2013/01/02

Jリーグ3D中継

明けましておめでとうございます。本年もこのブログをよろしくお願い致します。さて、シーズンオフのブログは放置気味になりますが、ようやくガッツリ冬休みに入ったということで新年一発目の更新です。そもそもこのネタは昨シーズンオフに書こうとして書けなかった内容です。ネタとしては去年思いついたのですが、内容が濃いので一般向きではありません。ご参考までに。


さて、唐突ではありますが今回取り上げる内容は「サッカーの3D映像」についてです。シンプルにスカパー!とかで3D映像を楽しむにはどうすればいいのかを書きたかっただけなのですが前置きが長過ぎます。興味の無い方は飛ばして読んで下さい。私、ちょっとだけ家電好きでして最新機種はひと通りチェックしてたりする程度の家電量販店ヘビーユーザーです。買うものもないのに家電量販店に行ってみるタイプの人間なのです。このブログ初の企画、家電側からのサッカーへのアプローチです。


【3D映像の仕組みについて】

まずはお勉強からです。3D映像とは、というところを適当に説明します。先に書きますが、所々嘘を書いてるかも知れません。家電好きのオッサンが書くことなのでご容赦を。ここから本題ですが、人間の体の仕組みについて。ドラゴンボールの天津飯でも無い限り、人には目が2つあります。当たり前のことを書いてますが重要なのです。人はこの2つの目に入ってくる映像を脳内で合成して奥行き感や立体感を認識しています。右目から見れる角度と左目から見れる角度って、微妙に違います。指先を見つめて指を近づける場合、寄り目になります。この時に片目を閉じて左右交互にパチパチまばたきすると分かりやすいのですが、それぞれの目で見える映像って全然違うものなのです。遠くを見る場合両目はそれぞれ外側を向きます。これらの眼球の筋肉や反射の動きなども関係するそうなのですが、左右で違うそれぞれの映像を脳が認識して一つの映像にしています。人間の脳って凄いですねー。要は視差のある映像を右目と左目にそれぞれ映し出しさえすれば、勝手に脳が3次元だと誤認識するってことなのです。右目には右目用の映像を、左目には左目用の映像を見せるのが3D映像のざっくりした仕組みです。


たぶん脳は経験的に奥行き感を認識してると思います。幼稚園児くらいの子供とキャッチボールすると、大体ボールを捕るのが下手です。手を出すけどボールを頭にぶつけるというか。小さい子供は経験値が少ないので上手にボールの3次元の位置関係を瞬間的に認識出来ていないのではないかと思います。3Dの映像を見せるのは6歳くらいからと言われているのがこの辺りに関係していると思います。任天堂さんは3DSを販売していますが、6歳以下の子供には2Dで使うことを推奨しています。ですので、オッサンはどうでもいいですが小さいお子さんに見せるのはちょっとだけよ、にしておいた方が良いのでしょう。
http://www.nintendo.co.jp/3ds/info.html


【3D映像の表示方式について】

さて、左右の目にそれぞれの映像が見えれば良いだけなのですが、それを実現するために各家電メーカーや放送局が何をやっていのかというお話です。左右の目にそれぞれの映像を見せるには映像が2つ必要ということです。2つ必要なのです。重要なことなので2回書きました。テレビは1台なのに映像が2つ。ここに3D映像の難しさがあるのです。最近の家電に採用されている3D映像の方式を箇条書き程度にまとめます。


■フレームシーケンシャル方式
両目用の映像を1コマずつ順番にテレビに映し出す方式です。パナソニックやシャープ、ソニーなど主要メーカーが採用しているので家電業界では現在の主流と言えます。この方式は「アクティブシャッター方式」の専用メガネがセットで必要になります。右目用の1コマが映ってる時、左目は暗くなって見えなくなるのです。映像と同期してパシャパシャとシャッターが下りて(実際は暗くなるだけ)右目と左目にそれぞれの映像が見える、という仕組みです。フレームシーケンシャル方式=アクティブシャッター方式とセットになっています。テレビなどは1秒で60コマですが、3D映像だと120コマ必要になります。4倍速液晶などと謳っているテレビはここに利点があるわけです。メガネには電池が必要になるため、大きくて重いメガネが漏れなく必要になってしまいます。


