2024/10/28

2024年 明治安田J2リーグ 第36節 秋田戦

【秋田 0 - 2 大分】


秋田での残留を見届けに行って来ました。信じた通り、ミッションコンプリート。勝ち点1でも十分だったミッションで勝ち点3を得た大分トリニータ。見事J2残留を決めてくれました。喜んで良い事なのか微妙な気持ちにはなるけれども、ここで踏み留まれたことは過去のJ3降格の経験を経て、今のクラブの総合力が問われた局面で結果を出して底力を確認できた面もあるので、ひとまず安堵という感情でしょうか。安堵。色々と思うことが湧き上がる遠征でした。




秋田も駅前・スタジアム周辺の土地勘が芽生え始めるくらいには現地に行っている訳ですが、今回背もたれ付きシートってものを選択してみました。スタジアムで背もたれがあるのはこの席だけ!みたいな涙ぐましい謳い文句だったのでね、ブログのネタにもなるし、長崎のスタジアムで経験した最高額の席も経験したし、秋田の創意工夫に富んだ客単価の上げ方ってものも体感してみようと思いまして、思い切って座ってみました。正直ね、長崎の革張りのシートからのこの席ですから、ちょっと馬鹿にしていましたけれども、実際のところめちゃくちゃ快適。この、どこに売っているのか分からない背もたれ付きのクッションシート、欲しい。欲しくなった。こたつに最適だし、三ツ沢とか陸上競技場の長椅子がベースになっているスタジアムには持って行きたくなる。これは意外だった。アウェイ側は人気が無くてガラガラだったけれども、ちゃんと価値はあった。背もたれの無い、他の古い陸上競技場をホームスタジアムとするクラブはパクった方が良い。客単価を上げられる工夫としては素晴らしい。でも、もはや秋田は早く専用スタジアムを建てる計画を具体化しないとマズい。スタジアム周辺にある県庁とかにはスポーツ推しのスローガンとかが沢山飾ってある割に、秋田のスタジアム問題は長引いていて進捗が無いとJリーグ側から厳しい突っ込みが入っているのでそろそろ危うい。観客を増やすためには結果を出さなければならない秋田、昇格プレーオフ圏内の可能性が潰えてしまったけれども、政治を動かさないとならないターニングポイントにあるのではなかろうか。乗り越えるの大変だけれども、秋田県のお偉いさんを長崎の新スタジアムに連れて行けば良いと思われます。説得力が違う。

試合の話です。スタメンは前節から動かさず。対秋田戦術として前線が鮎川と屋敷で良いのか?という疑問はあった。きっとロングボールを増やしてリスク回避しつつ攻撃を組み立てると思っていたのでセカンドボールの奪い合いで優位に立つためにも、ある程度コントロールできるFWが居ないと苦しくなると予想していた。替えなかったってことは秋田のハイラインの裏を狙った低くて速いカウンターを狙う作戦に出ると予想。実際は肉弾戦を上回る流血戦を行う覚悟で試合に入った我が軍が、特に守備陣が球際で奮闘し続けた試合となりました。実際のところ、それだけの試合だったと言っても過言ではない。

対する秋田一体+をスローガンとする秋田。クラブ史上最高順位を狙う2024シーズン末期。プレーオフ圏内には届かないことが確定したものの、ホームスタジアムでモチベーションが下がることは無いと思われた。スローガン、来年どうすんだろうな。秋田一体、超秋田一体、シン秋田一体、秋田一体+と来たら、来年は「秋田一体×絶対」とかになるんだろうか。きっと吉田監督体制は維持するだろうからスローガンが楽しみ。スローガンを続ける今どき数少ないクラブになっているけれども。ベースは4-4-2だけれども縦横に圧縮する時と拡がる時があって、ロングボールを蹴るだけの単純な戦術では無い。2つくらいの戦術面を使い分けてくるので面倒です。途中の手段は変わっても最後の攻撃はペナルティエリア内でのカオス狙いではある。



