2025/09/14

2025年 明治安田J2リーグ 第29節 藤枝戦

【藤枝 1 - 1 大分】


さぁ勝負の9月です。6ポイントマッチしかないここからの4試合。負けられない試合が続くのに、守備陣の中心であった藤原優大が浦和にレンタルバックという大激震。おい、シーズン中にレンタルバックとはどういうことだ!?あたし、今シーズン藤原優大のユニフォーム買ってるんですけど!?

3バックの真ん中が居なくなるという緊急事態。浦和に戻れと言われて、チャンスと思って戻ってしまった浦和の漢。まぁ、浦和の漢だからしょうがないんだけどさ、外国籍DFがわんさかいるJ1の浦和に戻っても試合に絡めないだろうに、若者はチャレンジに賭けて戻ってしまった。3バックをどうするのか?ここで大分トリニータは緊急補強。オーストラリアから岡本拓也を確保。

J1、J2での実績は十分過ぎる岡本拓也。しかしここ2年ほどは出場時間が短く、若干不安はあるが、藤原優大が抜けた後釜としては計算できる、できなきゃ困る人材。何とかなるのか、ならないのか、ただでさえ難しい勝負の9月に更に難題が増えてしまった。


藤枝は雨。試合前までにかなり強い雨が降り続けた模様。しかし、そこは蹴球都市藤枝。ピッチは全く問題が無く、美しい芝でサッカーは出来ました。暑さも和らいで、ようやく汗だくになることなくサッカー観戦が出来る季節に。湿度が高く、蒸し暑さはあったものの、これまでの苦しさに比べたら走れる季節の到来。飲水タイム無しで試合が出来ることは良い事です。

1週間リーグ戦のお休みを経てのスタメン。グレイソンをワントップに、池田と天笠をシャドーに配置。野嶽と榊原をボランチにし、右に吉田、左に三竿。3バックはデルラン・岡本・ペレイラの3枚。GKは濵田太郎。いきなりのスタメンとなった岡本。3バックの真ん中をやったことがあるのかどうかは不明だけれども、違和感はなく、ベテランらしくゲームを作ることは出来ていたと思う。終盤に足を攣って動けなくなり、最前線に押し出されてしまったのは試合出場から遠ざかっていたのでしょうがないけれども、致命傷には繋がらなかったので及第点でしょうか。よくやってくれた方。メンバーとしては有馬が戻って来なかったので憂鬱です。1週間のインターバルがあったのに戻って来れなかったのか?中川も不在。攻撃陣にも不安あり。野村も清武も戻ってこない。このメンバーでやるしかねぇ。

対する藤枝。こちらも決して好調とは言えない順位。GKを含めてビルドアップをし、ボールを握って得点を目指すスタイルは健在。須藤監督が長年落とし込む形を継続しているけれども、どうもクオリティが少し足りない印象。3-4-2-1を運用し、守備時5-4-1になるミラーゲーム。注目は戻って来たワントップ矢村。J1新潟にステップアップ移籍して、新潟がJ2に戻りそうなので、先にJ2に戻ってくるという謎の移籍劇。試合に出てなんぼってことです。出場できるかどうか分からないJ1に戻る若者もいれば、J2に戻って来る若者もいる。




ゲームキャプテンは天笠。この試合の天笠は頼もしかった。試合を重ねる毎にグレイソンの特徴が何なのか分からなくなっていくんだけれども、真ん中から動かないグレイソンの周りをフォローするハイプレスを適度に敢行してくれる天笠。グレイソンにボールを入れた後に周辺が絡んで前進したいはずの大分トリニータは序盤、まるでグレイソンにボールを入れられず。GK濱田からのゴールキックを右サイドの吉田やグレイソンに目掛けて蹴っても、収められるシーンは少なく、蹴っ飛ばし小僧を擁する藤枝に攻め立てられる展開が序盤に続いた。ただ、藤枝のクオリティ不足と、そつなく業務をこなせた岡本を中心とした3バックも何とか守備を頑張って決定機は作らせず。そんな中、右サイドから吉田のロングスローで得た初めてのチャンス。








