2023/08/07

2023年 明治安田生命J2リーグ 第29節 山口戦

【山口 2 - 2 大分】


山口のサイドチェンジに苦しめられた試合でした。DAZNでも現地の暑さは感じ取れましたが、難しいコンディションの中で夏用のサッカーをやっていたのか、何なのか。サムエルワントップでロングボール戦術に完全に切り替わってしまった我がチームはまたも勝利には及ばず。負けなくて良かったけれども、勝たなくてはならない試合でした。素晴らしいゴールで先制したんだし。


戻って来たメンバーと、ベンチ外になっているメンバーとがいて、競争なのか戦術なのか怪我なのか判断ができませんがひとまず高木がベンチ入りです。もっと長引くと思っていたけれども、高木の復帰は大きい。この時期になればプロの選手は怪我などで満身創痍の上に疲労もあって大変だとは思うのだけれども、何とか試合に間に合わせていると思われます。試合後の高木の形相が全てを物語っていた。熱い漢が帰って来た。この日は4-2-3-1を選択。ワントップサムエル、藤本・野村・中川を前線にしてボランチは弓場と池田のコンビ。DFは左から高畑・デルラン・安藤・上夷。ベンチメンバーには長沢が復帰。



対する山口。現在下位に低迷してしまっていることもあって、しばらく会わないうちに全然違うチームに変貌。 諸君、狂いたまへの精神でエスナイデル監督を招聘。本当に狂ってどうするとJ2界隈が騒然としましたが、そのエスナイデル監督がジェフ時代に重用したDFキムボムヨンを獲得。更にインドネシアのクラブからブラジル人FWも獲得。夏に出費です、出費。代名詞のハイラインでバチバチ行くのかと思いきや、ジェフ2年目の後半戦に見せた守備を立て直す手腕を発揮。負け無しで自信を与えると、徐々にハイラインを開始してジェフには負けた模様。何だかんだでこの日の山口の最終ラインとGKは怪しかったし、隙は多くあった気がする。



ニータンは山口に初上陸でしょうか。レノ丸と丸いフォルム同士でイチャイチャしていた様子です。・・・はい、試合です、試合。試合は落ち着かない入りだったと思います。トリニータは守備時4-4-2で守っていたけれども、攻撃時にトップ下の藤本が左右に動くので、どちらかのサイドに寄りがちで、いつもと違う何かは感じたのだけれども、サムエルが走れる最初の15分が勝負って言うことだけは明白でした。前半10分、右サイドのスローインから藤本が右サイド奥で受けたボールを中に折り返し、池田→野村と繋いで最後は逆サイドの左サイドに走り込んだ高畑奎汰が素晴らしいシュートでゴールを奪ってみせた。



怪我から復帰して素晴らしいキックを披露した高畑。凄まじいシュートでした。これで楽に試合を運べると思うじゃないですか、違いました。特に飲水タイムまではちょっと我慢かな、なんて思っていたのだけれどもサムエルの走れなさ加減が徐々に山口のDFを自由にする時間を与えてしまった。


攻撃時に藤本がいずれかのサイドに寄ることもあって、守備への切り替えの中で逆サイドに一気に振られるロングパスを山口が多用し始める。元々は裏のスペースを縦に狙っていた雰囲気なのだけれども、逆サイドに振られてから前進された。飲水タイム後にエスナイデル監督の指示があったのか、何なのか、ボールを保持できず、攻撃を受け続けてしまう形になって立て続けに2失点。前半のうちに逆転されてしまった。2失点目はPKで、デルランが山口の新ブラジル人FWシルビオジュニオールを倒してしまったけれども、あのFWも怪しかったのでそこまで警戒するほどではなかったように思える。決定機も多く作れてはいたけれども決め切れずに逆転を許すという、無念の前半。



後半、弓場から保田へボランチを交代。意図はよく分からなかったけれども、保田は頑張れと思いました。若さで乗り切れ。しかし、後半も山口のサイドチェンジが効いたし、そこまで良い形を作り切れなかった。戦い方が明白に変わったのは羽田を投入して3バックになってからでしょうか、ボールを若干繋ぐようになり、チャンスを作れるように。しかし、これは80分を過ぎてからの話。遅くなかったです??当然時間が足りなく、迎えた95分過ぎ、最後のCKのチャンスにGK西川も駆け上がって、ラストプレーというところで西川の前にボールがこぼれて、シュートを空振りさせて、ヽ(・ω・)/ズコーっとクリアされて試合終了かと思いきや、クリアボールのスローインからいつの間にか左サイドで高畑が仕掛けてクロスを上げる、逆サイドに走り込んだ松尾がダイレクトボレーで決め切って同点に。劇的同点ゴールでした。最後、よく諦めずに全員でチャレンジしてくれた。



松尾、すごい松尾。よく決めてくれました。高畑の仕掛けとクロスも素晴らしかった。GK西川のシュート空振りで、山口側も「勝った」と思ったはずなんです、私も「負けた」って思いましたし。あの空振りが油断を生ませた要因になってます(※断言)トリニータの選手が最後まで諦めずにプレーを続けたのは多くのサポーターが現地に乗り込んだからだと思いますし、みんなでやれることはやっているのだと思います。負けるくらいなら引き分けで終わった方が良いですが、この日は先制も出来ていたし、決定機も多かったので引き分けであっても評価できない試合でした。もう少しでしたね。



試合後の下平監督のコメントを読むと、山口がポゼッションに秀でたチームだからサムエルワントップのロングボール戦術で戦ったと。が、どうもハマったかというと怪しい。先制後からプレスが回避されることが多く、戦術全般が中途半端であった印象。サムエルをワントップで使うことのメリットとデメリットのバランスが噛み合わなかったように思う。後半の短い時間で勝負ならメリットが上回ると思うのだけれども、試合を通じて徐々にプレスの緩さからサイドチェンジの配給を許してしまった。ハイライン対策をエスナイデル監督に打たれるという餅は餅屋対策。山口、全然狂ってない。山口も生き残りを懸けて必死。トリニータは下位からキッチリ勝ち点を回収できない。2位磐田との差も広がり、プレーオフ圏内に入れるかどうか。食い止めたい。食い止めてもらいたい。最後のあの、諦めの悪さを信じて次節の藤枝戦でこそ勝利を。



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