2019/12/01

2019年 明治安田生命J1リーグ 第33節 仙台戦

【仙台 2 - 0 大分】



今シーズンのラストアウェイ。ラスタウェイ。もう33節終わってしまったのが信じられない。33回ブログを更新した記憶が全く無く(※老化)あっという間の2019シーズンでした。33節の結果で磐田と松本の降格が決定。佳境も佳境。優勝もなければ降格も無くなった我が軍への注目度は少ないけれども、J1に残留できたことは大事件ですからね、もっと各方面から褒めて欲しい。J2王者が降格し、昨年のJ1参入プレーオフでヴェルディを寄せ付けなかった磐田も陥落する中で堂々の残留。この試合、我が軍が成し遂げた偉業を、この意味を、最も強烈に感じ取ったのは完勝したはずの仙台渡邉監督だったのかもしれない。











東北の寒空。6年振りのユアテックスタジアム。東北は寒かったけれども牛タンは美味しかったです。


異常事態を感じ取ったスタメン発表。後半戦で主力となった小林裕紀が不在。遡ること2013年の仙台戦、6年前、6失点して負けた試合。この試合は背番号6の小林裕紀が得点してくれれば、とりあえず6って書いときゃなんとかなるから楽なブログ記事になるのにな、なんて考えていたのに不在ですよ、6番不在。しかも三竿の累積警告での出場停止の代役がまさかの特別指定選手、羽田健人。来年度加入が内定している大学生をインターン動員。前倒しデビューのチャンスを得た羽田健人、夢しかない。アピール次第でオリンピックに、世界に、J1で大きなチャンスを得られたこの試合には夢しかなかった。来季に繋げるために乗り越える1戦となった。小林成豪がサブメンバー入り。怪我からの復帰が間に合ったことは良かった。


対する仙台。相変わらずツイッターは地味。引き分け以上で残留が決まるというホーム最終戦。我が軍のネームバリューの無さなのかスタジアムは最終戦にしてはちょっと寂しい客入り。芝は長めの印象だったけれども美しかった。


本日の顔芸。





試合としては巧みにボールを保持してゲームを作った大分トリニータと、ブロックを築いてカウンターを狙う仙台の構図。大卒1年目の長谷川にべったりマークを付けてボールの動きを制限しようとする仙台。先制されても構図は変わらず。内容的には試合を通じて、選手が入れ替わっても素晴らしいボールの動かし方が出来ていた。羽田健人もどっぷり右利きながらも左のCBでのデビュー戦ながら、縦パスを通せるシーンが複数あり、そして長身を生かしたヘディングもあり、夢を感じさせるプレーだった。折角のチャンスだったのでもっとクロスを上げたり、シュート打ったりしても良かったと思うのだけれども、83分までプレー出来たことは評価できる。来年が楽しみな人材。



仙台がボールを保持していても、高い位置で奪えるなど内容的にはかなり良かった。特に今日の攻撃はサイドから速いクロスを入れるという大方針が軸となっており、岩田のクロスの質なんかも格段に成長を感じさせた。しかし、残念ながら仙台にはゴツゴツの屈強なDF島尾さんことシマオマテと元ポーランド代表歴のあるヤクブ スウォビィクという発音が難しい長身GKの守備範囲の広さにより、ゴールはこじ開けられなかった。仙台はクロスからの失点が多いというデータから狙いを定めて準備してきたんだろうけれども、最後のところで通用せず。サイド攻撃は作れたけど決められなかった。結果論だけれども、準備してきたことがハマらなかった。真ん中を締めた仙台の守備力が上回った試合であった。2失点目はパスミスからカウンターで被弾。内容は良かったが結果はついて来なかった、そんな印象の試合でした。



















