンとしたいところだが、得点源であったFWルカオ[→鹿児島/期限付き移籍期間満了]、FW加藤 陸次樹[→C大阪]を失った。FW瀬沼 優司[←横浜FC]、FW丹羽 詩温[←愛媛]と似たタイプをそれぞれ獲得して穴埋め。守備陣もDF長谷川 巧[→新潟/期限付き移籍期間満了]、DF杉井 颯[→柏/育成型期限付き移籍期間満了]、DF下川 陽太[→松本/期限付き移籍期間満了]が抜けた穴をDF松田 陸[←G大阪]、DF庄司 朋乃也[←C大阪/期限付き移籍]で埋める。庄司は3年振りにレンタルで復帰のため順応は問題無し。MF嶋田 慎太郎[←大宮/期限付き移籍]や大卒・高卒も獲得しており人員は純増。強化部が有能な印象。昨シーズン57得点出来たが若干減るのではなかろうか。その分失点を抑えれば中位以上のポテンシャルはありそう。 


【ジュビロ磐田】
一度も昇格圏に届かないまま、夏以降に失速。フベロ監督を解任して鈴木政一が監督として3度目の現場復帰。遠藤を獲得してシーズン中の巻き返しを図るも6位フィニッシュとなった磐田。MF上原 力也[→仙台/期限付き移籍]、FW中野 誠也[→大宮]、DF櫻内 渚[→神戸]、DF藤田 義明[→現役引退]と若干の主力の流出はあったものの、他はほぼ慰留に成功している。FW大津 祐樹[←横浜FM]、MF遠藤 保仁[←G大阪/期限付き移籍期間延長]、DF山本 義道[←横浜FM]、MF鈴木 雄斗[←川崎F]とベースアップ。遠藤のレンタル延長は大きな要素。187センチのコロンビア人FWファビアン・ゴンザレスが第2のオルンガとなれば止められなくなるのではないか。突出した戦力の印象。


【京都サンガF.C.】
新スタジアムで再スタートを切った京都だったがコロナ禍で満員となることは無く、8位で終わる寂しい結果に。数年間の強化方針の迷走を遂に断ち切る時が来たのか、曺貴裁監督を招聘。パワハラ問題でS級ライセンスの1年停止が明け、Jの舞台に帰って来た。再起のチャンスが与えられるリーグであることは良い事です。敢えてそこに手を突っ込みますか?ってところに突っ込んだので結果で黙らせなければなりません。強化部はコーチに長澤徹などS級保持者を3名揃えており、今年もS級揃えれば何とかなるだろ路線。FW武富 孝介[←浦和]、MF中川 寛斗[←湘南]、MF松田 天馬[←湘南]と曺監督のかつての教え子を呼び寄せつつ、MF武田 将平[←岡山]、MF三沢 直人[←鳥取]などJ2で頭角を現しそうなメンバーも追加。J2得点王ピーターウタカ、ヨルディバイス、庄司も残留しており戦力は充実。問題はピーターウタカが果たして曺監督のスタイルに合うのかどうか。得点の柱がどこまで走れるか。ウタカをベンチに置いておく采配も考えられる。試合を作るメンバーと試合を決めるメンバーで上手く回せば上位進出は間違いなさそう。


【ファジアーノ岡山】
17位と低迷した岡山。問題は明らかに得点力不足。慰留に成功したエースのイヨンジェが怪我がちで6得点しかできず、大ブレーキとなった。しかし、逆に6得点しかできなかったが故に今年も慰留に成功。もし20得点していたらJ1に引き抜かれていたかもしれず、この過酷なレギュレーションの中では災い転じて福となるのではないか。大きな穴となってしまったGKポープ ウィリアム[→川崎F/期限付き移籍期間満了]の移籍には、GK梅田 透吾[←清水/育成型期限付き移籍]の獲得で対応。良い補強。FW川本 梨誉[←清水/育成型期限付き移籍]、MF宮崎 幾笑[←FC東京/期限付き移籍]、DF河野 諒祐[←水戸]、DF井上 黎生人[←鳥取]と若い人材も確保。昨年も有馬監督のもとでそれほど失点が多くない守備は作れていたので、19年のようにイヨンジェが18得点すれば上位進出は可能。エースに期待がかかる。イヨンジェが覚醒して躍進するとJ1に引き抜かれる気もする。そのリスクを考慮すると上~中位か。