試合の入り、GKからのボールを受ける秋田は密集から始まる。昔、町田で相馬監督がやっていたくらいの圧縮っぷり。縦にも横にも密集してコンパクトにし、何かが起こりやすい局面を作る。横に振ったりはせず、狙いは縦のみ。攻撃に対する創意工夫。これに対してシンプルに立ちはだかったのがトリニータの3バックとGK。特に3バックは強かった。攻撃面でハイボールの競り合い負けることは多かったけれども、逆に守備側ではハイボールの競り合いには圧勝。お互いに蹴っては跳ね返されを繰り返し、試合としては高度な冬の体育サッカーを見せられているような、原始的なサッカーを観た気がする。正直な感想としては面白くはなかったんだけれども、これが正解。じっくり時間を使いながら、堅くゲームを進めていく。裏で栃木は清水との戦いがある訳で、勝ち点1でも重要な意味を持つ試合。これで良いんです。面白くないサッカーこそがこの試合でやるべきこと。割り切って徹してくれました。お互い事故待ちです。




何も起きなければ得するのは我が軍。そんな試合展開で先に事故ったのは秋田でした。裏を狙ったロングボールに対してヘディングでGKに戻した秋田DF。これをGK山田元気がファンブル。全然難しいボールでも何でもなかったので写真さえ撮ってませんでしたけど、こぼれ球をかっさらってゴールにしてしまった鮎川。相手のミスで先制出来てしまった。これまで大体、GKがミスするのは我が軍の専売特許でしたが「行って来い」です。長いシーズン、対戦相手がミスしてくれることもあるんです。この先制点で大分トリニータ、元気になりました。山田元気のミスで元気をもらう。この元気が2点目も引き寄せた。





流血戦ですから、セットプレー多めだったこの試合、2点目は左サイドのセットプレーが起点で、逆サイドに大きく振ったボールを折り返しに失敗。こぼれ球を屋敷が拾って中に入れる。そのボールを鮎川が軌道を変えてペレイラが粘ってふわっと前線に供給。そのボールをデルランが溜めてボレーシュート。これまでセットプレーで何ら結果を出さなかったデルランがここで決めた。いままで!なんども!相手のペナルティエリア内ではほぼ何の役にも立ってこなかった漢が!急にボレーシュートですよ! 

こんなヘビメタムーブメントをする選手だったんですか!?全然セットプレーで決めないから初めて見たけどさ!大きな大きな2得点目で選手達も大喜びでした。




Jリーグ初ゴールです。デルラン、契約が残っているのかどうか不明ですし、この季節になると延長するかどうか決める時期ですけれども、当落線上にありそうな気が。最後の最後でアピールには成功。この試合、守備陣は本当に流血戦を覚悟していたくらいに気合が入っていて、3バックは守備だけでなく攻撃時もフル稼働で奮闘。それくらいしか見どころは無かったです、この試合。前半の2得点で精神的には優位に立てたトリニータ。前半リードで結果だけは抜群。だがそれで良い。

前半終了間際に鮎川が負傷退場っぽくなってしまって、後半の頭から渡邉新太が投入される。跳ね返し、跳ね返され、空中にボールがある時間帯が長いサッカーで、時折保持して野村に供給出来れば一気に局面を打開してカウンターが発動できる。ただ、そんなシーンは少なく、基本はもう、球際の殴り合いが継続です。





