2022/10/31

2022年 J1参入プレーオフ 1回戦 熊本戦

【熊本 2 - 2 大分】
 

2022シーズンが終わってしまいました。非常に残念な結果ではありますが、皆さん今年も1年お疲れ様でした。プレーオフ1回戦敗退。負けてないけどレギュレーション上、敗退です。致し方なし。えがお健康スタジアムが不満顔不摂生スタジアムとなりました。




人生初の熊本遠征。ホームスタジアムにさえ帰っていないこの数年、いつかは行くかもくらいだった熊本のスタジアムにまさかプレーオフで行くことになるとは予想だにせず。羽田空港→熊本空港→スタジアム→熊本空港→羽田空港という、熊本の街に寄らない日帰り日程。スタジアムは絶好のサッカー日和で、勾配大好きおじさんには十分のスタンドでした。ただ、指定席が存在しないふんわり席割りの不思議な空間。冷静に考えると声出し禁止ゴール裏ってあれ、必要でしたかね?両チームゴール裏に緩急地帯が出来てしまって折角の九州ダービーだったのに少し残念でした。SA席もあるし、声出さない用のゴール裏席を用意する必要性が果たしてあったのか?S席も完売っていう割には空席があった気がするし、もうひと絞り両チームは集客出来たんじゃないのか?そう感じたのですが、ゴール裏も間隔を空ける必要性があるのでコロナ禍の中としては、十分集まった方だとは思います。良い雰囲気ではあったけれども、先週国立競技場にルヴァンカップ決勝を観に行っていたこともあって、やっぱり少しの物足りなさと、牧歌的なJ2の試合と比較してしまうと世間一般に対してはJ2の4位と5位の戦いでしかないんだなと、ほんの少しの緩さの根幹を感じざるを得ませんでした。先週の中村俊輔ラストゲームの方が観客入ってたし。この日に集まった濃い観客が集まっているからこそスタジアムに十分な熱量は出たけれども、世間一般には届かない世界感。盛り上がりの中の現実というか、なんとも表現しにくいのだけれども、J1参入プレーオフ1回戦はそんな熱量ある人だけが集まった独特のイベントでした。緩さと熱量という相反するはずの融合が本当に独特だった。

スタメンに大きく手を加えたトリニータ。ワントップに伊佐を入れ、シャドーに野村と中川を入れて前からプレスを敢行するスタイルで熊本の繋ぎを寸断するメンバー選定。ボランチには無理して走れる若手、弓場と保田を抜擢。左サイドは増山、右に井上。3バックは小出、ペレイラ、三竿。GKに高木。2連敗、怪我人、対熊本で選べる手を選んだメンバーだった印象。梅崎や下田がベンチ外という予想外の構成だったので熊本も面食らったのではなかろうか。私も面食らいました。まさかここで伊佐をワントップで使うとは。ゲームプランと戦術は良かったんですよ、最後の最後にやり切れなかったけれども。

対する熊本。大木監督率いる3-3-1-3、ポンポンスポポンと同じリズムの不思議な並びのフォーメーション。メンバーはほぼ固定気味。何故にここに辿り着いたのか?リーグ戦2試合戦って1勝1敗の五分という結果でしたが、DAZNでは戦術が分かりにくいので現地で観れることは楽しみでした。しかし、下平監督が用意した対熊本戦術が火を噴いて熊本の良さは結局よく分からず。今回の戦術は熊本がホームで秋田に負けた試合を参考にしたんじゃなかろうか。攻撃と守備を表裏一体と化し、ボールの奪いどころを一点に定めたような対熊本戦術、前半は特にハマりました。














キックオフ直後の最初のプレー、高木がプレスをマタドール並みにかわしてからのロングフィード、伊佐が頭で落として左サイドに展開、増山がそのまま中に切れ込んで、交差するように左サイドに動いた弓場に展開、中に折り返しを中川が潰れながら右に流れたところを伊佐が押し込むという20秒の先制劇。
               



伊佐が、13番が、大切な試合で先制点を生み出すという、我が軍にとって一番元気と勢いが出る試合の入りでした。開始20秒でテンションフルMAX。しかも高木、中川、伊佐とこの日選ばれたメンバーが最初に結果を出すというこの上ない結果に。高木は心臓に毛でも生えているのかという試合の入りで超絶不安になったんですけれども、前線に高さが無いメンバーだからこその低空フィードでした。この先制で勢いと勇気が出ました。大切な試合の入り方なんて慎重にやる以外に無いんですけど、あんなリスキーなプレーから得点を生み出しちゃうんだもの、正解が分からん。

