2021/02/20

2021年 J2 順位予想(前編)

なぜ毎年J2の順位予想をしたがるのか?そこにJ2があるからだ。ということで(※どういうことだ)J2の順位予想を今年もやってみたいと思います。J3で活躍すればJ2クラブに引き抜かれ、J2で主力になればJ1に引き抜かれ、J1で活躍すればJ1上位クラブに引き抜かれ、J1上位クラブで活躍すれば世界に引き抜かれるという、全クラブ総引き抜かれ状態。Jリーグ全体が弱肉強食の食物連鎖で繋がり始めた印象が濃くなった2021年。世界のフットボール市場にしっかりと組み込まれた結果であり、喜ばしいけれども地方クラブには厳しい現実でもある。


成長著しい日本サッカー市場において、夢が詰まりまくっているJ2こそ日本サッカー界の未来なのかもしれない。ということで分析と予想を行っておきます。今回も長い。22チームもあって長すぎるのでまずは前半編11チーム。2020年の結果から振り返り。

 
私の2020年予想は完全に外れました。予想は

【自動昇格圏内】千葉&松本山雅
【プレーオフ圏内】福岡&磐田&岡山&ヴェルディ

だったのですが、プレーオフ圏内に選んだ福岡と磐田がかろうじて上位に入ったものの松本と千葉がビックリレベルの13位&14位フィニッシュ。資金力あるクラブなのに!岡山もヴェルディもぱっとしない結果に終わってしまいました。分析力皆無を露呈。伸びしろです、伸びしろ。2021シーズンのJ2は上位2チームが自動昇格、下位4チームが自動降格となる最恐レギュレーション。恐ろし過ぎる魔境J2。まずは22チームを戦力分析。戦力分析後に、後半で順位予想という流れにしたいと思います。 


【ブラウブリッツ秋田】
悲願のJ2昇格を達成したブラウブリッツ秋田。J2ライセンス未交付の状態で優勝した2017シーズンから3年、沼津を率いていた吉田監督が就任した2020シーズンに大爆発。開幕から28試合無敗という秋田無双状態でJ3最速の昇格を達成。とにかく負けなかったチームは遂に正式なライセンスと共にJ2へ駆け上がった。補強面ではまるでJ3オールスターズ路線の如く、各クラブの主力をぶっこ抜いた。FW吉田 伊吹[←長野]、DF増田 繁人[←藤枝]、FW武 颯[←富山]、MF稲葉 修土[←富山]、FW才藤 龍治[←相模原]、MF普光院 誠[←沼津]、MF國分 将[←八戸]とJ3通には名の通っているメンバーを補強。堅守の要であったDF韓浩康が横浜FCに引き抜かれたものの、J3の完全な主力を多く獲得出来たことでベースは上がっている。J3を2度制覇したナマハゲクラブがJ2へ殴り込み。降格しそうだと泣く子はいねぇが!!J3チャンピオンチームはほぼ生き残っている実績があるので底堅い。J3でほぼ負けていないチームなのだ。ナマハゲ残留は当然でナマハゲ旋風を起こしそう。中位以上を予想。ちなみに林容平は関東1部リーグのブリオベッカ浦安へ移籍。都並さんが監督やっているクラブ。1つ目から長ぇ。 


【モンテディオ山形】
7位に終わった石丸監督が率いる山形。シーズン序盤に勝ちきれなかったものの、負けもしなかった粘り強さが終盤の盛り返しに繋がった。特に尻上がりにフィットしたブラジル人FWヴィニシウス・アラウージョの残留が心強い。MF渡邊 凌磨[→FC東京]、FW大槻 周平[→千葉]、MF末吉 塁[→千葉]、MF中村 駿[→湘南]と主力が抜かれてはいるものの、ベースを残しつつ的確な補強が行われた。MF藤田 息吹[←松本]、MF堀米 勇輝[←千葉/期限付き移籍]、MF國分 伸太郎[←大分]、GKビクトル[←相模原]、MF山田 康太[←横浜FM/期限付き移籍]と的確オブ的確な人選。この補強は正義。ヴィニシウス・アラウージョは既に入国済みなので序盤から活躍すれば山形の上位進出は揺るがないのではないか。戦力は上位。懸念事項はそのアラウージョがJ1あたりに引き抜かれたりしないかどうか。特にFWを国内から探すであろう浦和に注意。弱肉強食。


【水戸ホーリーホック】
9位と立派な結果を残した水戸。とにかく明るい秋葉監督にポジティブに率いられ、走りまくる伝統のハードワークチームとなった。が、やっぱり主力は抜かれました。もともと期限付き移籍が多い人員構成だったので想定内ではあるものの、DFンドカ ボニフェイス[→東京V]、MF外山 凌[→松本]、MF河野 諒祐[→岡山]、GK松井 謙弥[→C大阪]、GK長谷川 凌[→秋田]とプロパー社員も移籍。連戦の中、ターンオーバーしまくって派遣社員を育成したのに育てば巣立つの繰り返し。最も市場価値を高めたMF山田 康太[→横浜FM/期限付き移籍期間満了]は山形に、FW山口 一真[→鹿島/期限付き移籍期間満了]は松本へ移籍。それでもとにかく明るい秋葉監督は、水戸は揺るがない。Jリーグ屈指の人材育成永久機関。1桁順位を目指して育成&チャレンジ。


