2020/09/21

2020年 明治安田生命J1リーグ 第17節 横浜FC戦

【大分 1 - 0 横浜FC】
   
3連勝!素晴らしい内容だった前半と押し返せなかった後半という評価が難しい試合ではありますが、勝ったんで良いんです。3連勝ならばもう全てに感謝である。守備陣はよくぞ耐え切った。24節を先に消化をしたことでリーグ戦も半分経過。この試合直前までのリーグ戦における得点と失点の時間帯別統計データを調べてみました。対戦した横浜FCもついでに。

 

大分の得点は試合終了間際が特徴的に多い。今年のシーズンは気温が上がってからのスタートとなったので相手を走らせて、疲労させた後に得点が生み出せている印象とも合致している。終了間際が最も楽しめる今年のトリニータ。一方横浜FCは前半の試合が落ち着き始める時間帯に最も得点が多い。大分の失点としてはやはり前半の開始直後が最も多い。横浜FCの失点は終了間際が最も多い。ということは、試合の入りに大分が耐えれば、最大のポイントとなりそうな試合終盤、最も大分が得点に期待でき、横浜FCが最も失点している終了間際に勝負が決まりそうだと思って観戦していました。が、結果的には終盤にゴールが生まれない試合となりました。両軍自分たちの強さ弱さを補う策を練るんでね、データって過去の実績ですからね、なかなかその通りには当てにならないもんです。

 

スタメンはいつもの守備陣に、左サイドに田中達也、右に松本怜、ボランチは前田と島川、ワントップに伊佐、シャドーに三平と町田という組み合わせ。この連携が上手な潤滑油タイプの三平と町田を中心に守備と攻撃を組み立てる油ヌルヌル戦術にしてから調子が上向き。残した野村が再びベンチに入った。試合を作るメンバーと試合を動かせる良いバランスのメンバーになっていると感じます、はい。

 

対する横浜FC、J1では珍しい日本人しかいないチーム構成になっていた。J2時代の横浜FC名物であったベテラン勢はどこへ行った。イバも大宮に放出してしまったし、ドミンゲスも行方不明。下平監督が就任してからじわじわと若返り。中村俊輔がベンチ入りしているものの、J1で既に5勝してクラブ記録を更新し続けている躍進の主力はやはり若手。下平監督の手腕と若手で作る明るい未来を感じるクラブ。しかしその屋台骨には影響力が絶大な手を抜かないベテラン勢が存在している。若手がサクサク育つ模様。

 

前半の出来が傑出してました。めちゃくちゃ面白かった。何?何なの?東京に勝った自信?ここまでボールを奪える球際の激しさの原動は何?急にどうした?DAZNで食い入るように観てしまった。今までバランス重視で、守備は自陣に籠ってスペースを埋める形だったのに、ハイプレスから相手陣内でボールを奪い切る「攻めの守備」の形に完全に変わった。これがポゼッション志向の横浜FCに対してハマった。チームの戦術に主体性があるから0-0の状態でも勝ちに行く気概を感じられてとにかく良い。あんなにボールに集まってアグレッシブな守備ですよ。常に数的優位だった気がするし、盗賊団レベルの勢いで囲んでボールを奪い続けて楽しかった。盗賊団だったのかもしれない。攻撃も作れていてシュート数も多かった。そして先制点は美しかった。縦へのロングボールも活用するようになって、セカンドボールも拾って攻撃が続く。伊佐が競り合ったこぼれ球を町田が拾ってから三平→伊佐→町田→田中達也と細かいパスを中央で繋いでのゴール。真ん中使ってからのサイド。ナイスゴールでした。

 

ストライカーに目覚めた田中達也、これはもう勢いが出て止められないなーなんて考えていたら自ら獲得したPKを失敗してあっさり勢いが止まったのはご愛嬌。しかしFWが俺が蹴るって奪い合うもんだろうが、PKは。伊佐も三平もシュート不調気味なので遠慮しやがって。試合後の横浜FCのGK六反のコメントを読む限り、隙を与えた。PKのキッカー決めてなかった準備不足が元凶。

 

監督のコメントからも推定できるけれども、主体性のある守備に切り替わっている。しかし、PK失敗により、なんとなく嫌な雰囲気になってしまった後半、横浜FCが選手交代と共に攻勢に出た。

 

下平監督のコメント、相手DF裏へのランニングを増やすこと、このメッセージと共に瀬沼を投入。皆川とのツインタワー化し、前がかりになっている守備の裏のスペースを活用し始める。ポゼッション志向だったのにロングボールを活用し始めた。これにより最終ラインが下がり気味に。瀬沼が良かった。しかしDF陣が死守。

 

大分も前線のプレスの強度が落ち始めたこともあり、前線3枚を一気に交代。追加点の有効打にはならなかった。割と雑に前線に蹴り出すだけになってしまい、知念、渡の個の強さに期待し過ぎてしまった。ここがこの試合の課題だったと思います。適当に蹴っても知念なら何とかしてくれるだろう攻撃があまりにも雑過ぎた。渡も野村もいたのにもったいない。前半から飛ばし過ぎたのかもしれないけれども、後半はもう攻撃の形がほぼ作れなかった。しかし、それでも守り切りに成功しての3連勝はお見事。

 

11年振りのJ1での3連勝!そう考えると本当に感慨深いというか。何というか。ここまでようやくクラブの質と規模を押し戻せたってことじゃないですか。J1での3連勝。本当に感慨深い。J1復帰2年目で3連勝。祝杯。

 

次節はまたも連戦。水曜日に広島との対戦で4連勝を飾れれば順位も上がる。10位と11位の直接対決。連戦の疲労もあるだろうし、後半に足が止まりがちになって来ているので心配もありますが何とか乗り越えて欲しい。頑張れ、勝ち点盗賊団となれ。

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