【大分 1 - 1 広島】
今週はサッカーマガジンを読むゆとりはあったのですが、3得点からの4失点の試合のレビューなんてものは心の傷がエグれるだけなのでブログを書く気になれませんでした。そんな心境を引きずったまま迎えた広島戦。広島は日本代表GKを擁する守備が堅いチームです。ダントツで失点数が少ない。トリニータがすでに40失点してるのに、半分以下ですよ。堅守のチーム。先制点だけは与えたくない相手。
大銀ドームは雨が降った模様で屋根が閉まり、普通のサウナ状態であろうことが感じ取れる。もう夏に2回も行きましたからね。経験から分かるわけです、不快指数が。そんな過酷な状況でスタメンを張る戦士たち。私はクーラーの効いた部屋でスカパー!観戦してた豚野郎でした。
出場停止明けの高松が戻り、広島から借りている丸谷が先発。怪我から復帰の安川と、そして遂に松本怜がベンチに復帰。さらに世代別の代表戦を終えて充実の松本昌也もベンチスタート。3-4-3同士のガチンコ対決。広島遠征に行った時は開始2分で失点してそのまま時が過ぎ去るだけの苦痛を味わいましたが、早々に失点することはなく、集中して試合経過を見守りました。
広島は昨年覇者、ACLとナビスコで敗退してリーグ戦に集中している状況。夏頃から勝ち点を稼ぎ続けていつの間にか上位に。とても効率のよいサッカーを展開している印象。最前線に得点王、佐藤寿人がいる訳で、この決定力があれば最終ラインでボールを回しつつ、必要最低限のチャレンジで充分という戦術か。1本の楔になる縦パスから攻撃が始まる。繋がるんだ、このたまに出る縦パスが。ここを潰せればチャンスにもなるんだけれども、ゴール付近まで確実に運んでくる。しかし、回数は多くないし、動きもやや緩慢。前半はそんな感じ。DFラインはよく踏ん張ってた。特に外人FWに滅法強い阪田はサポーターやマスコミから「佐藤寿人は外国人」という強い暗示をかけられており、「サトウヒサト、ガイジン・・・」とうつろな目で昨年得点王をケアし続けたのでした。暗示が効いた(※全て誇張表現です)。
前半は0-0で終わり、試合的にも若干退屈でしたが不思議と3得点しちゃうよりは不安は感じなかった。2点差で勝ってるよりも0-0の方が勝てる気がするのはもう病んでいる証拠でしょうか?とにかく後半の入り方が重要でした。浦和戦の後半2分で失点したりもあったし、15分集中しなさいという監督の指示。しかし広島が得点を取りに明らかに前がかりになった。ほんの一瞬牙を剥いた感じ、それがチーム全体で共有されている感覚を覚えた。「このあたりで1点とるぞ」そういう共通認識が広島のチーム全体にあったように感じた。まぁ、素直にすんなり失点するわけですけど。広島相手に与えたくなかった先制点を奪われ、テレビの前で死んだ魚のような目もすっかり板につき、より深刻な化石のような無機質な固まりになってしまっていました。
そんな化石を再び人間に戻してくれたのは松本・からあげ・昌也でした。中津出身の世代別日本代表で10番を背負う逸材はコンディション良好の様子で前線を活性化。得点の匂いが、中津からあげの香りが漂い始めたのです。決定的なシュートシーンもありましたが、そこは日本代表GK西川周作が恐ろしい反応を示してシュートストップ。中津VS宇佐。県北からあげ戦争の様相です。さすがは西川周作。正直なところ、この男からゴールを奪えるイメージが沸かなかった。
しかし、広島の選手にも疲れが見え始めた70分過ぎ。オープンな展開になって左サイドからチャンスメイク。ジョンハンが得意の形でカット・インしてシュート。高松に代わってFWに入っていた森島が上手に触ってゴールイン。同点に追いつく。西川周作からゴールを奪えるなんて。強化指定選手の松田に2番手FWの座を奪われていた森島もこれで調子に乗ってくれないと困る。
得点を入れなければならなくなった広島。最下位相手に引き分けてる場合じゃないはずなのです。前がかりになる、そうすればカウンターでチャンスも生まれるはずと期待。しかし・・・チャンスはあったもののカウンター精度が低く、仕留め切れなかった。チャンスはあったけれども・・・・。試合が終わって広島が首位に立った。そんなチーム相手に引き分けて、あと寸前のところまで追い詰めれたのは自信になる。広島より走り切れていたし。結果が欲しい状況で悠長なことは言えないのだけれども、それでも松本昌也が希望の星のように輝いていて将来のトリニータの中心選手になってくれるだろうことを感じざるを得なかった。才能があり、努力を惜しまずに日本代表にまで駆け上がった偉大な地元の前例があるからこそ、若い子たちがモチベーション高く練習に取り組めるのだと思う。ここで努力すれば上を目指せると。西川周作選手のW杯のスタメン、期待しています。
チームは梶山がいて、昌也が前線にいて、松本怜が戻ってきたら攻撃面では期待できそう。守備面では引き続き阪田が相手の選手全員が外国人にみえるような催眠術を、県民の総力を結集して暗示をかけるしかない。
テレビ観戦でしたが、この試合でも追いついてからの大銀ドームの雰囲気の良さを感じました。ホームの雰囲気が良いと負けないものなのです、やはり。選手への直接の影響は少ないかもしれないけれども、こんな後押しがもっと多く、長く続いて欲しい。結果に結びついてくれれば皆でもっともっと楽しめるのだけれども。
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