【レノファ山口】
最下位に終わったレノファ山口。ほぼ序盤から浮上しないまま降格のないシーズンを消化しただけになってしまった。霜田体制終了。しかし霜田監督はレノファ山口に面白い遺産を残した模様。「レノファの流儀」と銘打たれた共通指針。以下引用。

レノファの流儀とは「クラブが創出した共通指針RENOFA PLAY MODEL に基づき、アカデミーからの選手育成、トップチームの編成及び強化をするため、全カテゴリー指導者の意思統一を重視し、クラブ独自の方法で強化を進めていく。それがレノファの流儀である。」
●同じ能力、同じレベル、同じコンディションであれば、一歳でも若い選手を 起用し、経験値向上で成長を促し、選手の価値を上げる。 
●チームのために働いてくれる、選手に好影響を与えるベテラン選手は、1年でも長く選手生活を続けられるように成長を促す。
●スタッフは、選手全員を成長させることを常に考えて行動する。

 と、定義されており、その上でかなり詳細なプレーモデルが定義されている模様。取り組みが面白い。この流儀に則って招聘したのが渡邉晋監督。仙台では残留重視で諦めざるを得なかった戦術を、今度は我慢強く発揮できるか。メンバーは半分近いほど入れ替わった。DF安在 和樹[→鳥栖/期限付き移籍期間満了]、FWイウリ [→ポルティモネンセ(ポルトガル)/期限付き移籍期間満了]、MF高 宇洋[→G大阪/期限付き移籍期間満了]、GK林 瑞輝[→G大阪/期限付き移籍期間満了]、MF田中 パウロ淳一[→松本]DFサンドロ[→未確定]、MF吉濱 遼平[→岐阜]が移籍し、MF島屋 八徳[←徳島]、MF石川 啓人[←鳥栖]、FW岸田 和人[←岩手/期限付き移籍期間満了]、MF田中 陸[←柏]、DF渡部 博文[←神戸]、FW高木 大輔[←G大阪]、MF澤井 直人[←東京V]、DF高橋 秀典[←大阪体育大]、MF佐藤 謙介[←横浜FC]、GK関 憲太郎[←仙台]、MF川井 歩[←広島] 、FW小松 蓮[←松本/期限付き移籍期間延長]が加入。残留したメンバーを含めると全体的なバランスは上がっている印象。新監督と巻き返しを図るシーズンとなる。戦術浸透をいかに早めるかが鍵。1桁順位を目指して狂いたまえ。 


【愛媛FC】
21位と通常なら降格圏で終わってしまった愛媛FC。オレンジ色のチームが災難の年でした。川井監督体制が完結。和泉茂徳監督として内部昇格。前京都監督の實好コーチも就任。もう一人のコーチ青野慎也も愛媛FCのOB。現場首脳陣がオール愛媛出身という愛媛愛布陣で新シーズンを迎える。愛媛愛。愛が多い。MF渡邊 一仁[→現役引退]、GKパク ソンス[→大邱FC(韓国)]、FW丹羽 詩温[→金沢]、DF山﨑 浩介[→山形]、FW有田 光希[→甲府]、GK原 裕太郎[→現役引退]、MF長沼 洋一[→広島/期限付き移籍期間満了]、DF西岡 大輝[→現役引退]が移籍。MF前田 凌佑[←大分]、MF森谷 賢太郎[←磐田]、GK秋元 陽太[←湘南/期限付き移籍]、MF榎本 大輝[←名古屋/期限付き移籍]、DF浦田 延尚[←松本]、DF大谷 尚輝[←町田/期限付き移籍]、DF内田 健太[←甲府]、MF近藤 貴司[←大宮/期限付き移籍]、MF川村 拓夢[←広島/期限付き移籍期間延長]で戦力を補う。GKは岡本が残留しているのに秋元を獲得しているのはJ2では贅沢の極み。前年よりもベースアップだが、監督の手腕は未知数。愛媛に根付きつつあったパスサッカーは継続されるのか。中位を目指す戦力。 


