2024/03/17

2024年 明治安田J2リーグ 第4節 清水戦

【清水 2 - 0 大分】


静岡県はお茶の栽培が盛んなのでカテキンの殺菌力で花粉は何とかなると思っていたのですが、何ともなりませんでした。ということで同じ書き出しで始めてみた2週連続静岡県遠征。ただ花粉は都内の方が酷かった。つらい。清水の方がまだマシだった。試合は想像していた通り。つらい。結構守れたのかもしれないけれど、そこから前線で時間が作れなさ過ぎてずっとつらかった。勝ち点1さえ持って帰れれば大変ポジティブとの考えで観戦していたので、ワンチャンスはあった戦い方ではあったと思うのだけれども、チャレンジ失敗。清水が強かった。






静岡県のスタジアム2連戦。藤枝と同様に片側1車線の細い道で続く山の上にスタジアムを建設したがる昭和から平成にかけての街づくりがベースになっていて、最近の街の中にあるスタジアムが大正義という流行からすると遺跡のようになりつつある。帰りのバスの本数が藤枝とは桁違い。入場者数の桁が違うのでそりゃそうなのだ。町田に分けてあげたいくらいの台数が揃っていた。観戦が終わったらさっさと下山させる準備とノウハウが詰まっているんだけれども、売り上げが伸びている清水だとしても、1万人以上集めるイベントでこれが勿体ない気もする。街中スタジアムであればスタジアムでの飲み食いもできるだろうし、試合後にもイベント開催ができるだろうし、色々な可能性が出て来るんだろうけれども、帰らせることが課題になる場所であれば可能性は限られてしまう。清水、藤枝、沼津とスタジアムの環境自体は素晴らしいものの、街型ではないスタジアムが多い静岡県。磐田だけ山の上じゃないのは文化的水準が高いからでしょうか?でもあれも企業の敷地っぽいしな。広島や長崎に出来てしまったスタジアム、脅威的です。スポーツ施設かつ興行を行う施設として考え方を変えなければいけない時代。山の上の健康バカが作ったスタジアムで戦い続ける軍の一員としては、このままでは没落していく側になったのだろうなということを改めて感じた観戦でした。


スタメンは前節と同じ。フォーメーションも4-2-3-1で同じ。保田がU-19日本代表に当然、当然ね、選ばれてしまったので次節から代表の活動に選任です。保田が居なくなった場合、ボランチには誰を入れるのだろうか。野嶽の復帰か野村が1列下がるか。次節のボランチの人選は気になるところ。怪我人が戻ってきませんね・・・。ヤバい。保田がいなくなったらヤバい。

 


対する清水。4-2-3-1を運用中。守備時は4-4-2。前節長崎に4失点で負けたこともあってCBを替えました。替えたCB住吉ジェラニレショーンが獅子奮迅の大活躍。ハイプレス型のチーム作りにおいて、課題となる裏のスペースが長崎相手にズタズタにされてしまったことへの満額回答。ロングボールをヘディングで跳ね返し続け、対人守備の強化とスペースのケアを両立。優勝予想オッズ人気No.1本命馬、清水の守備陣が「今年はこれで行こう」と決まってしまった感じの試合でした。ただ、ただですね、私にはそれが水戸ホーリーホックのサッカーに見えてしまってだな、何とも言えない気持ちにはなりました。もしも水戸ホーリーホックに資金があったらこうなっていたのかな?そんな風に清水エスパルスを観てしまった。攻撃面では質の高い乾やブラジル人がいて、小気味良いパスとサンバのリズムで清水エスパルス感ももちろんありました。融合です。ホーリーパルス。











ハイプレス型の2チームではあるものの、個人技で剥がせる清水に対して次から次に守備に人手をかけると、攻撃陣がプレスバックで戻って来てしまうことになり、ボールを奪えたとしても窮屈な状態に陥る。そこから展開できずに逆に清水のハイプレスの餌食になるような、皆で守備で頑張るが故にシームレス感が生まれない大分トリニータでした。守備だけのシームレス感はあったけれども、それは目指すべき姿ではないはず。1対1で勝てないとシームレス感は出せない。ただそんな状況でも濵田太郎がゴールを守りまくって耐えていたので、勝ち点1を持ち帰るプランは実行できていたという印象の前半。残念ながら耐えれずに1失点はしたものの、1失点なら想定の範囲内だったかと思われます。濵田太郎も守備力に能力値を全振りしているような強固さがあった。守れる。守れるけど、そこからどうする?が突きつけられ続けた。