アディショナルタイムを含めて、長い時間肉弾戦を観続けました。秋田のサッカーを逆に遂行してやった感。秋田の観客はこういうサッカーを何年も観続けているのか、どんな感じなんだろうか、と思ってしまった。秋田は後半、圧縮から拡張に変わり、両ワイドがキチンと拡がって中で刺すような形でサイド攻撃をやろうとしていた時間帯があった。が、結局我が軍の守備陣を打ち破れず。2点差を活かして時間を使い続けてスコアは動かずタイムアップ。例えば秋田がJ1に行けたとして、J1の屈強なCBに対してどう戦うのか?という問題に対して答えは持っていなかった印象。うちの3バックはサイズ的にはJ2ではハイレベルだけれども、J1だと普通くらい。このスタイルで秋田に今以上の未来はあるのか?吉田体制継続か?このスタイルはJ1で資金が豊富なチームがやった方が結果が出たりしないのか?内容が割り切った内容だっただけに、色々と考えさせられる試合となりました。我が軍としてはアウェイで堅い試合運びによる勝ち点3を得ることが出来ました。勝ち点3だけが得られた試合。だがそれで良い。来年も秋田とJ2で戦うならば秋田対策として来年もこの戦いの方が良いかもしれない。対秋田は目には目を歯には歯を大作戦で上回る。秋田に対しては割り切る。そんな経験を得たのかもしれない。




試合終了直後、突っ伏したGKムン。シーズン終盤は責任を感じていたかもしれない。抱き合って称え合う頼もしい3バックに吸い寄せられるように抱き合って喜んでいました。この4人がこの試合のMVP。流血せずに戦い抜いた。 

亀が喜んでおります。J2残留です。J2残留で喜んで良いのかどうか、冒頭にも書きましたけれども微妙な気持ちではあります。ただ、第一次片野坂体制はJ3からのスタートで、あの時も栃木と競り合っていたことを覚えているだろうか。なぜか栃木と競り合うことになる初年度の片野坂体制。そう考えると、今回はJ2の下の方からスタート出来ている訳で、あの時よりもスタート地点は上にいる。1年目の片野坂体制も常勝軍団では決してなく、紆余曲折を経て、最後の最後で結果を出した。あの時も割り切って結果を求めたシーズンだったですよ。J3優勝したけど。体制2年目、3年目でより高い目標を上回る結果を出して行ったので、同様に期待したい気持ちはある。ただ、今シーズンに関しては得点力不足という明確な課題があったにも関わらず、それを克服するシーズン途中の補強を強化部門がやり切れなかったという重大な過失は見過ごせない。サムエルの負傷とその後の試合への絡まなさっぷり、長沢の再契約、最初から色々と後手に回った。夏の補強を本気で行うならばサムエルの契約を切って別の外国籍選手を獲得するくらいのことはやらないとダメだったのではないか。そのせいで、割とギリギリ瀬戸際まで追い込まれた。これは大反省が必要な編成だったと思います。J2の競争は激化している中で、「これで大丈夫だろう」レベルではなく、J1に行くための編成をやれないと生き残れません。下位3チームが自動降格するレギュレーション。少しでも不測の事態があればどのチームが落ちても不思議ではない。何とか生き残れたけれども、残り2試合は来年に向けた内容にしたいところです。 

清水がなんとか栃木に勝利して残留が確定。清水が楽勝かと思いきや、内容的には辛勝だった。危うかったですよ、今シーズンの残留。改めてギリギリだったなって思いました。怪我人が多く出るシーズンは定期的にあるけれども、その時にクラブとしての経験値とか総合力が問われる局面が訪れる。一度J3に落ちたり、片野坂監督もガンバで解任を経験したり、残留するために割り切ったサッカーをクラブも監督も選択して結果を出せて、各々の成長はあって、最悪は回避できたけれども、じゃぁ来年どうするんだという話はこれから続々と出るんだろうなと思われます。残り2試合。残留を決めた後、内容がどうなるのかは見届けたい。失敗は繰り返せない。







2024/10/21

2024年 明治安田J2リーグ 第35節 水戸戦

【大分 0 - 0 水戸】


舞い上がり過ぎた長崎の新スタジアムのこけら落としから1週空いて、十分頭を冷やしてからの第35節。良い「間」になったと思います。この試合はDAZN無音生観戦。家でね、群馬vs栃木戦と同時観戦できる時代です。2倍楽しめる良い時代になりました。ハラハラドキドキの残留争い、いや、楽しくはねぇよ!早く残留決めてくれよ!そんな試合でした。

