2024/08/13

2024年 明治安田J2リーグ 第26節 熊本戦

 【大分 2 - 1 熊本】


亀祭りです、亀祭り。今年3月以来のホームでの勝利おめでとうございました。年に1度のホーム観戦記。基本アウェイ専門家なのですが久々にレゾドにお邪魔しました。いやー、大分トリニータ30周年記念試合、大分トリニータの上がったり下がったりの歴史を体現するかのような試合でしたね。もういい加減安定して欲しいのだけれども、だがそれが良いじゃないですか。我が軍らしかった。結果的には最高に盛り上がりました。あれがもし先制してたら大逆転負けもあったかもしれない。オウンゴールで先制されてからの劇的逆転。下がってから上がる分には気持ち良く終われるもんです。報われた、とにかく報われた日でした。






30周年記念試合、色々イベント盛りだくさん。しかし、暑すぎる。超早めに、シャトルバスで現地に行ったのですが、既にスタジアムでは大行列の状態。全員が炎天下で汗だくで並んだんですよ。暑かったですね・・・。それも最後に報われた日。20周年記念試合も、25周年記念試合も、もはや1ミリも記憶に無いのですが、久々にスタジアムに人が多くて感慨深いものがありました。ティラノサウルス運動会は、そういう団体がちゃんと存在して、アピールも兼ねていたことが判って納得。ゼロベースでイベントとして考えていたらぶっ飛び過ぎであった。アーティストのhitomiさんもデビュー30周年だそうで。昔は小室ファミリーでしたが、そこから離れたhitomiさんと大分トリニータ。トライバルキックスと絡んだ大分トリニータとの歴史的伏線回収ですよ!これは!30周年は大分FCが仕掛けてくる謎解きが多かったな。


そんな中、どこかで見たことがある人だなと思っていたら溝畑初代社長がご来場されて挨拶されました。シークレット枠だったのか何だったのか、とにかく不意打ちでリアクションに困る雰囲気ではあった。30年の問題を全て掘り起こす勢い。いつかはこんな日が来ても良いとは思っていたけれども、今日か?という印象ではあった。この方が宴会芸として肛門にロケット花火を入れることでスポンサーを獲得し、大分トリニータは生き延びて来ました(※語弊がある)この人の肛門が弱かったら大分トリニータは30周年を迎えられなかった、それが現経営陣からのメッセージだったと思われます(※語弊がありすぎる)。今とは時代が違い過ぎるので暗黒史として封印しておきたいのだけれども、私みたいな観戦歴長めのブロガーがずっと肛門ネタを掘り起こすことになるので(※じゃぁ止めろ)もうこれで手打ちとして清算にしたいですね。お互いに適度な距離感でそっとしておく方が良かったのでは。めちゃくちゃ悔しい想いをして「俺たちの大分トリニータ」として県民が引き取った感覚が個人的にはあるし、Jリーグにファイナンシャルフェアプレーという概念が必要となったグレーゾーンを潰さざるを得ない契機にもなった訳で、これを承認した現行経営陣の認識は気になるところです。初代社長よりも今の社長が何を考えているのかの方が気になってしまった。

はい、試合です。試合は評価が難しい内容だったと思います。前節の山口戦に比べれば最悪ではないけれども、良かったかと言われると少し微妙。結果は抜群なだけで冷静に分析すると割と危うかったと感じました。保田と中川のダブルボランチでの3-4-2-1。ワントップにキムヒョンウを据えてのハイプレス敢行スタイル。暑い中でも走り続けられる、怪我の無い今動ける若手をメインに組み立てられたスタメン。補強して2試合目、髙橋大悟もベンチ入り。進撃の巨人コラボなのに一番高身長の長沢不在なのはちょっと残念でした。ブログ的にはネタにし易かったのに・・・・。


