2022/08/29

2022年 明治安田生命J2リーグ 第33節 秋田戦

【秋田 0 - 1 大分】


どうも、生のハゲです。不良サラリーマンなので月曜日の仕事を放り出して、ナマハゲが襲い掛かってくるような守備をする秋田との試合を観戦しに行って来ました。冷凍や乾燥したハゲなんてありませんから、全てのハゲがナマハゲですけれども(※何の話だ)





秋田の夏は大変過ごしやすい気温。やっとサッカーが普通に出来るコンディションになりました。J3の対戦時に秋田に行った記憶が薄っすらあるのですが、全くもって思い出せないレベルの記憶力です。確か後藤がゴールを決めたような気がする。あの時もシーズン終盤で、負けが許されない状況で、CBダニエルが累積警告で出場停止だったんですよ!6年前のブログに書いてました。あの頃はちゃんと観光してたんです。今はもう、ピッチの中で起きることにしか興味がありません。あの時も若手が頑張ってた。放送さえなかったあの頃から、あきぎんスタジアムからソユースタジアムに試合会場が変わり、J3からJ2に這い上がったブラウブリッツ秋田は普通のJ2クラブに変貌していました。6年でサポーターのグッズ着用率とかも劇的に変わった印象。ブラウゴンも大切にされていたし、色々変わって、クラブの土台がしっかり固まったことが伺える雰囲気でした。地方クラブのライバルは増え続けている。そういえば前節水戸だったし、龍をモチーフにしたマスコットで連戦でしたね。変な巡り合わせ。秋田は龍よりもナハマゲにした方が良かったんじゃなかろうか。ブラウゴンは丁寧な仕事っぷりでしたよ、お辞儀とか、メインスタンド煽ったりとか。

メンバー選考に関しては緊急事態に緊急事態を重ねたような状況ではありました。連戦の中で、ペレイラの累積警告による出場停止、毎日のようにコロナの感染者が出るメンバーの状況、怪我人も多いという大変厳しいコンディションの中で、遠い秋田で、ピッチに水が全く撒かれなかったナマハゲサッカーを実現するためのアウェイ感の中でも、よくぞ勝ち点を持って帰りました。緊急事態にも守備陣が抜群でした。特に急増3バックとGKですよ。羽田が真ん中に入って、伊東が右。GKは吉田舜。出番が無くても、しっかりとした準備を続けていたであろうことが滲み出ました。伊東の安定感と、鈴木義宜を超えるCBとして一時は夢見た羽田が真ん中からヘディングなら任せろと競り合いまくり。縦パスはまだ甘いけれどもヘディングなら信頼できる!あとは吉田舜です、舜。「試合に出たい!!」という心の叫びが素晴らし過ぎて、このブログでも取り上げたんですが、もう1回観てあげて下さい。10日過ぎて早速見事に実現。言霊ってあるんですね。

1億円以上のクラウドファンディングを実現させて、笑顔と勇気と感動を与えて、勝利と勝ち点3とビッグセーブと試合出場を叶えてしまったではないか。 あとは昇格だけだぞ、吉田舜。パス回しの落ち着きも、ビッグセーブも、素晴らしかった!

対する秋田。中位からズルズルと降格圏に近づきつつある状況。ホームではしばらく勝っていないとのこと。オーソドックスな並行の4-4-2をベースに、ロングボールやロングスローで陣地と選手を前線に押し上げてごちゃごちゃを作り出す攻撃と、ハイプレスの強烈な球際ナマハゲ守備が持ち味。この日もロングボールで始まり、ロングボールで終わった。途中、ヘディング合戦の様相になるような、試合としては肉弾戦がメインの球際バトル。水が撒かれないピッチの影響もあり、パススピードと精度が上がらず、なかなかプレスを剥がすことが出来なかった。






肉弾戦を見据えて置いたであろう、CB真ん中の羽田が効いていたし、ワントップに据えたサムエルもファウルをもらって起点になれていたことは良かった。ハイプレスを敢行してくる秋田の裏のスペースを狙る攻撃の意図が序盤に活きた。開始3分の秋田GK田中雄大のキックミスをサムエルが拾って遠目からロングシュートを決めて幸先よく先制。