■ラインバイライン方式
テレビのドット一列ずつを交互に映し出す方式です。この方式にも専用のテレビとメガネが必要ですが、まだ一般の家電としては製品数は限られています。特殊なフィルターがテレビ側と専用のメガネに仕込まれており、円偏光という難しい理論で光を屈折させてメガネを通して左と右に分けるはずのやつです。


【伝送方法について】

これまたちょっと分かりにくいんですが、さっきの方式はテレビ自体が2つの映像をどうやって表示するか、というテレビの機能のお話でした。今度は再生機器がテレビにどうやって2つの映像を伝送するかについてです。ざっくり2つです。これらの伝送方式ですが、現在スカパー!を中心としたCSなどの限られた帯域でなるべく綺麗な2映像を伝送するために採用されているものです。


■サイドバイサイド方式(左右分割方式)
2つの映像を伝送すると帯域が倍必要になるので、左右に圧縮してなんとかしようというのがこの方式。左右にギュッと映像を圧縮するためフルハイビジョンでの表示は出来ないのがデメリット。スカパー!ではこれが採用されています。


■トップアンドボトム方式(上下分割方式)
上下にぎゅっと圧縮するのがこの方式。あまり見かけません。


圧縮が必要ないBlu-rayディスクなどではフルハイビジョンの映像そのままの3Dコンテンツの映画などがあります。Blu-rayにもサイド・バイ・サイド形式で収録されたディスクなども存在しています。コンテンツに酔ってマチマチなので分かりにくいと思います。ですので基礎知識としてこれくらい知っていれば家電の店員さんとお喋りできるかなと思います。


以上が前置きです。文字だらけで新年早々重いですがまだ続きます。現在、スカパー!ではCh.596でスカチャン3Dとして3D専用チャンネルがあります。それを見るのに必要なのはもちろん、スカパー!の設備一式と契約。さらに3Dに対応したテレビなどです。ちなみに我が家ではこんな構成です。





我が家のスカパー!チューナーはDST-HD1というソニー製のものです。スカパーHD対応でベランダにはアンテナを設置しています。このチューナー、もう販売されていませんがカスです。ソニーがよくこんなもの売り出したなっていうくらい酷い。録画はネットワーク上のストレージ「NAS」を使って記録しています。ハードディスクの固まりみたいなものです。チューナーでそれを再生するとフリーズしたり、早送りするとフリーズしたり、電源入れっぱなしの状況でフリーズしたりと不安定。何度かソフトウェアのバージョンアップでちょっとだけマシになりましたが、それでも信用が置けない映像機器です。月に一回は必ずリセットボタンを押さなければならない仕様です。安っぽくて最悪です。もう売ってないけれどもお薦めしません。


このチューナーにサイド・バイ・サイドで映像が映るわけです。それをそのまま生でテレビで観る場合に、3D対応テレビとフレームシーケンシャル方式のメガネで閲覧するわけです。写真で見せるとこんな感じ。





テレビの画面を直撮りしました。画面の左と右に同じような映像がギュッと圧縮されて映ってますね。これがサイド・バイ・サイドってやつです。ちなみに試合は昨年3D中継された数少ない試合の中で録画しておいた味スタで行われた多摩川クラシコ。FC東京vs川崎Fの試合です。この映像をテレビの設定で3Dに変換します。




テレビ側の3Dの設定に「左右分割方式」っていうものがあるので、ポチッと選択してあげると左右の画面をテレビが頑張って半分になっている映像をそれぞれ引き伸ばして、1枚ずつ交互に映し出すフレームシーケンシャル方式で3D映像化するのです。大丈夫でしょうか?これ、読者の皆さん付いてきてくれますかね?分かりにくいと思うのですが、このスカパー!の映像はテレビの機能としてフレームシーケンシャル方式で3D映像化しています。





