2024/10/06

2024年 明治安田J2リーグ 第34節 長崎戦

【長崎 4 - 1 大分】


試合の話は後回しです、後回し。あんな試合内容は後回し。そんなことよりも新スタジアムです。行って来ました長崎に。普段九州遠征は控えめですが(※今年鹿児島に行ったけど)、せっかく新スタジアムのこけら落としタイミングで大分トリニータ戦であれば記念に行くことに決めました。なかなか一般販売の情報が無い中で計画せねばならず、席が取れたらラッキーくらいでチャレンジしたところ、意外と空いていた。意外と長崎県内で人気無いのかもしれないV・ファーレン長崎。空いていたのでどうせならと思い、一番珍しい、そして一番高額なプレイヤーズスイートなる席を確保。だって空いてたんだもん。ラウンジ付きの席でした。




なんだか完成イメージ図みたいな写真ばかりですが、現実です。ピーススタジアム、略してピースタが稼働し始めました。まだ全ての機能や店舗がフルオープンという感じではなく、なんとか開催できるレベルではありましたが十分でした。まだ初回なのでね、色々な課題は噴出していると思いますが改善されて行くことでしょう。








スタジアムシティという概念で、バックスタンドの裏側にはホテルの建屋がある。バックスタンドのコンコースにはスタジアムグルメの店舗が集まっていて、アプリで決済したり順番待ちもシステム化されていた。第一印象として、全体的にコンパクトにぎゅっと詰まっている印象。思っていたよりも全体が小さい。大体の都市にあるイオンの方がデカい。専用スタジアムでピッチとの距離を近くしたことで小さくまとまっている印象を受けた。長崎駅から歩ける距離にあるのは素晴らしかった。あの立地であれば、これまでどちらかと言えば「諫早のクラブ」っぽいイメージがあったけれども、本当の「長崎県のクラブ」として定着するのではなかろうか。本拠地の場所、大事。山の上の公園に作る国体公園施設から商業施設へ。地方の民間企業が起こした革命を感じた。これが大都市圏にあったら正直そこまで魅力的には映らないんだけど、専用スタジアムが地方にあるからこそ映えて良いのである。そう感じました。地方だからこそ出来ることがある。これが地方でジャパネットが戦い続けた延長戦上に昇華して完成したスタジアム、という感じ。もう少し規模的に大きく作っても良かったんじゃないかなとも感じたんだけれども、まぁちょうど良い塩梅なのかもしれない。この日も「完売」はしたということだったけれども「満席」ではなかった。空いている席種もかなりあり、伸びしろはまだまだある感じ。私自身、過去の長崎遠征が10年前に1度切りなのでそりゃね、隔世の感じですよ、私が諫早に行った時は小雨レベルで大旗さえ無かった熱量のスタジアムだったんだから。地方クラブ戦国時代。九州のライバルとしては脅威です。




プレイヤーズスイート席は裏口入場的な案内が直接メールで通達されました。専用アプリとかがあってスマートフォンにQRコードが表示されるのに、現地に行くと名前を言ってチェックされて入場するというアナログ感でビックリですよ。大丈夫、改善されます。選手バスが入って来るすぐ隣にラウンジがあって、入場する選手達の写真が撮れるガラス張り。ニータンの控室もありました。亀に控室は必要でしょうか?もしかして甲羅でも着替えるんでしょうか?


ラウンジはアルコール含めて飲み物は飲み放題。食べ物はホテルのシェフが手掛けたビュッフェスタイル。期待はしていたものの、想定内の範囲。不満は無いのですけれども、勝手に期待し過ぎたのかもしれません。1つだけ残念なことがありました。




大分戦ということもあって、大分を意識したメニュー。中津からあげとか、とり天とかがありました。このとり天になぜかレモンの切れ端が混ざってあってですね、かぼすではなくレモンかと。ここは「かぼすポン酢」だろうがと。シェフが大分県民で無いことは確かです。中津からあげも定義が分からん。でもまぁ、基本はホームの長崎サポーターを喜ばせるのが主目的ですから、基本は。美味しかったのでね、良いんですよ。ここは良いんです。ここは許せた。


巻き寿司といなり寿司なんですよ、私が許せなかったのは。お前ら寿司じゃねぇからな、っていう。このスイートルームのビュッフェスタイルで、寿司の名を冠した紛い物だけはですね、個人的な主義主張の範囲で恐縮ですが、テンションが落ちるのです。お前ら寿司じゃねぇからなっつって。どんなに美味しい巻き寿司だったとしてもだ、ここだけが少しテンションを下げました。他はもう、テンション上がりっぱなしだったのに、この巻き寿司といなり寿司だけは要らんかった。別にね、握り寿司を出せと言ってる訳じゃないんです。生モノを出すのは難しいだろうし、コスト的にも難しいだろうし、鶏めしもあったくらいなので、無くて良かったよねって話でね、これはまぁ本当に個人の主義の話なので、何にテンションが上がって、何に下がるかなんて個人の勝手ですから、私だけなのかもしれないので誰も悪くは無いんだけれどさ。でもスイートのビュッフェでこいつらには会いたくなかった。それならばもっと料金を上げて良かった。終わって振り返ってそう思います。非日常ですよ、必要なのは。巻き寿司といなり寿司は日常なのよ。握り寿司出せるくらいのチケット料で良かった。なぜならば、この後の体験が素晴らしかったからだ。


ラウンジからはドア1枚で細い通路からスタジアムのピッチサイドに繋がる。この通路が良い。短い数メートルの通路なんだけれども、スタジアムの光景が広がる一番テンションが上がる通路。ドキドキするでしょう?たまらんよね。