 対する熊本。勝ち点差、順位差がほぼほぼ無い状況で迎えたリーグ2戦目。お互いに残留争いに巻き込まれつつあり、勝利する必要があるため消極的な試合運びは出来ない。かと言ってリスク承知で積極的に出ることも出来ない。バランス重視でいつもの3-3-1-3をしぶとく運用中。ポンポンスポポン3-3-1-3です。18歳の道脇が海外に期限付き移籍で薄くなったFW陣にG大阪から唐山を獲得して穴埋め。水戸時代から丸坊主姿の唐山が好きだったんだけど、髪形が変わったので印象が変わってました。大木監督はブレずにフットボールを貫くので対策はし易いんだけれども、本気で対策するとアンチフットボール的な待つ形になるんでね、それは片野坂監督は対策として選ばないタイプですから、バランスを取った真っ向勝負であったと思います。熊本も中々経営規模が大きくならない印象だけれども、今後TSMCという超巨大企業からのスポンサードを九州のどこのチームが獲得できるのかチャレンジによって九州サッカー界は激変するかもしれない。

コレオグラフィの時に圧倒的ニータンの席だけライティングされていたのは意図的だったのか?亀祭りなんでね、亀を光らせたかったのか?ただのミスなのか?緑色を黄色にしたかったのか?コレオグラフィのためにライトまで考慮されていたのかもしれません。だとしたら本当に色々頑張り過ぎじゃなかったか、全員で。30周年記念横断幕しかり、コレオグラフィしかり。この想いが結果に結びつくことが、絶対ではないことがプロスポーツの厳しさなんだけれども、報われたですね。今回は。報われたですよ。





熊本に対するハイプレスはあまりハマらなかったし、保持率も上回わられてしまった印象。割と剥がされた。特に熊本CBの13番岩下が持ち出せるタイプで、自分一人でドリブルしてプレスを回避できてしまうことに感銘を受けた。上手かった。あれがJ1だと使われないんだから恐ろしい。なかなかハマらないプレスから始まったけれども、中盤以降で奪えることはあったし、守備も我慢出来た。身体を張って守り切る意識は高かったと思います。セットプレーからの失点が多い熊本と、ここ最近セットプレーが決められない大分トリニータ。セットプレーが勝負を分けそうな雰囲気。前半はお互いに決定機をGKに阻止されて無得点で折り返す。両チーム悪くはなかったけれども、相手を凌駕するほどの内容は発揮できなかった。

後半、先に動いたのは熊本。65分にトップ下の藤井を神代に交代して攻撃陣を1枚リフレッシュ。この時間帯で大分トリニータ側の攻撃陣のプレスにスピード感が無くなって、保持される時間が長めになった。そろそろ強度をテコ入れしないとまずいなと感じ始めた矢先、ベンチワークも動き出そうとしていた時だった。プレスを掛けきれずに右サイドを突破され、クロスの処理を安藤が誤ってオウンゴール。完全にやられた訳ではなかったのに、運の無い失点。バトルオブ九州で熊本から来た多くのサポーターが盛り上がる、盛り上がる。試合前の「大分だけには負けられない」チャントが定番になってますが、「大分以外なら負けてもいいんだ・・・」って毎回思ってしまう。大分だけには負けられない熊本がオウンゴールで先制。ここから大分側も伊佐、宇津元、髙橋大悟を投入して強度補修。ただ、試合が動いた契機は公式入場者数の発表で火が付いた印象。

スタジアムのビジョンに「28,359人」の数値が表示された時、スタジアムがどよめいたし、ちょうどプレーが切れて選手交代があったり、大分の選手が守備側に戻るタイミングだった。顔を上げて自陣に戻る選手達の前に出されたこの数値。選手達も絶対にこの数値が目に入ったと思います。大分トリニータ側の選手達から「このままじゃやべぇ」っていう雰囲気が滲み出た気がしたんですよね。この試合に至るまでクラブ側の努力は全員が感じていただろうし、選手も協力してくれたし、スポンサーとの関係や、何よりも多くの人に観られている試合で、何とかしなければ、という想いが、2万人届くか、届かないくらいだろうという想定よりも多かったが故に一気に追い込まれた感じというか。これまで、現場が成績優秀でもクラブ側がイベントなども出来ずに追いついていない時代や、クラブ側が頑張って動員してもその試合で現場が結果を出せない試合があったりと、両方が噛み合う事ってなかなか無かったと思うんです。スタジアム内外で多くのイベントが出来るまでになって、この日は結果だけが望まれた試合で先制された展開。残り15分。猛追が始まる。30年目の不屈の闘志。