これがアクティブシャッター方式のメガネです。普通の人間が観てもパシャパシャとしてるかどうかは分かりません。ピンぼけですが床が汚いのを隠せるのでそのままです。デカイし、重い。そしてフレームシーケンシャル方式の特性なのですが、60分の1コマ片目が暗くなることによって暗く感じてしまうというデメリットがあります。内蔵電池でUSB給電で充電が可能なタイプです。このメガネの電源を入れてテレビを観ると・・・





素で観るとダブって見えるこの映像が右目と左目にそれぞれ分かれて入って立体的になるわけです。3Dで多摩川クラシコ観ての感想ですが、自然な奥行き感を得られるため臨場感が増します。ボールの位置や選手の位置が立体的に認識できるため、サッカー中継において3D映像は「あり」だと思うのです。コーナーキックなどで速いボールがリフレクトするとボールがどこに飛んだのか分かりにくくなったりすることがありますが、あれが無くなる感じになります。不自然に飛び出すような3Dではなく、自然な奥行き感。それが3D中継の醍醐味です。ただし、得点時の表示とかリプレイの時のJリーグのマークなどは3Dっぽく全面に押し出してきます。これ、疲れるんで必要ないと思うんですけどね・・・・。


ちなみに、3D中継ですが普通の中継と若干違いがあるようです。下の写真は同じ味スタで昨年開催された東京Vvs大分トリニータの中継を録画したものをテレビで再生して直撮りしたものです。





惨敗し過ぎてターニングポイントとなったあの試合ですが、これ多摩川クラシコに比べて俯瞰の角度が高いのが分かると思います。普段の中継では上から撮ることで奥行き感を出さざるを得ないわけです。それに比べて3D中継であればより低い場所で、よりピッチに近い場所でも立体感を得やすいために、画作りとしても工夫があるようですね。スカパー!さんも色々と頑張っているのでしょう。


さて、テレビの他にも視聴方法が増えてきました。それがヘッドマウントディスプレイと呼ばれる新しいディスプレイです。裸眼の3Dモニターなどもありますけれども、今発売されているもので一番綺麗に3Dが見れるのがこのヘッドマウントディスプレイだと言われています。なぜか?それはその仕組にあります。





これがヘッドマウントディスプレイ。メガネは要らなくなったものの柄を取っ払ったもの。これを頭にかぶって映像を観るんです。これ自体がテレビみたいなものです。ディスプレイなのです。未来的です。普通にメガネを付けたままかぶれますけど、面倒なので専用メガネを作ってしまいました。視力が弱いために必要なメガネで3Dとは関係ありません。ややこしすぎますね。このヘッドマウントディスプレイ、何が良いのかというと・・・・





またピンボケですけどね、小さいディスプレイが右目と左目にそれぞれ分かれているのです。完全に右目用の映像と左目用の映像がそれぞれ分かれて表示される仕組みなのです。今までのフレームシーケンシャル方式などでは、右目用の映像が左目にみえたりして、ダブって見えてしまったりする「クロストーク」と呼ばれる現象が発生することがあるのです。これが一切発生しないのがヘッドマウントディスプレイということになります。内部では液晶ではなく有機ELのパネルを利用していることで色の再現性なども高く、2Dの映画を観たりするのにもお薦めなのです。とにかく綺麗。20メートル先に750インチの画面があるように観えて、映画館にいるような感じになります。ですが、かぶってしまうと周りが見えなくなり、ジュースさえ飲むのも難しい状態になります。あと、綺麗に見えるポイントがシビアでかぶり方が難しい点もあります。後継機も発売されましたし、まだこれからの製品ですが未来を感じるディスプレイです。これで多摩川クラシコを観るとさらに自然な感じで3Dが視聴できました。