印象的だったのは試合後の渡邉監督のコメント。以下、Jリーグ公式からの引用。
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[ 渡邉 晋監督 ]
おおかた予想の範囲内というか、大分さんにボールを持たせて、われわれがカウンターで出ていくという構図が90分間続いていたのかなと思います。勝負に徹して、非常にハードワークして、タフにやり切ってくれた選手たちは、本当に素晴らしいです。でも私の個人的な感情を言わせてもらうと、何かまた、仙台のサッカーが、元に戻ってしまったというか、これまでに積み上げてきたものをなかなか今年発揮させることができなくて、複雑な感情です。

25周年という素晴らしい記念の年に、花を添えるような成績を残すことはできなかったのですが、次の25周年を迎えるにあたって、ベガルタ仙台はどのような道を進むのか、というものは本気でみんなが考えると、また1年1年、同じことを繰り返して時が流れていくだけなのかなと思います。

では、ベガルタ仙台がこれから何を目指して、これから何を掲げていくのか、そういうものは、ものすごく今日のゲームで考えさせられた1日でした。

でも、今季のチーム、選手、スタッフは、素晴らしいです。そこはもう堂々と胸を張って言えるので、なんとか最後のアウェイの広島戦も、良いゲームをして勝点を取って締めくくりたいと思います。

--10年連続のJ1残留について。
J1残留ということを、シーズンの途中でわれわれの最低限のミッションにしなければいけなかったというものは、非常に残念なシーズンでした。でも、われわれみたいなクラブが10年間J1にい続けられるというのは、見方を変えれば素晴らしいことだと。

でもその方法論として、どうやってJ1に残っていきますか、ではどうやってこれからJ1の上位を目指していきますか、そういうものを考えたときには、私の中では、何か時計の針が戻ってしまった感覚が、すごくあります。

いろいろな見方があると思いますけれども、私も長くこのクラブに携わらせてもらっているので、やはりいろいろなことを考えるのです。そう考えたときには、毎年毎年、こうやって1年1年、切った張ったでやっていく中で、残留し続けることが、本当にこのクラブにとって良いことなのか、そういうものは本当にみんなで考えなければいけないと思います。

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仙台が、震災後も継続してJ1残留に成功している中で、J2オリジナル10で同期のFC東京はリーグ戦優勝まであと一歩まで迫り、同じくコンサドーレ札幌もルヴァンカップというタイトルまであと一歩まで近づいている。その中でJ3からやり直した強化費の少ない、これまた同期の大分トリニータにボールを持たれ、ゲームを支配される屈辱を誰よりも感じたのが渡邉監督だったのではないか。残留を決めるためとはいえ、本来はもっとチャレンジしたい内容があったはずなのに、結局内容的に守備重視に戻ってしまった。それを痛感させるほど内容のあるサッカーを大分トリニータがやり切っていたという感想の裏返しなのではないか。渡邉監督、大分にボールを持たせたと言う割には仙台を憂う気持ちが溢れてしまっている。J1だとチャレンジできる期間と幅が少ないから、例え結果が出なくてもチャレンジを継続した方がタイトルに近づくのではないか、そんな風に考えているのかもしれません。J1に居続けることは偉業だし、素晴らしいのだけれども、残留出来てウッキウキの我々とコントラストが凄い。仙台のハードワークは素晴らしかったのに、こういうコメントがホーム最終戦で出てしまう程、この次のステップが見いだせていない停滞期なのか。フロントへの不満なのか。知らない間にJ2やJ3のクラブは着々と質が上がっており、全てのクラブが危機感をもって挑まなければならない時代に突入している。仙台の25年、大分の25年。次の25年を盤石にするために、とりあえずシーズンパスを買いましょう。



素晴らしい内容だった2019年シーズンも遂に最後の1試合を残すのみとなりました。上方修正した勝ち点50の目標を達成するにはもう最後の、ロティーナ監督率いるセレッソ大阪に勝つしかありません。引退を表明した丸谷のためにも、有終の美を飾って欲しい。2020年に向けて、思い切ってチャレンジして欲しいと思います。6年前の6失点から1/3も失点を減らせたってことは進化してるってことですから!もう最後の1試合、ポジティブに行くぞ勝ち点50へ!

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