バックスタンドのホテル、ホーム側スタンド、アウェイ側スタンド。パナソニックスタジアムを少し小さくまとめた感じ。ピッチサイドシートは色々なスタジアムにあるけれども、ここのコンセプトはメインスタンドにありながらのピッチサイドなので面白かった。





目の前に柵も何もないメインスタンド。即ピッチサイド。目の前に選手がいるレベル。革張りの椅子は座り心地は良く、ドリンクホルダーもあって便利。ゆったり座れるし、観戦し易かった。目の前がもう芝生のピッチなんでね、もし私が素っ裸になって乱入しようと思えば出来ちゃいますからね?椅子から立ち上がって走り始めたら即乱入ですよ?なんてピースなスタジアムなんだろう。この席、もっとお金取らないとヤバい奴も座れちゃいますからね、もっとお金取って良いと思います。それくらいの価値はある。握り寿司を出せと言ってるんじゃないんです。この価値はもっと高いぞってことです。長崎だとこの価格になってしまうのかと、贅沢ですね。これは1度はおススメしたい。特に写真好きにはたまらない席だと思います。本当にたまらない。









これまでに無い画角で写真が撮れるし、選手は異常に近いし、監督は声が枯れるのが理解できるくらい大きな声で指示を出し続けるしで、本当に素晴らしい席でした。帰りたくなかったもんね。ずっと座っていたかった。試合が終わったらすぐに帰りますけれども、しばらく残ったもんね。この余韻は、あの酷い試合内容にも関わらず、余韻が残ったので良い体験だったってことです。酷い試合だったのに。もっと値上げして良いと思う。握り寿司を出せと言ってるんじゃないんです。この席の価値はもっと高いよ。プレミアムシートで、中々手に入らない席になるんじゃなかろうか。私はピッチの写真を撮りたいタイプの性癖なので、選手入場の際のガラス張りラウンジには居なかったので、その辺がどうだったのかは不明。しかし、本当に楽しい席だったな。素晴らしい体験が出来ました。

はい、一応サッカーの話も残しておきます。スタメンは前節がベース。ボランチで小酒井がベンチ外となり、弓場が入った。サブのGKは西川幸之介。代表活動から帰国した保田がベンチ入り。前節良かった屋敷はベンチ外。コンディション整った選手は少ないと思われます。この試合だけを観ると「なんでやねん」以外の感想は無いと思いますけれども、前節のスカウティングを加味すると全体像が何となく想像できるのではないでしょうか。おそらく前節の岡山vs長崎の試合が鍵になっていて、長崎が今季ワーストじゃないかっていうくらいに酷い試合をしていたのです。岡山にボールを保持されて押し込まれてカウンターの攻撃さえ組み立てられない、そんな試合でした。それもあって、俺たちにも出来るんじゃないか?という欲が出た。勝ち点1でも十分な上位に対するアウェイの試合で、堅い試合の入りをしつつ、持てるなら持つか?そんな欲が繰り返しのミスに繋がったんだと思います。持てそうだったから持ってしまった。これはムンからのロングボールを長崎にコントロールされてセカンドボールが拾えない状況が続いてしまったのが要因。それ故に繋いだ。しかし、前節を反省して大分対策をしたのは下平監督。前節の緩いプレスからの改善を行ったスタメンでした。

下平式の4-3-3を運用する長崎。前節はワントップにファンマを先発させたけれども、今節はMFのマテウス・ジェズスを起用。中盤の3枚の前目のポジションの選手を敢えてワントップに据えた下平監督。これは意外であった。ワントップにちゃんとプレッシングを行う選手を起用したので、前節のファンマの緩いプレスから、改善の意思を持って変えて来た。ここを警戒する意識を持って、攻撃が組み立てられなかったとしても、藤枝戦のように我慢を選択すべきであった。繋がずに蹴り続けることを選択せず、ボールを前線まで繋げようと、試合途中からチャレンジしてしまって、同じミスを発生させてしまった。先制されるまでの20分間では、5-4のブロックを敷く大分トリニータの守備網を突破できず、保持すれども攻めあぐねる下平トリニータと今のトリニータが戦っているような錯覚に陥って居たたまれなかったのだけれども、先制点を献上してしまってからはチームの意識とバランスが崩壊して失点を繰り返してしまいました。前半は攻められなかったとしても繋ぐ必要は無かったですよね。巻き寿司、いなり寿司、繋ぐなし。どっちが手堅かったのか。ここ数試合結果が出ている方で蹴り続けるべきでした。変える必要性無かったですよね。

後半、保田を投入して池田を前に上げて2トップ気味にし、ロングボールにも競り合える要員を加えてセカンドボールを奪取できるように手を打った。しかし状況は好転させることは出来ず、1点を返すも4失点で大敗となりました。先制点が余りにも痛すぎた。こけら落としでJ3陥落に近づいてどうする。あのまま蹴り続けても、セットプレーで失点していた可能性はあるけれども、それでも1失点であればまだ何とかなる範囲だったろうし、あのパスミスが悔やまれます。




良いところは宇津元が突破し切ったこと。1点だけ返せましたが、ペレイラを前線に残すパワープレーの中でサイドを突破してやり切った。ここは宇津元が課題を克服して結果を出したので素晴らしかったと思います。褒められるのはこのプレーくらいでした。保田はまた熱くなって警告を貰ってしまった。この試合、今シーズンの悪いシーンを集約したような試合になっていて、シーズンのダイジェストをリピートされているようで辛かったです。でもスタジアムは素晴らしかった。長崎は逆にこのスタジアムと共にプレーオフに回った方が面白いんじゃなかろうか。




残り4試合。残留のサッカーをやり切るしかありません。欲を出してしまったんだけれども、反省の連続です。つまらなくていい、勝利が全て。負けない戦い方をやり切って欲しい。



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