サムエルが先発になると早い時間に得点しがち。そしていつものガッツポーズを決めるサムエル。あっという間の先制で、余裕を持って試合を進めることが出来たことが大きかった。この後も、可変なんかせずに常に4-4-2で最終ラインも4枚で守る秋田に対して、逆サイドが常にフリーで井上健太か増山に正確にボールを振ることが出来ればチャンスになりそうだったけれども、ファウルで潰さっぱなしでチャンスメイクできず。試合は途切れ途切れになりがちで、剥がせそうで剥がせない、もどかしい展開。秋田のGK田中雄大はハイプレスの背後に出来る雄大なスペースを、1度のミスに怯まずに、雄大に守っていました。最初の1度だけがミスでしたが、その後はパーフェクト。秋田の吉田監督に選ばれるだけのことはある、芯の強い良いGKでした。前半に崩せたシーンは三竿がペナルティエリアまで侵入してシュートした1本くらい。セットプレーもコーナーキックも不発でした。





攻撃はイマイチで、秋田のナマハゲ守備に沈黙。左右もコンパクトに絞るのに、逆サイドから攻略できなかったのは水無しピッチでパススピードが落ちるから、ということにしておきましょう。しかし、守備陣、特に吉田舜を中心に粘り強く守り続けました。吉田舜の詰め合わせ。







ビッグセーブもあったし、パス回しも安定。声も良く出していて、キックも安定していた。そりゃ試合に出たくなるわって話です。守備のMVP。このチャンスを活かしてスタメンを奪い切れるか。

大分トリニータU-18出身の茂平のシュートに対するこの反応がマーベラス。茂平の這い上がりっぷりはきっとトリテンに書かれるのではなかろうか。茂平も効いてました。良い選手。






そしてもう一人、試合の流れを変えた男がいました。後半途中、2トップへと陣形を変更した時に投入した時の金崎。ナマ金崎を観たくて秋田に行ったようなものだったのでね、バッシャバッシャ写真を撮りまくってしまいました。肉弾戦なら任せろ!みたいな強さを手に入れて帰って来た男。若かりし頃はテクニカルなイメージだったんだけれども、強烈なボールキープが出来てしまうパワー系も兼ね備えてしまった。相手をペナルティエリア内で背負いながらターンしてシュート出来てしまう。この特異点を活かして攻撃の起点を秋田の陣形深くにピン止めして時間を費やすことができてしまった。「鹿島る」と言語化されてしまうくらいの鹿島のボールキープで鍛えられた漢の終盤の仕事っぷりはお見事でした。









守備陣の奮闘もあってウノゼロでの勝利を達成。試合を通して良い流れだったかと言われると怪しいのだけれども、結果の方が重要な局面だったので素晴らしい結果という事で良いのではないでしょうか。前節、内容が素晴らしいけど無得点で2失点。今節、内容はボールを繋げられずに苦しんだけれども1得点で無失点。サッカーは分からん。

ピッチの中では分からないことだらけですが、経験上、最後までやり続けることの重要性は分かっています。2016年の秋田戦もそんな試合でしたからね、自動昇格は難しいかもしれない、でもプレーオフで昇格できるかもしれないからと、目の前の1つ1つの試合を勝って行った経験があるわけです、我が軍には。それを思い出させる巡り合わせ。残り9試合、プレーオフ圏は確実に近づいている。続けて行きましょう。最後に余談ですが、ソユースタジアムは大型ビジョンの運用が先進的でした。色々な情報が定期的に出て来て素晴らしかった。J1でもなかなかこういう情報を出しているビジョンは少ない。映像もキレイで映像制作に工夫があって素晴らしかったですね。見習いましょう。






2022/08/24

2022年 明治安田生命J2リーグ 第28節 水戸戦

【水戸 2 - 0 大分】


ドーンと勝ってバーンとブログを更新したい火曜日でした。7月に延期になった28節を火曜日の夜に開催。私は真っ当な社会人なので残念ながら現地には行けず、DAZNで生観戦。現地に行く予定だった7月、上野駅から水戸へ出発直前で中止を知りまして、水戸に行ったつもりで上野動物公園に行きました。水戸に行ったつもりで。自分でも何を言っているのかよく分からないですけれども。コロナが悪い、コロナが。

当日、唐突に予定が潰れたので散歩がてら、ちょうど良かったんですが残念ながら暑すぎて全動物が見つからない。パンダも公開されておらず、ほぼ全ての動物が暑さにやられて日陰に引っ込み、動物園なのに動物が見当たらない上野動物園でした。インド象しか元気なかった。