【ギラヴァンツ北九州】
J3を優勝し、J2に昇格したシーズンで5位に大躍進。一時は首位になるなど昇格してしまうんじゃないかくらいの勢いであった。流石は「昇格請負人」小林伸二監督である。しかし残念ながらギラヴァンツ北九州、お金がありません。活躍した主力が流出。GK後藤 大輝[→大宮/期限付き移籍]、MF加藤 弘堅[→東京V]、MF川上 竜[→相模原]、GK高橋 拓也[→讃岐]、DF福森 健太[→大分]、FWディサロ 燦シルヴァーノ[→清水]、MF藤原 奏哉[→新潟]、GK永井 堅梧[→松本/期限付き移籍期間満了]、MF國分 伸太郎[→大分/期限付き移籍期間満了]、FW町野 修斗[→湘南]、FW鈴木 国友[→湘南/期限付き移籍期間満了]、MF椿 直起に至っては海外移籍。ほぼ全員の給料が上がる移籍になっているのが恐ろしいポイント。GM兼任の小林伸二監督の手腕の確かさです。そうなると育てたいクラブの思惑と、育ちたい個人が自然と集まるクラブになってしまう。FW富山 貴光[←大宮/期限付き移籍]、MF前川 大河[←C大阪]、DF本村 武揚[←千葉/期限付き移籍]、DF乾 貴哉[←千葉]、MF針谷 岳晃[←磐田/期限付き移籍期間延長]、DF永田 拓也[←東京V]、GK志村 滉[←磐田]、MF髙橋 大悟[←清水/期限付き移籍期間延長]、MF西村 恭史[←清水/育成型期限付き移籍]、GK加藤 有輝[←大宮/期限付き移籍]、FW平山 駿[←法政大]、MF六平 光成[←清水]、DF藤谷 壮[←神戸]、GK吉丸 絢梓[←神戸]、MF井澤 春輝[←浦和]、DF生駒 仁[←横浜FM/期限付き移籍期間延長]、FW狩土名 禅[←明治大]、DF前田 紘基[←東海学園大]と大卒生含めて燻っている若手有望株が一斉に集まった。選手の入れ替わりがあるため、スタートダッシュが出来ない分昨年よりは勝ち点を落とすと予想するけれども、大きく順位を落とすとも思えない。中位から上位を目指せるチームではなかろうか。 


【V・ファーレン長崎】
昨年3位と惜しくも昇格を逃した長崎。勝ち点80を得て昇格できなかったのはご愁傷様ですとしか言いようがない。手倉森監督が退任し、吉田孝行が内部昇格でコーチから監督に就任。基本路線を継続しつつ、主力もほぼ慰留に成功。MF氣田 亮真[→仙台]、FW畑 潤基[→栃木/期限付き移籍]、MF吉岡 雅和[→福岡]、MF島田 譲[→新潟]、MF新里 涼[→水戸]、DF庄司 朋乃也[→C大阪/期限付き移籍期間満了]、DF角田 誠[→ポルベニル飛鳥]、GK古賀 貴大[→アルビレックス新潟シンガポール]、DF徳永 悠平[→現役引退]がチームを離れるも、FW山崎 亮平[←柏]、MFカイオ セザール[←川崎F]、GK高木和 徹[←清水/期限付き移籍期間延長]、DF新里 亮[←磐田]、GK原田 岳[←横浜FM/期限付き移籍]、MF加藤 大[←新潟]、FW都倉 賢[←C大阪]、FWエジガル ジュニオ[←横浜FM]を獲得。レンタルだったエジガル ジュニオの獲得は大きいし、ルアン、カイオ セザール、フレイレと外国人4人がスタメンを張りそうなのが恐ろしい戦力。そこにきて都倉まで獲得しているので得点力に関してはJ2屈指とみる。この戦力でダメなら吉田孝行監督がダメってことです。神戸での監督の印象が評価しづらく、本当の監督としてのセンスが問われるシーズンとなりそう。頑張れ俺たちの吉田。