後半に選手交代でギアチェンジして攻撃をテコ入れできるようにするプランだったような気もする。ハイプレス型のチームは疲労との戦いにもなるのでどこかでトーンダウンする時間帯は訪れる。その時に困った時のセットプレーで一矢報いることができるかどうかがこの日出来ることの最大限の攻撃だった。チャンスは作れたけれども決め切れず。70分のコーナーキックのプレーは素晴らしかったのだけれども清水GK権田にゴン出されてゴールは奪えず。権田も全然シュートを打たれなかったので暇そうでしたけど、集中は切れていませんでした。








権田に負けず劣らず後半も濵田太郎は素晴らしいプレーを連発。1本だけ止められず追加点を奪われてしまったけれども、この日の濵田太郎が止められないならしょうがないと思えるレベル。シュートの方が素晴らしかった。一番目立った濵田太郎、ブレイクしました。清水のホームで勝ち点を持って帰れるならば優勝争いできるレベルなので、まだまだ足りていないということでしょう。どこまで迫れるか。ハイプレス型としては我が軍のCB2枚も中々のポテンシャルはあると思うので、あとは攻撃陣。今がチャンスの若手がブレイクして欲しい。宇津元が怪我をしていなければ良いのだけれども。右サイドのスペシャリストとして茂平が復帰するまでは中々攻撃面でのテコ入れは難しいのではなかろうか。今のうちにブレイクする若手が出て来るかどうか。次節は水曜日。日程的に厳しいけれども頑張って欲しい。



2024/03/11

2024年 明治安田J2リーグ 第3節 藤枝戦

【藤枝 0 - 1 大分】


アウェイ観戦記、開幕。初めて藤枝総合運動公園に行って来ました。静岡県はお茶の栽培が盛んなのでカテキンの殺菌力で花粉は何とかなると思っていたのですが、何ともなりませんでした。投薬したのでギリギリ生きて帰って来れたけれども、致死量の花粉が飛び交う腐海の底です、静岡は。富士山は王蟲の群れの死骸が山なりに重なり合って出来ています。ナウシカ並みのマスクが必要。来週も清水戦なんですけど、どこかに売ってないだろうかあのマスク。


蹴球都市、藤枝です。蹴球都市として100周年らしい。何?蹴球都市って。何をどうカウントして100年目なのかを調べてみたところ、「サッカーの強豪で現在の藤枝東高校が1924年に開校した際、サッカーを「校技」と定めたことにちなんで、「サッカーのまち100周年」としてさまざまなイベントを企画しています。」ということらしい。これが本当ならば藤枝東高校サッカー部100周年なだけじゃねぇのか?(※凄い歴史だけど)という疑問が生じる訳ですが、今回実際現地に行ってみて分かったんですけどね、市民たちは基本全員サッカーボールを足元に転がしながらドリブルで通勤・通学していますし、昇給や昇格は上司との一対一のPKで決めるそうです。住宅ローンを組むのも草サッカーリーグでの成績が査定になるらしい。足元からボールロストすると藤枝では生活が出来なくなるらしいので蹴球都市で生活するのは大変そうでした。以上、こんな蹴球都市は嫌だ(©ビートたけし)でした。


スタジアム自体は一本道で繋がれた山の上の総合公園にある、プロの興行などを誰も考えていなかった頃の、典型的な昭和の健康バカが作ったであろう立地。我が軍も多分に漏れずですけど、J2やJ3にありがちな、初めてなのになぜか既視感があるスタジアム環境。しかし、そこは蹴球都市。専用スタジアムでバックスタンドの改修も終わり、暫定J1ライセンスが交付されているので設備としては申し分ない。すり鉢状の底にある感じで、風の影響は少なそう。スタジアム周りは階段が辛い。花粉がバンバン飛んでそうな風景です。バンバン。


専用スタジアムで勾配のあるスタンドからは全体が見通せて観戦はしやすい。ゴール裏以外は屋根もある。スタジアムグルメも揃っていて観戦環境としては十二分にJ2レベル。さすが蹴球都市です。残念なポイントを敢えて挙げるとすればあいつです、あいつ。


こいつです。蹴っ飛ばし小僧。なぜに眉間にしわを寄せるような表情のマスコットを作った?スマホを向けたら愛嬌を振りまいてくれたんだけど、顔が怖い。ダブルピースされても怖い。眉間のしわが反社の人なのよ。可愛くしない方が逆に目立つみたいなね、昭和のブランディング的過ぎて、東京Vのリヴェルンとの差がえぐくなっている。コントラストがえぐい。そこはもう、蹴球都市だからしょうがない。サッカー以外は得意じゃない蹴球都市。割り切ってやるしかない。


