2021/12/05

2021年 明治安田生命J1リーグ 第38節 柏戦

【柏 2 - 3 大分】


リーグ最終節、残念なくらいの消化試合となってしまいましたが来週の天皇杯準決勝に向けて連勝して勢いを繋げるナイスゲームでした。2失点は余計だったけれども。リーグ戦最後の3試合を全て生観戦、2勝1分けという締め括り。今シーズンずっとアウェイで勝てなかったり、3得点出来なかったりしたチームが課題を克服。目標を失った後のリーグ戦で来季に繋げる試合を見せてくれました。プロとして結果にこだわってくれたことはお金を払って観に行く側からするとありがたいことです。素晴らしいゴールの数々でした。2失点は余計だったけれども。


冬の太陽がまぶしい快晴となったレイソルの本拠地日立台。リーグ最終節で気合の入ったコレオグラフィを見せてくれた柏ゴール裏。コンセプトは不動の「柏から世界へ」我々は大分から異世界(※J2)へ。2022年という「2」が並びまくっている特異な年にJ2に舞い戻るJ2オリジナル10の運命。天皇杯に優勝したらACLに出場してしまうのでJ2から世界へ。天皇杯が楽しみで仕方ない。来週の準決勝に万全で望みたいけれども既に移籍前に天皇杯に出場してしまっている選手はこの試合でシーズン終了。

スタメンはペレイラがベンチ外となり、エンリケが3バックの真ん中に復帰。両脇を三竿と小出が固める。左サイド、右サイドは天皇杯に出場できない野嶽と増山。ワントップも出場できない古巣戦となった呉屋。大エース町田也真人と渡邉新太がシャドーに入り、下田と小林裕紀がボランチ。片野坂体制2年目から定番となった3-4-2-1もリーグ戦では見納め。


対する柏、来季もネルシーニョ監督が続投らしいのだけれども今シーズンは苦しんだ印象。柏と言えば大当たり外国人、オルンガやらクリスティアーノやらが強烈だったイメージだけれども徐々に特徴が薄れていった印象。この日はクリスティアーノもベンチ外。この試合の柏は言語化するには難しい、オーソドックスなチーム戦術というべきか何というべきか、ホーム最終戦で謎の不出来。モチベーションを失ったのか何なのか、なぜに4バックだったのか。謎の理由で4-4-2スタート。来季に向けた新チャレンジだったのか?試合後に監督の続投と判明したので、きっと新戦術へのトライが始まっていると考えるべきなのではなかろうか。その新戦術、まだ形になっていなかったということでしょうか。




予想ではきっと3バックのミラーゲームになると思われたこの試合、柏が4バックでスタートしたことからスペースを活かせるトリニータのサイド攻撃が活性化。これまでアウェイでミラーゲームが最も苦手で、ほとんど勝ち点を失い続けたトリニータに対して4バック。新しいチャレンジじゃなければ意味が分からない。この日は左サイドが素晴らしかった。エンリケと下田という左利きが起点になったからか、左で作って右で刺す攻撃がハマった。


夏にJ3から補強した野嶽、三竿の絡みが良く左サイドを突破、大外にポジショニングした渡邉新太がダイレクトで打つと見せかけてピタッと足元に止めてゴールを決めた。この日の渡邉新太はファウルを貰える渡邉新太であった。キレがあった。2得点目も右サイドからカットインした渡邉新太のドリブルで得たFKを下田が直接決めて突き放し。


高木も祝福に来るくらいの盛り上がり。直接FKが決まるなんていつ振りだろうか。覚えてないくらいレアなゴールです。下田のキック、完璧でした。


素晴らしい内容で前半を支配。4バックの柏の左サイドを攻略して常に先手を打てた。柏の攻撃はプレスによって機能不全に陥れることが出来た。特に小林裕紀の守備が素晴らしかった。下田が攻撃、小林裕紀が守備という役割分担でボランチが躍動。大エース町田也真人はスペースを見つけて柏のプレスを回避しまくるし、出口が常に用意されたボール回しで柏のプレスを剥がして前進しまくった。とにかく良い前半でした。前半で2点差、ここに来て我が軍強くなった!・・・錯覚でした。


後半、寝ていたネルシーニョ監督が目覚めて2名の選手を入れ替え。3バックへ移行すると柏のプレスの相手が明確化されて立ち上がりに不運も重なってバタバタと2失点。GK高木が良いんだか悪いんだか評価が難しいスーパーセーブとパスミスを連発して三竿も激怒。あっという間に追いつかれてしまいました。しかし、ミラーゲームで準備していたはずのトリニータも落ち着きを取り戻して試合を決定付ける次の1点をもぎ取った。このゴールが本当になんというか、美しかった。しつこいですけど、もう一回動画をね、見て欲しいんです。3点目を観て欲しい。


片野坂体制のリーグ戦最後のゴールがこの、完璧に崩した美しいゴールです。一度ボールを下げてスペースを作り、高木にブチ切れた三竿がフリックして呉屋が素晴らしいワンタッチポストプレー、再び受けたブチ切れ三竿が冷静にラストパス、大外の増山が詰めるというプレーで完結。完成度が高かった昇格したJ2時代に観た美しいゴールが最後の最後にJ1でも復活。あぁ、これだよなって、感慨深く感傷に肩までどっぷり浸りまくりました。アウェイのミラーゲームになってから、グループで上回る攻撃が最後の最後に形になった。消化試合を観に来たトリニータサポーターに最後のご褒美をくれるんだからサッカーの神様はへそ曲がりだ。成ったけれども遅かった・・・・。めちゃくちゃ記憶に残るゴールになりそう。



この後は伊佐、香川、刀根、小林成豪を投入して疲弊したメンバーと交代して試合を締めくくり。2連勝で今シーズンのリーグ戦を終了。来週の4バックの絶対王者川崎に対して弾みが付くような勢いで臨めるコンディションでした。出場できない選手達の代わりに誰が出て来るのか、トーナメント一発勝負で失うものが無い我が軍の戦略も非常に楽しみ。失うものは何もない。成った状態で川崎と戦ってみよう。リーグ戦の反則ポイント、川崎と大分、上位2チームの対決。イエローカード乱れ飛ぶ試合になったら逆に面白いんだけれども。

試合後は三竿にブチ切れられているのに素晴らしく強いメンタルを持つキャプテン高木が一人で盛り上げようとする。天皇杯に向けて身体を張れるキャプテン。冷たい目で見つめるメンバー。最終ラインから駆け上がる影が監督だと分かった時は笑ってしまった。最後には全員で喜び合ってスタジアムから笑って帰れました。この日の試合は6年間で何度も見たリスクのあるゴールキーパーから繋ぐ難しさと、素晴らしいゴールと、集大成のような試合だったと思います。本当に面白いチーム。終わらない大河ドラマ、永遠に続く朝ドラ。これからの展開が楽しみです。






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