同点弾はコーナーキックから。保田のキックは速い弾道で密集を狙ったボールになり、そのままゴールを誘発。後半の保田は中盤で推進力を発揮し過ぎてファウルでしか止められない存在になっていて完全体に近づきつつある。相手のファウルをアピールしたり、主審に詰め寄ったりするのはレベルの低い次元で、保田にはあの、後半試合途中にあった汚いファウルを物ともせずに乗り越えて鮎川とのワンツーだけで中央を堂々と引き裂くようなプレーが出来る訳ですから、一段上のレベルでJ2を凌駕せねばなりません。大分トリニータ30年で最高の逸材なんだ、保田は。2万8千に名前だけでも憶えて帰って欲しい。4年後のオリンピックで保田がメダルをもたらすのは確実だからな、観れるのは今しかないかもしれないんだぞ。観れるうちに観ときや。




同点に追いついてからも何度か絶望的なカウンターを浴びたような記憶も薄っすらあるんだけれども、失点しなかったから大丈夫。最後に得点が生まれたのはまたもセットプレー。守備陣も攻め上がった状態でムンキョンゴンのロングフィードから。安藤が競り勝って落としたボールを伊佐が繋ぐ、足元で収めたペレイラ。踵落とし一閃。








94分劇的な逆転ゴールとなりました。最後にデルランが信じられないってリアクションしてましたけど、おい、お前さんは信じてろよ、奇跡を作り出す側の人員だろうがと思いました。でもまぁ、気持ちは分かる。「普通あんなの決まる?」と言われたら普通は決まらないよねって答えます、私も。あれはもう、色々な人の想いが乗ったゴールだった。一人一人が繋いだ泥臭いボールがゴールに繋がるという展開。亀祭り、祭りのピークを迎えた瞬間でした。






大歓声で大変な盛り上がりとなりました。結実。めちゃくちゃ喜ぶ選手達。プレー再会を阻止する冷静な小酒井。ファインプレーが多すぎてカメラが足りない。ペレイラはユニフォーム脱いじゃったけどそれくらいは許してあげたい。いわき戦でキムヒョンウも劇的ゴールで警告を貰ってますが、劇的ゴールが多くて累積警告が増えていくシステムは良いんだか悪いんだか。








その後は身体を張って時間を使い、無事タイムアップに成功。厳しいコンディションの中で結果を出しました。内容的には監督も冷静に振り返っているのでその通りという印象ですが、選手層的にも戻って来ているので内容は上がっていくはず。審判団から劇的ゴールを決めたボールを渡されたペレイラ。果たして本当にゴールしたボールなのかどうか分からん。野球のホームランボールなら分かるけれども、サッカーでは珍しい気がする。スローインでボールが入れ替わっている可能性ありそうだけれども。持って帰ってましたペレイラ。

哲平さんと監督が勝利後に寄りそう感じの良いシーンが撮れませんでした。凄く良いシーンだったんだけれども、遅れました。残念なのでその残骸だけ貼っておきます。30年の歴史の中で現役選手がクラブに関わり続けている象徴的なシーンだったのに撮り逃しました。悔しい。カメラが足りない。

試合途中で、もしこのまま負けたら亀祭りの締めとして、バーニングマンみたいに炎が出るところにニータンを放るしかないんじゃないかと考えたのだけれども、無事結果が出て大団円となりました。亀祭りが血祭りにならなくて本当に良かった。30周年記念横断幕を前に大分よりの使者を歌うことが出来た。ホームでは約5か月ぶり。どんだけ勝てなかったんだっていう話です。ようやく報われました。関わった人たちは本当におつかめ様でございました。これを機に再浮上を願いたいが、気温が下がらないので交代メンバー全体で強度を維持する必要性がありそう。長い夏をやり過ごせるか。ハイプレス、再びハマるかどうか。この試合のように30年目のシーズンを最終節まで諦めずにチャレンジしましょう。



2 件のコメント:

  1. ペレイラがボールを貰ってたのは、野球で言うウイニングボールみたいな感じですかね?

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    1. 匿名様

      コメントありがとうございます。ウイニングボール!そうですね、その概念の方がしっくりきますね。サヨナラゴールボールだったかどうかより検証せずに済むのでその概念のだったということにしておきましょう。

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