2019/06/30

2019年 明治安田生命J1リーグ 第17節 浦和戦

【大分 2 - 0 浦和】



DAZNで生観戦したJ1前半戦最後の試合となる第17節ジェイリースサンクスデー。株価はノーサンクスデーが続くジェイリースさんと共に巻き返しを図る1戦。本当に頑張れジェイリース!(※切実)対戦相手は6年ぶりの浦和。浦和からレンタル中のオナイウ、伊藤涼太郎が出場できない条件下での気になるスタメン。


後藤がシャドーのスタメンを奪取。そして右のCBにはA代表から帰って来たばかりの岩田が復帰。ボランチは前節の島川から長谷川にチェンジ。ベンチには前節途中出場で存在感を示した小林成豪が控える。対する浦和のスタメン。


ACLを戦う浦和。我々としてはACL?何それ美味しい?状態ですが、浦和は3日前に韓国で対戦したばかりとあって、フレッシュな7選手に入れ替えた布陣らしい。巡り合わせ的には有利な条件。ただし、GKの高精度なフィードに気を付けなければなりません。浦和GKは異常な程フィードの精度が高いのでそこだけは注意が必要でした。


浦和はもうミシャが指揮を執った直接の影響が薄れてきている印象があるけれども、フォーメーションは同じ3-4-2-1。ミシャが遂にJリーグでタイトルを獲得したのが浦和を率いていた時代。そのミシャの戦術の系譜を持つ両チームの試合だったので、戦術的にも、西川周作の里帰り的にも楽しみにしていた試合でした。大槻監督がやり繰りの中でどのような大分対策(※カチコミと読む)を形成するのか。見どころの多い試合となりました。


試合開始から浦和はGK高木にまで連動してプレスをかける動きはそれほどなく、トリニータにとってはボールを保持していつも通りに動かすことが出来た前半でした。前節の神戸戦に比べれば緩かったプレス。今日のビルドアップは上手く動かせていた印象。右サイドは岩田が戻ったことでより攻撃的に、左サイドも三竿と高山がしっくりくるようになり、全員が良かった。両ワイドが高い位置を維持できた試合はかなり久しぶりで、ボールの動かし方がまた一つ研ぎ澄まされた。あとは1度後藤がボールを受けると見せかけてスルーしたけれども、昨年は頻度高く絡んでいた1トップ2シャドーの絡み。懐かしささえ感じる程に裏抜け一発の藤本頼みになっているので、後藤があの頃大切にしていた何かを思い出させてくれたような気がします。全面的に引かれるようになったらスルーとか絡めて頑張ろうな。


前半が上手くいってはいたものの、ゴールを割るまでには至らず。浦和の選手達の身体が重そうであったのも事実。連戦で大銀ドームの屋根が閉まるという苦行が重なった点もあり、冴えない浦和、という印象。組長と呼ばれる大槻監督がベンチに置いている戦力を使い始める前に先制しておきたかった。ACLを戦いながらJリーグを戦うという辛さが想像さえ出来ないのでチャンピオンチームは大変だなと思いますね。しばらく平民のままでいたい。


試合が動いたのは後半早々。小塚と藤本の2人で獲ったかのような得点でした。この試合は割と小塚への寄せが甘く、小塚のファンタジスタっぷりが発揮されることが多かった。小塚に時間を与えると藤本が実家に久々の帰省を予定してしまう。ペナルティエリア内での落ち着きたるや、実家の如く。ファーストタッチでダイレクトシュート打とうとしていたけど、ミスしたのに落ち着いて決めた!1秒くらいしかないのに凄い!ペナルティエリア内が実家の藤本の得点により先制に成功。おばあちゃんただいま!藤本さんJリーグ通算100試合出場おめでとうございました!


