2022/06/26

2022年 明治安田生命J2リーグ 第23節 熊本戦

 【熊本 1 - 2 大分】


赤い馬と青い亀。うどんでもなく、そばでもない謎のカップ麺っぽいバトルオブ九州、熊本戦。いやー、苦しい試合でしたね。必死で戦わないと這い上がれない、それがJ2だということを思い知らされるような試合。怠惰な私はクーラーの効いた部屋でDAZN生観戦でしたが、現地は激しい雨の後の蒸し暑さが感じ取れる映像。選手達、素晴らしく頑張ってた。

スタメンは3-4-2-1で運用。GK高木、DFは三竿、坂、上夷の3バック。ボランチにはなんと弓場と保田という若々しいコンビに任せてしまった。水曜日の天皇杯で戦ったばかりのこのコンビを敢えて抜擢することは大きな賭けだったんじゃないかと気がしましたが若手は頑張りました。左サイドには藤本、右に井上健太は固定気味。シャドーの位置に渡邉新太と中川を選択。ワントップは熊本にも在籍経験を持つ長沢。


下平体制はスタメンに関して「流れ」を重要視している印象が深まった。直前の試合でアピールに成功した選手がチャンスを掴む。その試合がもうリーグ戦しかなくなったので、リーグ戦に出場できたら死ぬ気でアピールし続けないと試合には出れなくなる。ヒーローになりかけた羽田は怪我で離脱。怪我人が増えたり減ったりの状況を繰り返しながらシーズンは進んでいく。若手もベテランも関係なく、流れを掴んだ選手が生き残る。そんな印象。

対する熊本、直近ではリーグ戦負け無しで9位に陣取るJ3王者。独特な設計思想を持つ大木監督のもとで3-3-1-3で運用中。3-3-1-3ってさ、ポンポンスポポンのリズムですよね。ポンポンスポポン。GK佐藤優也とDF黒木、MF伊東くらいしかJ2での経験が無い選手がほとんどの選手層でここまでやれるのは大卒を中心に編成してきたことと、大木監督を継続して来た積み重ねが結実した結果。予算規模的にはJ2でも最小規模だと思われる編成。

馬と亀は元気です。止んだ雨の影響でピッチ上が滑りやすく、トリニータはロングフィードを軸に熊本のDFラインを押し下げてから攻撃を組み立てる展開で始まった。熊本はボールを繋ぎながら左右を広く使って押し上げられたトリニータのDFラインの裏を狙う。長沢が最前線でボールを収められたときは押し込むことが出来るのだけれども、かなり前がかりになっている印象で一旦プレスが剥がされるとポンポンスポポンと裏に抜けられてカウンター気味に攻撃を受けてしまう。シーズン当初の攻撃に比重を置いたリスク覚悟の攻撃になっており、守備に切り替わってからはサイドで背走させられる場面もあって危うかった。両サイド、藤本と井上健太を高く押し上げるのでボールを奪われるとピンチになりがち。しかし、高く押し上げたメリットの方が先に奏功して先制に成功。23分、左サイドでボールを持った藤本が中に少し切り込んでからクロスを上げる。中で待ち受けていた長沢を超えたクロスは奥に隠れていた中川の頭にドンピシャ。中川がヘディングで先制ゴール。

水曜日の天皇杯で気迫溢れるプレスが印象的だった中川、移籍してトリニータで初ゴール。待望の結果を残しました。藤本のクロスも正確で良かった。藤本のクロスが入った時にペナルティエリアにいた長沢と中川が戸愚呂兄弟に見えたのは私だけだろうか。肩に乗ってませんでした?目の錯覚かな?とにかく幸先よく先制できたことで余裕が出て体力を削らずに試合を進められる・・・はずだったのに、35分に左サイドから熊本にクロスを上げられて熊本FW高橋にヘディングでやり返されてしまう。空中戦の様相。守備面では課題が残りまくっています。熊本FW高橋はJ3でもJ2でも得点できていて素晴らしい。前半は一進一退の攻防が続き同点のまま終了。

左右の両サイドに大きなリスクを抱えながらも、後半も継続して空中戦を仕掛けるトリニータ。57分、高木のフィードを長沢が落としたところを、たぶん上夷が直接ロングフィードで前線に入れる。前線にいた渡邉新太の前にいた熊本DFに跳ね返されそうだったけれども、渡邉新太が腕でDFをブロック。フィードが熊本DFの頭を超えるとビッグチャンス到来。DFを冷静に躱してゴールをねじ込んで突き放しに成功。もう一回観ましょう。ボールがポンポンスポポンと繋がります。

前線にボールを入れたのはたぶん上夷だと思うのだけれども、たぶん上夷はこの試合、前線にも駆け上がってシュートも放ったし、フィードも正確だったし安定したプレーだった印象。たぶん上夷は良かった。坂も良かったし、DFラインはバランスが良かったように思える。特にリードしてから5-4のブロックを築いて最後まで堅く守れた点が良かった。 

ゴールを冷静に決めたこの日のヒーロー渡邉新太。 この試合では常にDAZNの画面に映っていたくらいの運動量でハードワークしていた。最初は運良く裏抜けできただけだと思っていたのだけれども、DFと競り合う中で腕でブロックしているように見えるので技術で裏に抜けています、これ、きっとそうですね、技術です、技術。試合を決める素晴らしいゴールでした。


リード出来てからはベンチワークが秀逸で先手先手で動いた。60分過ぎ、水曜日の天皇杯から出場しっぱなしの弓場を下げて下田を、中川を下げて変なおじさんこと野村を投入。保田を残す采配は意外でしたけれども保田は最後までピッチに立ってました。17歳、凄い。70分には長沢、井上健太を下げてパーマ呉屋、海兵隊ヘア増山を投入。熊本の攻勢を5-4ブロックで弾き返し続けた。87分に渡邉新太が限界を迎えて交代を申し出て、梅崎を投入して交代カードを使い切った。この後に珍しく三竿までが足を攣ってしまった。動けない三竿を前線に上げて、動ける選手で守ってしまおう大作戦をぶっつけ本番で決行するも、攣った足で走り回る三竿!とにかく全員で限界を超えながら走って走って試合終了。最後危うかったけれども見事勝利となりました!めちゃくちゃ苦しんだ中で得たアウェイでの勝ち点3。上位にいた熊本を引きずり下ろしてポンポンスポポンと順位アップ!

この日のチームは急に一体感が出た印象。素晴らしかった。前節が終わった後、おとなしい選手が多いとか違和感しかない話がトリテンに掲載されていて、メンタル改善が必要ということになっていた。私はですね、おとなしかろうが何だろうがゴールを決めりゃ試合には勝つ訳でね、選手の性格よりも戦術だろうがって思っていたんです。ただ、この日の内容と試合結果とで、監督が言っていたことと、選手達が呼応したであろうことを感じることが出来たような気がします。全員で肩を組んで飛び跳ねたのは久しぶりだったんじゃなかろうか。「チーム」になっていた。内容的には少し物足りないのだけれども、それでも結果が必要な6月最後の試合で、しっかりと結果を出せたことは大きいし、何よりもチームに変化が出たことが大きいと感じる。何か変わりそうな予感。7月、本当の反転攻勢を見せて欲しい。3週間ぶりの勝利に乾杯。



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