1週空いたこともあり、怪我人が続々と復帰していた模様です。キャプテン渡邉新太、藤原優大が久々のベンチ入りとなりました。GKは前節に引き続きムンを起用。3バックは左からデルラン、安藤、ペレイラのトリオ。アンカーに弓場を置き、前目に野村と保田を配置。左サイドは野嶽、右サイドは茂平。2トップには鮎川と屋敷を配置するという3-1-4-2っぽい布陣。ここに来て調子を上げている屋敷が先発を勝ち取った。リーグ戦スタメンはプロ入り初とのこと。ユース出身の選手がスタメンに並ぶのは心地良いものです。屋敷、調子が良さげなことは伝わって来た。シュートチャンスもあって惜しかった。結果が出れば最高でした。

対する水戸。15位とシーズン当初から苦しみつつも残留できそうなところで踏ん張っている老舗J2クラブ。アウェイ水戸戦の前半の内容が、今シーズンの大分トリニータのサッカーのピークであって、あれ以降、気温の上昇と怪我人の増加と共に内容が充実することは中々なかった。水戸のスタメンもかなり変わった印象。3-4-2-1で運用中。レジェンドGK本間の引退も発表されて水戸も新時代へ。

亀は平常運転ですがこの試合、残留争いで競り合う栃木がアウェイで最下位群馬と戦っている状況もあり、まず負けないことが大切だったと思います。慎重な試合運びと大胆な攻撃を両立させることが必要で、そのバランスは難しい所。しかし、選手達のモチベーションは高かった印象で、特に球際の戦いでは強い気持ちが滲み出ていた。高い位置で強引に奪い切るシーンも多く作れていて、試合の入りは良かった。良かったよ。良かった。ただ、徐々にボールが持てなくなったのはやはりGKムンの持ち味を封じてリスク回避のロングボールを蹴るようにしたんだけれども、前線が鮎川と屋敷ですから競り合いで優位には立てず、セカンドボールの競り合いで劣勢に立たされると水戸に保持されて攻められる時間帯が増えてしまった。だからと言ってもし、もしよ?もしムンが攻めの繋ぎパスを出し始めたら全員でペットボトルをスタジアムに投げ込んで試合を中断させなければなりませんでしたが、ムンも自重してくれたことで無事に試合は両チーム無得点のまま進みました。最初は守備時5-3-2で守っていたように見受けられたトリニータの「3」の脇のスペースを使われていた場面が多く、苦しい展開になりつつあったけれども、途中で5-4-1で守るようになって若干安定した印象。攻撃面はカウンターでね、保田、鮎川、屋敷で決定機を作ったところは決めたかったけれども、まずは無失点が大事。

後半もやはり、競り合いとGKスタイルの噛み合わなさでなかなかボールを保持できなかったのだけれども、鮎川と屋敷を下げてワントップに渡邉新太、シャドーに池田を投入してから若干盛り返せた。久々の出場となったキャプテン新太はゴリっと行くタイプですから、ゴリっと行ってシュートチャンスを創造。これも決め切れずだったけれども、希望は感じさせた。



同時に視聴していた群馬vs栃木は風が強く、前半風上に立った群馬が試合を優位に運んでいたのだけれども、後半が逆に心配になった。しかし、そこはホームの群馬。北関東の風使い。向かい風も上手く使って攻めることも出来ていて、決定機もあったのだけれども決め切れず、といった試合であった。こちらは両チームゴールを生み出すことは出来ずにスコアレスドロー決着。



大分トリニータもコーナーキックを大量獲得し続けたのだけれども、ゴールを割るには至らず。水戸とホームで痛恨の引き分けとなりました。決め切って前進したかった・・・。ただ、負けず、栃木との差を詰められなかったことは大きい。優勝争いも山場を迎えていて、山形が清水に勝利したことで、この日は何も決まらない状態に。次節栃木は清水との試合。小林伸二監督の古巣だし、巡り合わせが凄い。凄い試合になりそう。群馬も普通に強かったし、我が軍が残す3試合、A秋田、H群馬、A仙台は簡単ではないですよね、これね。特にアウェイの秋田は天候にもよるけれども、もしも雨なんかになっちゃったら大変に厳しい戦いになることでしょう。栃木が清水と戦う以上、勝ち点1でも持って変えれればほぼ残留は手中に入ると思われます。無失点が大事。よし、秋田、行くか。J2残留を観に行こう。