【栃木SC】
残留争いをギリギリ勝ち抜いた一昨年から躍進の10位フィニッシュとなった田坂栃木。ストーミングというカタカナで表現されただけの超絶ブラックな肉体労働を強いたスタイルが栃木に根付くかどうかの田坂体制3年目。資金を与えなかった場合の田坂さんの針の振り切り方がハマった時の恐ろしさよ。その先鋭化された過酷な肉体労働を涼しい顔でやり過ごした男たちが個人昇格。DF田代 雅也[→鳥栖]、DF黒﨑 隼人[→大分]、MF明本 考浩[→浦和]と中核であった伝説のバイトリーダーたちがJ1正社員に昇格。DF柳 育崇[←新潟]を残留移籍させられたことはプラス。MF上田 康太[←岡山]が補強の目玉。期限付き移籍と大卒生で補充されたバイト達は無事にブラック企業で一人前となれるか。乗り越えられれば日本代表だって夢じゃない!(※ブラック企業にありがちな勧誘)中位から上を目指す戦力。


【ザスパクサツ群馬】
J3から2位で昇格した群馬は昇格した年に20位で終了。降格圏からはかなり差のある20位なので十分な残留圏内という結果を残せた。主力の大半の慰留に成功。MF飯野 七聖[→鳥栖]、DF岡村 大八[→札幌]、MF宮阪 政樹[→長野]、FW林 陵平[→現役引退]と抜けた主力の穴はFW髙木 彰人[←G大阪]、DF畑尾 大翔[←大宮]、FW北川 柊斗[←山形]、DF藤井 悠太[←福岡]、MF久保田 和音[←松本]と似たタイプの選手の獲得に成功。U-23系の選手やベテラン勢などコストパフォーマンスが高い選手が多い印象。大半の主力が残り、奥野監督の体制も維持。ベースアップな気はするんだけれども、大前に頼り過ぎな印象も。大前抜きではオーソドックス過ぎてしまうことが懸念点。古き良きJ2のチームという印象。下位から抜け出して中位になりそうな戦力。


【大宮アルディージャ】
岩瀬健です、岩瀬健。我が軍から誰も連れて行かなかった岩瀬健コーチが大宮の監督に就任。我が軍から誰も連れて行かなかったんです。これは漢気なのか、我が軍に欲しい選手が居なかったからなのかは不明ですが新監督に目を付けた大宮強化部の野心は如何に。強化部界隈での評価が高いことは伺える。大分の強化部もヘッドコーチに招聘した岩瀬健ですから、基本はボールを握る思想を持っているはず。北嶋秀朗コーチらと作る大宮はどんな戦術になるのか。FW中野 誠也[←磐田]、FW矢島 輝一[←FC東京]、DF櫛引 一紀[←広島]、DF馬渡 和彰[←川崎F]と補強。ベースの選手は残留しているんだけれども、果たして岩瀬健スタイルに合っているのかどうかの懸念が大きい。イバが活きるのだろうか。高木琢也監督向け素材感が残る大宮で、岩瀬健監督がどこまで手腕を発揮できるのか。期待と不安が入り混じる。上がるか落ちるか両極端な結果になりそう。戦力は上位進出へ十分も戦術浸透までの時間が必要なのと、戦術に適切な人員構成なのかどうか。結局中位だろうか。


【ジェフユナイテッド千葉】
キングオブJ2俺たちのジェフ。あんなに勇猛な秋田犬の顔をモチーフにしたユニフォームデザインだったのに、座敷犬のような弱さで終わったジェフ。14位が許される強化費ではない。ユンジョンファン監督が就任して優勝候補に推したのに!12年目のJ2生活で干支一周。レジェンドFW佐藤 寿人[→現役引退]、DF増嶋 竜也[→現役引退]、MF田坂 祐介[→現役引退]とベテラン勢が退き、FW山下 敬大[→鳥栖]、DF鳥海 晃司[→C大阪]、MF為田 大貴[→C大阪]、FWクレーベ[→横浜FC]と中核だった選手達は個人昇格。MF小林 祐介[←柏]、DF溝渕 雄志[←栃木/期限付き移籍期間満了]、DF伊東 幸敏[←鹿島]、MF末吉 塁[←山形]、FW大槻 周平[←山形]、DF小田 逸稀[←鹿島]、DF鈴木 大輔[←浦和]、MF福満 隆貴[←C大阪]、FW岩崎 悠人[←札幌/期限付き移籍]と補強はしたけれども果たしてユンジョンファン好みのハードワーカーとなるか。川又と船山が残留しているけれども、昨年の得点も少なく、今シーズンは得点力が計算できなさ過ぎる。FWマテウス サウダーニャ[←ECバイーア(ブラジル)]を獲得しているが実力不明。誰が得点するのか、全く見えないのが今年のジェフのアキレス腱。あれ?大丈夫?ジェフ大丈夫?ちばぎんカップが開催見送りになったことで詳細不明。守備は大丈夫。あとはサウダーニャが当たりであれ!


