2023/11/13

2023年 明治安田生命J2リーグ 第42節 群馬戦

【大分 2 - 1 群馬】


2023シーズン全日程が完了です。皆さん今シーズンもお疲れ様でございました。DAZNで生観戦した最終節。下平監督の退任が公表され、現体制最後の、見納めとなる試合となりました。無事勝利して順位を入れ替えられることなく有終の美を飾る。DAZNの解説も分かり易かったし色々良かった。が、後半のパワーダウンはやっぱり発生したし、今年のトリニータは最後までそのままではありました。


非常に評価の難しい2年間となってしまった下平体制。2022年はコロナの影響、2023年は怪我人の影響が出て100%編成の実力を活用出来た期間は短かったかもしれない。本当はやりたかったはずの4-3-3。2023年就任後の開幕戦、コロナ感染で1試合順延となった試合の4-3-3を観た時に「これで勝てれば最高なんだろうけれども」と感じてから2年。当時はDFが三竿、坂、ペレイラ、小出。中盤には町田也真人と渡邉新太、アンカーに下田北斗、FWがワントップに呉屋、左に小林成豪、右に井上健太という布陣。チームで崩すスタイルから個で勝負するスタイルへの変換。J2特有の相手の長所を発揮させないようにする対策ありきの戦い。プレーオフへは進出したものの、要所でミスが出て勝ち切れなかった2022年。編成的には個人昇格した選手達が出て行き、若干人件費的には落ちたであろう2023年。「共創」という選手達に戦い方の主体性を委ねつつ、スタートダッシュに成功。ハードワークを必要とする「共創」した内容は異常な夏の暑さの中と続出した怪我人の影響で勝てなくなり、徐々に順位を落としてしまった。


チームの雰囲気、一体感は良さそうだったし、「共創」マネジメントの正しい評価は内部の人じゃないと難しそう。良い所は残し、血肉にしていかなければなりません。個人的にはこのボトムアップ型のマネジメント方式はどこかの国のどこかのリーグで実績があるものだったのかどうか?ということが気になるところ。実験的な試みだったのか?何か実績があることだったのか?横浜FCとかでやっていたのであれば初年度からやってもよかったろうし、2年目から取り入れたっていうことは本当に自主性が無かったという課題認識があったということだったのだろうか。一人一人にレビューして欲しいくらい興味がある。良い所だけ残して欲しい。結果に紐づけば異論はなかったのだけれども、シーズン途中の苦しい時期に難しくなった印象もある。急に情報発信が途絶えたし。観客動員が増えた点は評価できるけれども、どちらかと言うとスタジアムイベントが充実化した方が効果があった気がする。昔と比べると雲泥の差を感じるスタジアムイベント。来年度も頑張って欲しいところ。下平体制の総括として、来年に繋がるのかどうかはこれからの編成次第。居なくなる選手が多いと繋がらない。監督が誰で、どういう編成になるのか。来年度の編成次第、結果次第でこの2年間の評価は変わるかもしれない。


試合はもうね、「保田」です。私、保田アンカーシステムが観れるならお金を出して観る価値があると、ここ最近このブログで書いてますけれども、その意味が分かって頂けたのではないかという存在感でした。左サイドのストロングポイント、内容の良い前半に2得点。後半に失点して怪しくなるという、よくある内容ではありましたけれども、保田はどうだ、あのターン、前進、展開力、ミドルシュート、あれはヤバい。歴代のユース出身から羽ばたいていった若者を何人も観てきたおじさんなんだけれども、どの時代の誰と比べてもあれはヤバいと思う。サッカーでね、よく日本人選手が海外移籍して練習でパスが回って来ないとか聞くじゃないですか。誰が一番サッカーが上手いのか、そのチームの中で選手同士の序列みたいなもの。結果を出して実力で信頼を勝ち得ていくプロセス。そういうものが普通は練習の中で巻き起こるんだろうけれども、前節でもう明らかに今このチームで一番上手いのは保田さんっすというのが判ったような瞬間があって。ああぁもう保田のチームになるぞ、そんな予感です。もちろんまだ荒削りな部分はあれども、光り輝くポテンシャルよ。あれはヤバい。ヤバいモノを観ている気がする。



最終節は群馬。もしもお互いにプレーオフ圏内を争っていたらさぞかしヒリヒリするような試合になっただろうけれども、圏外での順位決定戦。消化試合っぽくはならずにしっかりと熱い試合になりました。両チーム、ちゃんと気持ちの入ったゲームでした。大槻監督の作ったチームです。誰も予想しなかった群馬の躍進。カウンターだけでなく、保持して動かすこともできる可変システムを使いこなす。守備時4-4-2のブロックとGK櫛引の堅さが厄介。しかし、この試合はもう保田ですから、保田経由の左サイドで素晴らしい波状攻撃が続きました。ようやく決まった感のある長沢のヘディングゴール、右サイド渡邉新太のシュートを櫛引が弾いたところを詰めた弓場。2得点は素晴らしかったし、プロセスも良かった。負けるイメージが全く浮かばないレベルの出来の前半でした。

後半、自信が失われて行くのよ。2点差となって攻めざるを得ない群馬に対して受けてしまう。香川のブロックがペナルティエリア内でハンド判定となってPKを献上、西川は惜しかったけれども決められてしまって1点を返されてしまう。


ここからやっぱり突き放す3得点目は出来なかったし、危ういシーンもあったので課題を完全に解決できた訳ではなかった。なんとか逃げ切って勝ったことは素晴らしいんだけれども、やっぱり何かが足りないまま、という印象ではあった。相手をぶっ倒す強さ、そういうものが物足りない。シーズン通してそんな印象でした。


終了後のセレモニーもDAZNで観たけれども、ゴール裏から横断幕の掲示もありました。クラブはJ1昇格に向けて本気で取り組んでいたのか?ここは私も同じ気持ち。下平体制を今年で諦めるのであれば、シーズン後半に監督交代を決断すべきだったと思う。強化部は現体制のままの方が昇格に近づくという判断をしたのだろうけれども、結果に紐づいていない訳で、結果論としては失敗だった。私、信じて優勝予想に5万円突っ込んだんでね、そこは言う権利があると思っているんです。これまでのシーズンとの違い。金がかかってるんだよ!本気で取り組めよ!っていうところは不満があります。J1にいるべきクラブだ、と本当に、本気で思っているならば決断せねばなりませんでした。下平体制を継続するなら分かるんだけど、諦めたっぽいので印象が変わります。もしかするとオファーして断られたのかもしれないけれども。本気感を見せて欲しい所。特に来年度の編成は重要。その内容次第では信頼感が揺らぐ。来年はクラブ創設30周年。新体制、本気を見せて欲しい。ということで、今シーズンも42節、お付き合い頂きましてありがとうございました。来年もJ2となってしまいましたが細く長くをモットーに応援を続けたいと思います。ひとまず今シーズン、お疲れ様でした。



2 件のコメント:

  1. いつも楽しく拝見させて頂きました。私は48歳のおじさんですが、トリニータの結果と共に、密かに楽しみにしてました。また、来年もブログ楽しみにしています!

    返信削除
    返信
    1. なる様

      コメントありがとうございます。密かに楽しむエロ本的なブログですので用法用量を守ってご活用下さい。ちなみにこのブログは初老の方にたくさん読んで頂いておりますので貴殿はまだまだ若手層です。年内もまだ更新予定ですのでお楽しみに。

      削除