ペナルティエリア内でデルランが落とし、天笠が走り込んでシュート。これが見事に決まって劣勢の中から試合も盛り返しに成功。先制点とか久し振りである。戸根さんのところのお子さんが産まれたらしく、ゆりかごダンスが出来ました。ほぼほぼ劣勢だった中で、ロングスローからの得点なんて開幕戦以来じゃなかろうか。デルランが落とした場所が良かった。天笠のシュートも素晴らしかった。天笠キャプテン、頼もしかった。選手達の笑顔を久々に見たな。こういうシーンを増やして行きたいよね。

ベテラン岡本の評価はまだ難しいけれども、ひとまず違和感なくフィットしていた印象。ベテランの経験って素晴らしい。円陣を組んだ後にダッシュしてしまう湘南の癖が抜けない湘南病に罹っているので治療は必要。藤枝に決定機らしい決定機は作らせないまま、何とか時間を進められていた前半ではあったが、39分に左サイドから低めのクロスを供給され、ワンタッチで藤枝MF浅倉に決められてしまう。相手を褒めるしかないようなダイレクトプレーだったけれども、ペレイラがマークに付くべきだったか、岡本がケアすべきだったか曖昧なところにボールが供給されてしまい、失点となってしまった。前半に追いつかれてしまい、ゲームプランは振り出しに戻されてしまう。左サイドに展開された時点でマークが甘い状況が連続で続いたのでDFだけの責任ではないのだけれども。スライドが遅かった。

後半、スコアは動かずじまい。唯一の決定機は吉田のシュートであった。後半の選手交代の中でボランチに下がった池田が素晴らしい攻め上がり。落合とのワンツーを経て、中へ折り返し、グレイソンのワンタッチで吉田の抜け出しシーンを作ったのだけれども、吉田が決め切れず。惜しかった。良い形だったので決めて欲しかった。





良い形の決定機はこれくらい。藤枝はGKを含めてビルドアップをしてくるので、GKに対してハイプレスに行くと1枚余りますからね、プレスに行っても無駄になることが多かったと思う。ミドルブロックを敷くトリニータ側のDFラインの位置、プレスに行くポイントなど、バランスを取りながら徹底は出来ていた。何度か高い位置で奪えたりもしたので、必ずしもグレイソンが動かないことがマイナス面が多いとも思わないのだけれども、ワントップとしては競り合わない、ボールが収まらない、プレスにも行かない、一体何が得意なんだ的な評価に落ちつつあるんだけれども、たぶん、足元にボールを入れてあげるのが一番活きる選手なんだろうとは思われます。前半にミドルシュートを打ったシーンに象徴されるように、足元に出してあげたい。戦術的相性として、藤枝にはスピード系FWでプレスと裏抜けを徹底した方が良かったかもしれない。結果論だけども。この日もサッカー自体は面白くはなかったんだけど、負けないためのゲームプランとしては理解は出来る。面白くはなかったけど。水溜まりも出来ずにサッカーは出来たけれども、やはりスリッピーであったが故にビルドアップの精度が両チーム共に質として落ちた試合だったとも思う。お互いに持ち味が出せなかったのではなかろうか。


試合最終盤、左サイドまで走ってスライディングで藤枝の攻撃をカットした岡本。足を攣って動けなくなってしまった。湘南でブイブイやっていた選手は足を攣らなさそうなんだけれども、ここ2年の出場機会の減少と、蒸し暑い日本の気候と、真ん中のCB業務と難しいコンデイションが多々あった中なのでしょうがない。その後も足を引きずりながら最前線に配置されて、業務を全う。ギリ何とかなりました。次節も先発で出れるのであれば良い印象。この試合で肉離れとかになってなければ良いのだけれども。


試合終了後、倒れ込んだグレイソン。倒れ込むほどスプリントしてなくね?と心の中では思ってしまったのだけれども、90分動き続けてはいた。どんどん特徴が判らなくなってきているので強みのアピールをして欲しいところ。足元かな、たぶん、足元なんだろうな。足元で活かそうな。

6ポイントマッチだった藤枝戦。次節のホーム亀祭り本祭に向けて勝って勢いを付けたかったところだけれども、引き分けで終了。負けずに勝ち点1を持ち帰れた。ポジティブにはなれない内容ではあったけれども、試合中に振った雨も強かったし、難しいコンディションであったことを考慮すればギリギリ及第点だろうか。負けて勝ち点0じゃないのでね、今は勝ち点1でも積み上げなければなりません。他力本願日曜日。ボトム3クラブが勝ち点を積み上げないことを祈るしかない。


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