こうなると前に出ざるを得ない浦和。しかし、すでに足が重かった。最終ラインでボールを回す大分に対して、カウンターを警戒し、プレスをかけられなくなってしまう。前がかりになると藤本と後藤という我が軍の誇る2大裏抜け要員が仕事をし始めるので、行くに行けない。大分県警の暴対法が完璧に機能し始める。


畳みかけたい大分は疲れの見えた後藤に代えて、小林成豪を投入。この成豪がやりおりましたわ。豪のモノに成りよりました。こぼれ球を拾い、中央でボールを持つとドリブルで前進。細かいステップを踏み、豪快なスーペルゴラッソを決める。試合も決める。西川周作も止められず。後輩の後藤のシュートは止めるのに。先週のトリテンを読むと、戦術を考えるようになったとか書いてあったけど、今日のプレーは素で持っていた部分が出た。素晴らしいゴールだった。ベンチに控えるジョーカーが爆誕。豪の戦力に成ってくれました。


大槻監督も武藤、興梠、宇賀神と若い衆を投入するも打開できず。飲水タイムが設けられるほどの過酷な状況で、浦和からすると連戦の中で本領を発揮できずに消化してしまった試合という印象。浦和からすると鬼門の昭和電工ドーム、我が軍は巡り合わせに感謝。


内容としては浦和を寄せ付けず、完勝。鈴木義宜と杉本健勇のマッチアップも見応えがあったし、左サイドの高山がようやくシュートシーンに絡めるようにもなって左サイドがしっくりきた。良かった。全員が勇猛果敢なパスの意識があり、素晴らしい内容でした。試合としては面白かった。この内容の素晴らしさをもっと広めなければならないし、観に来て欲しい。岩田の怪我の具合だけがかなり心配。軽症であれば良いのだけれども。


TKPと九州乳業の出資による投資ファンドからの株の買い戻し完了の知らせもあり、遂に、10年の再建フェーズが完了し、ゼロに戻すことができた大分FC。このタイミングで西川周作が6年ぶりに挨拶に来てくれるという巡り合わせ。やっと対等に戦える場所まで戻って来れた。あの時、出て行かざるを得なかった選手達の帰れる場所を守り続けられたことが本当に感慨深い。これから再び、今度は亀の歩みのスピードかもしれないけれども、徐々に成長していけるクラブになれるように頑張って応援していきましょう。そのためにもまずはJ1定着のために残留大作戦です。勝ち点45を目指して勝負の後半戦へ。



2019/06/23

2019年 明治安田生命J1リーグ 第16節 神戸戦

【神戸 2 - 2 大分】



J1に昇格して、イニエスタと勝負ができると開幕前から大変楽しみにしていた神戸戦。友達を誘い、何か月も前から良いチケットを確保して遠征の準備をしていました。イニエスタは今シーズン、コンディションがよろしくないようで休みがちでしたが前節のFC東京戦で無事復帰し、ゴールを決めて首位を倒すという違いを見せつけたばかり。お!神戸遠征直前にイニエスタ復帰!遂に32億円のスーパースターと対峙するか!と思われた矢先のイニエスタのツイート。


・・・おめでとうございます。奥さんの出産立ち会いでスペインへ帰郷した模様。このタイミングで出産になるとは我が軍との巡り合わせ的に何と表現すべきか。戻ってくるのかイニエスタは。


いや、なんかおかしいと思ったんですよ、イニエスタのツイッター、試合の画像をツイートすることがあって、この試合に出るよアピールだけはしておく、例の出る出る詐欺はこれまでもあったけれども、トリニータ戦は何も無かった。この画像に我が軍のエンブレムが載るだけでも世界中のサッカーファンに波及効果がある訳で、楽しみに待ってたんですけど何も無かったんでね、あ、イニエスタあいつ帰って来ないなっていう強い疑いの気持ちでノエビアスタジアム神戸へ行って来ました。


イニエスタの写真はある。でも帰って来てる雰囲気は無い。このやり口が当たり前になり過ぎてもはや狼少年状態のヴィッセル神戸広報。友達にイニエスタ観に行こうぜと誘ってしまった以上、白眼を剥くしかありません。