園内に中津からあげがあって一瞬スタグルかと勘違い。

暑さで狂ってました。水戸に行ったつもりで上野動物園を回っても消化不良だった夏の週末のリベンジ戦。が!残念ながら後半戦初の負けを喫しました。しかし、この敗北は、受け入れられてしまったというか、2点差なんだけれどもかなり紙一重の勝負だったように思えます。両チーム中2日とは思えない気合の好ゲームでした。J2の奥深さを痛い程感じるこの結果。残念な結果なんですけれども選手やクラブを批判するような気持にはなれませんでした。本当に大切なゲームだっただけに悔しいんだけれども、残念ながらこの試合は水戸のゲームでした。

スタメンは3-4-2-1スタイルをチョイス。アンカータイプの3-5-2でもボランチ2枚の3-4-2-1でもその時々のメンバーや対戦相手によって選択肢が出来たことはこれまでの紆余曲折の賜物。ボランチには弓場と保田のユースコンビを抜擢。左に増山、右に井上健太。サムエルのワントップに大エース町田と大ベテラン梅崎がシャドーに入る。守備陣は前節据え置き。ちょっとターンオーバーが少なくて心配ではありました。ベンチには野嶽が久々に復帰。金崎、呉屋もベンチスタート。

対する水戸。個人的に「とにかく明るい秋葉監督」と呼んでいるくらいポジティブで明るい人柄だと思っている秋葉監督が週末に行われた山口戦での敗北でチームの姿勢に対して激怒。それを受けての今節、メンバーに強烈な奮起を求めた試合。なんたる巡り合わせ。水戸は4-4-2と4-2-3-1を使い分けるけれども基本は4バックのチーム。190センチの長身で浦和から完全移籍したFW木下を得点源にし、強度の高い守備をベースにハードワークするチーム。資金力の限られた水戸にあって、何度選手を抜かれようとも、秋葉監督が何度も何度も植え付け続けたハードワークする姿勢。その姿勢が失われた試合をしたとあってはクラブのフィロソフィーの根幹に関わる由々しき問題。チームが、クラブが、目指すものが崩れるかどうかの瀬戸際で戦う必要性が出て来てしまった。常にハードワークを求めるけれども、選手だって人間だもの常に100%以上を出し続けることは難しい。そんな試合がシーズンの中で一つや二つあるものだけれども、若いチームはそんな試合が多い印象。奮起を促され、選手がそれに応えなければ空中分解してしまうこともありえる。きちんとあるべき姿に戻した指揮官。あっぱれでした。これ、我が軍で例えたら選手達が全くボールを繋がずにロングボールしか蹴らなくなるくらいの話じゃないですか、そうなったら「え!?」ってなるじゃないですか、そういうレベルの話な訳です。我が軍はほぼ手を抜かず、真面目にやり切っているけど勝てないんで話が違うんですけれども。

悔しい敗北だったのだけれども、私は前半の内容がシーズンを通してベストに近いくらいのビルドアップに感じまして、今のメンバーでこの完成度になったことが不思議でしょうがなかったんです。中2日の体力的に厳しい試合で、準備期間も無かったはずで、クオリティは下がると思っていたので、まさかこの試合でこんなビルドアップが出来るようになったことが意外過ぎて理解が追いつきませんでした。フィニッシュだけが決まらなかったけれども。この試合は特に攻撃参加の意識が格段に上がった上夷が素晴らしかった。守備でもしんどいはずなのに素晴らしかった。DAZN解説の坪井さんに乗せられたのかもしれないけれども、確かに攻撃面では素晴らしかった。フィニッシュだけが決まらなかったけれども。過密日程から解放されて、このクオリティを構築出来るに至ったと考えるのが自然でしょうか。しかし、意外だった。もう一段レベルが上がると思っていなかったので。


そんな良い攻撃を仕掛け続けられたけれども、リスク承知の例のカウンター対策がですね、フィロソフィーの根幹に関わる問題を立て直さなければならない水戸の鋭いハードワークに対してファウルで止める形になってしまい、保田・ペレイラが早い時間でイエローカードを貰ってしまった。ここから球際の攻防が熱かったこの試合ではビハインド要素となり木下の個人技に先制点を奪われてしまった。

