2021/05/16

2021年 明治安田生命J1リーグ 第14節 鳥栖戦

【大分 1 - 1 鳥栖】


前節湘南戦の不出来から、同じフォーメーションの似たタイプっぽい上位の鳥栖に対してテンションが上がらないままDAZN生観戦しました。湘南戦のダメージがまだ癒えていない。無の境地に近い精神で迎えるバトルオブ九州なんてね、なかなかありませんよ、あなた。これでまた連敗したらカツ丼とかを摂取する日々が再開するのかと思うと絶望的な気持ちになる。1週間の準備期間があったとはいえ、きっと辛い内容になるんじゃないかなって思っていたんです。スタメンからも悪い予感が。


本職ボランチどこに行った!高卒ルーキーの弓場しか居ないじゃないか!しかもスタメンは俺の羽田だ!どういうことだ!こりゃ参った!小林裕紀と長谷川が離脱なのか、中3日のルヴァンカップグループステージ最終節に備えてのことなのかは分からないけれども、バトルオブ九州に暗雲立ち込める。ワントップに髙澤を据えて、長沢はベンチスタートというゲームプラン。湘南と似たようなフォーメーションの鳥栖にハメられるのか。増える心配。


対する鳥栖。金監督続投により継続路線の今シーズン。4位と好調。ちょっと前まで「ありがトーレス」とか訳の分からないことを叫んでいたのに、財布の底が破れて社長が交代し完全な現実路線になってしまった。わたし、夢があった頃の鳥栖の方が好きでした。ハードワークする鳥栖が戻って来てしまった。更にユースでも結果が出ていて若手がわんさか出て来る良スパイラル。酒井宣福が離脱してから勢いは落ちている印象も、ここまで5失点しかしていない堅守がヤバい。なぜか1試合で7キロくらい走るGK朴さんが過剰な運動量で広大なスペースを保守メンテする。敬意をこめてさん付けです。先制されたらまずい相手。



実は今シーズンの平均走行距離ランキング、1位と2位の直接対決であったこの試合。運動量No.1を蒸し暑い昭和電工ドームで競い合うという過酷な試合になるであろうことは推測出来ていた。運動量に関しては敵味方全員を不安にさせる朴さんが走っている差が出ているだけという説もあるけれども、鳥栖に対して走り勝つことが出来るかどうかは1つの要素。どんなゲームを行うのか、狙いがハマるのかどうか、恐る恐るキックオフを見守る心境でした。しかし予想に反して試合の入り方は抜群だった。やっぱり1週間の準備期間があれば戦えるチームです。


鳥栖の3バックの左右のサイド際スペースに長いボールを意図的に送り込みながら、ラインを押し上げてコンパクトな布陣を維持。鳥栖のプレスを回避し、鳥栖の強みであるショートカウンターが発動しないゲーム作りがベースになっていたと推測する。最終ラインでボールを保持している時も鳥栖のプレスがハマることは少なく、最終ラインにボランチが降りることもあれば、降りないこともあり、ポープが上がることもあり、臨機応変さが足りなかった湘南戦の反省が活かせている立ち上がりになっていました。ボール保持多めでスタートし、今日はやれるんじゃないのか。そう感じた11分に失点。鳥栖相手に先制されたらダメだっつってんだろうが! 失点よりも少し前のシーンが危う過ぎた。下田のクロスが朴さんに直接取られた後、坂がひとりで3人を相手にするレベルのえぐいカウンターを受けてしまった。鳥栖の林と山下が若干被ったこともあり、ポープのファインセーブで事なきを得たけれども、検証が必要なレベルの大ピンチ。要検証です。髙澤の切り替えが遅い、さらに羽田のプレスの意味が無かった。この後、守備に戻って安心したけれども、真ん中で鳥栖の楔のパスが通ってしまっての失点に繋がった。是非DAZNで10分くらいのシーンは繰り返しチェックしてみて欲しいです。坂とポープがよく対応出来たなって気持ちになります。鳥栖相手に絶対にダメな先制点を11分に奪われてしまって涙目でした。しかし、ゲームの内容自体は良かった。それだけに失点が悔やまれる。リードを許した後もプランは継続しており、前半はボールを握り続けられた。




メンバー交代は無く始まった後半も狙いや構図は変わらず、鳥栖との攻防が継続。決定機はトリニータの方が多く作れていたが決め切れず。68分に髙澤を下げて長沢を投入。ゲームプラン的に長沢を攻撃の切り札として使うのは大賛成です。ゲームを作るのは髙澤で、決めるのは長沢。この交代が実を結んだのは81分。左サイド奥からスローインが起点。三竿が高い位置まで上がれていたこともあったし、下田のポジショニングも良かったし、そもそも鳥栖の足も止まってプレスが全く機能していない時間帯でもあったしで、下田がフリーでクロスを上げられた。長沢がヘディングできっちり決めて同点。終了後のコメントで2回目のクロスだったから長沢との意思疎通も出来たという話もあり、簡単に見えるけれども簡単に作り出したゴールではなかった。


土壇場で同点に追いつくことに成功した直後、交代で入った藤本がゲーム再開とほぼ同時に自陣で保持するとドリブルを開始。あっという間に相手陣内に入り込み、ワンツーで抜け出してPKを獲得。大逆転のチャンスを得るも、自ら志願して蹴ったPKを朴さんに止められるというジェットコースター状態。感情が追いつかない。期待していなかった試合でこれほどまでにテンションが上がるとは思わなんだ。藤本のPK情報なんて朴さんどころか全員分からなかったはずなので、あの場でのアドリブ的駆け引きで朴さんの経験が勝利。試合中はかなり不安なプレーが多かったけれども最後は大活躍であった。我が軍はPK決められなさすぎな。この後、鳥栖の新ケニア人ドゥンガに決定機を作られるもポープが弾き出すなど集中力を切らさずドロー決着。評価の難しい試合ではあるものの、イメージとは全く違う内容であった。おそらく守備がハマっており、鳥栖のミスを誘発させることが出来ていたのではなかろうか。ゲームプランとしても中沢で追いつき、藤本のドリブル、高畑のクロスという分かり易い交代カードで勝ち点を手繰り寄せようとした意図が良く伝わった。メンバー不足のような印象があるなかで最大限やれることをやれていたと思います。湘南戦から上乗せは出来ていた。それだけに前半のリスク管理に穴があったことが悔やまれる。狙いがハマっただけに前がかりになったと思うんだけれども。サッカーのバランスって本当に難しい。


勝ち点1を得たことは良かった。2を失った気持ちではあるけれども連敗も避けられたし、内容も良かったし、再びテンションを上げるために必要な要素は多分にあったと思います。久々にボランチ起用となった俺の羽田も、守備のバランス面では反省点があったものの、攻撃面での縦パスと運動量は素晴らしかった。シュートも打ったし、ぐんぐん成長していて良い。CBの真ん中で使って欲しいです。鳥栖はちょっと拍子抜けではあった。ハイプレスっていう感じではないのか・・・。暑くなる季節、走るチームの順位は動くと思われます。我が軍も同じだけれども。ガンバの監督交代もあり、あの湘南が横浜FCにコロッと負けたりと残留争いのドラマは全く予想できない。分からん、サッカー分からん。


今シーズン、生き残れるかどうかは大卒新人が鍵になると思っています。今日も藤本が結果を出してくれると超絶嬉しかったのですが、惜しくも壁を乗り越えられず。乗り越えるまでチャレンジし続けて欲しい。もうちょっとなんだけれども。ルヴァンカップ最終節、ベガルタ仙台戦と次週はヘビーなスケジュール。若手の覚醒を期待したい。


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