2022/02/28

2022年 明治安田生命J2リーグ 第2節 甲府戦

【甲府 1 - 1大分】 

2022年シーズン、あけましておめでとうございます。今シーズンもよろしくお願い致します。第1節が延期となったため第2節、アウェイ甲府戦が開幕戦となりました。6年振りに小瀬に行き現地観戦。ワクチン・検査パッケージ制度に沿った事前の入場確認が追加されたイベントとなり、アウェイ席も確保されました。アディショナルタイムに追いつき勝ち点1をしぶとく持ち帰ることが出来ましたが、開幕特有の期待と不安が入り混じる内容。圧倒的にボールを保持してJ2のフロンターレ的な存在になるという、その意気込みや良しですが、チームの活動休止期間も関係しているのか、最初からそのレベルには達しておらず、ただその片鱗を垣間見せたもするもんだから期待と不安が入り混じった。とにかくスタートを切れたこと、それが一番大事。

個人的には2016年の天皇杯以来の小瀬。大きな変化はありませんでしたが、スタジアムのネーミングライツが変わっていて「JITリサイクルリンクスタジアム」という名に。もはやスタジアム名が覚えられない年頃(※老化)です。ヴァンくんとフォーレちゃん、そして三平さんとヴァンフォーレ甲府が誇る「3大」人気物の撮影に一挙に成功。元気そうで何よりです。天気は良く、気温もそこそこで絶好のサッカー日和。午後になるにつれて風が強くなり少し難しいコンディションになってはいた。

  

試合前にマスコットショーがありました。鬼滅の刃ごっことマツケンサンバを見せつけられて「あぁJ2に降格したんだな・・・」と改めて思い知らされた気持ちで一杯になりました。戻って来てしまった。





丁度よい湯加減、熱すぎず、ぬる過ぎず、ちゃんとしたJ2のマスコットショー。ホーム開幕戦でこの手作り感。素晴らしかった。J2だ!俺たちは今J2にいるぞ!そんな気持ち。



スタメンはおおよそ予想できた4-1-2-3。下平監督の思想が滲み出る攻撃的な並び。4バック、DFは左から三竿、坂、ペレイラ、小出。GKには大チャンスが巡って来た吉田の方の舜が登場。駿から舜、一瞬の変更か定着か。中盤には大エース町田也真人と渡邉新太、アンカーにはキャプテン下田北斗、ワントップに呉屋、左に小林成豪、右に井上健太。長い事3バックに慣れていたので4枚で守り切るという今年の形がかなり攻撃的に感じました。



対する甲府。2018年の昇格した年に小瀬で6失点、圧倒的なプレスでハメられて風林火山されて以来の甲府戦。あの頃の甲府には小出、小塚、島川、佐藤和弘が所属しており、トリニータでプレーした選手達も多く、ダニエルもプレーしたし、今は三平さんがお世話になっていて何となくシンパシーは感じる相手。青いし。今年は吉田達磨監督が復帰して再び夢を追う。3-4-2-1で守備時5バックとなり5-4のブロックでスペースを埋める守り方だったが、ライン設定はかなり高く中盤をコンパクトに保つスタイルであった。甲府のハイライン・ハイプレスを剥がせるのかどうか、がまずはチェックポイントだと思っていました。ちなみに、甲府のスタメンには「陸」が多い。

 


 見て下さいこの「陸」だらけのスタメン。FWMFDFにそれぞれ存在していた。山梨県は海なし県。陸続きなので強化部も「陸」を集めている模様。さらにブラジル人「リラ」までいるわけで、「リクとリクとリクとリラ」という有名な絵本の「ぐりとぐら」みたいな、青と赤のチームを目指しているってことなんです(※どういうことだ)まだ最終兵器の191センチもあるFWパライバが入国できておらず、伸びしろがある状態であることは留意しておきたい。




 試合前の集合写真、あれ?いつもと違うなと凄い違和感を感じたんですけど、ソーシャルディスタンスが無くなりました。元に戻っただけですね、昔の風習を忘れつつある年頃(※老化)です。飲水タイムも無くなったし、通常ルールにほぼ戻りつつある。5人の交代枠だけが残った。J2ではVARもなくオフサイドディレイも無いし、VARチェックもレビューも無いリアルフットボールの古き良き世界。試合のテンポが良かった。


キャプテン業務に勤しむ下田北斗。前半に風上を選択。勝利のために意志ある選択をするタイプでしょうか。


最初の15分はヴァンフォーレ甲府ペース。トリニータは風上を選択してゲームに入ったものの、甲府の最終ラインの設定がかなり高く、狭い局面で風の影響もあってかボールを落ち着かせることが出来なかった。