2024/10/06

2024年 明治安田J2リーグ 第34節 長崎戦

【長崎 4 - 1 大分】


試合の話は後回しです、後回し。あんな試合内容は後回し。そんなことよりも新スタジアムです。行って来ました長崎に。普段九州遠征は控えめですが(※今年鹿児島に行ったけど)、せっかく新スタジアムのこけら落としタイミングで大分トリニータ戦であれば記念に行くことに決めました。なかなか一般販売の情報が無い中で計画せねばならず、席が取れたらラッキーくらいでチャレンジしたところ、意外と空いていた。意外と長崎県内で人気無いのかもしれないV・ファーレン長崎。空いていたのでどうせならと思い、一番珍しい、そして一番高額なプレイヤーズスイートなる席を確保。だって空いてたんだもん。ラウンジ付きの席でした。




なんだか完成イメージ図みたいな写真ばかりですが、現実です。ピーススタジアム、略してピースタが稼働し始めました。まだ全ての機能や店舗がフルオープンという感じではなく、なんとか開催できるレベルではありましたが十分でした。まだ初回なのでね、色々な課題は噴出していると思いますが改善されて行くことでしょう。








スタジアムシティという概念で、バックスタンドの裏側にはホテルの建屋がある。バックスタンドのコンコースにはスタジアムグルメの店舗が集まっていて、アプリで決済したり順番待ちもシステム化されていた。第一印象として、全体的にコンパクトにぎゅっと詰まっている印象。思っていたよりも全体が小さい。大体の都市にあるイオンの方がデカい。専用スタジアムでピッチとの距離を近くしたことで小さくまとまっている印象を受けた。長崎駅から歩ける距離にあるのは素晴らしかった。あの立地であれば、これまでどちらかと言えば「諫早のクラブ」っぽいイメージがあったけれども、本当の「長崎県のクラブ」として定着するのではなかろうか。本拠地の場所、大事。山の上の公園に作る国体公園施設から商業施設へ。地方の民間企業が起こした革命を感じた。これが大都市圏にあったら正直そこまで魅力的には映らないんだけど、専用スタジアムが地方にあるからこそ映えて良いのである。そう感じました。地方だからこそ出来ることがある。これが地方でジャパネットが戦い続けた延長戦上に昇華して完成したスタジアム、という感じ。もう少し規模的に大きく作っても良かったんじゃないかなとも感じたんだけれども、まぁちょうど良い塩梅なのかもしれない。この日も「完売」はしたということだったけれども「満席」ではなかった。空いている席種もかなりあり、伸びしろはまだまだある感じ。私自身、過去の長崎遠征が10年前に1度切りなのでそりゃね、隔世の感じですよ、私が諫早に行った時は小雨レベルで大旗さえ無かった熱量のスタジアムだったんだから。地方クラブ戦国時代。九州のライバルとしては脅威です。




プレイヤーズスイート席は裏口入場的な案内が直接メールで通達されました。専用アプリとかがあってスマートフォンにQRコードが表示されるのに、現地に行くと名前を言ってチェックされて入場するというアナログ感でビックリですよ。大丈夫、改善されます。選手バスが入って来るすぐ隣にラウンジがあって、入場する選手達の写真が撮れるガラス張り。ニータンの控室もありました。亀に控室は必要でしょうか?もしかして甲羅でも着替えるんでしょうか?


