2019/08/05

2019年 明治安田生命J1リーグ 第21節 鳥栖戦

【鳥栖 2 ― 2 大分】



暑い中で行われた、熱い試合でした。家からDAZN生観戦だったので涼しかった訳ですが、唯一のJ1九州ダービー、勿体ない試合となってしまいました。大興奮の熱い試合だからこそ、冷静に振り返るのが重要。私が一番強く感じたのは1失点後に慌てなかった我が軍の冷徹さでした。


前節から前田をベンチに、小手川をベンチ外へと2名のメンバー変更。キックオフ直後は後藤がワントップに入り、ティティパンがボランチに入る。ベンチには久々に三平が戻って来た。前節の川崎戦でGKの序列に変更あり?みたいなことを書いてしまったのですが、ポープは川崎からのレンタルということを完全にきれいさっぱり忘れてしまっておりまして、ポープはうちの子だろくらいに、いつの間にか思い込んでしまっていて、 コメントいただいて思い出しました。小島があっさりベンチ外だったので変わらず3番手の模様です。


この1週間で最も驚いたのが福森の清水への移籍。やはりJ3時代を共に戦った選手には特別の想い入れがあるので寂しい限りなのですが、試合に使われなくなって、お子さんが出来て、より高い年俸を提示されるまでになったと考えたら(※真相は不明だけど)選手にとっては良いことだと思いますし、J2でもJ3でもなくJ1の名門からオファーを貰えるまでの選手として成長したことの証でもあるので、出場できる場所で頑張って欲しいと思います。


大卒の有望選手は大分トリニータくらいに入っとくのがちょうど良い事例です。田中達也獲得に使ったであろう移籍金も相殺できるし。本当はドリブルもクロスもやればできる子だったのに、右サイドとのバランスを取りつつ守備の思想ファーストの安定志向になってしまい、攻撃大好き監督からするとプライオリティが下がって行ってしまったのではなかろうか(※トリテンに書かれていたので登録して読んでね)右側にスライドするからしょうがないんだけれども、ボランチが更に降りてくるまでになったのでサイドを押し出すことが生命線になり、戦術との微妙な齟齬が生まれた印象の移籍劇。チームと共に成長してきた過程を見て来たので本音はやっぱり寂しい。これでもし、清水でベンチを温めていたらその時こそブーイングしてやんよ。守備で残留戦線を乗り切る気の篠田監督ならおそらく使うと予想している。


対するサガン鳥栖。あの頃とはもう全く違うチームになっている。まずはこの夏での加入が2名。




金森とチアゴ・アウベスを獲得。試合前は最下位に沈んでいる状況と結果が出ておらず補強&補強。ただ、一番の問題だと思われるのは引退を表明しているトーレスをバリバリの先発で使ってくる起用方針。我が軍はデカくて強いCFを苦手にしてはいるものの、もうすぐ居なくなる選手をスタメンで使うというのが理解しがたい。今日もチャンスを決められなかったし(※大昔からだけど)今後のピッチ上だけのことを考えるとプラスになることがあるのか微妙なところ。ピッチ外では間違いなくプラスなんだけれども。それでも今日の鳥栖は前回対戦に比べれば明確に佐賀牛そのもの。焼いて出しただけで美味しい奴。前回対戦で感じた佐賀牛をおはぎに入れて出された感じはしなかった。戦術的に明確。でもやっぱり普通に考えればトーレスを先発に使うのは中々予想出来ない。もうそろそろスタメンは他のメンバーにしないとまずいだろ、って普通なら予想すると思うんですよ。まだできるからもう半年頑張ろっかな、ってトーレスに言わせようとしているのか?引退を複数回やるのか?フェルナンドトーレスの長州力化を目論む戦略とみた。


鳥栖は前がかりではなく、基本は撤退戦を選択。今までJ1各クラブの大分対策は松本、清水、広島を除いて基本前からプレスをかけて奪って攻撃が基本線だったけれども、鳥栖も引き気味に。無駄に食いつかず、ブロックを維持したまま良い距離感で守備陣形を敷いてからカウンターという、J2時代に散々苦しんだ既視感のある対策。これを打開する術は右サイドから打破するストロングライトを開発済みの我が軍。鳥栖も大分の右を警戒し、対策の対策まで準備していたため、攻撃が停滞。そもそも先発陣は鳥栖が前がかりに来ることを想定しての布陣だったと思われる。ホームで、最下位で、撤退戦を選ぶのは意外。それほどまでにリスペクトされているのが謎。肩透かしと噛み合わなさで前半はピンチの方が多かった。あんなに大好物だった4バックなのに、崩せなくなってきている点は不安ではある。