ということで、死んだ魚のような目で初めてのノエビアスタジアム神戸に。そりゃね、イニエスタ居るって言えば友達も付いてくるじゃないですか。居なかったけどな。トーレスの今シーズン限りの引退も発表されて、観れる時に観ときや、の精神が凄く大事と痛感したここ数日。やっぱりね、皆さん、観れる時に観ておきましょうね。いつ観れなくなるか誰にも予想できません。まして奥さんの4人目の出産とか予想もできません。





ノエビアスタジアムはキャッシュレススタジアム。現金を使わせない方針。最初は逆に手間取るみたいな話があったものの、ヘルプデスク的なブースを各所に設けており、スムースな運用に改善されている雰囲気。スタジアムグルメにはあまり人が並んでなくて、効果のほどはよく分からず。私は楽天Edyでビール買いました。ビール飲んだのでブログの更新が遅れました。キャッシュレスが悪い、キャッシュレスが。









ノエビアスタジアムのめちゃくちゃ良い指定席に陣取ってイニエスタの写真1000枚撮るつもりだったのですが、ビジャで我慢です。ポドルスキもドイツで謎の手術を受けていて居ない。イニエスタが居ればな・・・・観たかったなイニエスタ・・・という試合前までの心境。





ノエビアスタジアムでもうひとつ気になっていたのがハイブリッド芝。いち早く導入を決めたスタジアムとあって、接写してみました。全体の5%程度が人口繊維という話だったと思うのですが、異質な芝の雰囲気は微塵も感じず。


神戸のスタメン。やっぱりイニエスタ居ない。諦めろ。涙拭けよ。それでも十分豪華。イニエスタ、ポドルスキ不在なのに外国人枠を5つ使うクラブですよ。我が軍のレジェンドキャプテン吉田孝行を敗戦処理監督の様に扱い(※勝てば良かっただけなんだけど)バルサ化に近づいているのか遠ざかっているのか誰にも分らなくなっている状況。招聘したフィンク新監督はバーゼルなどで可変システムを用いていたらしい。現役時代はバイエルンでボランチだったらしいという、経歴だけで把握できる恐らく熱い男。



この日は4-4-2だった。今シーズン、我が軍がここまで戦えている要因の一つにスカウティングが当たっていることがあると思っているのだけれども、これだけ監督がコロコロ変わった直後に対戦となると難しさがあり過ぎる。ルヴァンカップ含めて3度目の神戸戦、全部監督が違うという難しさ。


我が軍のスタメンは前節と変わらず。ベンチには三平が復帰。久々のベンチメンバー返り咲きとなったのが小林成豪。得点を目指す場面で4-2-3-1とかにするなら面白いだろうとこのブログでも書いてみた小林成豪。単純にシャドーで出場するだけで面白かった。今日のベンチ入りは当たりでした。ちなみにコパアメリカでA代表デビューを飾った岩田。ウルグアイのスアレス、カバーニらと対峙して衝撃を受けたらしい。まさかスタメンで出場するとは。良い刺激を受けて帰ってくるのではなかろうか。



試合内容は試合終了後の、この写真が全てを物語る。お互い守備陣のミスから動いた試合は、最後に神戸ユース出身の小林成豪が同点ゴールを決めて帳消しに。前からプレッシャーをかけてハメて来た神戸。あのビジャから受けるプレッシャーですから、ボール回しがどん詰まりになるのはある程度想定内だったはずなのですが、そこからの工夫が今日も中々表現できなかった前半。右に出しても松本怜を追い抜く素振りも見せない庄司、左に出しても右利きの高山が単独突破するには厳しい。小塚が受けるスペースも作り出せず、とにかくボールの行き先がどん詰まった。昨年からいるメンバーはJ2で対策されてからのボール回しをどうするかを経験済みで、こういう時にどうするのかが分かっているので、練度の差が出てしまう。それでも、ひるまずにボールを回し続けた点は評価すべきポイント。ギリギリまで引き付けるのでミスするのはしょうがないけれども、取り返すための積極的な姿勢はもっと欲しいところ。