我が家の構成上、録画した映像をヘッドマウントディスプレイで楽しんでいます。チューナーの録画予約先にバッファロー製のNASを指定しています。2009年からのトリニータの全試合とスカパーの映画などを録画しています。これを再生させるのがPS3です。DLNAクライアント機能というものがあり、著作権保護をされている録画コンテンツを再生することができるのです。糞チューナーでも再生機能がありますが、まともに動かないのでPS3で再生させています。PS3であればギュンギュン再生も早送りもできるため優秀な再生機器として大活躍しております。3Dの映像も、結局はサイド・バイ・サイドでただの2画面圧縮の1つの映像なので、録画は可能です。スカパー!の3D映画はペイパービューなので録画できませんけど、サッカー中継は録画できます。再生時にテレビやヘッドマウントディスプレイ側で「左右分割方式」を選択すれば3Dで再生できます。


ということで、3D映像について書いてみました。長くなりましたけど、結局3D映像が流行らない理由が分かってもらえたと思います。そう、面倒なのです。環境さえ揃えば観ることが出来るのですが、面倒。あとまともなコンテンツも少ない。日本代表戦など3Dで生中継されてくれれば状況が変わるかもしれませんけど、全然放送しないし。何ででしょうかね・・・・。地上波のサブチャンネルとかで3Dも中継してくれれば良いのに。3Dのサッカー中継は良いんです。良いのに流行らない。観てるとどうしても脳や目が疲れるっていうのもありますが。


あと、贅沢な話だと分かってはいるのですがどうしても1点。現行のスカパー!の3D中継はサイド・バイ・サイド方式で横方向に圧縮しているため、ハイビジョン映像としては画質が辛いものがあります。普通のハイビジョン生中継と比べるとどうしても粗く感じてしまう画にならざるを得ません。この辺も今の仕組み上は限界があるのです。これから、4Kと呼ばれるフルハイビジョンの4倍の解像度をもつディスプレイがもっと安く発売されるようになってくれれば、サイド・バイ・サイドで圧縮しても、フルハイビジョンの解像度に引き伸ばせるため今と同等の画質で3D映像が観れることになります。その時が本当の3D中継に期待できる時代かもしれません。


今の製品でも充分楽しめるレベルにはなっているのですが、いかんせん面倒。もっと流行ると良いなと思うのですが。来年は大分トリニータがJ1で戦えるため、もしかするとトリニータのコンテンツも3D化されるかもしれません。J1のゴールハイライトが3Dになってたりするので、期待大です。J2だと絶対無いのでJ1に上がったメリットでもあると思います。生中継も無いでしょうけどね・・・・。余程注目度の高い試合じゃないと3D中継はされませんのでね・・・。1試合くらいはあるかなぁ。期待したいですけどね。


ということで、2013年はJ1で残留と債務超過の圧縮を追いかける厳しい戦いが待っている重要な年です。本年引き続きサポートしていきましょう。今年も良い年になりますように!異常に長い文でしたが読んでくれる人、いるだろうか!?

4 件のコメント:

  1. すげぇー力作じゃないの(笑)

    あっ...今年もよろしくね!

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    1. 鳥脳様

      コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。えぇえぇ、懇親の力作です。そりゃもう2年越しのネタですからこれ。年末から書き始めて年越したっていう・・・。力尽きたため1月中旬までしばらくこのまま放置予定です。

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  2. えのきずー2013年1月3日 13:41

    あけましておめでとうございます。

    超力作の壮大なステマかと思ったらそうでもないですね。
    えのきーにょにはまだ3Dは早いのが良く分かりましたw

    なにげにうちもスカパーはソニー製、型番は違うけどダメダメチューナーですね。

    今年もお会いできますように…ホームにも黙ってこないでくださいねw

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    1. えのきずー様

      あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます。ステマじゃなく、ただ3D中継が流行って欲しいだけなんですけどね。今年は3Dトリニータが期待できますし。

      今年もホームに行けると良いんですけどね・・・。

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