ペレイラがなぎ倒されたら我が軍ではもうどうしようもないかなという得点でした。二人で挟んで高木も貫通されたので木下が凄い。この1点で下を向いたわけでもなかったし、一進一退の攻防が続いたと思うんだけれども、残念ながら更に1点を奪われてしまった。左サイドのカウンター、信じて走る水戸のフィロソフィーカウンターが決まってしまった。

思い描いたサッカーが実現出来ていたと思うので、下平監督がハーフタイムにこう言うのも頷けるし、選手も間違いなく戦っていたし、何が悪いかといえばコロナの日程や巡り合わせが悪いとしか言いようがない。選手交代で攻撃陣をリフレッシュしても、形を変えても、最後は水戸に5バックでサイドのスペースさえも潰されて守られ、リードしたらこうやって守るんだぞと教えられてしまったような試合でした。無得点に終わったので完敗です。水戸のゲームでした。J2は深い。サッカーは深い。相手があってのサッカーですのでね、巡り合わせってありますよね。そういうものを突破してこその昇格ですよね。


途中交代で入った金崎の強さ、椿のドリブルを阻止し続けた上夷、久々に復帰した野嶽の中盤業務、井上健太のクロス、増山の3点目を阻止するビッグプレー、良かった点もあったと思います。内容よりも結果が必要な局面で、ビルドアップが良かったからと言って得点が出来なければ評価しても意味が無いことは判っているんだけれども、我が軍には我が軍のフィロソフィーがあって、それが通用しなかったのであればより磨きをかけるしかありません。思想闘争。我が軍も戦いのベース部分を見直した後だっただけに、そこで負けてどうする?と言う話ではあります。秋葉監督は細かい計算でケーズデンキサンクスデーのためにこの流れを作ったとは思えないのでやっぱり巡り合わせです。


この試合に勝てば5位に浮上するはずが、敗北により停滞。さらに累積警告4枚目でペレイラが次節出場停止。CB業務をこなせる人員が週末までに準備できるのか、かなり怪しいけれども秋田戦はやってくる。乗り越えて上位陣に迫れるかどうか。残り試合は少なくなっていく中で佳境を迎えます。シーズンを少しでも、最後まで楽しみたいのでもうひと踏ん張り頑張って欲しいところです。ビルドアップは完成に近い。もう一度、盛り返すために、諦めずにやり切って欲しいと思います。いやー、悔しかったなー。



2022/08/21

2022年 明治安田生命J2リーグ 第32節 岩手戦

【大分 3 - 0 岩手】

DAZN生観戦でしたが久々にすっきり勝利です。どーんと勝ってバーンとブログ更新です。しかし、色々起きました!色々起きた一週間でした!

全く予想外の新加入。移籍ウィンドウも閉じた後に名古屋で出番が無く、自由契約となった夢生を拾ってしまう。クラブ唯一のタイトル獲得時に若手として大活躍したレジェンド。翌年のクラブ経営破たんの危機で名古屋へ移籍した悲しい別れから13年。帰って来てくれました。長年観続けると色々起きるんですね・・・・。本当に感慨深い・・・・。

そしてスタメンに即起用する下平監督。エンブレムを掴む夢生!おかえりなさいですよ!これはもう、残り試合を考えると実戦投入してOJTですぐに馴染ませる以外に無いし、これからの巻き返しの起爆剤として利用する気満々です。この日は3-5-2のアンカータイプ。火曜日に水戸戦が入った関係でターンオーバーも考慮されていると思われます。羽田アンカーで弓場と中川が脇を固める中盤。呉屋と金崎の2トップというJ2では豪華すぎる布陣。スタート時は3バックの右にペレイラ、真ん中に上夷を据えたけれども、試合中に戻しました。よく分かりませんでした。坂が真ん中だったならフィードを活かせた気はする。

ベンチに入った吉田舜のクラウドファンディングへのメッセージが秀逸だったので観てあげて下さい。素晴らしいです、最後の切羽詰まった魂の叫びが秀逸。試合出たいよね、そうだよね、頑張るしかないよね。

対戦相手のいわてグルージャ盛岡は3-4-2-1。DAZNの解説者は堅い守備のチームだって言ってましたけれども、50失点以上をしているので守り切れていないチームです。どこ見て何言ってんだって話です。失点の多さゆえに降格圏に沈むチームですけれども、この終盤戦での降格圏チームと戦う難しさはある訳で、J2下位チームとはしっかり戦わなければなりません。この32節もJ2下位と戦って痛い目に合っているクラブがございますんでね、気を付けなきゃダメです。