ラウンジはアルコール含めて飲み物は飲み放題。食べ物はホテルのシェフが手掛けたビュッフェスタイル。期待はしていたものの、想定内の範囲。不満は無いのですけれども、勝手に期待し過ぎたのかもしれません。1つだけ残念なことがありました。




大分戦ということもあって、大分を意識したメニュー。中津からあげとか、とり天とかがありました。このとり天になぜかレモンの切れ端が混ざってあってですね、かぼすではなくレモンかと。ここは「かぼすポン酢」だろうがと。シェフが大分県民で無いことは確かです。中津からあげも定義が分からん。でもまぁ、基本はホームの長崎サポーターを喜ばせるのが主目的ですから、基本は。美味しかったのでね、良いんですよ。ここは良いんです。ここは許せた。


巻き寿司といなり寿司なんですよ、私が許せなかったのは。お前ら寿司じゃねぇからな、っていう。このスイートルームのビュッフェスタイルで、寿司の名を冠した紛い物だけはですね、個人的な主義主張の範囲で恐縮ですが、テンションが落ちるのです。お前ら寿司じゃねぇからなっつって。どんなに美味しい巻き寿司だったとしてもだ、ここだけが少しテンションを下げました。他はもう、テンション上がりっぱなしだったのに、この巻き寿司といなり寿司だけは要らんかった。別にね、握り寿司を出せと言ってる訳じゃないんです。生モノを出すのは難しいだろうし、コスト的にも難しいだろうし、鶏めしもあったくらいなので、無くて良かったよねって話でね、これはまぁ本当に個人の主義の話なので、何にテンションが上がって、何に下がるかなんて個人の勝手ですから、私だけなのかもしれないので誰も悪くは無いんだけれどさ。でもスイートのビュッフェでこいつらには会いたくなかった。それならばもっと料金を上げて良かった。終わって振り返ってそう思います。非日常ですよ、必要なのは。巻き寿司といなり寿司は日常なのよ。握り寿司出せるくらいのチケット料で良かった。なぜならば、この後の体験が素晴らしかったからだ。


ラウンジからはドア1枚で細い通路からスタジアムのピッチサイドに繋がる。この通路が良い。短い数メートルの通路なんだけれども、スタジアムの光景が広がる一番テンションが上がる通路。ドキドキするでしょう?たまらんよね。




バックスタンドのホテル、ホーム側スタンド、アウェイ側スタンド。パナソニックスタジアムを少し小さくまとめた感じ。ピッチサイドシートは色々なスタジアムにあるけれども、ここのコンセプトはメインスタンドにありながらのピッチサイドなので面白かった。





目の前に柵も何もないメインスタンド。即ピッチサイド。目の前に選手がいるレベル。革張りの椅子は座り心地は良く、ドリンクホルダーもあって便利。ゆったり座れるし、観戦し易かった。目の前がもう芝生のピッチなんでね、もし私が素っ裸になって乱入しようと思えば出来ちゃいますからね?椅子から立ち上がって走り始めたら即乱入ですよ?なんてピースなスタジアムなんだろう。この席、もっとお金取らないとヤバい奴も座れちゃいますからね、もっとお金取って良いと思います。それくらいの価値はある。握り寿司を出せと言ってるんじゃないんです。この価値はもっと高いぞってことです。長崎だとこの価格になってしまうのかと、贅沢ですね。これは1度はおススメしたい。特に写真好きにはたまらない席だと思います。本当にたまらない。









これまでに無い画角で写真が撮れるし、選手は異常に近いし、監督は声が枯れるのが理解できるくらい大きな声で指示を出し続けるしで、本当に素晴らしい席でした。帰りたくなかったもんね。ずっと座っていたかった。試合が終わったらすぐに帰りますけれども、しばらく残ったもんね。この余韻は、あの酷い試合内容にも関わらず、余韻が残ったので良い体験だったってことです。酷い試合だったのに。もっと値上げして良いと思う。握り寿司を出せと言ってるんじゃないんです。この席の価値はもっと高いよ。プレミアムシートで、中々手に入らない席になるんじゃなかろうか。私はピッチの写真を撮りたいタイプの性癖なので、選手入場の際のガラス張りラウンジには居なかったので、その辺がどうだったのかは不明。しかし、本当に楽しい席だったな。素晴らしい体験が出来ました。