【FC琉球】
16位で終わった最南端J2クラブ。引き続き樋口監督が指揮を執る。風間(父)がセレッソの育成役職に就いたため風間家大集合の予想はハズレ。しかし、中川風希という違う種類の風を獲得。風が凄い、風が。清武功輝も獲得して中盤に非常に面白いタレントが揃っている。DF鈴木 大誠[→徳島/期限付き移籍期間満了]、MF小野 伸二[→札幌]、MF河合 秀人[→松本]、MF山口 和樹[→長野]、MF小泉 佳穂[→浦和]と戦力の流出は最小限の留めることが出来た。MFハモン[←鳥取/期限付き移籍期間満了により復帰]、FW赤嶺 真吾[←岡山]、MF中川 風希[←京都/期限付き移籍]、MF市丸 瑞希[←G大阪]、MF清武 功暉[←徳島]、FW清水 慎太郎[←岡山]、MF澤田 将[←サバデル]と新戦力を獲得。大卒生も3人を獲得しており即戦力の層は厚くなった印象。中盤に風を起こせれば中位以上が見えてくる。世代が近い中盤の選手がピークを迎えるであろう円熟期で揃えられているのは興味深い。J2屈指の中盤になる可能性と風を感じる。風の時代です。



以上、22チームの戦力分析が完了。改めて感じたことですが、J3に存在したセレッソ、ガンバ、FC東京のU-23チーム消滅により若手の移籍が活発化したという印象。有望株が全国でJ2に挑戦している。野心が凄い。面白いリーグになりそう。 そして今年のJ2で意識しなければならないことはやはり4チームが降格するという厳しいレギュレーションであること。J3に降格する訳にはいかない。例年よりもリーグの中で下半分の戦力となっているクラブはシーズンが経過するにつれてより守備的な特徴が出ると推測している。そのため、より具体的に得点を奪い切る能力を持っているチームが勝ち残るリーグになると予想しました。引き分けが増える堅いリーグになりそう。そしてさらに、J2に残留できたとしても来年はJ1を経験した4チームが上から落ちてくるという超絶厳しいリーグになることが確定している。濃縮還元確定。昇格するなら、今年。今年が一番のチャンス。無理をしてでも夏に追加補強するチームも出てきそう。それを加味した今年の順位予想です!今年は全部予想してみました!


【1位】ジュビロ磐田
得点を取る具体的な方法を最も確立しそう。187センチのファビアンと遠藤が猛威を奮う。
【2位】FC町田ゼルビア
FWが豪華。テセ、ドゥドゥ、アーリアジャスールにさらに業績の良いサイバーエージェントマネーが夏に炸裂する可能性がある。今シーズンのサプライズ枠。
【3位】V・ファーレン長崎
エジガルジュニオを中心とした得点力があるので昇格は義務。あとは監督の腕次第。
【4位】モンテディオ山形
粘り強さで上位は間違いない。アラウージョが素晴らし過ぎて、移籍で抜かれて伸び悩むイメージ。 
【5位】ヴァンフォーレ甲府 
三平さんがいるから上位。FWウィリアンの合流遅れが響く。 
【6位】松本山雅FC 
身体が強いFWはいるけれども、得点出来るFWなのかどうか。ロングボール以上の戦術がイメージできず、勝ちきれない試合がどうしても出るのではないか。
【7位】京都サンガF.C.
得点王ウタカの使い方と戦術のバランスがイメージし辛い。少し時間がかかりそう。
【8位】アルビレックス新潟
夏にFWを獲得出来れば上位に抜ける可能性はあるけれども、勇気と資金が足りるか。 
【9位】ジェフユナイテッド千葉
負けないけど、勝てない気がする。得点力不足。 サウダーニャがハズレならこのレベル。当りなら昇格ですよ。
【10位】東京ヴェルディ
上位には勝つけど、下位に勝ちきれない。そんな癖の強い戦術なので伸び悩むと予想。
【11位】ファジアーノ岡山 
イヨンジェ次第となりそう。調子が良ければ上位に行けるけど、調子が良すぎるとJ1に引き抜かれて結局真ん中あたりに落ち着きそう。
【12位】大宮アルディージャ
大宮が一番分からない。一番予想出来ない。全然分からないから真ん中あたりに置きました。戦術と選手が揃っているのかどうかが全く分からないので自信がありません。
【13位】ギラヴァンツ北九州
今年は苦しむと予想。得点力がどうなるのかが推測できなかった。リスペクトを受けてしまう。対策するクラブが増えるので引き分けが多めになるのではないか。
【14位】水戸ホーリーホック
とにかく明るい秋葉監督がしっかりとチーム作りを行うけれども、誰が得点を取るのかがイメージできず、中位以下に。
【15位】レノファ山口 
今年はベースを作る年。試行錯誤、右往左往するだろうけれども渡邉監督を信じて待てれば来年が楽しみ。 
【16位】FC琉球 
中盤が面白そう。台風並みの風が起これば上位まである気がする。
【17位】栃木SC
ストーミング戦術が今年のJ2にハマるかどうか。今年繋ぐチームが増えるのかどうか。蹴っちゃう気がする。繋ぐチームが増えれば大躍進の可能性はある。環境依存型なので読めない。
【18位】ブラウブリッツ秋田
安定感はあるチームであるはず。昨年の北九州のようにサプライズチームになる可能性はある。余裕で残留しそうな気はする。
【19位】ツエーゲン金沢
 失点が減るイメージはあるが、得点を決め切れるタレントが少ない。瀬沼がどこまで引っ張れるか。
【20位】ザスパクサツ群馬
手堅いイメージはあるのだけれども、大黒柱の31歳大前が2桁得点出来るのかどうか。 
【21位】SC相模原 
ブラジル人FWは2人居るんだけれども、J2で得点出来るタイプなのかどうかに懸念があった。 
【22位】愛媛FC
 FWに2桁得点を期待できそうな人員が少ない。集団で得点を目指す場合、やはり監督の手腕が未知数だから分からないというのが率直な印象。 



