2022/09/25

2022年 明治安田生命J2リーグ 第38節 甲府戦

【大分 2 - 1 甲府】


向かい風です!向かい風!逆風さんいらっしゃい。いやいや!長沢さん!違いますよ!追い風です、追い風!通過した台風並みの突風が追い風として吹き荒れております。

各方面から大イジリされるインタビュー映像が残ってしまってご愁傷様ですが、殊勲のゴールでした。この試合を含めて残り5試合、1万人以上が来場した動員をかけた試合で、プレーオフ圏内に踏みとどまるには必勝必須であった位置付けのゲーム。関係各位の執念が最後の最後に実った形になりました。ようやく来ました劇的勝利!いつまで待っても東九州新幹線は来ないけどな!

アウェイ連戦から戻ったトリニータのスタメンは対4バック戦術が得意なメンバーに戻った。3バックの右には小出が入る。左サイドは高畑。ベンチにはMr.向かい風の長沢が復帰。伊佐や呉屋がベンチに入れないというFW陣の層の厚さ。DAZNのインタビューでは下平監督が2試合前から戦術を変えたと答えていて、逆に謎が深まったんですけれども、下田、弓場、梅崎、町田がハードワークしてくれればボールを握りながら崩せると信じていました。試合内容的にはちょっと厳しくて想像の通りには行きませんでしたけれども。

動員をかけたり、クラウドファンディングだったり、ビッグフラッグを空中に掲げたりと色々な人の想いが詰まった試合でした。私も微力ながら提灯に協賛させて頂いておりまして、クラブの動画に移り込んでおりました。この提灯は次節も飾れるはずなので、もし見かけた方がいらっしゃいましたら、何とかして500円玉以上を捻じ込んで頂ければと思います。1円とか5円じゃご利益がありませんので、500円玉以上をね、何とかして、高い位置にありますけれども、出来ればお札をね、捻じ込んで下さい。(※本当にやると警察呼ばれますんで止めて)

対する甲府。天皇杯ではJ2唯一のベスト4勝ち残りを果たしているものの、リーグ戦では8月の琉球戦以来勝利から見放されており、4連敗中。リーグ戦限定で絶不調に陥っている模様。途中から4バックに移行しており、既に来季を見据えてなのか吉田達磨監督がテコ入れして4-1-4-1での改善運用中。試合日程とにらめっこしていて、3バックの甲府に対してが難しい試合になるかなと思いきや4バックになったので、我が軍の完成しつつあった対4バック戦術が活きるのではと、期待だけしていたのですがほぼダメでした。戦術的には上回られてしまった。連敗中のチームじゃねぇって感じです。

甲府で7ゴールを記録しているFWがいるらしい。何をどう間違ったのか、もじゃもじゃらしい。我が軍にとって永遠のクラブレジェンド三平さん、まだまだ元気そうで頼もしい。この日はベンチスタート。この1週間、ずっと三平さんの恩返しゴールに怯えておりまして、早めに複数得点が必要だと思っておりましたが、それどころではなく、「4バック絶対殺すマン戦術」が火を噴きませんでした。幻だったんでしょうか。


キックオフからロングボールを主体として攻撃を組み立てる甲府。ワントップのリラを目掛けてヘディング合戦から開始。この試合、中空にボールがある時間が多く、セカンドボールの競り合いに持ち込まれた印象。球際の競り合いが続く中、ボールは甲府が保持。DAZNでは相変わらず画角がイマイチで戦術的な並びが判りにくく、何をやっているのかは判別がつき辛いのだけれども、甲府は4-1-4-1というか、4-3-3というか、4-5-1というか、可変しているのか中盤が流動的に見えました。たまにトリニータが保持するとほぼ完ぺきにハメられまして、GK吉田まで戻してロングフィードを蹴らざるを得なくなり、球際でボールロストを繰り返す前半。中々攻撃が組み立てられませんでした。サムエルがボールを収められた時は若干チャンスになったりもしたんだけれども、全般的に厳しい立ち上がり。


そんな中でも井上健太だけは「4バック絶対殺すマン」であり続けました。両ワイドが高い位置を取り、相手の4バックを横に拡げ、スライドが遅れたら井上健太に侵入されて致命傷を負うことになる。5バックであればスペースが潰せて侵入経路も狭められるんだけれども、4バックで与えてしまうスペースがあれば今の井上健太には必要十分。何度もサイドを脅かし、コーナーキックを量産。その中から3戦連続でペレイラがヘディングで決めて苦しい中でも先制に成功。これは大きかった。一時期は停滞していたセットプレーでの得点が再び息を吹き返したのは大きい。ペレイラの素晴らしい反応、ヘディングシュートでした。結局、ペレイラさんはまだお子さん産まれてませんよね?毎週産まれてんのかなと思う程にゆりかごダンスしておられますが、一夫多妻制で産まれまくってるわけじゃなく、真面目なペレイラさんは愛する一人の奥さんにアピールしている模様です。ありがたいことです。ゴールが生まれるならば、産まれるまで生み続けて欲しい!(※何が何だか)