はい、一応サッカーの話も残しておきます。スタメンは前節がベース。ボランチで小酒井がベンチ外となり、弓場が入った。サブのGKは西川幸之介。代表活動から帰国した保田がベンチ入り。前節良かった屋敷はベンチ外。コンディション整った選手は少ないと思われます。この試合だけを観ると「なんでやねん」以外の感想は無いと思いますけれども、前節のスカウティングを加味すると全体像が何となく想像できるのではないでしょうか。おそらく前節の岡山vs長崎の試合が鍵になっていて、長崎が今季ワーストじゃないかっていうくらいに酷い試合をしていたのです。岡山にボールを保持されて押し込まれてカウンターの攻撃さえ組み立てられない、そんな試合でした。それもあって、俺たちにも出来るんじゃないか?という欲が出た。勝ち点1でも十分な上位に対するアウェイの試合で、堅い試合の入りをしつつ、持てるなら持つか?そんな欲が繰り返しのミスに繋がったんだと思います。持てそうだったから持ってしまった。これはムンからのロングボールを長崎にコントロールされてセカンドボールが拾えない状況が続いてしまったのが要因。それ故に繋いだ。しかし、前節を反省して大分対策をしたのは下平監督。前節の緩いプレスからの改善を行ったスタメンでした。

下平式の4-3-3を運用する長崎。前節はワントップにファンマを先発させたけれども、今節はMFのマテウス・ジェズスを起用。中盤の3枚の前目のポジションの選手を敢えてワントップに据えた下平監督。これは意外であった。ワントップにちゃんとプレッシングを行う選手を起用したので、前節のファンマの緩いプレスから、改善の意思を持って変えて来た。ここを警戒する意識を持って、攻撃が組み立てられなかったとしても、藤枝戦のように我慢を選択すべきであった。繋がずに蹴り続けることを選択せず、ボールを前線まで繋げようと、試合途中からチャレンジしてしまって、同じミスを発生させてしまった。先制されるまでの20分間では、5-4のブロックを敷く大分トリニータの守備網を突破できず、保持すれども攻めあぐねる下平トリニータと今のトリニータが戦っているような錯覚に陥って居たたまれなかったのだけれども、先制点を献上してしまってからはチームの意識とバランスが崩壊して失点を繰り返してしまいました。前半は攻められなかったとしても繋ぐ必要は無かったですよね。巻き寿司、いなり寿司、繋ぐなし。どっちが手堅かったのか。ここ数試合結果が出ている方で蹴り続けるべきでした。変える必要性無かったですよね。

後半、保田を投入して池田を前に上げて2トップ気味にし、ロングボールにも競り合える要員を加えてセカンドボールを奪取できるように手を打った。しかし状況は好転させることは出来ず、1点を返すも4失点で大敗となりました。先制点が余りにも痛すぎた。こけら落としでJ3陥落に近づいてどうする。あのまま蹴り続けても、セットプレーで失点していた可能性はあるけれども、それでも1失点であればまだ何とかなる範囲だったろうし、あのパスミスが悔やまれます。




良いところは宇津元が突破し切ったこと。1点だけ返せましたが、ペレイラを前線に残すパワープレーの中でサイドを突破してやり切った。ここは宇津元が課題を克服して結果を出したので素晴らしかったと思います。褒められるのはこのプレーくらいでした。保田はまた熱くなって警告を貰ってしまった。この試合、今シーズンの悪いシーンを集約したような試合になっていて、シーズンのダイジェストをリピートされているようで辛かったです。でもスタジアムは素晴らしかった。長崎は逆にこのスタジアムと共にプレーオフに回った方が面白いんじゃなかろうか。




残り4試合。残留のサッカーをやり切るしかありません。欲を出してしまったんだけれども、反省の連続です。つまらなくていい、勝利が全て。負けない戦い方をやり切って欲しい。