以上、誰も得しない順位予想でした。得点力が全て、という予想です。一応、お伝えしておきますと私、予想、当たったことがありません。逆ジンクスが発動する可能性がありますので、全チームに昇格と降格の可能性が残るということだけはお伝えしておかなければなりません。意外なチームが降格するのではなかろうか。そして来年のJ2が末恐ろしい。J2怖い。今年J1に生き残る意味を悟るには十分なJ2戦力分析となりました。開幕まであと少し。今年もJ2が楽しみです。


2021/02/20

2021年 J2 順位予想(前編)

なぜ毎年J2の順位予想をしたがるのか?そこにJ2があるからだ。ということで(※どういうことだ)J2の順位予想を今年もやってみたいと思います。J3で活躍すればJ2クラブに引き抜かれ、J2で主力になればJ1に引き抜かれ、J1で活躍すればJ1上位クラブに引き抜かれ、J1上位クラブで活躍すれば世界に引き抜かれるという、全クラブ総引き抜かれ状態。Jリーグ全体が弱肉強食の食物連鎖で繋がり始めた印象が濃くなった2021年。世界のフットボール市場にしっかりと組み込まれた結果であり、喜ばしいけれども地方クラブには厳しい現実でもある。


成長著しい日本サッカー市場において、夢が詰まりまくっているJ2こそ日本サッカー界の未来なのかもしれない。ということで分析と予想を行っておきます。今回も長い。22チームもあって長すぎるのでまずは前半編11チーム。2020年の結果から振り返り。

 
私の2020年予想は完全に外れました。予想は

【自動昇格圏内】千葉&松本山雅
【プレーオフ圏内】福岡&磐田&岡山&ヴェルディ

だったのですが、プレーオフ圏内に選んだ福岡と磐田がかろうじて上位に入ったものの松本と千葉がビックリレベルの13位&14位フィニッシュ。資金力あるクラブなのに!岡山もヴェルディもぱっとしない結果に終わってしまいました。分析力皆無を露呈。伸びしろです、伸びしろ。2021シーズンのJ2は上位2チームが自動昇格、下位4チームが自動降格となる最恐レギュレーション。恐ろし過ぎる魔境J2。まずは22チームを戦力分析。戦力分析後に、後半で順位予想という流れにしたいと思います。 


【ブラウブリッツ秋田】
悲願のJ2昇格を達成したブラウブリッツ秋田。J2ライセンス未交付の状態で優勝した2017シーズンから3年、沼津を率いていた吉田監督が就任した2020シーズンに大爆発。開幕から28試合無敗という秋田無双状態でJ3最速の昇格を達成。とにかく負けなかったチームは遂に正式なライセンスと共にJ2へ駆け上がった。補強面ではまるでJ3オールスターズ路線の如く、各クラブの主力をぶっこ抜いた。FW吉田 伊吹[←長野]、DF増田 繁人[←藤枝]、FW武 颯[←富山]、MF稲葉 修土[←富山]、FW才藤 龍治[←相模原]、MF普光院 誠[←沼津]、MF國分 将[←八戸]とJ3通には名の通っているメンバーを補強。堅守の要であったDF韓浩康が横浜FCに引き抜かれたものの、J3の完全な主力を多く獲得出来たことでベースは上がっている。J3を2度制覇したナマハゲクラブがJ2へ殴り込み。降格しそうだと泣く子はいねぇが!!J3チャンピオンチームはほぼ生き残っている実績があるので底堅い。J3でほぼ負けていないチームなのだ。ナマハゲ残留は当然でナマハゲ旋風を起こしそう。中位以上を予想。ちなみに林容平は関東1部リーグのブリオベッカ浦安へ移籍。都並さんが監督やっているクラブ。1つ目から長ぇ。 