大方の予想通りにキックオフからカウンター狙いで「勝ち点持ち帰るならこれしかない」という割り切った戦いをチョイスしたグルージャ盛岡。スペースを埋めてシュートを許さない代わりに、カウンターでの攻撃は精度が低かった。この精度の低さに助けられた場面の方が多かった気がするんだけれども、基本はトリニータが保持してどう攻めるのか、隙を伺いながら攻撃するトリニータ、守るグルージャ盛岡という展開。

膠着状態からようやく抜け出せたのは39分。左サイドから崩して藤本の折り返しを中川が決めて先制。なかなかシュートまで持ち込めませんでしたけれども、カウンターのリスクを配慮しながらの攻撃で、決め切るところと決め切れたので100点満点です。中川のゴールで松本怜さんのお子さん誕生をお祝い出来ました。色々起きました。

2点目は呉屋のインターセプトから。前がかりにならざるを得なかったグルージャ盛岡のパスミスを逃さず奪ったボールを、前線までプレスをかけに顔を出していた弓場に託し、これを弓場が決め切った。前半で試合を決めたと言っても過言ではないナイスゴールでした!

試合を決めたと思っても、決め切れないのがここ最近のトリニータ。TKPの社長にも「引き分けは嫌いです」とツイートされていたのでTKPサンクスデーでは必勝必須。ここからです。きちんとした試合の締め方が必要とされます。

グルージャ盛岡はパワー系FWのブレンネルをメンバーから欠いていたので攻撃面ではいつもよりカード不足。前線を入れ替えるなど、歴戦のヘディングの痕が写真にクッキリ残る秋田監督が動くも、試合は動かせず。

73分、後半から藤本と交代で出場した増山が左サイドから絡んで、ペナルティエリアに入った、こちらも交代メンバーの町田がシュートするも盛岡のGKに弾かれ、こぼれ球を走り込んだ増山が決め切った。素晴らしいゴールで完全に試合を決め切りました。写真はふざけすぎだけどな!TKP社長!やりました!来年以降もスポンサードよろしくお願い致します!


ということで、久々にスカッと勝利したトリニータですが、やはり守備は何となく不安のままだったのが正直な感想です。この試合はめちゃくちゃ暑いコンディションだったはずで、グルージャ盛岡の動きにキレは無く、球際でほとんど勝てていたのがボール保持に繋がりましたが、カウンターのケアは完璧ではなく、相手の精度の低さに助けられたのではなかろうか。それでも久々の快勝なのでね、これをきっかけに連戦を乗り越えられれば十分です。久々に観た夢生は昔ながらの短パンスタイルで見分けやすくて良い。まだ周りと連携が出来ていませんが、実践の中ですり合わせて間に合わせるしかありませんので、ガンガン使って欲しいものです。攻撃陣に怪我人が増えているので起爆剤になって欲しい!もう一度夢を生んでくれ!

亀の歩みの如く、少しずつ上位との差を詰め始めました。プレーオフ圏内にヘッドスライディングするためには次の水戸戦、とても大切です。勢いに乗って欲しい!




2022/08/15

2022年 明治安田生命J2リーグ 第31節 徳島戦

 【徳島 2 - 2 大分】

引き分けるなよ、引き分けるなよ、絶対に引き分けるなよ・・・引き分けるんかい!みたいな試合でした(※本当にそんな感じの試合でした)おい誰だドロー沼とか言い出した奴は。(※私です)徳島で数年振りの阿波踊り開催でホテルが軒並み高額設定だったものでDAZN観戦。2022年J2引き分け王決定戦、引き分け王の名にふさわしい徳島の風格。引き分けになるんだろうな、そう思って1週間を過ごしていましたが、やっぱり引き分けになるという着地点が凄い。2点先制したんですよ!?さすがに大丈夫だなと思わせての引き分けだったので選手もサポーターもとても辛いですが、プレーオフ圏内にヘッドスライディングするための長い助走だと考えましょう。追いつく引き分けと、追いつかれる引き分けは精神衛生上まったく違いますけれども、いずれも同じ勝ち点1です。何も終わっていないんでね、鼓舞です、鼓舞。終わっていない限りは鼓舞です。今シーズンは最後まで何が起こるか分からんので諦めないことが重要になりそう。