リードして迎えることができた後半も修正は出来ずに甲府のプレスの餌食となり、中々保持が出来ない状況は変えられなかった。マンマーク気味にくる相手であればあるほど技術の見せどころなんだけれども、マークを剥がして前進するシーンは少なかった。59分、いよいよサムエルにも疲労が見えてボールを収められなくなったので梅崎と合わせて交代。長沢・金崎を投入してツートップ気味にして、プレスに対してロングボールでの宛先を2つに分散する意図だと推測しました。が、好転せず。甲府側ももじゃもじゃになった三平を投入すると、直後に目も当てられないくらいに左サイドがガラガラになり、フリーでじっくりクロスを上げられてリラにヘディングシュートを決められて同点に追いつかれてしまった。すんごいガラガラでした、左サイド。何度も好セーブでピンチを救い続けた吉田舜もノーチャンスの完璧なヘディングシュートでした。シーズン序盤なら何が起きたのか掘り返しますけれども、もう終盤も終盤なので埋めたままで結構です。


73分、あまりにもガラガラだったからか、左サイドの高畑を下げて増山を投入。町田を下げて野村も投入。それでもゴールはこじ開けられず。83分には弓場を下げてエドゥアルドネットを投入してパルプンテ系ビルドアップで最後の手段に出た。大体訳の分からないことが起きるんですけど、甲府GK河田のフィードがそのまま前線まで跳ねて絶望的なピンチ発生。パルプンテなんてね、だいたいそんな呪文なんです。

この絶望的な状況を最後まで諦めずに追ったのが、久々の出場となった小出。古巣対戦でもあって最後の最後まで気持ちが入っていました。ギリギリでループシュートを掻き出してゴールポストに激突。その後もプレーを続ける執念。まだお尻で激突だったから怪我が無くて良かった。そういう意味でもプロレベルのナイスプレー。執念で守ったこのプレーが決勝ゴールを呼び込んだと言っても過言ではない。小出のお尻!ありがとうお尻!


アディショナルタイムも試合を動かせなかった最後の最後、94分。4バック絶対殺すマン井上健太が1度クロスを上げる、跳ね返されたボールを下田が拾ってもう一度井上健太へ。パスを受けて今度は深くえぐってからクロスを上げた井上健太。実況はもう訳が分からないのか「井上グルーーーーー」と叫ぶ。何度聞いてもよく分からない。グルーって叫んでる。何なんだグルって。尊師のこと?井上はもう右サイドのグルなのか?井上尊師のクロスは増山の胸トラップを経由し、長沢が反転シュートでゴールを決め切った。ラストプレーでの勝ち越し弾!大爆発の1万人。欲しかった勝ち点3を執念で勝ち取るゴールとなりました。(※実況はたぶん「井上えぐるー」です)


試合は直後にタイプアップ。満身創痍のシーズン終盤、最後の最後まで両チームが走って戦った熱戦を制し、ホームで勝ち点3を得、9月負け無しとなりました。甲府強かった。ほぼJ2残留は大丈夫だろうし、天皇杯では頑張って欲しい。この4-1-4-1ならば可能性あるんじゃなかろうか。応援したい。


戦術的には甲府にビルドアップを阻まれ、苦しい試合展開に陥りましたが、簡単に笛を吹かない主審の方針も相まって球際の攻防が激しく、見応えのある試合でした。4バック相手なら優位に試合を運べると予想していたものの、金沢や甲府のようにマンマークっぽく付かれるとトーンダウンしてしまう。それでもハードワークで凌駕できるシーンもあったので走って剥がしてを繰り返すしかない。それを体現したのが右サイドの井上尊師。えぐる尊師、井上・えぐる・健太がいれば4バックでも5バックでもえぐってクロスを上げてくれる。これを武器に残り4試合、負けられない試合を執念で勝ち取って行きましょう。残念ながら自動昇格の可能性が完全に潰えまして、割り切ってプレーオフ圏内にしがみつくことだけを考えるだけになったので4試合+3試合を目指して最後まで執念を見せて欲しい。ここまで来たら最後の最後までヒリヒリして楽しむシーズンになって欲しい。




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