【モンテディオ山形】
7位に終わった石丸監督が率いる山形。シーズン序盤に勝ちきれなかったものの、負けもしなかった粘り強さが終盤の盛り返しに繋がった。特に尻上がりにフィットしたブラジル人FWヴィニシウス・アラウージョの残留が心強い。MF渡邊 凌磨[→FC東京]、FW大槻 周平[→千葉]、MF末吉 塁[→千葉]、MF中村 駿[→湘南]と主力が抜かれてはいるものの、ベースを残しつつ的確な補強が行われた。MF藤田 息吹[←松本]、MF堀米 勇輝[←千葉/期限付き移籍]、MF國分 伸太郎[←大分]、GKビクトル[←相模原]、MF山田 康太[←横浜FM/期限付き移籍]と的確オブ的確な人選。この補強は正義。ヴィニシウス・アラウージョは既に入国済みなので序盤から活躍すれば山形の上位進出は揺るがないのではないか。戦力は上位。懸念事項はそのアラウージョがJ1あたりに引き抜かれたりしないかどうか。特にFWを国内から探すであろう浦和に注意。弱肉強食。


【水戸ホーリーホック】
9位と立派な結果を残した水戸。とにかく明るい秋葉監督にポジティブに率いられ、走りまくる伝統のハードワークチームとなった。が、やっぱり主力は抜かれました。もともと期限付き移籍が多い人員構成だったので想定内ではあるものの、DFンドカ ボニフェイス[→東京V]、MF外山 凌[→松本]、MF河野 諒祐[→岡山]、GK松井 謙弥[→C大阪]、GK長谷川 凌[→秋田]とプロパー社員も移籍。連戦の中、ターンオーバーしまくって派遣社員を育成したのに育てば巣立つの繰り返し。最も市場価値を高めたMF山田 康太[→横浜FM/期限付き移籍期間満了]は山形に、FW山口 一真[→鹿島/期限付き移籍期間満了]は松本へ移籍。それでもとにかく明るい秋葉監督は、水戸は揺るがない。Jリーグ屈指の人材育成永久機関。1桁順位を目指して育成&チャレンジ。


【栃木SC】
残留争いをギリギリ勝ち抜いた一昨年から躍進の10位フィニッシュとなった田坂栃木。ストーミングというカタカナで表現されただけの超絶ブラックな肉体労働を強いたスタイルが栃木に根付くかどうかの田坂体制3年目。資金を与えなかった場合の田坂さんの針の振り切り方がハマった時の恐ろしさよ。その先鋭化された過酷な肉体労働を涼しい顔でやり過ごした男たちが個人昇格。DF田代 雅也[→鳥栖]、DF黒﨑 隼人[→大分]、MF明本 考浩[→浦和]と中核であった伝説のバイトリーダーたちがJ1正社員に昇格。DF柳 育崇[←新潟]を残留移籍させられたことはプラス。MF上田 康太[←岡山]が補強の目玉。期限付き移籍と大卒生で補充されたバイト達は無事にブラック企業で一人前となれるか。乗り越えられれば日本代表だって夢じゃない!(※ブラック企業にありがちな勧誘)中位から上を目指す戦力。