後半から庄司に代えて刀根を投入した片野坂監督。刀根も遂に大怪我から復帰。おめでたい。攻撃面で物足りないとDF陣は特に、即時スタメンをはく奪されるシステムの片野坂体制。刀根は久々の復帰戦と思えないくらいスムースに溶け込みました。右サイドはしっくり来た。残りは左サイド。島川に代えて長谷川を投入した後とかに三竿を上げて高山を下げたりしていたように見えたんだけど、それでもしっくりこない。左利きの福森、早く攻撃的になって戻って来て。左利きの福森と左利きの三竿の組み合わせも観てみたい。





最後の交代カードで小塚を下げて小林成豪を投入。しっくりこない左サイドのスペースを駆け上がったのは代わったばかりの小林成豪でした。前を向いて仕掛けるタイプの小林成豪がどん詰まりになった前線を活性化。圧巻は89分、最終ライン鈴木義宜からのスルーパスを受けて抜け出して決めた同点ゴール。慣れ親しんでいたであろうスタジアムでキレキレっぷりを印象付ける堂々のプレーでした。外国人枠使い過ぎトップチームに対するユース出身、大卒からJ2で修行して這い上がった男のJ1での生存確認。ドラマチックな同点ゴールにやらかした守備陣が救われた一戦でした。帳消し、全部帳消し。そりゃ高木も真っ先に小林成豪に走って駆け寄りますわ。イニエスタとポドルスキが居たらこの勝ち点1も危うかった可能性が高いので、イニエスタの奥さんのお陰で得た貴重な勝ち点1です。積み上げに成功。産休イニエスタ、産休な!



攻撃陣がダメなら守備陣が、守備陣がダメなら攻撃陣が、お互いが支え合ってのJ1残留大作戦継続中。勝ち点1の積み上げがあればまだ大丈夫。もう一人の神戸ユース出身者もこの日は並々ならぬ意気込みで圧倒的な運動量だった。小林成豪ゴール後に抱き着いて押し倒して手を踏むのは余計だったけれども気持ちが入っていたのは伝わって来た。









前半戦は残り1試合。前半戦ラストは浦和戦。レンタル中のオナイウ阿道と伊藤涼太郎は出場できないはず。3試合連続得点中のオナイウ阿道を欠くのは非常に痛い。この試合もロングボールはほとんど競り勝ち、ボールを収めてくれたので非常に助かっていた。ここに誰が入るのか。前線は余りにも藤本裏抜け一発方針が明らか過ぎるので、もう少しワントップツーシャドーがパス交換するような絡みが増やせれば、裏抜けにも磨きがかかると思う。やれることは沢山ありそうだし、今日の結果によりスタメンが予想できなくなったと思うので、全員に危機感が出れば良い方向に向かうのではないだろうか。



次節の浦和戦も監督代わってはいるものの、数試合経過しているのでまだスカウティングやりやすいはず。前半戦最後の試合、ホームでの浦和戦。勝ち点の貯金を少しでも増やしておきたいところ。頑張ってもらいたい。



2019/06/16

2019年 明治安田生命J1リーグ 第15節 名古屋戦

【名古屋 1 - 1 大分】



DAZN生観戦。ボッコボコになりかけましたが、勝ち点1を重ねることに大成功。3連敗は阻止と結果だけは及第点。上位に負けなきゃ上出来、下位に負けると辛い。上位には引き分けで十分な残留大作戦2019です。名古屋とはJ2時代から比べるとチーム力にかなり差が出来てしまった印象。何なんだあの、ハードワークしてパスも出せるブラジル人は。名古屋の米本とシミッチが仕事し過ぎ。我が軍の守備陣も仕事し過ぎだったけれども。