スタメンはGK&3バックは前節と変わらずも、ボランチにエドゥアルドネットと羽田を起用。左に藤本、右に増山、サムエルワントップの町田と梅崎のシャドー。梅崎司、スタメンですよ。サムエルも梅崎も前節良い動きだったので期待感はありました。ベンチに入った選手も怪我から復帰直後の野村、小林裕紀が入っているのでおそらくスクランブル発進。選手層は一見厚めに見えるんだけれども、試合を全部観た後に冷静に振り返るとコンディションが揃っているメンバーはスタメンのみだったんじゃなかろうか。直前に感染者も出ていたし、前節いたメンバーが居なくなっているしで、やり繰りは相変わらず大変なんだろうと思われます。

対する徳島。この試合まで23失点とリーグ最少失点を誇る堅いチーム。18引き分けという、稼いだ勝ち点のほぼ半分が引き分けというスッキリしないことこの上ない。我が軍も12引き分けと大概なんだけれども、昨年降格して、この2チームのみにルヴァンカップ出場権と言う名の希望のあるハンデが圧し掛かった。冬のワールドカップなんざJ2に関係ねぇのに10月でリーグ戦を終えなければならない日程の中で苦労を共にした2チームとなってしまいました。プレーオフをJ2だけでやらせてくれれば良かったのにねぇ。日程に関してはこの2チームのサポーター同志で愚痴を言い合いたい。徳島は昨年から不変の4-3-3をベースにポジショナルプレーを継続。しかし、攻撃はイマイチなのが停滞の原因。夏にFWを補強すると予想していたんだけれども未だ動かずの徳島強化部。4月に補強したエウシーニョは怪我で稼働が少なく、編成ミスが根本原因でしょうか。ポヤトス監督、そんなに良くもないけどそんなに悪くもない。

大分市内では夏休み、お盆ということでパブリックビューイングも実施されたようです。先祖の霊も引き分けそうだなって言ってたんじゃないかという気がします。私も試合前はどうせ引き分けだろうなって思ってたんですが、開始早々に左サイドを藤本がこじ開けて、サムエルが左脚で先制ゴールを決めた時は勝てそうな気になりました。素晴らしい速攻でした。ただ、その後途端に徳島のプレスに対して、ビルドアップが根詰まりを起こして受け身になり過ぎた感があって、引き分けの不安はよぎりました。それを払拭してくれたのが大ベテラン梅崎。右サイド、増山の粘りからボールをキープして中に折り返し、受けた町田が浮かせたパスを胸で受けた梅崎が反転ボレーで2点目を決めた。嬉しそうな梅崎司を観てとても幸せな気持ちになりましたよ、大分トリニータでのリーグ戦の得点は15年振りだとか。お帰り司ゴールで2点先制したんですよ、さすがにこれはもう大丈夫だろうって思いましたよ、私も。スタメンをやり繰りする中でも、選ばれた選手達が結果を出して言うこと無しの前半でした。

あとは45分、時間を使って逃げ切れば良かったんだけれども、後半早々に徳島がムシャガ・バケンガを投入して2トップへ変更。15分間は踏ん張れとハーフタイムに監督に言われたのに54分に失点。ミドルシュート打たれ過ぎ問題です。リフレクトがあってのこぼれ球を押し込まれてしまう。不運ではありません、ミドルシュート打たれ過ぎ問題です。サイドに展開されて押し込まれるとラインが下がり、真ん中にスペースが出来てしまう問題。これ、明確に狙われていた印象です。2巡目の戦いなので分析されている訳です。守備の問題はずーっと改善できないままです。


真夏のアウェイなのでコンディション調整は難しかったと思います。徳島にボールを持たれる時間が長くなり前線からの守備はハメられず、走らされてしまった。消耗した選手達が次々と足を攣り交代。試合後のコメントを読むと野村も万全ではなかったけれどもスクランブル出場。交代選手達も動けていたのは呉屋と井上健太くらい。何とか耐えられていましたが、アディショナルタイムに白井永地に見事なシュートを決められて、徳島の引き分け力が発揮されてしまった。2点差を追いつかれての引き分け決着。無念。


