2021/05/10

2021年 明治安田生命J1リーグ 第13節 湘南戦

【湘南 2 - 0 大分】


湘南レモンガススタジアムに行って来ました。天気が良すぎて暑いくらいの5月の日差しの中、強い風が吹くというサッカーとしては少し難しそうなコンディション。湿度は低くカラッとした環境で気持ち良く観戦。変異株が流行中なので戦々恐々としつつ、スタジアムでは飲まず食わず。行って観て帰って来ただけ。久々に陽の光をガッツリ浴びた気がする。




今年からレモンガススタジアム平塚にネーミングライツを更新。略称レモンS。BMWといういけ好かない湘南っぽさからグッと庶民派の小市民になった感が好感できます。Lemonだと米津感が出るしカタカナのレモンの方が良い。オール電化なんか糞くらえってことです。スタジアムでレモンガスを試用してガスの火力で中華鍋を振ってチャーハン作って欲しい。レモンガススタジアムになってから強い湘南。Win-Winの模様です。

リーグ戦スタメンは左サイドを福森、シャドーに渡邉新太でスタート。三竿、坂、下田北斗、高山と湘南卒業生大集合。ベンチメンバーにはルヴァンカップ出場メンバーを多く帯同していた。コロナ感染者発生もあってやり繰りは限定されている印象。メンバー不足感を感じてしまう。


対する湘南。totoを購入していたこともあって、色々なチームの状況をチェックしていたのですが、とにかく守備が粘り強くて良い。昨年苦しい状況の中でも浮嶋監督を継続した一貫性もあり、主力だったメンバーが海外に流出しても今年になって開花に成功。ゲームプランがメキメキ明確になっている。守備で我慢して1試合内における連続稼働時間の少ないウェリントンを残り10分で投入してワンチャンスを託す。非常に判り易く、手堅い。勝ちきれては無いものの、負けていないことはポジティブになれるチーム状況が続いている。昨年33節に戦った時からの変化は若干繋ぐようになったくらいで、ベースは変わっておらず、より適した人材を獲得出来ていることが大きいのではなかろうか。北九州から町野、松本山雅から出戻りとなった高橋、鹿島からレンタルで名古あたりの加入がフィットした印象。下位戦線の足の引っ張り合いとしては6ポイントマッチ。負けられない試合でした。







風上でキックオフとなった試合開始からボールが収まらず、スローインやらコーナーキックが頻発。落ち着かない試合の入りになっていた。守備時に長沢と渡邉新太の2トップになっており、ミラーゲームを仕掛けていたっぽい。プレスがハマっていたかどうかは微妙だったけれども、いつものやり慣れた形から変えて相手と同じ布陣で守備を行う選択をした。16分の失点シーンは渡邉新太のアタックまでは守備がハマっていたけれども、交わされて前を向かれて右に展開されて、右からのクロスが風に戻され、風を読んでいた名古に決められた。ホームスタジアムの風に慣れていた湘南アタッカー陣。湘南で育ったはずの我が軍のメンバーはなぜ対応できなかったのか。レモンガススタジアムになってから強風が吹くようになったんじゃなかろうか。アタックするなら取り切れないと痛い目に合うので、我慢強い守備とは何なのかという点を各々が責任を持たなければなりません。風以前のところです。


湘南が幸先よく先制した後、暑さによるプレス強度の低下もあり、前半の飲水タイム後くらいからはボールが保持できるようになったトリニータ。試合開始前はトリニータがボールを保持して、湘南がハイプレスで引っ掛けてカウンター狙い、という予想していた試合展開が湘南のプレスが落ちてようやく実現出来るようになっていた時点で色々と想定外。


守備の布陣が慣れていない5-3-2になったとして、攻撃面までもが機能しなかったのも全て風のせいとは思えない。失点が少ない湘南相手とは言え、ハイプレスの代償としての裏にある広大なスペースを活かせなかったのは何故なのか。昨シーズン伊佐が大活躍したアウェイ湘南戦では裏のスペースに抜け出た伊佐を起点に攻撃の組み立てが出来ていたが、この日は伊佐が帯同すらしておらず、長沢がサイドのスペースに流れながらサイドを起点にボールを引き出しても中には誰もおらず、サイドで時間を作って長沢を真ん中に戻しておきながらクロスは上げられない、みたいなチグハグな形が多かった。唯一の決定的なチャンスシーンでも渡邉新太のシュートは湘南GK谷に止められてしまった。得点の匂いも、レモンの匂いも、ガスの匂いもしないまま時は過ぎていった。


最後に湘南のゲームプランである、我が軍が何度も点を決められてきたウェリントンが登場し、きっちりワンチャンスで決めれれるというお家芸を披露して試合終了となりました。何度ウェリントンにゴールを割れれれば気が済むのだ。更にもう一人のウェリントンも補強している湘南は隠し玉を持ったまま。6ポイントマッチで完敗。どんなに悪くても勝ち点1を持ち帰らないといけない試合での完敗はショックでした。


後半は攻撃時に普段の4-1-5になっていて、そちらの方が機能していた印象。試合後に長沢がインタビューで言及していたけれども試合中に上手くいってなければ、前半から臨機応変に対応出来て欲しかった。折角積み上げてきたものがあるのだから、上手くいかなければいつだって戻せたはずだ。羽田を真ん中のCBにし、坂を右に回すオプションも敢行したが効果出ず。走行距離もスプリント回数も湘南に上回られており、良いとこ無し。戦術面でも裏目、デュエルでも負け、連戦を避けたメンバー構成だったのに前節の内容と気合を継続できなかった。このままでは次節の鳥栖戦はボコボコにされる恐れがある。幸い連戦が終わり、1週間の準備期間が取れることが唯一の希望か。一人でも戦える選手が戻って来てくれれば良いのだけれども。辛い。とても辛い。あの日の悲しみさえ、あの日の苦しみさえ、その全てを愛してた あなたと共に。胸に残り離れない苦いレモンの匂い。そう、苦いレモンの匂い。初のレモンガススタジアムは米津感満載で帰宅することになりました。

勝てるチームと勝てないチームとの差が激しい今シーズン。まだ生き残るチャンスは数字上はたっぷり残っているけれども、前半戦にこれだけのたうち回っているチームが果たして巻き返せるだろうか。ここまで結果を出していない大卒新人自体が巻き返せないとチームは息を吹き返さない。ベテラン勢は夏に疲労が溜まるので、それまでに奮起を期待したい。



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