スタメンですが、中段期間を経て行方不明だった前田が帰還。コパアメリカに旅立った岩田と小島。小島はベンチ外が続いていたので影響は軽微ですが岩田の攻め上がりの穴をどう埋めるのか、不安と楽しみが入り混じる中断期間でした。出した答えは庄司を右に、左に初スタメンとなる三竿という最終ライン。今日は中盤が島川(美声)をアンカーに置いて、前田と小塚を前目に設置するトリプルボランチ構成。左サイドに中津のおいさんこと高山、右には松本怜でオナイウと藤本の2トップ。


ファン感でサポーターを楽しませるためにくまだまさしに弟子入りした(※してない)三平はベンチ外。本職で頑張れ。


全く試合に絡めてなかったセカイのサカイが群馬へレンタル。海外移籍を断念してから新潟に行ってもフィットせず、J3へ旅立ってしまった。姫野もいるので心配は不要。一緒に成長して欲しい。若手は試合に出てなんぼです。ガンバやセレッソ、FC東京と違ってU-23チームまで持てないのでレンタル移籍で若手を育成。キャッチアンドリリース。


対する名古屋、お値段が張るスペイン人を獲得したがるどこぞ界隈のチームと違い、至極真っ当なブラジル人を毎年補強し、その戦術で大丈夫か?みたいなハイリスクを帳消しにしながら勝ち点を重ねる。ジョーの復帰、ガブシャビのテクニック、中盤のシミッチと攻守の軸にブラジル人を据える。今日は特にシミッチと米本の切り替えの速さが凄かった。ボールをロストしたら血相変えて奪い返しにくるあの速さ。そのプレッシャーに手を焼き、ボールの受け、パス、球際の体格の違いという基本的な部分での差が如実だった。ルヴァンカップでも戦ったけれども、足の長いアーリアジャスールとかも面倒だった。いつの間にかFWになってるし。


試合内容としては面白かった。ハイプレスの名古屋と引き込む大分という構図で、例えるならばお互いの首にナイフを突きつけた状態が続く感じというか。名古屋のプレスが一つズレたりすると藤本かオナイウが名古屋GKと1対1になれるくらいのハイライン。きっとジェフのエスナイデルが目指していたサッカーってこういう形だったんだろうな、という千葉方面が思い出される戦術。高給ブラジル人が3人足りなかったな、千葉。


名古屋のプレッシャーにより、試合全般を通じてボールが持てなかった。最終ラインでは動かせるものの、なかなか攻撃の形が作れない。前を向けなかった。なんだかんだでボールを奪われて跳ね返す、を繰り返す試合でしたが1つプレスを剥がせれば得点機創出。意外にも先制したのは我が軍。松本怜のフリックから始まり、前田が運び、高速でそれを追い越す松本怜が逆サイドに振る、福森からスタメンを奪うために高い攻撃意識が植え付けられた三竿がシュート、ランゲラックが弾いたところをオナイウが押し込む。


このゴール、大分トリニータ界隈以外で仕事がしたい深層心理が溢れ出して止まらないDAZNの解説の目にはオフサイドに映ったようでしたが、プロの線審のしっかりとしたお仕事により、まったくのオンサイドで正当なゴールでした。オナイウは好調継続。三竿のシュートも良かった。福森に足りないとされるのはこの攻撃意識なのだろうか。


久しぶりに片野坂監督の喉が潰れたので、よほど上手くいっていない何かがあったのかもしれない。喉が潰れすぎて公式ツイッターもハーフタイムのコメントが無くなった模様。聞き取れなかったか。


その影響なのか、後半になっても建て直しできずに後半はもうほとんど名古屋ペース。53分に宮原に決められて失点。宮原は男前なので嫌いです。同点後、高山を下げて高畑を投入。山を畑に。左サイドを耕してくれれば良かったのですが惜しくも決定的な仕事は出来ず。クロスは相変わらず良い。だが守備面では左サイドが弱くなってしまった。それでもホームで勝利を目指し、片野坂監督は攻撃的采配に出る。前田を下げて後藤を投入。それでも流れは引き寄せられず、名古屋に次から次へと決定機を作られる。