最も失点の少ない、堅い徳島に対して2得点出来た素晴らしい攻撃面。得点力が乏しく、苦しんでいる徳島に対して2失点した守備面。やはり守備面なんだろうけれども、下平監督は攻撃面にバランスを振りがちだと思うのだけれども、守備の改善はしている的なコメントも読んだ気がするので、課題の修正方法の引き出しが限界なのかもしれません。ただ、この試合は藤本が守備を頑張っていたのが印象的だった。戦術面と個人面、各々課題があるけれども改善に向けて努力の過程が透けて見える。成長する者、なかなか成長しない者。成長するまでチャレンジし続けて欲しい。下平監督は若手を使い続ける点においては評価すべきと思っていまして、よく我慢して若い選手を使い続けているなという気もするし、若い選手しか居ない気もするんだけれども、チャレンジです。もう忘れてましたけど今シーズンのスローガン、「挑戦」でした。ネバーストップチャレンジングですよ。ネバーです。ネバー。最後まで諦めずにプレーオフ圏内に挑戦です。



2022/08/07

2022年 明治安田生命J2リーグ 第30節 町田戦

【町田 1 - 1 大分】

関東地方、酷暑が小休止した8月最初の週末。夏の野郎も夏休みでしょうか?今年の夏の野郎は35℃を超えるような気温を連発しやがりまして、マジむかつくんですけれども、この日は30℃を下回ったことで涼しく感じるくらいには東京砂漠です。まぁ砂漠というよりは沼です。ドロー沼です。泥沼ですね。抜け出せません。

町田は大都会なのですが、スタジアムのある野津田は別世界。我々がJ1で白眼を剥いている間に立派なバックスタンドが完成した野津田。




このバックスタンドは勾配がえぐいので勾配大好きおじさんにはおススメです。高い位置から俯瞰してゼルビアの時間稼ぎ失敗サッカーを拝めるんですが、この日は「まちだ青城祭」と銘打って夏祭りイベント開催。数年前から「天空のスタジアム」とか自虐的なことを公式が逆手に取り始めてからの通常運用とそこまで劇的に変わらん印象だったけれども、縁日的なブースが多かったり、盆踊り的なステージが組んであったりと協賛という名のみかじめ料をサイバーエージェントが払ったのであろうことが推定できるレベルのイベントでした。まだ始めて2年目くらいのはずなので今後定着すると良いですね。祭りで浅田飴マッチデーということもあってかニータンも招待されてなのか遠路はるばる上京。本物のニータンを拝めるなんてありがたいことです。青城祭万歳。

スタメンに引っかかったポイントが1つ。3バックの真ん中にペレイラが復帰。確かに前節から守備を改善しようという取り組みがなされたことは察しが付くのですが、坂をペレイラに変えることが最善策なのかどうか、少し引っかかりました。ペレイラの負傷離脱中に坂がスタメンに定着してビルドアップが良くなっていたので戻す必要あるのかな?と。この日はダブルボランチの3-4-2-1でスタート。ベンチには井上健太が復帰。小林成豪と入れ替わったことだけが前節とのメンバーの違いでした。

対する町田。私がシーズン開幕前にJ2で2位予想したほどの充実した戦力だったはずなんだけれども、コロナの影響も出ていてフルメンバーではなかった。それでもドゥドゥ、ヴィニシウスアラウージョが先発と豪華。残念ながら移籍したポープはベンチ外。町田も3-4-2-1の並びでミラーゲームの様相となりました。町田も勝ち切れない試合が続いていて、特に試合終盤に失点する傾向がある。ポポヴィッチ監督の交代カードの切り方が悪いのか、何なのか。この試合を生で観た感想としては時間稼ぎに徹し過ぎな印象。2点目を取りに行っていないので痛い目に会いがちなのではなかろうか。

前回の対戦時にも掘り返してツイートしたんですが、町田の今は亡き経営ロードマップ。ツイートすると勝てたので縁起ものです。今年昇格すればギリギリ間に合うのでまだ可能性が残されているだけ、大分トリニータの今年の目標よりはマシです。どこも計画なんてそんなもんです。いつの間にかしれっと勝ち点84を諦めてプレーオフ圏内を目指し始めた大分トリニータ。連戦とコロナが悪いんであって誰も悪くない、というスタンス。全員が悪いです、はい。