【ザスパクサツ群馬】
J3から2位で昇格した群馬は昇格した年に20位で終了。降格圏からはかなり差のある20位なので十分な残留圏内という結果を残せた。主力の大半の慰留に成功。MF飯野 七聖[→鳥栖]、DF岡村 大八[→札幌]、MF宮阪 政樹[→長野]、FW林 陵平[→現役引退]と抜けた主力の穴はFW髙木 彰人[←G大阪]、DF畑尾 大翔[←大宮]、FW北川 柊斗[←山形]、DF藤井 悠太[←福岡]、MF久保田 和音[←松本]と似たタイプの選手の獲得に成功。U-23系の選手やベテラン勢などコストパフォーマンスが高い選手が多い印象。大半の主力が残り、奥野監督の体制も維持。ベースアップな気はするんだけれども、大前に頼り過ぎな印象も。大前抜きではオーソドックス過ぎてしまうことが懸念点。古き良きJ2のチームという印象。下位から抜け出して中位になりそうな戦力。


【大宮アルディージャ】
岩瀬健です、岩瀬健。我が軍から誰も連れて行かなかった岩瀬健コーチが大宮の監督に就任。我が軍から誰も連れて行かなかったんです。これは漢気なのか、我が軍に欲しい選手が居なかったからなのかは不明ですが新監督に目を付けた大宮強化部の野心は如何に。強化部界隈での評価が高いことは伺える。大分の強化部もヘッドコーチに招聘した岩瀬健ですから、基本はボールを握る思想を持っているはず。北嶋秀朗コーチらと作る大宮はどんな戦術になるのか。FW中野 誠也[←磐田]、FW矢島 輝一[←FC東京]、DF櫛引 一紀[←広島]、DF馬渡 和彰[←川崎F]と補強。ベースの選手は残留しているんだけれども、果たして岩瀬健スタイルに合っているのかどうかの懸念が大きい。イバが活きるのだろうか。高木琢也監督向け素材感が残る大宮で、岩瀬健監督がどこまで手腕を発揮できるのか。期待と不安が入り混じる。上がるか落ちるか両極端な結果になりそう。戦力は上位進出へ十分も戦術浸透までの時間が必要なのと、戦術に適切な人員構成なのかどうか。結局中位だろうか。


【ジェフユナイテッド千葉】
キングオブJ2俺たちのジェフ。あんなに勇猛な秋田犬の顔をモチーフにしたユニフォームデザインだったのに、座敷犬のような弱さで終わったジェフ。14位が許される強化費ではない。ユンジョンファン監督が就任して優勝候補に推したのに!12年目のJ2生活で干支一周。レジェンドFW佐藤 寿人[→現役引退]、DF増嶋 竜也[→現役引退]、MF田坂 祐介[→現役引退]とベテラン勢が退き、FW山下 敬大[→鳥栖]、DF鳥海 晃司[→C大阪]、MF為田 大貴[→C大阪]、FWクレーベ[→横浜FC]と中核だった選手達は個人昇格。MF小林 祐介[←柏]、DF溝渕 雄志[←栃木/期限付き移籍期間満了]、DF伊東 幸敏[←鹿島]、MF末吉 塁[←山形]、FW大槻 周平[←山形]、DF小田 逸稀[←鹿島]、DF鈴木 大輔[←浦和]、MF福満 隆貴[←C大阪]、FW岩崎 悠人[←札幌/期限付き移籍]と補強はしたけれども果たしてユンジョンファン好みのハードワーカーとなるか。川又と船山が残留しているけれども、昨年の得点も少なく、今シーズンは得点力が計算できなさ過ぎる。FWマテウス サウダーニャ[←ECバイーア(ブラジル)]を獲得しているが実力不明。誰が得点するのか、全く見えないのが今年のジェフのアキレス腱。あれ?大丈夫?ジェフ大丈夫?ちばぎんカップが開催見送りになったことで詳細不明。守備は大丈夫。あとはサウダーニャが当たりであれ!


【東京ヴェルディ】
夏場までは好調だったヴェルディも終わってみれば12位。遠征できなくなった分、昨年実は結構現地で試合を観ました。ボールを握って離さない永井監督の思想が濃く、前線からプレスするハードワークな守備をこなすチームが多いJ2において対比的に面白い存在であった。しかし、FWレアンドロ[→現役引退]、DF近藤 直也[→現役引退]、MF藤田 譲瑠チマ[→徳島]、FW大久保 嘉人[→C大阪]、GK長谷川 洸[→山形]、MF井上 潮音[→神戸]と戦力ダウン。特にチマと潮音は成長株だっただけに激痛。それでも大ブレイクの予感もあるFW山下諒也が残留したのは大きい。MF富澤 清太郎[←相模原]、DF山口 竜弥[←G大阪]、MF加藤 弘堅[←北九州]、GK長沢 祐弥[←沼津]、DFンドカ ボニフェイス[←水戸]と補強のバランスは良い。大卒生も4人獲得。若返っただけに勢いに乗りたいところ。面白い存在で終わるのか、結果を出すのか、3年目永井監督の勝負の年。中位から上へ。