しかし守備陣が本当に頑張りました。特にジョー、ペナルティエリア内でボールを収めようとするあのジョーを完封した鈴木の仕事っぷりは素晴らしかった。高木もビックセーブ連発。何とか1失点に抑えて勝ち点を確保。21本のシュートを被弾しながら1失点なら納得の勝ち点1。これで勝ち点25に到達。前半戦残り2試合、目標まで残り20。


戦う直前に監督が代わったり、FC東京と戦った直後に久保建英がレアルマドリードに移籍したり、どうも巡り合わせとしてはツキが無い。次節の神戸戦も新監督のホーム初戦。イニエスタも復帰。イニエスタと対戦する自チームが観たいんだけれども、今節のイニエスタのゴールを観てしまうと、あぁそうですか、帰って来ちゃいましたか、と思わざるを得ない。Jリーグ史上最大の、巨大な資本が注入されているあの神戸と、次節対戦。楽しみだけど怖い。



ちなみに↑の表は昨年の下位3チームの順位推移。昨年16位に終わった磐田も14節で6位だったデータをみると、全くもって油断禁物だということが分かる。特に3チーム共に夏以降順位を落としている傾向が顕著。2巡目に向けて進化できるかどうか。気合を入れなおして勇猛果敢に残り2試合、前半戦を駆け抜けましょう。


2019/06/02

2019年 明治安田生命J1リーグ 第14節 FC東京戦

【FC東京 3 - 1 大分】



アウェイ負け無し記録終了!久保建英くんさんにチンチンにされて首位FC東京にハッキリと負けました。ハッキリクッキリ負けた。1試合複数失点も初。首位は強かった。負けはしたものの、対戦2巡目に向けて早くも新しいチャレンジが垣間見えて試合自体は非常に興味深かった。90分が長く感じるほどに。



J2の、緑の味の素スタジアムとは違って味気ない雰囲気が無く、観客動員多めの味の素スタジアム。25,175人が集まったこの日、2万5千人の蝗っていう語呂合わせは偶然なのだろうか?今シーズンFC東京はホーム無敗。それほどアウェイ感が出るスタジアムではありませんけれども、FC東京が普通に強いってことです。他のチームも勝ててない訳で、残留を目指す我が軍が負けても気にすることは無いってことです。



しかし、その首位をひた走るチームのキャプテン、デビュー時からドヤ顔がやり過ぎだから気を付けなさいと言われていたはずだけれども、むしろトレードマーク化して幟になっているんだからやり続けることの大切さを感じざるを得ない。首位FC東京の10番ですから、そりゃドヤ顔ですよ。














両サイドしっくりこない問題を引きずる我が軍。今日のスタメンは高畑を一旦諦めたメンバー構成となりました。我が軍から育ったDF陣はみんな初期にやらかしてるので壁を乗り越えて戻って来れる日を待ちましょう。今日は右に星、左に松本怜というサイドの構成。左CBには庄司が入った。庄司は守備面で安定感があるけれども、福森と比べて攻撃に積極的かというとそうでもないので左サイドの攻撃力は松本怜に託された状態。しかし、対面するFC東京の右にはかの有名な久保くんさんこと久保建英が居たのである。久保建英対策での庄司&怜だった可能性はある。


首位FC東京はオーソドックスな4-4-2でショートカウンターが得意なハイラインの堅守速攻チーム。長谷川健太監督が提唱する「ファストブレイク」、片野坂監督もJ2時代に一時期よく言っていた「ファストブレイク」。タメが利くディエゴ・オリベイラを中心として、俊足の永井、面倒な高萩、走るドヤ顔東、ボールを奪われない久保くんさんが速攻を仕掛けてくる。ただ、ボールを持たない印象もあったため、逆に持たせて遅攻させておけば怖さ半減なんじゃない?と思ってました。しかし目論見は甘く、遅攻からガッツリ失点。