水曜日にルヴァンカップを落としたトリニータ。メンバーは温存し切れなかった感もあるけれども、4-2-3-1を継続。GKは濵田太郎。この日も攻撃面は多少物足りない雰囲気だけれども、守備面では素晴らしい活躍。DFと中盤は第2節同様。変化点は前線を松尾から宇津元に切り替えたところのみ。ワントップは伊佐。ベンチメンバーには水曜日に120分の過重労働を行ったメンバーが入る程には未だ怪我人が多い状態。

対する藤枝。我が軍同様今シーズン未勝利。前節は千葉に4-0でボコられて、水曜日にFC琉球と沖縄で戦い、ルヴァンカップも落とした。移動も大変だったはず。3-4-2-1がベースだけれども保持すると最終ラインではGKを含めたビルドアップを敢行するエンターテインメントサッカーを志すチーム。保持時は可変して前線に人を厚めにして擬似カウンターを誘う。そこからロストした場合はハイプレスでの守備に切り替わるので、今シーズン我が軍が目指すシームレスなサッカーを既に体現しているようなチーム。保持型は勝ち辛い時代に突入するのかどうか、今シーズンのJ2全体の方向性の中では異質なポジショニングになるのではなかろうか。面白いサッカーなんだけれども、リスクの方が大きくなって行っている印象。


後方保持型の藤枝との試合にこそ、今シーズンのシームレスサッカーのポテンシャルを確認できると思っていたのですが、前半は藤枝の方がシームレスではあった。戦術面で「スタート」の概念こそ異なれど、そこからゴールを奪うまでの筋道は似ていた両チーム。結果ハイプレスにハイプレスを重ねて常に動きのある面白い試合展開ではあった。しかし、私のこの日の目的は「堅心マジ堅心」ということで(※どういうことだ)とにかく保田堅心をカメラ越しに追いかけるだけだったので、試合のことはふんわりと掴む程度です。戦術面では藤枝に上回られるも、個の力で何とか組み立てた前半だったという印象。保田堅心は前を向いてから2回ほど良い展開を作った、というのは強い記憶に残ってます。


後半早々に試合が動きました。前半から保田堅心の写真ばかり撮っていて、後半開始直後にグッと前線に加速して行った瞬間が訪れる。


保田堅心、目の前に3人くらいDFがいたのにゴール決めました。昨シーズンから保田ヤバいとこのブログで書き続けて来た保田ヤバいおじさんとしては驚いてはいません。な?という感情の方が強い。まだずーっと輝き続けるレベルではないけれども、一瞬一瞬良いプレーをした時の輝きが違う。ゴール後にゴール裏へアピールした時には眩し過ぎてカメラのISO感度確認したレベル。雑なプレーもまだあるように見受けられるけれども、私の印象では他のメンバーのプレースピードが付いて行っていないような印象がある。これパリ行くんじゃない?オリンピック代表。もう一つの青いユニフォーム着るんじゃない?大分トリニータに30年に1度現れると言われる代表選手についての古い言い伝え。その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。ババ様!遂に現れたよ!ババ様!


まぁちょっと試合中のネタが少ないからって書き過ぎなんですけど、それくらいのポテンシャルはあると思いますし、観ていて楽しい選手なので多くの人に観てもらいたい。観れるうちに観ときやの精神。10得点10アシストはマスト。残り9得点です。


藤枝のコーナーキックの時にビジョンに「つ」がクルクル回っていて、どういう意味なのか困惑したのですが、おそらくタオルマフラーを回せ的な煽りでした。分からんかったよ!両チーム水曜日の試合の影響もあっただろうし、この日ハイペースに走り合ったこともあってか後半途中からは割とぐでんぐでんな展開に。特に藤枝が前線に長身の選手を投入してからは藤枝のハイプレス系の守備が台無しに。ロングボールでパワープレーに出るも、ペレイラを投入して5バックにして迎撃した片野坂監督・コーチ陣。コーナーキックを守り切って出た吉坂コーチのガッツポーズが熱かった。静岡マラソンの影響なのか、このサッカーの内容で2600人しか集客がないのは蹴球都市としては寂しい印象。もうちょっと増えて良い内容だと思うのだけれども。蹴球都市のプロクラブの戦術面は評価すべき。

ということで勝ちました。シーズン初勝利でホッとしたというのが正直なところ。内容はまだまだですが、勝って反省出来る方が良い。勝ち点的には3節終わって無敗の良い感じなポジションに落ち着きました。もっともっと練度を上げなければなりません。来週も静岡。優勝候補の清水相手にどこまでやれるのか、勝ち点1でもポジティブな試合という位置付けです。厳しい試合になるでしょうけれども乗り越えたい。