【東京ヴェルディ】
夏場までは好調だったヴェルディも終わってみれば12位。遠征できなくなった分、昨年実は結構現地で試合を観ました。ボールを握って離さない永井監督の思想が濃く、前線からプレスするハードワークな守備をこなすチームが多いJ2において対比的に面白い存在であった。しかし、FWレアンドロ[→現役引退]、DF近藤 直也[→現役引退]、MF藤田 譲瑠チマ[→徳島]、FW大久保 嘉人[→C大阪]、GK長谷川 洸[→山形]、MF井上 潮音[→神戸]と戦力ダウン。特にチマと潮音は成長株だっただけに激痛。それでも大ブレイクの予感もあるFW山下諒也が残留したのは大きい。MF富澤 清太郎[←相模原]、DF山口 竜弥[←G大阪]、MF加藤 弘堅[←北九州]、GK長沢 祐弥[←沼津]、DFンドカ ボニフェイス[←水戸]と補強のバランスは良い。大卒生も4人獲得。若返っただけに勢いに乗りたいところ。面白い存在で終わるのか、結果を出すのか、3年目永井監督の勝負の年。中位から上へ。


【FC町田ゼルビア】
19位と不本意な結果で終わったFC町田ゼルビアだが、サイバーエージェントの業績は巣ごもり特需で絶好調。ビジョン的にはJ1にいるはずだった2021年ですがまだJ2です。計画通り行っていませんのでテコ入れです。
この写真は擦れるまで使い倒してやろうと思います。戦力的にはFWドゥドゥ[←甲府]、DF森下 怜哉[←C大阪/期限付き移籍]、DFデューク カルロス[←岡山/期限付き移籍]、MF髙江 麗央[←G大阪]、FWンダウ ターラ[←横浜FM/期限付き移籍]、FW鄭 大世[←清水]、DF高橋 祥平[←磐田]、DF三鬼 海[←山形/期限付き移籍]、DF水本 裕貴[←広島]、MF長谷川 アーリアジャスール[←名古屋]、GK茂木 秀[←C大阪/期限付き移籍]、FW太田 修介[←甲府]、MF吉尾 海夏[←横浜FM/期限付き移籍期間延長]と大補強を敢行。ようやくサイバーエージェントのお金の匂いがし始めました。MF李 漢宰とMF井上 裕大が現役引退となり新生チームになった印象。ポポヴィッチ監督が「ビジョン」から1年遅れのJ1昇格に導くか。充実のテコ入れで大巻き返し。 一気に上位へ駆け上がるか。


【SC相模原】
J3から2位で昇格となった相模原。初のJ2昇格チャンスをモノにした。三浦文丈監督に率いられたチームは終盤戦に安定した結果を残して怒涛の追い上げに成功。J2でも安定感のある試合運びで残留を勝ち取るシーズンにできるか。夛田、梅井と大分に所属した経験のある選手達も多いので頑張って欲しい。MF千明聖典が現役を引退してクラブスタッフとして従事。星雄次の双子の兄も所属。DF鎌田 次郎[←柏/期限付き移籍]、MF川上 竜[←北九州]といったJ2で計算できそうな新戦力も獲得。とにもかくにも残留を勝ち取れるかというシーズンとなる。レジェンド稲本も久々のJ2復帰。下位から這い上がる戦力だが高いモチベーションを感じる。専用スタジアムの建設に向けても踏ん張りどころ。


【ヴァンフォーレ甲府】
序盤に勝ちきれず苦しんだ印象も、最終的には4位まで上昇した甲府。リーグ最多の17引き分けに象徴される負けないけど勝ちきれない昨シーズンの課題克服のため、得点力のアップが必要となった。当然の如く、甲府伝統のブラジル人ガチャでFWパウロ バイヤ[←FCカスカヴェウ(ブラジル)]、FWウィリアン リラ[←レトロFC(ブラジル)]を獲得。その上でFW三平 和司[←大分]、FW有田 光希[←愛媛]と計算できるFWも追加。更に DF金井 貢史[←清水]、DF北谷 史孝[←岐阜]、DF浦上 仁騎[←長野]、DF山田 陸[←大宮]、MF泉澤 仁[←横浜FM]、MF野津田 岳人[←広島]と中盤以降の人員も再整備。大卒生も5人確保しており充実のオフシーズンとなった。流出したFWドゥドゥ[→町田]、DF中塩 大貴[→横浜FC]、DF内田 健太[→愛媛]、FW松田 力[→C大阪]、 FWハーフナー マイク[→FC.Bombonera]、MF武田 将平[→岡山/期限付き移籍期間満了]、FW太田 修介[→町田]、DF今津 佑太[→広島]と比べても遜色なく戦力確保に成功している。JリーグNo.1ムードメーカー三平さんの獲得はクラブにとって大きいはず。3年目の伊藤彰監督にとって結果が求められるシーズンに。戦力的に上位は十分。


前編は以上11チーム。2チームだけ昇格チームを選ぶなんて至難の業となりそう。残りの分析は後編へ続く。



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