キックオフ直後から異様なポジションを見せたトリニータ。ボールを保持すると右サイドに鈴木がズレ動き、岩田がサイドハーフのポジション取り。右サイドハーフに居たはずの星が藤本と並ぶという過剰な右サイドの上がりっぷり。左でオナイウが粘って得た最初のチャンス、星が完全にフリーでボールを受けてシュートを放つもGK正面という、この日一番の見せ場となったあの場面、あそこで決められていたら勝ち点を得られたかもしれないという程にビッグチャンスだった。あのチャンス以来、前半はほとんどシュートシーンを作れなかった。結果的に最も勝ち点に近づいた瞬間だった。



星のポジショニングの素晴らしさと、決定力が課題という相反する惜しい感じ。星にもう少しだけ決定力があれば代表級になれるんじゃないのか。本当に惜しいシーンだった。新しい戦術だったのか、何だったのか、この試合はオナイウがワントップになる時間帯もあり、色々とバージョンアップを模索していた雰囲気があった。ボールの動かし方は良かったと感じたし、サイドで1対1を作れるけれどもミスして何もチャンスメイク出来ない、というもったいないシーンが多かった。今日のような星のポジショニングならば、小林成豪が輝けるポジションなんじゃないのかとも思ったり。色々な可能性が出て来たように感じた。



ボールを持たせておいて引いて守れば何とかなりそうな雰囲気はあったFC東京の攻撃。結局のところ久保くんさんにチンチンにやられてどうしようもありませんでした。前半に2失点。あ、やばい、あの子上手すぎる、という感じ。いち早く代表に遠征して欲しかった。欧州のシーズンオフ間に各国クラブのスカウト陣は仕事して1日でも早く連れてって欲しい。そんな逸材です。日本サッカー界のために、FC東京はいち早く久保くんさんを手放してあげて欲しい。


この試合で最も評価してあげたかったのは後半開始直後からの辛い時間帯を耐えられたこと。試合を決める3点目を決めさせなかったからこそ、試合として面白い方向に向き始めた。



この日のオナイウは素晴らしかった。好きな女の子が観に来ていたんじゃないかと疑うレベル。1点目の強引なシュートで1点差に出来た後、FC東京の足も止まりがちになって同点に追いつける雰囲気を少しずつ出すことが出来た。コンディション的に後半からの日差しが強く、かなり厳しいコンディションになっている雰囲気はあった。ボランチの長谷川も足を攣りながら頑張ってた。ただあと1点は届かず、最後はティティパンがバックパスの処理を誤り、やっぱりお前か久保くんさんに止めを刺されて終わってしまった。




久保くんさんのスタッツ、11キロ弱の総走行距離を示していて、21回のスプリントだった。90分フル稼働してのパスの精度と体力が17歳のモノではない。ちょっと異常。我が軍で20回以上スプリントしているのはオナイウのみ。長谷川と小塚のみが久保くんさんより総走行距離が長く、あとは全員久保くんさん以下の走行距離。これはもうしょうがない。活きが良すぎる。それに川崎や東京に負けて悔しいって、どんだけ贅沢な話だっていう話なのでね、今はもう切り替えて新しいチャレンジを応援してあげたい気持ちでいっぱいです。2連敗ではありますけれども、勇猛果敢ですから、迷ったらスローガンです。勇猛果敢。勇気を持ってチャレンジです。


浅田飴の中の人も応援に来てくれていた様子。ありがたいことです。



試合内容的には評価できる部分も多かったと思ってます。特に最後の4バックにしてからの4-3-3オプション。あれは庄司というタレント性を考えると凄く良いオプションになりそう。藤本、オナイウ、小塚に後藤が絡めるのは良いんじゃないですかね、あれ?これ良いですね、という雰囲気を感じたのでまだまだ伸びしろがあるのではないか。この後の中段期間を上手く使って、身体を休めつつもう一段上を目指して名古屋戦での連敗ストップを願う。