声を出して応援しても良い席が設けられたこの試合、久々にチャントを聞きました。普通のスタジアムに戻り切ったとまではいかないものの、しっくりくるというか、プロサッカーを観ている感は濃くなったのかもしれません。町田側よりも大分側の方が声を出す頻度が段違いに多かった。ポポビッチ監督の怒号がメインスタンドには響き渡るので、他のエリアにいる観戦者たちは声を出さないことが定着しているのかもしれない。スタジアム内の二極化。しかし、だからこそ応援が映える。道半ばの、独特な雰囲気。


試合自体は面白かったけれども、主審が笛を吹きがちでセットプレーに次ぐセットプレーで始まってしまった。試合を通じて笛が多く、主審が違えばもっと面白い試合に出来たはず。ポポビッチ監督は怒り狂うだろうけれども。試合序盤、セットプレーの塊を凌ぐとポゼッションしたのはトリニータ。15分を過ぎた辺りからは保持するトリニータと5-4-1の陣形で守る町田という構図。町田は前回対戦でサイドの攻防に敗れて3ゴールを許す結果となったためか、5-4のブロックをしっかりと敷いてサイドのスペースを消し、なおかつ守りっぱなしにならないようにライン設定は高めで前線からボールを追う攻撃的な守備であった。相手がコンパクトだったこともあって、サイドの裏にボールを出したり、中央で仕掛けたりと色々多彩な攻撃を繰り出せていたトリニータ。成熟度としては高まっている。飲水タイムまではトリニータのペースであった。

カウンターのケアも良く、即時奪回できたシーンも多かった。それでもドゥドゥやヴィニシウスアラウージョが前線にいるため、一発でピンチになるシーンも何度か作られ、町田に盛り返されて前半は終了。一進一退の攻防だった。

後半開始早々にペレイラがPKを献上してしまい、失点。先手を取られてしまう。PKの判定自体には文句は無いです。ペレイラの先発復帰で引っかかっていたところが「やっぱり」と思ったんですけど、家に帰ってダイジェスト動画を観る限りは、あの一連のプレーの中で上夷の方がよっぽど引っかかります。ペレイラよりも上夷が失点の要因を作り出した感があります。なので、3バックの右に坂を入れていれば良かったんじゃなかろうか。三竿、ペレイラ、坂が正解だったかもしれない。






先制を許した後の町田ゼルビアの戦い方はセオリー通り正しく、勝利に徹してのカウンター狙い。GKはたっぷり時間を使ってゴールキックを蹴り、自陣でボール回しを敢行。たまに得たコーナーキックはファウルをすぐに取られてゴールに迫ることさえできなかった。まったり時間を使う町田。下平監督は早めに手を打ち、3枚替えを敢行。途中で入った井上、高畑、サムエルでもう一度サイドから中にいるサムエルで決めようとビルドアップ時にボランチを最終ラインに下げて3-1-6でサイドを叩き続ける。高畑、井上と両サイドは素晴らしかった。それでも町田の牙城、青城は崩せず。80分にネットと梅崎を投入して交代枠を使い切った。

ようやく追いつけたのはアディショナルタイムに入ってから。土壇場で追いついた。交代した選手達が絡みまくって、最後にサムエルがごっつい理不尽なゴールを決めてしまう。このゴール、一連に絡んだ全ての選手が素晴らしかった!サムエルがゴール裏に走ってアピールしまくりだったのはご愛嬌。まだ数分残ってますから!皆戻れ!って言ってんのにインスタ用にサポーターに写真を撮ってもらいたくてしかたない若人サムエル。劇的ゴールだったから気持ちは分かるけど逆転したら皆写真を撮ってインスタに上げるから!1点じゃ足りないから!とんでもないゴールを決めよったサムエル。町田戦だけ活躍するんじゃなくてコンスタントに活躍して下さい!




残念ながら反撃も1点止まり。土壇場で負けから引き分けに出来たので精神衛生上は悪くないですが、やはり勝ちたかった。負けなくて良かった内容だったけれども、なかなか勝ち点が伸ばせない。プレーオフ圏内に滑り込めるかどうかは全く読めませんが、層の厚みはJ2屈指なのは間違いない。大エース町田也真人もフル出場できるまでになった。ぬかりなくやれば滑り込めるはず。ドロー沼から抜け出してスッキリ勝てる8月にしたいけれども、次節はキングオブドロー沼の徳島との戦い。抜けるには持って来いの相手ですよ。徳島に勝ってドロー沼から抜け出しましょう。強烈な沼っぽいけれども。