 甲府のディフェンスラインの裏側には広大なスペースがあり、井上健太のスピードを活かせる状態であった。徐々にスペースを活かして甲府のDFラインを下げさせると、20分過ぎくらいからは保持して敵陣の奥深くまで押し込む場面も作ることが出来ていた。この相手を押し込んだ状態がおそらく下平監督の真骨頂。希望溢れる攻撃を繰り出せていました。CKになるシーンも多く、この時間帯は今シーズンの夢のある方向性に確信を持てそうな雰囲気があった。しかし、肝心のクロスやラストパスの精度がいまいちで決め切れず。そうこうしているうちに32分、ロングカウンターを浴びて先制を許してしまう。甲府はシャドーの2選手、41番の長谷川と15番の飯島が守備から攻撃にかけて主な業務を担っていて素晴らしかった。奪っては攻め、守備から攻撃、攻撃から守備とトランジションの申し子のような働きっぷりであった。このようなカウンターを受けることを前提として判っている上でチャレンジしている感があるので今シーズンはこんな展開は増えるのではなかろうか。風上を選んだけれども先制されてしまい、トリニータとしては難しくなった。

 


後半、風下から攻撃を試みるも裏のスペースを活かすことは難しく、プレスを剥がして前進してもスペースを埋めている甲府のブロックを攻略できないまま時間が過ぎていった。交代選手を投入しても基本的にやり方は変わらず、選手達のキャラクターの違いで変化を付ける交代策。


長沢と中川の同時投入の高低差が凄い。キャラクターが強すぎる。選手交代のカードで層の厚さを感じることは出来た。途中で入った増山のロングスローなど、あの手この手で攻撃出来るバリエーションの多さはストロングポイントとなりそう。しかし、時間が過ぎゆき、タイムオーバーかと思われたラストチャンス、右サイド奥深くで得たFKをキャプテン下田北斗が中に蹴り込むと最後のチャンスに前線に上がった吉田舜がヘディングで触り、こぼれ球をペレイラが押し込むという、最終手段にも程があるような得点で追いつくことが出来た。ほぼ敗北濃厚の状態から得た勝ち点1は大きい。0からスタートよりも全然良い。11連戦となった厳しい日程の中でまずまずのリスタートと言ってよいのではなかろうか。コンディションに不安があったけれども、私は今日見た限りでそれほどコンディションに差があるとは感じなかったので、よりやり易い環境であればもう少し面白い展開が観れるのではないかと期待感の方が大きくなった開幕戦でした。





遂にベールを脱いだ4-1-2-3は、各々の仕事が明確化されている印象で、一人一人が責任を負うフィールドの範囲が広がりつつ、より個性を全面的に出す必要性を感じる戦術という印象でした。スーパーな選手がいないとフロンターレ化は難しいのではなかろうか。個の力よりも徒党を組んで攻略してきたこれまでの戦い方よりも、選手の能力を信じることを前提とした戦術。ペレイラはジェジエウ的なスーパーな仕事を任せられそうな雰囲気。後はワントップ、今日は呉屋と長沢が仕事をしましたがレアンドロダミアン並みのスーパーな選手が必要だし、攻撃のタクトをアンカーが振りまくるのでここもスーパーな選手が必要。補強したブラジル人がワントップとアンカーにハマれば下田北斗をインサイドハーフでも使えるし、更に幅が広がりそう。夢はある。夢は感じられた。勝ち点84という目標は途方もないけれども、夢は感じた緒戦でした。昨シーズンと比べてほとんどメンバーは変わっていない訳で、もしJ1で同じことをやっていたらどうなっただろうか。まだまだ足りないことは判った。しかし夢はある(※しつこい)色々な切り取り方が出来る開幕戦だったのではなかろうか。



GK吉田舜、一度だけポロリしたけれどもJ2ということで命拾い。J1だったら即失点に繋がっていた気がするけれども、それ以外はビックセーブもあって良かった。これまで燻りまくっていたであろうけれども大チャンス。最後の攻め上がり、ヘディングで触ったのは見事。攻めのボール回しにチャレンジして欲しい。まだ本領発揮とはいかない2022年の大分トリニータ。これからの連戦をチーム全員で乗り越えて欲しい。今年も皆、なるべく怪我せずなるべく健康に、シーズンを過ごせますように。「挑戦」開始。



1 件のコメント:

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    大分トリニータアウェイ観戦記 様

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