前半は熊本の3バックに対して左から右に追いやるようにプレスをかけて、右サイドで井上健太がボールを奪いにスピードで襲い掛かるという仕掛け。奪えたならばそのまま攻撃。井上健太が早すぎてクロス上げても中に誰もいなかったシーンもあったほど。熊本の最終ラインとアンカーの河原に対して連動したしつこいプレスで超大分一体、ブラウブリッツ戦術で熊本独自の「良さ」は感じられなかった。時間を上手く使って2得点目を伺いながら前半をやり過ごす上々の出来。前半のうちに2点目を決め切れていたら完璧だったのだけれども、野村の決定機はポストに嫌われて押し込みきれず。


後半も時間を使いながら試合を進められたのだけれども、問題は強度を維持するための選手交代。ワントップと2シャドーをどこまで引っ張って誰に変えるのか。60分に伊佐を下げて夢生を投入。75分に野村と弓場を下げて渡邉新太とエドゥアルドネットを投入。そして残念なことにクロージングに失敗。87分に佐藤優也からのロングフィードを交代で入った粟飯原に落とされた。佐藤優也にプレッシャーをかけられなかったこと、粟飯原に対して、直前に警告を受けていたペレイラが競り負けたこと、落とされたボールを小出が蹴り出せなかったこと、戦術のやり切れなさとミスが3つほど重なればそりゃ失点します。現地では何故失点したのか分からなかった。何度リプレイを観ても勿体ない。なんでもないパワープレーでしかない。これで失点するとどうしようもない。ゴール裏は声援を続けたけれども中々顔が上がらなかった。痛すぎるミスだと選手達も自覚があったと思う。この後の失点と得点はもうおまけみたいなもので、色々と勿体なかったけれども、最初の失点が一番勿体なかった。熊本の戦術はほとんどやり切れなかったところまで追い込めたのに、自滅でJ1昇格を失う結果となりました。


今シーズンの積み重ねの中で、どうしても減らせなかった自滅型失点。サッカーにミスは起こるものだけれども、頻度を減らせなかった。今シーズンの編成の中で、エンリケが移籍し、刀根が怪我で長期離脱した中で3バックのCBをこなせる人材を確保できなかったことが最後まで尾を引いた。ペレイラがなんとかこなせていたけれども、誤魔化し誤魔化しであった感は否めない。そこまで悪くはないのだけれども、良くもなかった。シーズン通して平均5.5点的な感じ。守備面では及第点にちょっと届かなかった印象。ただ、ペレイラはこの日も2得点目を生み出すなど、得点力に魅力があって、セットプレーでも助けてもくれたので使い続け、誤魔化し続けた3バックであったと思う。リーグ戦でも失点をあと10点減らせていたら昇格できていただろうし、シーズン当初にやろうとしていた夢のある4-3-3も、もしジェジエウ並みのDFがいれば実現出来ていたと思う。中々そんな人材はいないけどさ。この日ももう一人、跳ね返せる系のCBがいれば話は変わっていたかもしれない。編成のミスが最後の最後に滲み出た。サッカーは少しのことがシーズンを通すと大きな結果を生んでしまう。

ということで、残念ながら先には進めず、1年でのJ1復帰は夢と消えてしまいました。これまでのスタイルを一度横に置いて、熊本対策をハメたのに、パワープレーで負けるというのもサッカー。今シーズンのことはとりあえず一晩ぐっすり寝て、冷静になってからじっくり振り返りましょう。改めて応援に集まった、きっと寝ずに色々な準備をして出来る限りのことをやってくれた熱量ある皆さん、誰よりも悔しい想いをしているはずの選手・スタッフの皆さん、大変お疲れ様でした。必ずしも報われないのがこの稼業の辛いところですが、いつか何かが繋がって巡り巡って戻って来ますんでね、信じて継続していきましょう。



4 件のコメント:

  1. アウェイ専用2022年11月2日 21:29

    もうちょいjを楽しむ予定でしたが残念です
    一年間お疲れ様でした
    開幕までゲン担ぎとか気にしないで好きなタイミングでカツを食べられることだけが嬉しいです

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    1. アウェイ専用様

      コメントありがとうございます。残念ながら終わってしまいました。内容的にも惜しかったので中々切り替え出来ない日々ですが、いつでもカツ丼を食べて中性脂肪を溜めて来季にコレステロールを持ち越しましょう。いややっぱりシーズンオフは野菜メインの生活ですね!!

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  2. とり、とり、どこ?

    って感じです
    画角的に試合後のゴール裏の出来事は分からない観戦位置だと思われますが、
    今回は、ちゃんとまとまてるよ、どころではなく・・・
    選手が嫌気ささらなければ居いなあ、と思います

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    1. 匿名様

      コメントありがとうございます。試合後のことはさっぱり分からないのですが、最も感情的になってしまう瞬間に起きたことなので、私はあまり気にしていないんですよね。みんな大人なので時間が解決してくれると思ってます。


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