【FC町田ゼルビア】
19位と不本意な結果で終わったFC町田ゼルビアだが、サイバーエージェントの業績は巣ごもり特需で絶好調。ビジョン的にはJ1にいるはずだった2021年ですがまだJ2です。計画通り行っていませんのでテコ入れです。
この写真は擦れるまで使い倒してやろうと思います。戦力的にはFWドゥドゥ[←甲府]、DF森下 怜哉[←C大阪/期限付き移籍]、DFデューク カルロス[←岡山/期限付き移籍]、MF髙江 麗央[←G大阪]、FWンダウ ターラ[←横浜FM/期限付き移籍]、FW鄭 大世[←清水]、DF高橋 祥平[←磐田]、DF三鬼 海[←山形/期限付き移籍]、DF水本 裕貴[←広島]、MF長谷川 アーリアジャスール[←名古屋]、GK茂木 秀[←C大阪/期限付き移籍]、FW太田 修介[←甲府]、MF吉尾 海夏[←横浜FM/期限付き移籍期間延長]と大補強を敢行。ようやくサイバーエージェントのお金の匂いがし始めました。MF李 漢宰とMF井上 裕大が現役引退となり新生チームになった印象。ポポヴィッチ監督が「ビジョン」から1年遅れのJ1昇格に導くか。充実のテコ入れで大巻き返し。 一気に上位へ駆け上がるか。


【SC相模原】
J3から2位で昇格となった相模原。初のJ2昇格チャンスをモノにした。三浦文丈監督に率いられたチームは終盤戦に安定した結果を残して怒涛の追い上げに成功。J2でも安定感のある試合運びで残留を勝ち取るシーズンにできるか。夛田、梅井と大分に所属した経験のある選手達も多いので頑張って欲しい。MF千明聖典が現役を引退してクラブスタッフとして従事。星雄次の双子の兄も所属。DF鎌田 次郎[←柏/期限付き移籍]、MF川上 竜[←北九州]といったJ2で計算できそうな新戦力も獲得。とにもかくにも残留を勝ち取れるかというシーズンとなる。レジェンド稲本も久々のJ2復帰。下位から這い上がる戦力だが高いモチベーションを感じる。専用スタジアムの建設に向けても踏ん張りどころ。


【ヴァンフォーレ甲府】
序盤に勝ちきれず苦しんだ印象も、最終的には4位まで上昇した甲府。リーグ最多の17引き分けに象徴される負けないけど勝ちきれない昨シーズンの課題克服のため、得点力のアップが必要となった。当然の如く、甲府伝統のブラジル人ガチャでFWパウロ バイヤ[←FCカスカヴェウ(ブラジル)]、FWウィリアン リラ[←レトロFC(ブラジル)]を獲得。その上でFW三平 和司[←大分]、FW有田 光希[←愛媛]と計算できるFWも追加。更に DF金井 貢史[←清水]、DF北谷 史孝[←岐阜]、DF浦上 仁騎[←長野]、DF山田 陸[←大宮]、MF泉澤 仁[←横浜FM]、MF野津田 岳人[←広島]と中盤以降の人員も再整備。大卒生も5人確保しており充実のオフシーズンとなった。流出したFWドゥドゥ[→町田]、DF中塩 大貴[→横浜FC]、DF内田 健太[→愛媛]、FW松田 力[→C大阪]、 FWハーフナー マイク[→FC.Bombonera]、MF武田 将平[→岡山/期限付き移籍期間満了]、FW太田 修介[→町田]、DF今津 佑太[→広島]と比べても遜色なく戦力確保に成功している。JリーグNo.1ムードメーカー三平さんの獲得はクラブにとって大きいはず。3年目の伊藤彰監督にとって結果が求められるシーズンに。戦力的に上位は十分。


前編は以上11チーム。2チームだけ昇格チームを選ぶなんて至難の業となりそう。残りの分析は後編へ続く。