後半に入り、自分たちのミスから失点をしてしまうのですが、1失点目は相手のシュートが素晴らしかったので諦めがつく話。ここからこの試合で一番強く感じた「慌てなさ」を発揮。確かに時間はたっぷりあったのでじっくり攻めて良いのですが、それにしてもじっくり過ぎんだろ、と感じるくらいには落ち着いていた印象。バタバタしなかった。強い子に育ちました。


リードされたら藤本の投入。一瞬実現したワントップ藤本とオナイウ&後藤の2シャドーに小塚のボランチは攻撃的過ぎてワクワクした。そして新たに田中達也を獲得したことで新開発出来たばかりのストロングレフトが発動。田中達也の頑張りと、福森より三竿が選ばれた理由がくっきり判ってしまった三竿のペナルティエリアまでの侵入っぷり。線審が一瞬オフサイド判定したみたいだったけれども、付近にいた藤本は関与してないしでゴール判定。慌てずに同点に追いつけてしまった。三竿は素晴らしい同点ゴール。


ここからの鳥栖の慌てっぷりが印象的だった。確かに怪しいゴールに感じたんだろうけど、鳥栖の選手とベンチは激高してしまい冷静さを失った。1失点しただけなのに我が軍と比べてのコントラストが凄く、この鳥栖の慌てっぷりのせいで我が軍の冷静さが浮き立ったように感じる。逆転に向けて前田を投入して、小塚をシャドーに戻してバランスを取り、再びじっくり1点を獲得するバランスに修正。更には疲れの見えた小塚に代えて久々にリーグ戦に戻った三平を投入。三平が入ったことでサイドとシャドーがワンタッチで絡むような連携が出て(※プレー自体は失敗だったんだけど)ごちゃごちゃしたところに岩田が割り込んできてゴールを奪ってしまう、という逆転ゴールが生まれた。ストロングライトも完全復活。これで大逆転。冷静で素晴らしい試合運びだった。勝ったと思いました、私も。推している岩田のゴールが素晴らし過ぎて有頂天。来年シントトロイデンに移籍してしまいそう。提携しているものの、あそこだけは止めとこうな!


これで前がかりにならざるを得ない鳥栖。そしてなぜか致命的なミスで失点してしまう我が軍。暑さで消耗して一歩が出なくなっていたDF陣と蹴れなかった高木。いや、鳥栖はそれ前半からやった方が・・・って話なんですけど。トーレスを使って撤退戦から始めることを読み違えた状態から、撤退戦を攻略するために人員変更した後に、最初に想定していたはずの特攻プレスを受けてしまった。最初の読み違えから頑張って取り戻せていただけに非常にもったいない結果になってしまった。ちぐはぐになってしまった中でも逆転出来たのは凄かった。最後に詰めの甘さが出たけれども、どちらかと言えば鳥栖の最下位脱出の執念の1点だったと思います。降格という現実が目の前に圧し掛かると1失点するだけであんなことになってしまうし、死に物狂いで走れてしまう。更にはダービーの雰囲気がその意気込みと熱戦を生んでしまった。DAZNで観ていても更にもうひと波乱もありそうな、ただでは終わらない雰囲気ではあった。


確かに勝ち点2を失った感じはするものの、先制されてそのまま終わっていたら勝ち点1も持って帰れなかったので及第点ではあると思います。ここから夏に補強して選手や監督の陣容が変わっているクラブが多々あるので、一筋縄ではいかない試合が続くはず。次節の神戸もお尻に火が付き始めている状況。今日の試合をスカウティングすれば、やっぱり前から奪おうぜ、になるのではないか。次節こそところがどっこい剥がしてやんよ、を期待したい。底力は上がって来ている。暑い時ほど冷静に夏を乗り切りましょう。


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